[PR]ƭ
Infoseek ޲٣

Nov 11, 2004

中国潜水艦領海侵犯

10日、中国潜水艦漢級攻撃型原子力潜水艦とみられる潜水艦が潜航したまま沖縄県先島諸島周辺の日本領海を侵犯するという事件が発生した。

漢級は中共海軍が74年から就役させている、同国最初の原子力潜水艦である。
いわゆる核弾道弾をもつような戦略潜水艦ではなく、敵艦攻撃など戦術的な目的をもつ潜水艦ではあるが、戦術核兵器を装備していることはほぼ間違いない。
性能的には、原子力潜水艦を保有しているという名目のために建造されたようなもので、就役当時から劣るものとされている。既に旧式化しているのだから余計に性能的な評価は低くなる。
このことから、推察するに、海上自衛隊の兵器性能を探りにきたのではあるまい(海自の対潜水艦能力は世界屈指だから、漢級ではすぐに発見されてしまうことは自明だ)。
日本領海に潜入してから発見されるまでの、海自の兵器運用という意味での対応能力、そして、日本政府の初動を確認することが軍事的な意味合い。そして、最大の目的は発見されることを前提に、日米台に対する政治的な意味合い──天然ガス田や領土問題、そして台湾問題に対する示威行動だったと見るべきだろう。 種子島南東太平洋上にいる中国の潜水艦救難艦と航洋曳船は、いざという時に「故障だった」と“言い訳”をするためのものだと思われる。

さて、この事件に対する政府の対応で、海上警備行動発令が遅すぎた(潜水艦が領海外へ出てからの発令)という批判がでるだろうことは想像の範疇だった。
しかし、毎日新聞には、私の予想の斜め上をいかれてしまった。

後者の記事では「日中が緊張している海域でもあるので、過剰に反応したのかもしれないが、より抑制的に対応すべきだったのではないか」「仮に故障した船を潜水艦が助けにいっただけだとしたら、海上保安庁で十分対処できるはず。情報不足で判断できないが、法的な要件を満たしているかどうか疑問を感じる」というおよそ常識から掛け離れたコメントを掲載している。
まず、潜水艦は、他国領海内を通過する際には、浮上して国旗を掲げなければならないことが国連海洋法条約で定められている。
また、潜水艦という兵器が潜水したまま領海内を航行するというのは、軍事行動として類して処理するのが常識であり、同条約での領海内での第三国による一切の軍事行動禁止にも抵触する。
このことから、潜水したままの潜水艦について海上警備活動を発令することは法的な要件を十分に満たしているといえる。
もし、本当に故障だとすれば、それを日本側に通告すればよいのであり、今回の潜水艦の違法行動は明白だ。
もっとも、故障だったとしても通告などしないのは常識で、それに対して海上警備行動をするというのも常識である。中国でも(政治的な利用は別として)問題とすることはありえない。
毎日新聞に掲載されたコメントは「家の近くに武器をもった身元不明の不審者がうろついているから警察を呼んだ」ことについて、「もしかして病人だっただけかもしれない。警察を呼ぶのはいきすぎである」と非難しているのに等しい。
また、前者社説では「近くに中国の潜水艦救難艦などが航行しており、領海を侵犯したのは、中国の原子力潜水艦とみられる。原潜が機関故障を起こしたとすれば、事は重大だ。」としているが、重大だったのは原子力潜水艦が潜航したまま=軍事行動状態で領海侵犯を行ったことであることは言うまでもないだろう。
ましてや「中国側に言うべきことを言うためには、まずはぎくしゃくした日中関係の改善が急務である。外交努力の積み重ねしかとるべき道はない。日中関係をこれ以上悪化させてはならない。」などというのはお門違いもいいところ。潜水艦を派遣した中国側に責任がなく、日本側の対応が悪いから中国様がお怒りだ、いとでもいうことだろうか。

南シナ海では、海洋調査の結果、大量の石油、天然ガスが存在していることが明らかになった。 この地域はヴェトナム、フィリピンなど各国が領有権を主張しているが、中国は14世紀の鄭和による航海にまでさかのぼっての関係をもとに南シナ海の4/5の海域に対して主権を主張。積極的海洋調査を行い、南シナ海北部・西部のみならず、南部でもガス田開発を発表している。1992年に中国政府は領海法を発表し、一方的にこの地域の領有を宣言した。
1988年には南沙諸島で中越が150人近くが戦死する軍事衝突をし、1995年にも中国軍がスプラトリー諸島ミスチーフ環礁からフィリピン漁民を強制退去させる事件が発生するに至っている。
なにか、デジャブすら感じられないだろうか。 今、日本が“弱腰”を見せれば、中国がどういう戦略をとってくるのかの回答は、ここにあるだろう。

Posted at 12:03 | WriteBacks () in 国際 | Edit
WriteBacks
TrackBack ping me at
http://gsnight.hp.infoseek.co.jp/cgi-bin/blosxom.cgi/kokusai/ks041111.
Link me at
http://gsnight.hp.infoseek.co.jp/?page=/kokusai/ks041111.htm
 ※ISWEBの仕様の関係で、この記事にリンクをはる場合は上記URLでお願いします。
Post a comment

writeback message: