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Oct 19, 2005

靖国参拝報道

各社社説に突っ込みを入れてみたい。

産経新聞:首相靖国参拝 例大祭にしたのは適切だ
当然ながら参拝賛成派。
私と主張はほとんど同じである。
「小泉首相が国民と約束した年一度の靖国参拝を継続したことを素直に評価したい」
「中国と韓国はこれまでも首相の靖国参拝に反対し、今回の参拝にも、ことさらのように強く抗議した。いずれも不当な内政干渉である」
「首相の靖国参拝は外交的配慮により左右されるべき問題ではない」
「誰が次期首相に選ばれても、靖国参拝を継承してもらいたい」
……突っ込むところありません。

読売新聞:もっと丁寧に内外に説明を
読売新聞は、最近(ナベツネ復帰以来?)、中曽根元首相と同じくA級戦犯分祀論をとっているようだ。社説もそれをうけて、靖国参拝そのものには反対しないのだが、というような立場で、迷走気味だ。
主張は「中国政府や韓国政府は反発している。首相の靖国参拝をめぐって、国内にも様々な意見がある。それに対して首相はあまりにも説明不足である」ということらしい。
他は事実の列記に近い。
すっきりしない社説だ。

朝日新聞:靖国参拝 負の遺産が残った
当然ながら参拝反対派。
「アジア外交をどう立て直すのか」としながらも、具体的には中国・韓国の国名しかあがっていないところがわかりやすい。
「より多くの人が納得できるあり方を模索するのが政治指導者の役割」というのであれば、反対していない国々の方が圧倒的に多いということになるのだが……。
ましてや、「日本外交の大きな視点から参拝を見送るべきだった」とは片腹いたい。日本外交の大きな視点があるからこそ、参拝をするべきだったのだ。
一方で「中国側にも、今春のような暴力ざたにならないよう冷静な対応を求めたい」としており、ちょっと従来と異なるような反応もしているところが興味深い。

毎日新聞:靖国参拝 中韓の反発が国益なのか
これまた当然、参拝反対派。
「私たちは、首相の靖国参拝が外交上の国益を損ない、信教の自由を保障した憲法20条との関係でも疑義があるとして反対してきた。首相が参拝のスタイルを工夫し、入念に時期を選んだとしても、参拝を容認することはできない」というお決まりをまずは主張する。裁判所で違憲“判決”は出たことがないのだが、毎日新聞の判断は、裁判所よりも優先するのだろうか。
「今回、記帳をやめて私的参拝にしたというなら、首相はこれまでの参拝のどこに問題があったのかを国民に説明すべきだ」というが、問題はないと考えているが難癖つける連中のために配慮したというだけだろう。
「首相の靖国参拝のたびに隣国から大きな反発を浴び、外交当局が右往左往する。首相は停滞したアジア外交を立て直す責任をどう果たすのか」と結ぶのだが、外交とは波風をたてないことが至上命題なのではない。基本的には自国の国益を追求する場であり、当然に対立がおこりうるものだ。
もっとも毎日新聞のいう通り、靖国参拝が中韓の反日行動を煽るのは確かである。
しかし、この場合、「参拝しなかった時」に生起することと比較しなくては、どちらが国益にかなっているかは判断できない筈だ。
それを見事に開設しているのが、産経新聞の記事小泉首相靖国参拝 「心の問題」決意貫く 中韓の干渉強く牽制である。
「中国が、歴史問題で日本に踏み絵を迫り、「日本より優位に立つための口実に過ぎない」(周辺)と首相が見切っていたフシがある」「首相は周囲に「靖国で譲れば日中関係が円滑にいくなんて考えるのは間違いだ。靖国の後は教科書、尖閣諸島、石油ガス田…と次々に押し込んでくる」と漏らしており、中国に強い警戒感を抱いている」というのが本当であれば、小泉首相は思ったよりもずっと骨太の外交政策をとっていることになる。 ましてや「首相サイドは昨年十一月のラオスとチリ、今年四月のインドネシアと過去三回開かれた日中首脳会談の前に「首相は時期は別として、靖国神社を参拝する。それでもいいなら会談を受ける」と非公式に打診していた」というなら、大したものだし、「首相は最近、「中国は、日本人の心の問題にまで踏み込んだことを後悔するだろう」と周囲に語っている。」というのには、頼もしさえ感じるではないか。

……とまあ、社説をみてきたわけだが、「想定の範囲内」で、あまり面白くない。
そこで、他の記事もひろってみよう。

靖国参拝:中韓両国の反応に一定の配慮 米国務省報道官(毎日新聞)という見出だと、まるで米が中韓の肩をもったかのようだ。靖国問題「対話による懸案解決を」…米報道官(読売新聞)で補完しても前後関係がよくわからない。
だが「(歴史問題に関して)懸念を有する国々が、対話と友好的な精神を通じ、懸案の解決に向けて日本政府と協力することを期待する。この地域の国々の良好な関係は、われわれすべての利益だ」」というのは、むしろ中韓を牽制する言葉にもとれる。
どちらの見方が正しいのかはさっぱりわからないのだが、ブッシュ大統領訪日が同日に発表されるなど、大東亜戦争で日本と激しく戦った(当然、多くの戦死者が出ている)アメリカは、靖国参拝問題をまるでトピックスとして考えていないということがわかるし、中国軍の主要施設を訪問へ 米国防長官が北京入り(産経新聞)によればラムズヘルド米国防長官は「6月に訪問先のシンガポールで「中国を脅かす国はない。なぜ軍事支出の増加が必要なのか」と批判。7月に公表した米国防総省の年次報告書も中国の軍拡、軍近代化を「周辺諸国の脅威」と強調し、警戒感をあらわにしてきた」とあり、米は中国を警戒しているのがよくかる。そうした状況からすると……

さて、ついでにもう一つ話題を。
首相の靖国参拝、閣僚ら肯定的評価(朝日新聞)
閣僚は賛否両論…首相の靖国参拝に(読売新聞)
靖国参拝:閣僚から外交への影響を懸念する発言も相次ぐ(毎日新聞)
全て、18日の閣議後の記者会見の報道である。
だが、見出しだけみると、まるで噛みあわない。
新聞報道というものが、いかにバイアスがかかっているのかという好例であろう。

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