Sep 07, 2004

市民球団・広島カープ

プロ野球・臨時実行委でのオリックスと近鉄の合併の議決で、広島東洋カープだけが棄権した。出席した鈴木球団副本部長は「われわれはファン、地元の声を無視できない。親会社を持つ他球団のスタンスとは違う。ただ法的に機構もきちんとしてきている。反対とは言えないから、あえて棄権させてもらった」と理由を説明したという。
現在では正式には“市民球団”ではなく、マツダ(旧・東洋工業)を経営母体としているカープだが、他の球団のように親会社からの支援をうけているわけではない。
12球団唯一の球団による独立採算で経営を行い、まがりなりにも黒字を出している(らしい)。
他球団と比べて、収入面で恵まれているわけではない。グッズや観客動員の売上が高いわけではなく(むしろ観客動員は低い)、巨人戦の放映権料に頼っているところはセの他球団と同じだ。
だから、抑えているのは支出である。
広島はFA市場には手を出さず、また、自球団FA選手を高額で引き止めるようなことはしない。身の丈にあった選手年俸総額を守っている。
確かに、その結果として、広島は弱体化した。
しかし、このカープの経営姿勢こそが、本当の“球団経営”なのではないだろうか。

かつて、広島東洋カープが広島カープであった頃。
チーム廃止(合併)がほぼ規定路線であり、資金不足にあえいでいた球団を救ったのは広島市民だった。
新聞社や役所におしかけて廃止(合併)撤回を訴え、自身の生活に困窮してもカンパを行った。勝手連的後援会がいくつもでき、毎試合球場の前におかれた樽には多くのカンパがよせられた。
その記憶を、広島東洋カープは忘れていない。
プロ野球球団がファンによって支えられているのだということを、一番、知っている球団なのかもしれない。

巨人戦に収入を頼っており、それがなければ赤字になる(しかも、補充の宛がない)という経営上の問題を差し引いた上でも、今回の広島の“棄権”は、“球団”を“経営”している唯一のチームの見解として、非常に重い。

Posted at 09:07 in 社会 | WriteBacks ()
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