Mar 28, 2006

法曹三者

オウム真理教・松本智津夫(麻原彰晃)の控訴審において、東京高裁は控訴を棄却する決定を出した。
控訴趣意書を弁護団が提出しなかったというのがその理由である。

元々、控訴趣意書の提出期限は昨年1月11日であった。しかし、弁護団が「被告と意思疎通ができず、趣意書は書けない」と主張したため、期限を8月末に延期。
また、精神鑑定を実施し、2月20日に「訴訟をする能力を失っていない」との鑑定書が出されていた。
一方、弁護側は独自の鑑定により「能力を失っている」と主張。
また、期限だった昨年8月31日、控訴趣意書の「骨子」を弁護団は高裁に持参しながら、鑑定への立ち会いなどを拒否されたことから提出しなかったという。
その一方で、東京高裁・須田裁判長らの忌避(変更)を求めたり、同高裁の了解を得ずに裁判所が選任したし背員鑑定医師に面会し、訴訟能力を否定した精神科医の意見書を直接手渡すなどしている。

私は裁判官を一律に支持する気は毛頭ない。
地裁レベルではおかしな判決もいくらも出ている。
しかし、今回は東京高裁のいう「鑑定方法などの問題と趣意書の提出期限順守の問題は、全く次元が異なる別個の問題。鑑定方法は裁判所の裁量に委ねられ、鑑定方法に納得できないとしても不提出が正当化されるとは考え難い」という見解を支持する。
今回の弁護側の手法が認められるのであれば、弁護側が納得するか否かだけで、一方的にいくらでも裁判を引き伸ばすことが可能になってしまう。
ましてや、積極的な妨害活動といってもよい行動までとっている。
そんなことが許されないのはいうまでもない。

ただ、今回、このような強硬策に打って出たのは、先日の弁護士未出廷事件が影響しているのではないだろうか。
その渦中の安田弁護士はオウム真理教教祖・麻原彰晃の弁護人を務めていた。 そして、裁判引き伸ばし策として法定未出廷という、手続きを人質にとるような手法をとり、世間から袋叩きにあっている。
これを見て、東京高裁は「いける」と最終判断したのではないだろうか。

いずれにせよ、一部(だと信じたいが)の弁護士の行動は眼に余る。
法曹の役割は、社会正義の実現にある。裁判においては公正な裁判の確保にある。
それぞれの役割(刑事においては検察=立証、弁護士=反証、裁判官=判断)は、そのための手段である。
しかし、一部の弁護士は「被告の罪を軽くすること」「死刑を出さないこと」など手段(の一部)であるはずのものが目的となってしまっている。
今一度、原点に立ち戻ってもらいたい。

Posted at 23:14 | WriteBacks () in 社会 | Edit
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