May 12, 2004
イラク捕虜虐待事件
米兵によるイラク虐待事件が問題になっている。この問題のポイントは2つ。
1.これは明確な“犯罪”であり、徹底した原因究明と再発防止、“加害者”の処罰が必要。
2.この事件とイラク戦争の是非は無関係
後者について捕捉しておくと、この犯罪があったからイラク戦争が非になるわけでなく、この犯罪がなかったら是になるという性格のものではないからだ。
事件を最初に聞いた時、私は予備役によるものではないかと直感したが、後にそれが裏付けられた。
予備役にもいくつかパターンがあるので、今回、事件をおこした連中は「パートタイム兵」などと言われるものだ。つまり、正規の軍人として訓練を受けたことがなく、年に何日かの訓練を受けるというパターンだ。
こうした予備役は、必要な時だけ召集される。そして、高度な練度が必要とされる最前線には現役兵部隊が投入される一方で、後方や留守の任務につくものだ。
こうした制度は(多少の違いはあるが)各国にあるもので、日本・自衛隊でも予備自衛官補からの予備自衛官になると、自衛官経験がなくても50日/3年の訓練を受ける「パートタイム軍人」になることができる。
ただ、近年、米軍の予備役兵の練度の低さは、それを訓練する職業軍人達の間で問題になっていたようだ。体力はあるから手当で小遣い稼ぎをしようという、程度の連中が集まっていたらしい。
刑務所といえば、日本でも囚人虐待事件が明るみにでたように、平時の先進国でも問題のおきやすいところだ(外界と閉鎖されていることと、看守は“絶対権力者”になるからだ)。
練度の低い予備役兵を大規模にまとめて刑務所管理をすれば、こうなってしまうのは時間の問題だったといえよう。
一方、私は「組織的な犯罪」という見方は疑問視している。
この刑務所管理部隊全体で行っていた(黙認していた)という意味でなら肯定するが、「米軍として」というなら否ということだ。
いくら占領統治が下手だとはいえ、その“復讐”として、こんなことを行っても、米軍としてほとんど利がないからである。
情報部門の関与というのは多少は考えられるが、これも直接的に虐待を指示したというより、彼らがそういう拷問をしたのを見ていた・手伝った(ことがきっかけになった)、間接的な指示(強引・早急な情報収集の指示)なのではないかと私は考えている。
高級軍人というのは、大統領になったアイクや国務長官になったパウエルを引き合いに出すまでもなく、一般社会においてもエリートとして通用するようなメンバーであり、軍人ゆえの視野狭窄や、自己組織防衛などを差し引いても、捕虜虐待のメリットはまるでないのだから。
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