Jul 27, 2004
理念なき野球界
プロ野球界が揺れている。
近鉄の経営危機と、その回避策としてのオリックスとの統合からはじまって、1リーグ制への移行という話がでてきている。
状況証拠からすると、去年の契約更改頃からシナリオができていたように思えるが、それはともかく。
この騒動では巨人軍オーナー・渡辺恒雄氏が悪役となっているが、本質的問題はそこではない。
よく比較されるJリーグをここでも俎上に載せてみよう。
Jリーグ発足当時の川淵チェアマンは、読売クラブオーナーだった渡辺氏と議論を戦わせ、自分の意見を押し通すくらいの強引さをもち、あるいは日本人有力選手は海外に流出。Jリーグそのものも強いチーム、弱いチームが固定されている。
こうしてあげてみると、渡辺氏とあまり変わらないことをやっているとも見えるだろう。
であるのに、この“好感度”の違いはどこからくるのか。
ファンに対して“うける”ことをやっているかどうかという違いはあるが、それは表面的なことで、本質的には“理念”があるかどうかが決定的な違いであろう。
川渕氏は明確だ。
「日本代表チームをワールドカップで優勝させること」
Jリーグも、プロ化をしなければ代表チームが強くなれないという論法で設立している。
それに対し、渡辺氏には理念がない。8球団1リーグを唱えているが、それは手段であって目的ではない筈だ。8球団1リーグの目的は“野球の人気回復”“経営改善”“巨人の立場を守る”というようにしか、ファンには理解されていないのではないだろうか?
これではファンに総スカンをくうのは当然だし、そもそも理念ですらない、ただの場当たり的な短期目標、戦術目標にすぎない。
もし、渡辺氏が、「プロ野球を大リーグに勝るリーグにする」という理念をうちだし、そのための手段として「プレイの質を高めるために少数精鋭=8球団1リーグにする」というように明確に示していたら、どうだっただろうか。
もちろん、反対意見は多かっただろうが、少なくとも賛成意見はずっと大きくなっていたに違いない。議論も「理念には賛成」「手段をどうしたらいいか」というようになっていただろう。
理念をわすれたプロ野球界は、このままでは衰退するだけだろう。
そして、日本プロ野球黄金時代の終わりが、この2004年だったと回顧されるのかもしれない。
追記
川淵キャプテン、ライバルのプロ野球界に辛口提言!(サンケイスポーツ9月18日) というわけで、やはり、「理念の欠如」と「改革阻止の立場」を批難している。
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