Sep 22, 2005
惨敗の奇妙な言い訳
臨時国会が開幕し、各種メディアでの“選挙総括”も一通り終わった感がある。
様々な意見が出ているが、民主党支持者の一部には、醜態といっていいような見苦しい“言い訳”している例がある。
その中でも特に疑問に思うものをとりあげて、批判をしてみたい。
・小選挙区制の欠陥
議席数の違いほど、得票率は開いていない。これは小選挙区制の欠陥に乗じて自民党が勝利しただけで、民意を反映していない──というものだ。
まず、これが小選挙区制度の欠点であることは、私も大いに肯定する。
ただし、この制度は、それをわかっていて取り入れられたものだということを忘れてしまっては困る。
小選挙区制度は政治改革を図るという目的のもと、政策主導、金のかからない政治、政治のダイナミズム(導入当初でいえば、55年体制打破)をメリットとして掲げて導入されたものである。
「金」に関してはあやしいものの、マニュフェストが積極的にいわれるようになり政策はずっと表にでてきた。また、自民党内の派閥も崩れはじめ、党主導の選挙になりつつあり「政策主導」は実現しつつある。
また、今回の自民党大勝はまさにダイナミズムの実現であり、小選挙区制のメリットはきちんとあらわれているといえよう。
裏を返せば、野党にも「大勝」の可能性があるということが証明されたわけであり、そうした導入当初に予想したとおりのメリットとデメリットが出たことを、民主党が大敗したからといって騒ぐというのは見苦しい(選挙前から指摘していたというのなら別)。
第一、前回までも“民主党躍進”も小選挙区制度下のものであり、小選挙区制度の欠陥を指摘するのであれば、民主党躍進にも疑念を抱かねばならないだろう。
そもそも、大選挙区制でも中選挙区制でも、それぞれにデメリットがあり、ベストの選挙制度は存在しないというのが常識である。デメリットだけをあげつらっても意味がない。
各制度も含めてメリット、デメリットを比較して論じなければ意味をもたない。
・マスコミが自民寄り
今回は刺客騒動に対する報道など、自民党の戦略にはまった感は否めない。
しかし、当サイトでも社説分析をしたように、マスコミのスタンスは朝日を中心に反自民(小泉)のものも存在した。
私は「ベター」という意味で、自民党を支持しているが、その目から見れば民主党(野党)寄りと思われる報道が多かったような印象をうけている。
かつて、93年にテレビ朝日・椿貞良取締役報道局長が、民放連・放送番組聞査会で総選挙について「非自民政権が生まれるよう報道せよ、と指示した」と発言したことが問題になったが、TBSの石原都知事発言捏造問題、03年のTV朝日における藤井孝男元運輸相の発言合成事件、また同年同局の衆院選中の民主党「菅内閣閣僚名簿」の長時間放映など、「反保守」報道は綿々と存在する。今回の開票特番でも、自民党躍進に苦々しいコメントを吐いていたコメンテーターを擁する番組があったことで、各局のそれまでの報道スタンスもすけてみえようというもので、自民党一片よりでなかったことがわかろう。
また、これについても、少なくとも上記で触れた93年の第四〇回総選挙の結果についても批判されるべきであろうし、「民主党寄りだ」と自民党が批判している前回までの選挙時の報道についても分析をするべきであろう。
それをせずに今回だけを批判しても、「ためにする」批判としかみえない。
・IQが低い、低所得者が自民党を支持した
この情報が真実かどうかは別として、それで自民党が勝ったことがなにか悪いのでしあろうか? IQが低かろうと、低所得であろうと、ニートであろうと、老人であろうと若者であろうと、成人であれば等しく一票をもつのが普通選挙制度であり、彼らの票はまぎれもなく“民意”だ。
もちろん、普段から制限選挙制を唱えているのであれば、大いにこういう主張をされるべきだが。
それにしても、これが事実だとするのであれば、反小泉派がしきりに主張している「小泉政治は切り捨て政治、勝ち組優遇政治」というものが、その切り捨てられる筈の層に指示されたという、誠に奇妙なものになる。
もちろん、まともな民主党支持論もある。
「ベター」を選ぶのが選挙だとするならば、民主党がやるべきことは「自民党への攻撃」ではなく、「自民党よりベターな政党になること」だ。
支持者の方々も、そこに向けての議論をしていくべきではないだろうか。
私が望むことは“日本がよりよい方向にすすむこと”であるので、自民党より民主党がベターな選択肢になるのであれば、それは、大いに歓迎し、投票しようと思っている。
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