Aug 30, 2005
公示日、各新聞の社説
ついに公示日。
各新聞の社説を眺めてみよう。
『討論で明らかになった論点は、民主党の岡田克也代表が郵政民営化支持を打ち出したことなどだ。(中略)では、先の国会でなぜ、こうした郵政民営化賛成論を示すことができなかったのか。岡田代表は政府が提出した郵政民営化関連法案については「中身が問題であり、反対だ」と力説したが、民主党は対案を法案としてまとめるべきではないか。』
『年金目的消費税の導入を公約に盛り込んでおり、岡田氏は3%(現行税率と合わせると8%)と語った。』
『税負担は将来の課題と首相が主張する限り、論議は深まらないのではないか。』
『靖国神社参拝問題について首相は「参拝しないで中韓との関係がよくなるとは思っていない。四年間の小泉政治の実績から判断してほしい」と語った。岡田代表は中韓との信頼を築くことを優先したいと述べた。戦没者慰霊という国の在り方にかかわる論議も詰めることが不可欠だ。』
基本的に自民党(小泉)支持が明確。
靖国参拝問題では参拝すべきであるといっているのもわかるし、郵政民営化では民主党のふらつく対応を批難している。
増税は自民党だけでなく民主党もいっていることと強調し、武部幹事長の増税発言をカバーしようとしているようだ。
『小泉首相は、郵政民営化の是非で国民の判断を仰ぎたいとし、「経済活性化、税負担軽減のためにも必要だ」と主張した。』
『民主党の岡田代表は年金改革を前面に掲げ、「危機感を持って日本を刷新したい」と政権交代へ強い意欲を示した。』
『首相は、自民、公明両党が過半数を得れば反対した自民党の参院議員も賛成に回ると言うが、成立の見通しが立つのかどうか。明確な説明を聞きたい』
『岡田氏は、郵便貯金と簡易保険に関して「将来的には民営化か廃止しかない」と述べた。そうであれば、首相が言うように、なぜ法案審議中に対案を示さなかったのか。どんな手順で民営化や廃止へ向かうのかも、明らかにすべきだ』
『首相は消費税率の引き上げ時期に初めて触れ、「2007年度は早いと思う」と述べた。岡田氏は、当面、歳出削減に努める3年間に年金目的消費税を創設するとし、「その後は増税を考えざるを得ない」との考えを示した』
基本的に、各党の主張を列挙したものである。
ただ、民主党の郵政民営化へのふらつく対応を批難するとともに、民主党が増税路線であることも明記した。
比較的中立に見せながら、自民党支持という主張を混ぜ込んでいるのがわかる。
『自民党の内紛に関心が集中した』
『議院内閣制の下では、与党は総裁を降ろし、より指導力のある総裁を新首相にするのが筋ではないだろうか』
『参院の法案否決に衆院解散で応じるという奇手を使った』
『反対派を公認せずに党から追放し、代わりに直属の親衛隊に差し替えることによって、小泉・自民党を純化し、総裁としての統治力を回復しようとする作戦』
『政治手法としては、国民の目に見える場に党内抗争をさらしたという意味で、旧来の談合政治、派閥政治からは脱皮している。この新しさが、国民の高い関心を呼んでいる要因だろう』
『小泉首相が望んでいるのは、野党を相手に政権選択を競うのではなく、党内を純化するための「小さな構図」の選挙といえるだろう』
『総選挙の主役は有権者である。「国民投票」だという首相の都合に付き合う必要はない』
『自民党も、野党の挑む論争から逃げて、争点は郵政一本だけというわけにはいかない』
『自民党のマニフェストは郵政民営化さえ実現すれば、「この国のかたち」を作る外交・安全保障まで展開できると明記している。それについて首相は「経済力の発展がなければ戦略的な外交も進んでいかない」と説明したが、論理があまりにも粗雑だ』
解散直後の社説では比較的中立的だった社説だが、ここにきて反自民を明白にしてきている。
小泉首相の郵政解散の手法を批難し、“直属の親衛隊”などという言葉を使ってイメージ悪化を狙っている。
また、解散を自民党内抗争に矮小化するとともに、郵政民営化一本に絞って支持率をあげた戦術に対抗するためか「争点は郵政一本だけというわけにはいかない」とした。
野党にも言及はあるが、具体的な批判は自民党にだけに集中しており、立ち位置がよくわかる社説だ。
『郵政民営化もその重要な手立ての一つである。とはいっても、それだけを判断の基準とするわけにはいかない。郵政改革を先送りしてでも別の政策を優先するという選択もありえるだろう』
『国際社会、とりわけ近隣諸国とどう安定した関係を築くか。自衛隊のイラク駐留の是非も有権者には重い課題だ。』
『政権交代可能な政治の枠組みが必要』
『残念ながら、自民党の公約は食い足りないところが多い。』
『首相の靖国神社参拝でずたずたの中国、韓国との外交をどう立て直すのか』
『首相は政権を維持できたとしても、自民党総裁の任期が切れる来年9月で退陣すると言っている。ではその後の責任はだれがもつのか。後継の首相候補を示すか、次の総選挙までの続投を表明するのが筋ではないか』
『マニフェスト選挙を主導してきた民主党は、さすがに一日の長がある』
『構造改革はつぎつぎと骨抜きになった。』
『共産党や社民党が指摘するような「勝ち組と負け組がはっきりした格差社会」をどう見るかだろう』
『「自民党は変わった」と胸を張る首相に引き続きゆだねるか。「政権交代で日本刷新を」という岡田氏に夢を託すか。』
『(民主党は)大きな争点である郵政改革で将来像を示せなかった。民主党には労組系を中心に民営化反対派もいる。党としてまとまることを優先するあまり判断を先送りしたとすれば、政権党としての責任感に疑問符が付く』→『民主党には制約もある。総選挙で過半数を占めても、少なくとも2年後の参院選までは参院で少数与党になることだ。だから、多くの政策の実現目標を3年後に置くしかなかった。』
えーと、民主党の機関紙でしょうか?
批判は自民党に集中。民主党は「責任感に疑問符が付く」と批判しているように見えて「民主党には制約がある(中略)多くの政策の実現目標を3年後に置くしかなかった」とフォローをいれてしまう。民主党のマニュフェストに「一日の長がある」などという持ち上げ方をした社説は他社にはみあたらない。
批難は自民党に集中しているし、「後継首相候補を示すべき」などという主張もおかしなものだ。自民党総裁は自民党員によって決まるものであり、前総裁が後継総裁を指名できるような独裁的なものではないはずだ。任期延長にしたところで、党則改正などが必要な筈で、そうした手続きを無視した“独裁”を朝日は政権与党に求めているのだろうか?
しかし、何より悪質なのは、イラクからの引き揚げを望み、中韓との外交関係悪化は首相の靖国神社参拝のためと断じ、「格差社会」になったと決め付けていることだ。各党を論じているように見えて、朝日新聞“独自の見解”を主張しているのである。
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