Oct 26, 2005
靖国参拝問題・続報
まずは“特定アジア”の動き。
威勢良く“反日”をぶちあげていた韓国であったが、「訪日取消し」:5日後に「日本公式訪問」発表 世論の非難集中(毎日新聞10月25日 = MSN-Mainichi INTERACTIVE)というわけで、韓国・潘基文外交通商部長官が小泉首相の靖国神社参拝に抗議し、訪日計画を取り消してからわず5日でこれを撤回してしまった。
世論の問題は別として、外交的には交流を絶って困るのは韓国側であるということが露呈したといえよう。
中国:小泉首相靖国参拝後の週末、反日デモなし 政府、安定を優先--規制実る(毎日新聞10月23日 = MSN-Mainichi INTERACTIVE)という記事が出ている。『北京の反日団体関係者は「現在はデモに関する管理が厳しい」と、当局が反日活動に規制をかけていることを認めた』とされており、日本への批難を続けてはいるが、国内の「反日デモ」は抑え込むというかたちだ。
これは、大規模なデモは中共での社会不安の増大という形で国際社会でとらえられ、北京五輪に向けてマイナスイメージを与えることを避けるということがあろう。そして、それがゆえにデモは抑制をとらせねばならず、過激化すれば中共治安機関は“鎮圧”にのりだせなばならなくなる。それが積み重なることで、当初は「反日」だったデモが「民衆vs政府」という構図に容易に転化しうるだろう(先の反日デモ(暴動)の際にも、“反日”という名目は日頃の様々な不満に対して意思表明(あるいはガス抜き)をしたいことの「表向きの看板」として使われたという分析があったくらいだ)。
してみると、外交レベルでの批難というのは、既に外交ではなく内政問題──中共国内の反日デモを封じ込めに対するガス抜きであるとみなすことができよう。
こうしてみると、靖国参拝を強行した小泉の「外交手腕」はたいしたものだといえる。 結果として中韓からの外交カードではなくしてしまったのだから。
次に国内。 いつも通りの反応なところはスルーするのだが、こんな報道があった。
「反対派の論理破綻」民主・野田氏(産経新聞10月26日 = Sankei Web)というものだ。 これによると、民主党・野田佳彦国対委員長が首相の靖国参拝に関して政府に提出した質問主意書は次のような要旨であるという。
「A級戦犯」と呼ばれた人たちは戦争犯罪人ではない。戦争犯罪人が合祀されていることを理由に首相の靖国参拝に反対する論理はすでに破綻している。「A級戦犯」に対する認識を再確認することは、人権と国家の名誉を守るために、緊急を要する。
「A級戦犯」として有罪判決を受け禁固七年とされた重光葵は釈放後、鳩山内閣の副総理・外相となり、勲一等を授与された。同じく終身刑とされた賀屋興宣は池田内閣の法相を務めている。これらの事実は「戦犯」の名誉が国内的にも回復されているからこそ生じたと判断できる。
重光、賀屋らの名誉が回復されているとすれば、同じ「A級戦犯」として死刑判決を受け絞首刑になった東条英機以下七人、終身刑ならびに禁固刑とされ、服役中に獄中で死亡した五人、判決前に病のため死亡した二人もまた名誉を回復しているはずである。
「A級戦犯」とは、極東国際軍事裁判当局が事後的に考えた戦争犯罪の分類であり、法の不遡及(そきゅう)、罪刑法定主義が保証されず、法学的な根拠を持たないと解釈できる。
素晴らしい。 保守論壇やネット上の保守系ブログの主張とほぼ同じだ。これについては、私も高く評価する。
ちなみに、少し調べてみたが、野田氏は早稲田大学政経学部・松下政経塾出身。日本新党から新進党を経て民主党ということで、一般には保守派として分類されているようだ。
また、平成14年8月に世代交代を狙った「第二期民主党をつくる有志の会」を前原民主党代表と結成しているし、今回の代表選びでも、前原を推し、中堅・若手議員をまとめる行動を見せている。
となると、前原とは近い関係にある(松下政経塾の先輩後輩でもある)といえよう。
代表と近しく国対委員長という要職にあるものが“自民党より右”という発言を行った意義は大きい。
この野田氏の質問主意書に答えた政府答弁書は靖国問題で政府答弁書決定 「戦犯」は存在せず 公式参拝であっても合憲(産経新聞10月26日 = Sankei Web)となっている。
「連合国によって「戦犯」とされた軍人・軍属らが死刑や禁固刑などを受けたことについて、国内法上は戦犯は存在しない」と、野田氏の見解を認めた形だ。
もちろん、これには根拠がある。
比較的冷静な分析として日々不穏なり::靖国補論(2) 戦犯の名誉について(yasukichi氏)を紹介させていただく。
おそらく、政府答弁もこれとほぼ同じ理論なのではないだろうか。
拘留されていた人は全て赦免・釈放されており、戦犯として扱われていた期間のために恩給・年金などが不利にならないよう立法され、また、命を失った者は「法務死」として戦死、戦病死に準じて扱われこととなっている。
「現在の国内法上、戦争犯罪人として取り扱われている人はいない」ということなのだ。
戦犯赦免釈放を求める国民運動の署名四千万人を背景に、昭和28年「戦争犯罪による受刑者の赦免に関する決議」が全会一致(社会党も!)で可決したという事実が、今日では埋もれている。
この答弁は、それを現代によみがえらせる契機になるのではないかと期待している。
……ちゃんとマスコミがとりあげてくれれば、だが。
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