Jul 30, 2004

参院選の結果の読み方

遅ればせながら、参議院選挙の結果の分析なぞ。
まず、今回の結果をもう一度まとめ。

自民 49 (-1)
公明 11 (+1)
民主 50 (+12)
共産  4 (-11)
社民  2 (±0)

 マスコミに一般には「自民敗北、民主躍進」として報道されている内容だ。
 しかし、これを前回選挙である2001年と今回の改選である1998年の選挙結果と一緒にしてみよう

政党名04年01年98年
自民496546
公明1113 9
保守-- 1--
民主502627
自由-- 6 6
共産 4 515
社民 2 3 5
無所 5 218

 今回、自民党の改選前議席として示された「50」というのは、実は選挙結果ではない。政界再編といわれた政党の烏合離散の中で、旧自由党→保守党の参議院議員が合流しているために選挙のあとに増えた数字である。

 98年の選挙では46議席しか獲得していないので、選挙同士で比べれば「+3」だったのだ。ただし、98年の参院選は景気の悪化と政界再編の余波で自民党が大きく議席を減らし、橋本総理(当時)が退陣するに至った「大敗北選挙」であったから、これより伸びているのは当然だろう。
 一方の民主党も、同じ理由で議席が選挙結果より大きく増えている。単純に増減からいえば、共産党から丸々かっぱいだようにみえるが、選挙結果からすると倍近い増加ぶりで、共産党だけでなく、旧自由党基盤を順調に取り込んだ上で、無所属・諸派に流れていた票もがっちりとまとめたということになろう。

 01年の選挙と比較してみると、自民党は大きく票を減らし、やはり民主党は大きく票を伸ばしている(そして、共産党はこの時にはすでに没落している)。
このことからも、「民主党勝利」という報道は間違っていないし、55年体制時の旧社会党に匹敵する大政党になったといえよう。

 さて、ここからが考察だ。
 自民党は01年は「大勝」であった。小泉ブームがあったからである。だから、ここから減っているのはやむをえない。
 しかし、逆にいえば、自民党の“実力”は50議席前後で、あとは何かしらの“風”を得ないと上積が難しくなっているということだ。
 民主党は、まだ実力が50議席になったとは思わないほうがよい。
 このところの参議院選挙では、「10~15」議席が“浮動票”となっていると思われるからだ。
 98年には批判票の形で共産党に入っていた票。
 01年には小泉ブームで自民党が“上積み”した票。
 それが今回、批判票の形で民主党に入ったと考えると、獲得議席数の“増減”が説明できてしまう。
 つまり、民主党が“役立たず”と有権者に思われれば、民主党の次回の獲得議席は35~40議席程度になり、違う政党に議席を与えることになるだろう。

 まとめると、自民党は98年の選挙よりは勝ち(=議席を伸ばし)、ほぼ改選議席を守った。これにより「自民党は負けなかった」と評価できる。
 一方、「民主党は勝った」が、それは浮動票の取込によるもので、「まだ民主党の実力にはなっていない」と評価できよう。
 民主党は、かつて、“マドンナブーム”と“おたかさんブーム”で89年の参院選挙で46議席を獲得した旧社会党が、今や社民党として2議席しか獲得できていないことを、他山の石とせなばなるまい。

Posted at 16:53 in 政治 | WriteBacks ()
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