Dec 15, 2004
ドンキホーテ火災
ドン・キホーテ 放火断定 圧縮陳列で延焼か(産経新聞12月15日=Goo News)など、既に各所で報道されている通り、大型量販店「ドンキホーテ」浦和花月店が放火され、店舗を全焼した上で、店員3名が死亡する惨事になった。
今回の報道で「圧縮陳列」が槍玉にあがっている。
確かに、圧縮陳列をしていなければ、もっと逃げやすかったというのは確かだろう。ただ、圧縮陳列なくしてドンキホーテが成り立たなかったのも事実だ。
人命軽視をしていいという訳ではないが、圧縮陳列によるリスク(避難誘導のしにくさ)と平常時の販売メリットを考えて、どちらをどれだけ推進するかは経営戦略であると思う。
例えば、問屋街や電気街の専門店は昔から圧縮陳列の原形のようなことをしていたし、最近の100円ショップや雑貨屋などはドンキを真似たような陳列をしている。
圧縮陳列がビジネススタイルとして優れたものであるということだろう。
逆にいえば、今回はたまたまドンキホーテだっただけで、こうした店にも同じような危険は潜んでいるといえる。ことさら、ドンキホーテの圧縮陳列をあげつらうのは、それを世間に広めたということだとしても、いささか行き過ぎのような気がする。
ましてや、最新の情報では死亡した3名は、一度店外に出た後、避難の最終確認のためか店舗に再突入(なんという献身ぶり!)したという証言が出ている。これが本当だとすると、圧縮陳列は直接の理由にはならなくなってくる。
……が、一度、報道で定着してしまった悪印象をぬぐうことは困難だろう。今後、圧縮陳列が必要以上の悪イメージをもたれてしまうことを危惧する(もちろん、通常の陳列よりリスクが高いことは知っておくべきだが)。
消防法違反についてもとりあげられているが、これは何もドンキホーテだけの話ではない。普通に店舗を訪れても、防火シャッター前や消火栓まわりに商品が陳列されているのを目にすることは容易だ。また、百貨店などではバックヤードの階段は在庫置き場と化しているのも、よくあることだ。
もちろん、消防法違反は責められるべきだが、ドンキホーテだけが防火にルーズであるかのように誤解される報道は実態ではない。こうした業界の慢性的な問題として取り上げていかねばミスリードになる。
今回の事件で、最も責められるべきは、ドンキホーテではない。
放火犯人そのものである。
現在のマスコミは、叩きやすきところを叩いているだけにしか見えず、この単純な事実を無視しているかのように報道しているのが大いに疑問だ。
と、ドンキホーテを擁護するかのような論を並べたが、実は私は会社としてのドンキホーテはあまり好きではない。
マスコミに“ヒーロー”扱いされた薬の深夜販売で厚生省と揉めた時(これはこれでドンキが“突破”することを応援していたが)も、顧客の利便性の追及=売上拡大という動機に忠実だっただけだ。同じ動機から、24時間営業を拒否されたので閉店後数分で開店というような行為をしたこともあるし、残業代未払い問題、仕入業者に人員派遣を強要したなどして告発されたり(後2者は一般的に見られることでもあるが、ドンキホーテの場合はその規模が尋常ではないようだ)もしている。
企業倫理という観点からいうと問題あり、ということだ。
writeback message: