Feb 21, 2005

北朝鮮核保有宣言

何を今更、という感もあるが、北朝鮮が核保有宣言をした。
主眼は外交的なゆさぶりとみるべきだろう。
「核兵器を廃棄するから」というあらたな「譲歩案」を用意することで、現行の体性を維持しようということだ。
だが、これが核関連としては最後のカードであり、これを切ってしまったということはかなり追い詰められているということであろう。

さて、この“核兵器”の実力はいかばかりであろうか。
北朝鮮は核実験をしていないから云々という声があるが、必要とされる実験データはパキスタンから提供されていると見るべきだ。
また、北朝鮮が開発しているのはウラン濃縮型と見られる。これは、広島型原爆(リトルボーイ)の延長にあるものだ。実は、このタイプの打ち出し型と呼ばれるものは、材料となる核物質の入手さえできれば、技術的には、そう難しいものではない。実際、リトルボーイは実験なしに広島に投下され、爆発している。
従って、最低でも、北朝鮮はリトルボーイ程度の核兵器を開発できていると推測することができるだろう。

ウラン濃縮型核兵器は、比較的製造が容易であるかわりに、小型化が難しい。
パキスタンでも、ウラン濃縮型核兵器の小型化は難しく、かわりに小型化ができるプルトニウム型(長崎型)の開発がすすめられている。
北朝鮮の核兵器も、小型化はできておらず、中距離弾道弾(IRBM=ノドンなど)に搭載できるには至っていないだろう。

北朝鮮が開発した核兵器は、中距離弾道弾に搭載できない以上、攻撃兵器としての使用は事実上不可能だ。
航空機に搭載したとしても、日米韓の防空網を突破することはできない。
もちろん、船に抱えさせて(ただし、その重量から考えて工作船クラスでは難しい)自爆というような行為はできるだろうが、それはもはやテロであり、それによって全面戦争の引き金を引くにしては、効果が低すぎる。
むしろ、防御兵器としては有効だろう。運搬手段がなくとも、定置して、攻め寄せてくるのを待っていればいいからだ。
これは、北朝鮮に対する地上軍侵攻が難しくなったことを意味する。
イラクやアフガニスタンのようにはいかないということだ。

北が核を保有したからといって、北朝鮮のご機嫌をうかがうことはない。
彼の国の指導者は、自らの政権の延命にご執心なのであり、仮に数都市を壊滅できたとしても、その報復に全滅させられるのは割りに会わないことだからだ。
ただし、政権の崩壊が確実になった場合に“自爆”する可能性は十分にある。
“圧力”をかけるにしても、それを頭にいれながらすすめる必要はあろう。
また、北朝鮮の核の小型化ができていないといっても、パキスタンに核技術を支援したのは、中国であり、理屈からいべえば、中国のもっている技術は全て利用できる可能性があるということには留意しつつ、今後の対北朝鮮戦略をすすめていく必要があろう。

Posted at 10:17 in 国際 | WriteBacks ()
Edit this entry...

wikieditish message: Ready to edit a entry.