Apr 29, 2006

反対運動のための反対論

人権擁護法案反対運動をはじめとする各種の反対運動、抗議とは“手段”である。
法案なら可決させない、報道ならそうした報道をさせないという“目的”を達成するための“手段”である。

この手段は大きく分けて2つの方法にわかれる。
直接アプローチと間接アプローチである。

直接アプローチは、該当する案件に直接的な影響力・決定力をもつ相手に対する運動・抗議となる。
法案なら政治家だし、TV番組ならTV局ということだ。

間接アプローチは、直接アプローチ対象に影響力のある相手や世論を喚起することで、その案件に圧力を加えるものとなる。
街頭活動などはここに入る。
この間接アプローチも大きくは2種類に分かれる。“仲介”と“草の根”とでも名付けておこう。
“仲介”とはマスコミや著名人を通して、一度に広く訴えるやり方だ。効果は高いが、マスコミや著名人を動かすにはそれなりにノウハウや知己も必要である。
“草の根”とは、街宣、ビラ配りなど、直接、一般市民に呼びかける行為である。効率は決してよくないが、堅実な活動だ。

さて、このいずれもに共通するのは、相手を「納得させる」ということだ。
この時、必要になるのが、いわゆるTPOというやつである。
「この法案は***という団体が支持を表明しているのであやしい!」
という手合いの論法は、自分が反対の根拠とするには十分だし、自分と考えが近い人間には効果がある。が、例えば「新しい歴史教科書」についても、支持を表明している団体には、宗教団体や右翼団体など、一般的に“アヤシイ”団体がいる(支持を表明するのは自由だ)。だから、賛成反対の議論の根拠とするには不十分な論拠である。
また、その団体を知らない人間には、そこを前面に押し出されても納得する材料にならない。

あるいは「ネットで話題になっている」というような言い方は、例えば秋葉原や渋谷など若い人間(=インターネット利用率が高いであろう層)相手には、一定の効果をもつが、例えば丸の内や新橋など中高年層相手には逆効果ということにもなりかねない。ネットを「うさんくさい」「危険な場所」とおもっている人も、まだまだたくさんいるのだ。

だから、反対論を広く展開するには、反対論を展開するための技術も磨いてほしい。
一歩、引いてみて、自分の論が、訴えようとする層に届くようなものなのかを考えるべきである(ディベートの技術が適用できるだろう)。
プロ市民と呼ばれる人々は、こうした運動技術に対しては、一日の長がある。
そうした部分は、取り込んでいかねばならないだろう。

もっとも、目的のために手段を問わないような部分は、真似るべきではないが。

売行好調?

「危ない!人権擁護法案」は、Amzonでは発売日にいきなり在庫切れになった後、今は4~6週間の納期になっています。
これはバックオーダーってことでしょうか?
どのくらいの刷り数かは気になりますが、少なくとも、Amazonの想像よりは売れたということですね。再入荷にも時間がかかっているということは、展転社さんの予想よりは売れたということでしょうか。それなら、嬉しいことなんですけど。
……まあ、楽天では在庫あるみたいですが(^^;

Apr 26, 2006

『危ない!人権擁護法案』出版日程正式決定

ついに決定、4月28日です。

展転社 ISBN: 4886562825
A5並製/192頁、本体1500円+消費税。

アマゾンでも購入可能です。
ご一読のほどを。

Apr 14, 2006

『危ない!人権擁護法案』出版日程

既報した『危ない!人権擁護法案』ですが、四月二十四日~の週には店頭に並ぶとのことです!
価格は1,570円。

Amazonでは、こちら

みなさん、是非、ご一読を。

Apr 13, 2006

日本、国連人権理事会理事国に立候補

日本、国連人権理事会理事国に立候補(朝日新聞4月12日)という報道が出ている。
この、国連人権理事会、あの悪名高き国連人権委員会が改組。格上の理事会とすることで機能不全の組織を改善しようというものである。が、米は理事国への立候補を見送る(→産経新聞4月7日)など波乱含みの代物。

日本は理事国になることで、この人権理事会発の様々な報告・勧告を積極的に受け入れるということになろう。
そうなれば、人権擁護法案が、またぞろ“バックボーン”をえて復活しかねない。
この人権理事会の理事国占拠には、注目しておく必要があろう。

もちろん、この考えが杞憂におわり、理事国としての日本が人権理事会を正常な方向に導いてくれるのであれば、それにこしたことはないのだが……

Apr 02, 2006

『危ない!人権擁護法案』緊急出版決定

人権擁護法案に反対する、あの歴史的な事件となった昨年4月4日の日比谷公会堂の国民集会から一年。これを期して、人権擁護法案反対本『危ない!人権擁護法案』が緊急出版されます。
国会で人権擁護法案が阻止されたあと、鳥取では人権条例が可決され、千葉では障害者差別撤廃条例が提案されました。しかし、人権擁護法案で立ち上がった全国の有志が、再び結束して反対し、鳥取は施行の無期限延期条例を勝ち取り、千葉は継続審議に追い込まれました。
ですが、人権擁護法案の危機は依然として続いています。
そうした意味で、緊急出版と銘打たれたのことです。

執筆には、反対運動に取り組まれた方々が多数参加。可能な限り「全員参加」でつくりたいとの願いが、こめられています。 内容的にも、この一年間の活動の記録と、人権擁護法案に反対する理論的な根拠をしっかりと示されており、これまでにない本になったということです、

4月20日発売予定ということですが、まだ流動的らしいですね。 ただ、出版自体は確定ですから、是非、みなさん予約を!

『危ない!人権擁護法案』
発売元 株式会社展転社 1,575円(税込)
編 人権擁護法案を考える市民の会

【主な執筆者と内容】(敬称略)
・櫻井よしこ
・業田良家
・長谷川三千子
・木村晋介
・百地章
・乙骨正生
・水島聡

・平沼赳夫-櫻井よしこ対談
・古屋圭司インタビュー
・城内実-米田建三対談
・古川禎久インタビュー

・谷智彦
・紺野究
・渡辺眞
・松浦芳子
・吉田将志

・ビラ配りに参加して―投稿集
・ネット草莽の士―座談会

・資料編


Feb 25, 2006

政治の季節がやってきた

以前、政治の季節がやってくるというエントリを書いた。
そして、実際に政治の季節が到来したことを告げるニュースがあった。

鳥取県人権条例、施行無期限延期案提出…抜本的見直し(読売新聞2月24日)

鳥取県人権条例が、事実上撤回されたということだ。
様々な要因はあろうが、ネットなどの反対運動がその一翼を担ったことは間違いない(どの程度の影響か、というのはまた別だが)。
これは、ネット発の“政治活動”が成果をあげたという前例になる。
そして、それは、大きな“やりがい”を、ネット発の政治活動に与えた。
今後、しばらくは成果があがたなかったとしっても、この成功例そのものが動機となりうる。

今、政治の季節はやってきた。
それがどのくらいの花をさかせ、そのくらいの長きにわたるのか。
あるいは、それが常態となるのか。
今、日本の政治は一つの分水嶺にあるのかもしれない。

Dec 19, 2005

運動における陰謀論

「陰謀論」という言葉を、ここでは「ある事象に対して、それを推進・引き起こしたのは、直接的に表にでてきない、ある団体(グループ)だと論じる」ことと定義する。
例えば「アメリカのイラク戦争はユダヤの陰謀だ」とかいうやつだ。

この陰謀論にはソースがある場合と、ない場合がある。
ソースがないまま、状況証拠と推測から積み上げていくと、世に言われるトンデモ本が出来上がる。もちろん、説得力のある推測(推論)ができるのであれあば、「日本の黒い霧」(松本清張)になるのだが。

一方、ある程度のソースが存在する場合がある。
「郵政民営化はアメリカが要望していた」というようなものだ。
この場合、陰謀論はある程度はあっているということになるが、どの程度の“影響力”があるのかはまた別途検討する必要はあるだろうが。

さて、ここで遡上にあげたいのは、後者の場合である。
少なくとも「積極的支持」を表明していれば、その事象は、その団体にとっては有利に働くものであるといえる。
そして、その団体が「よからぬ団体」である場合、その事象を実現することは、一般大衆にとってどうなのか? という疑念が沸くというのは当然だ。
これは、個人レベルでは十分な動機になる。
が、必ずしも社会レベルでの動機には足りえない。

前置きが長かったが、「人権擁護法案反対」を訴える人の中には「部落開放同盟が法案を支持しているからあやしい」というように法案支持団体を理由をあげる者もいる。
先にも述べたように、これは個人レベルでは反対の動機にするには十分だ。
また、自分と思想を同じくするもの──その団体について見方を同じくするものにとっては、動機付けすることができる。
だが、人権擁護法案反対を運動として広げていこうとするのであれば、政治や社会に対して特別に関心がない人を巻き込んでいかなければならない。
その時、「陰謀」を行っている団体は“一般人”にとって、脅威として捉えられている団体だろうか?
もし、捉えられていなければ、ある団体の誹謗中傷としてとらえられ、逆に法案成立に世論を傾かせかねないだろう。

あるいは、その団体がいくら“悪の団体”だったとしても、支持している事柄までもが“悪”であるとは限らない。
例えば、オウム真理教は世間的には“悪の団体”だが、彼らが主張する“信教の自由”は(自己防衛のための利己的動機であっても)保障されるべき事柄である。
また、暴力団(ヤクザ)はその儀式の形式として神道を用いる場合が多いが、だからといって神道が非難されるのはおかしいだろう。

人権擁護法案反対の声を広く一般市民に広げていこう、というのであれば、陰謀論を展開していくことはマイナスだ。
あくまで法案の中身に対する評価で、反対運動は広げていくべきだろう。




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