Sep 06, 2004
プーチンの苦悩
ロシア南部・北オセチア共和国ベスランの学校人質事件で、プーチンは強行突入を選択した。結果として、最終的な死者は500人を超えるだろうという悲劇になった。
しかし、他にほとんど手段はなかったといえる。
今回の事件はチェチェンに対するロシア軍の介入が背景にあり、テロリストの要求も「チェチェンからのロシア軍撤退」ということにあった。
チェチェンへのロシア軍介入の是非を問われれば、私も否とこたえる。撤退すべきである。
しかし、だからといって、テロの要求に屈するべきではない(理由は以前のエントリにあるとおり)。
また、テロリスト側も、どうも真面目に交渉するつもりはなかったように思われる。
最初から人質を容赦なく殺害しているし、人質に水すら与えていない。
そうなれば、人質に子供が多く、体力的に劣ることを考えれば、数日が限度。しかし、このような交渉を成功させるつもりがあれば、そんな短期間で交渉が妥結するわけがないだろう。
大事な交渉道具である人質を粗末に扱うことは、テロリストへの批難を高め、強行突入への口実と支持を与えることになるから、これは“交渉戦術”としては疑問だ。
従って、今回のテロリストの目的は「プーチン政権を窮地においこむこと」にあったと推測される。
どう転んでも人質の大量死という結果を招くようにし、プーチン政権への批判を高めることに目的があったということだ。
つまり、学校への立て篭もりが成功した時点で、今回の悲劇的な結果は決まっていたということになる。
そうでないチャンスがあったとすれば、テロリストの事前準備(学校改修時に多くの武器を隠したという)の段階で阻止することだっただろう。
その意味で、プーチンはテロリストに術中にはまっている。
はまっているからこそ、同様の大量人質テロは、ロシアで今後も続くであろう。
そして、テロが続く限り、テロに屈したと思われる行動=チェチェン撤退をプーチンが決断することはできまい。
かつて、アフガニスタンは「ソ連にとってのヴェトナム」といわれたが、チェチェンは「ロシアにとってのイラク」ということになるだろう。
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