Nov 30, 2005

「萌え」の定義

すでにニュース番組などでも登場するようになった単語、「萌え」。
だが、これを説明しろ=定義しろとなるとなかなか難しいようだ。
じゃあ、というわけで、定義に挑戦してみよう。

まずバッサリいけば、「萌え」という単語は、「性的興奮」をあらわす言葉だと定義できよう。欲情をあらわす「ハァハァ」などという擬音と同時に使われていることが多いことでも、それは理解できる。
ただ、この場合の「性的」とは、“セックスの対象”というだけでなく、「かわいい」という程度のものから含んだ、かなり広い意味でのものだ。
従来の言葉でいえば「そそる」とか「グッとくる」というようなものを、もうちょっと広い範囲にしたようなものか。

では、なぜ、わざわざ区別して「萌え」という単語が定着したかといえば、熱中するとか興奮するというような意味で使われていた「燃え」と被せた上で、柔らかいイメージをだす漢字を見つけ出してきたという「うまさ」があろう。
それと、もう一つ、その“対象”が従来と違うものだったということではないか。

「萌え」の対象として思いつくのは、まず、ヲタク文化に属するものだろう。アニメキャラやフィギュアなどはその典型である。
そいてもうひとつは、ヲタク文化圏外でも、一般社会において性的興奮の対象と見られていないもの、あるいは性的興奮の対象と公言するものが憚られるものというのがあげられるのではないだろうか。いわゆるフェチとしてカテゴライズされるようなものだ。
後者についていえば、「セックス」を「H」と言い換えることで、ゴールデンタイムのテレビでも口にできるようになったようなものだ。「メイドに欲情するよね」より「メイド萌え」というほうが口にしやすいといえないだろうか?

以上、まとめると「萌え」とは

・「(かなり広い意味での)性的興奮」を表す
・対象が「ヲタク文化」に属するもの
・対象が一般社会において「性的興奮の対象と見られていないもの」
・対象が一般社会において「性的興奮の対象と公言するものが憚られるもの」

である。

もっとも、これは私の私論でしかないし、言葉は生き物だ。
「萌え」という単語が一般化していくにしたがって「性的興奮」という意味はそのままでも、限定されていた対象も、一般的なものまで含めた広いものになっていくであろう。
そしてまた、新たな言葉が生み出されていくに違いない。

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Nov 22, 2004

ドラえもんの声変わり

ドラえもんの声、交代へ…大山のぶ代ら来春降板(産経新聞11月22日)ということで、ドラえもんの声優陣、大山(ドラえもん)、小原乃梨子(のび太)、野村道子(しずか)、たてかべ和也(ジャイアン)、肝付兼太(スネ夫)という主要声優陣が交代することになったという。
今年春の映画公開が中止となり、TVシリーズ新作も制作停止(再放送で番組自体は放映していた)となっていたことから、ファンの間では何か特別な動きがあるのでは、と噂されていたが、それは事実だったようだ。

長期シリーズにおける声優陣交代といえばいくつかの例があった。
サザエさんやちびまる子ちゃんでは、各キャラ単位で交代があったが、以前の声優を参考にしつつも声自体は全く新たなものである。
また、ルパン三世では長く主役・ルパン三世を務めた山田康雄氏の逝去により、物真似芸人の栗田貫一を後任に起用“同じ声”を出させた(同様の例に、セーラームーンで主役セーラームーンの三石琴乃が病気による長期休があり、荒木香恵が“同じ声”で代役をつとめたことがある)。
後任声優が発表されていないが、25年間のイメージというのは並大抵のものではなく、どのような方針でいくのかは気になるところだ。

報道によれば、今回の声優一斉交代は制作側の主導だそうだが、これで思い出すのがルパン三世である。
OVAとして87年に制作された「ルパン三世 風魔一族の陰謀」では、シリーズ声優陣の若返りを図ってキャストを一新。ルパン三世に古川登志夫、次元大介に銀河万丈、峰不二子に小山茉美、石川五右ェ門に塩沢兼人、銭形警部に加藤精三という“ニュールパン”にしたのだが、これがファンに酷評。次からは、また、何事もなかったかのようにいつもの声優陣に戻ってしまったのだ。

確かにドラえもんの声優陣は70才から66才と高齢化しているが、全員交代はかなりのリスクだろう。
ドラえもんの主題歌にアイドルを起用したりと、テレビ朝日の近年の手法には、若干、疑問符があるのだが、私もかつては見て育った番組だけにうまく交代が成功してほしいものである。

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Oct 14, 2004

漫画「国が燃える」休載

抗議受け漫画休載 南京大虐殺めぐり集英社(共同通信10月13日)によれば、「週刊ヤングジャンプ」で連載中の本宮ひろ志の「国が燃える」が、抗議により休載されるという。
問題になったのは南京大虐殺や百人切りを事実として描写した点であり、一般読者の他、地方議員グループが「歴史を歪曲(わいきょく)している」と抗議したという。

私は、“いわゆる”南京大虐殺や百人切り競争については「なかった」とする意見をもっている。だが、それとは別に今回の「休載」という措置には納得がいかない。
具体的にどのような形で抗議を受けたのかは定かではないが、抗議を受けたから休載というのでは、安易な言論封殺に繋がる。
抗議を受けても、自分の見解に自信があるならば、それを貫き通すべきだし、間違っていると考え直したのであれば、それを明確に表明すべきだ。
それが、表現者としての本宮氏と、マスコミとしての発行元・講談社の義務であろう。

今回の休載は「まずい事になったから、ほとぼりがさめるまでやりすごそう」という程度のものとしか思えない。このままうやむやにしてしまおうという意図が見える。
とても、責任ある表現者・マスコミの態度には見えない。

それにしても、かつては“左より”の抗議が盛んだったものだが、こうした“右より”の抗議が大きくなるとは、時代も変わったものだ。

追記(2004/10/16)

産経新聞が社説でとりあげていた。

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Sep 13, 2004

トワーニ正式解散

 (株)トワーニが業績不振により解散とのこと。
 同社は映画制作会社で、庵野秀明監督の映画「キューティーハニー」の大不振により、解散決定ということらしい。
 同作は大宣伝をかましたのにもかかわらず、「下妻物語」の1/8、2億円程度の興行収入にとどまったのトドメの一撃になったらしい。
 ちなみに、同社のこれまでの政策映画は、「さくや妖怪伝」、「ドッペルゲンガー」、「天使の牙」。どれも、なんか宣伝していた記憶はあるが、見に行ったこともなければ、話題になったこともないような赤字映画群だ。
 これを見ると、解散もやむなしだろう。

 ちなみにTVで宣伝はやたらに見たよな、と思うとカラクリは、出資社にあった。日本テレビ(33.3%)/ワーナー・ブラザース(33.3%)/東芝(23.3%)/タイム ワーナー エンターテイメント ジャパン(10%)。
 つまり、日本テレビのお手盛りで宣伝してたわけですね。そりゃ、露出が多いわけだ。

 ちなみに“「トワーニ」とは、東芝とワーナー・ブラザース、日本テレビの頭文字を取ったもの。永遠(とわ)に発展するという意味が込められています。”ということだそうですが、本当に永遠になっちゃいました。
 名は体をあらわすということで……

 それにしても、庵野の実写映画はあたらないな。

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Aug 24, 2004

なぜヲタク市場は盛り上がったか・試論

 近年のヲタク文化の盛り上がりと、市場としての拡大が一般的にも注目されているところだ。
 これが、バブル崩壊という局面において制作費が安いことや、安いホビーであるといったこと、あるいは“第一次アニメ・コミック世代”が企業TOPにまで達し、社会がアニメ・コミックを容認する風潮になったことなど、いくつかの要素はあげられよう。
 しかし、そういったポイントとは別に私が注目しているのは「対象層への競合市場のなさ」である。

 バブル期から、日本のマーケティング戦略は「若い人にうける」、もっといえば「若い女性にうける」ことをメインストリームとしてきていた。
 若い世代は、可処分所得を多くもっており、また、若い女性を引き寄せれば、それを目当てに男性は集まってくる、というわけだ。
 これはこれで間違っていない。この手法で多くのヒットが生まれている。
 だが、猫も杓子もそればかりとなってしまうと、どうだろう。マーケティングの対象とならない層が必ず出てくる筈だ。
 その代表格が、青年層(少年層から脱し、ファミリー層になるまでの間)を中心にした“ファッションなどには格別の興味をもたないグループ”なのではないか。
 流行のファッションを追いかけたり、女性に対してマメにアプローチをかけるようでないグループだ。
 そして、世代としては「若者」であるから、可処分所得が多いことにはかわりない。
 “ヲタク市場”はまさに、こうした層を狙っている。
 彼らにとっては、数少ない「自分達を対象にしたマーケット」であり、競合するような強力なマーケットが他にほとんど存在しない。
 このことが、彼らをヲタク市場に向けさせ、また、ヲタク市場を隆盛に導いた一因ではないだろうか。

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Apr 23, 2004

萌えは世界

「間」から「おたく」へ――ヴェネツィア・ビエンナーレ第9回建築展記者発表

いやなんともはや。
国際的建築展における“日本代表”のテーマに「おたく:人格=空間=都市」で、「萌え」がキーワードとなるという。この決定を通した関係者は凄い。
これがどういう展示になるのか、そして、国際的にどういう評価を受けるのか。
興味がつきないところであり、続報に注目したい。

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Apr 19, 2004

横山光輝氏死去

漫画家の横山光輝氏が去る15日、なくなった。享年69才。

横山氏は足を骨折してほぼ寝たきりだったというが、連載は終了していた「殷周伝説」を加筆修正しながら単行本出版中の“現役”であった。
これで、「少年」の二枚看板であり日本のTVアニメの黎明を支えた「鉄人」も「鉄腕」も生みの親を失ってしまったことになる。
残念だ。

横山氏は、鉄人28号で巨大ロボットの元祖となり、魔法使いサリーで魔法少女ものの元祖になり、あるいは三国志全60巻という大作をモノにした。
しかし、世間の評価が低すぎる気がする。
同時代に手塚がいたせいか、トキワ荘グループと接触をもたなかった(というか漫画家同士の付き合いをあまりしなかったらしい)せいなのか。
いずれにせよ、現在の評価はまだまだ彼の功績に見合っていない。
もっともっと評価してしかるべきだ。

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Mar 23, 2004

押井守は駄作監督

押井守が監督したイノセンスが劇場公開されている。ハリウッドで評価されたなどとマスコミ評判は高い。しかし、あえていってしまえば、映画としては駄作である。

確かにその映像は素晴らしい。しかし、物語としては退屈だ。辛うじてバドーという士郎正宗(原作)のキャラクター性で話がもっているといってもいいだろう。
過去を振り返ってみても、押井は映画として面白いものをあまり作り上げていない。パトレイバー THE MOVIE(1989)、うる星やつら ビューティフル・ドリーマー(1984)、GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊(1995)などで名声を博しているが、いずれも原作つきである。興行的にもパトレイバー以外は失敗といってよい。 また、完全オリジナルでは、天使のたまご(1985)で失笑をかっている。紅い眼鏡(1987)、ケルベロス 地獄の番犬(1991)などは一部で熱狂的な支持を得ているが、これもあくまで一部にすぎない。

思うに、彼の才能は映像作家であり、アレンジャーでありという部分に最も発揮されるのだろう。だから、彼のオリジナル度が増す(それも映像を駆使できるアニメではより顕著に)と映画としては駄作になる。原作の縛りがきつければ、その枠内で最大限に面白いものをつくってみせる。
今後、押井を“映画”監督として起用するのであれば、原作と指導力を発揮できる総監督を置いて、その枠内で仕事をさせるべきだ。そうすれば、映像と物語が両立した、素晴らしい作品を送り出してくれるだろう。

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