Feb 27, 2006

俵孝太郎の容赦ない追い込み

ゲンダイ2月23日掲載の記事。
http://news.livedoor.com/webapp/journal/cid__1737406/detail

幼稚園児殺害 朝日新聞の特落ちに疑問

 新聞記者にとって最大の屈辱は特落ちを食うことだ。特落ちとは特ダネの逆。特ダネが他社が知らないニュースをスクープすることだが、特落ちは他社はみな書いている事実を落とす、つまり紙面に載せられなかったことを指す。

 その特落ちを「朝日新聞」がやらかした。滋賀県長浜市で幼稚園児の母親が、自分の娘のクラスメート2人を、娘も乗る集団通園のマイカーの中でめった刺しにして路傍に捨てた、例の事件に関してだ。

 新聞には多数の版があるから、全部が全部とは断定できないが、少なくとも都内の最終版配達地域に住む筆者の見た限り、他社はいずれも犯人は「中国人、あるいは中国籍の鄭永善」と書いていた。ところが「朝日」だけは「中国出身の谷口充恵」だった。

 NHKも犯人逮捕の直後は「谷口」だったがすぐ「鄭」に直した。夕刊の最終版締め切りはそれより遅い。「朝日」のデスクや整理者は、きっと自社の記者を信頼して、NHKがどう伝えているかなど、気にもしなかったのだろう。だが不幸なことに、部下は取材力に徹底的に欠けていた。おかげで「朝日」は、特落ちの醜態をさらす羽目になった。

 しかしこれは特落ちではなかったのかもしれない。日ごろ中国べったりで、真偽も定かでない「日帝」の「暴虐」を糾弾してやまない「朝日」のことだ。隣人の子2人をそれぞれ刺し身包丁で20回も刺して惨殺するような凶悪な犯罪を中国人女性がやるはずがない、中国生まれの日本人の犯行に違いない、と全社的に思い込んだのかもしれない。

 中国人凶悪犯罪の多発で日本に反中国感情が募っていることに神経をとがらせる中国に迎合して、事実を隠そうとしたのかもしれない。仮にそうなら、これは単純な特落ち以上の構造的な大醜態だ。【俵孝太郎】

容赦がありません。

・NHKが報道済のことを、その後の締め切りである夕刊で報道できなかったことは、故意でないなら、朝日新聞は取材力に徹底的に欠けており、特落ちの醜態。
・特落ちでなくて過失だというなら、朝日新聞の中では、凶悪な犯罪を中国人女性がやるはずがない、中国生まれの日本人の犯行に違いない、と全社的に思い込んだという中国べべったという醜態。
・故意に事実を隠そうとしたのならば、中国に迎合の特落ち以上の構造的な大醜態。

朝日新聞がどう言い訳しても、醜態ということ。
お見事w

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商売としてのネット言論

「嫌韓流2」が発売された。今回も力作であり、この頁数をこれだけの期間でかきあげ、また、時事ネタを取り込んでいることは素晴らしい。
筆者・山野車輪氏や出版社・晋遊社に敬意を表する。

さて、その帯によれば「嫌韓流」は45万部が売れたらしい。
出版不況がいわれる中、驚異的な売上といっていいだろう。
ちなみに印税は10%くらいだと思うが……いいなぁw

といっても、このエントリは、それを商業主義だとか貶めるのが目的ではない。
むしろ、商業主義、万歳! な話である。

日本で、例えば「ユダヤ陰謀本」がたくさん売れるのは、(た●出版など一部の例外を除いて)出版社がその説を信じていたり支持しているわけではなく、それが売れるからだ。

ホロコースト否定論でも持ち出さなければ、ユダヤ人団体から抗議をうけることもなく、ローリスク・ミドルリターンというような位置づけだろう。

一方で、韓国を相手にする場合は、注意が必要だ。激しい抗議を覚悟しなくてはならないからだ。
その上、今まで「嫌韓国本」では商売にならなかった(と思われていた)から、ハイリスクローリターン。これでは出版社は手を出さない。
が、今回の「嫌韓流」の成功は、ハイリスクではあってもハイリターンが望めるということを示した。

そして、もう一つの側面としては、ネット言論が商売になるということを示している。
今まで、ネットフィクション(小説など)、ネットノンフィクション(生協の白石さん、など)が商売になることは示されていた。
これにさらに加えてネット言論も、ということだ。

この二点を合わせて考えれば、ネット上で一定の支持をうける「ネット世論」を形成すれば、今までメジャーマスコミによっては報道されなかったような事柄でも、商売として取り上げられ「リアル」へと投げ込むことができるという道ができたということになる。

インターネットの普及率があがったといっても、地域・年代格差は存在し、また、インターネットを利用していても、わざわざ政治・社会的言論を追い求めるような人は全体からみれば少数派であっただろう。
だから「所詮、ネットだけだろ」というような言説はあったし、正しかった。
だが、今後はそれだけではなくなる、「ネット言論」で「商売として成立する」ことで、ネットを越えて世論を形成できるチャンスが生まれたのである。

だから、「嫌韓流」が「儲かった」ことを素直に祝福したい。

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Feb 25, 2006

政治の季節がやってきた

以前、政治の季節がやってくるというエントリを書いた。
そして、実際に政治の季節が到来したことを告げるニュースがあった。

鳥取県人権条例、施行無期限延期案提出…抜本的見直し(読売新聞2月24日)

鳥取県人権条例が、事実上撤回されたということだ。
様々な要因はあろうが、ネットなどの反対運動がその一翼を担ったことは間違いない(どの程度の影響か、というのはまた別だが)。
これは、ネット発の“政治活動”が成果をあげたという前例になる。
そして、それは、大きな“やりがい”を、ネット発の政治活動に与えた。
今後、しばらくは成果があがたなかったとしっても、この成功例そのものが動機となりうる。

今、政治の季節はやってきた。
それがどのくらいの花をさかせ、そのくらいの長きにわたるのか。
あるいは、それが常態となるのか。
今、日本の政治は一つの分水嶺にあるのかもしれない。

Feb 22, 2006

捏造を許すな

結局、党首討論でもメールの信憑性を裏付ける資料を、前原民主党代表は出すことができなかった。
もうその言説は、かわいそうになってくるくらいだ。
とはいえ、国政を預かる最大野党の党、党首としては看過できない言動ばかりだ。
まず、党首討論に先立って、「(資金の)出と入りの両方の金融機関名を提示する」と述べ、譲歩したのだから、以後の情報は国政調査権発動を前提にしろといっているが、これは支店名すら明らかにしないのだという。一体、その銀行にはいくつの口座があるのだろうか? そんなことで証拠になるわけがないではないか(案の定、自民党は拒否)。

そして、党首討論で前原氏は「さまざまな情報から、資金提供がなされたのではないかとの確証を得ている」と強調したというが、それなら、その「様々な情報」とやらを出すべきなのはいうまでもない。口でそう言うだけなら誰でもできる。

前原氏は「なぜ国政調査権の発動に応じないのか。後ろめたくなければ白日の下で明らかにすればいい」としたらしいが、これは小泉首相のいう通り、国政調査権の発動について「国家権力の行使は極めて注意深く、慎重にしなければならない」というのが正解だ。

ましてや「情報を出して握りつぶされたらカードがなくなる」なんてのは、情けないことこの上ない。それが確度が高いと客観的に思われるのであれば、握り潰すなどということは国民が許さないだろう。
第一、前原氏がいうように、“口座”が本当に存在していて、本当に操作可能なのであれば、振込みを受けた本人はどの口座かわかっているのだから、当に操作されてしまっているだろう。いつまでも情報を公開しない意味がない。というより、相手に時間を与えてしまうだけだ。

民主党は、完全に「ライブドアと自民党(武部幹事長)との金の流れ」というのに注目させて、メールの真贋をうやむやにする戦術に出ているようだ。
しかし、口座番号を指定したとしても、そこに違法な(あるいは道義上問題のある)金の流れがあったということを、相応の説得力のある「証拠」で示さなくてはいけない。
さもなければ、怪文章で、任意の調査を発動できることになってしまうではないか。恐ろしい社会が到来する。民主党がやっていることは、民主主義の破壊行為だ。


例えば、こういうのはどうだろうか?

私が捏造したメールである→PDF

これを、「元フリー記者」「信頼できる筋」から入手したと主張する。
そして、この中の「管」とは、民主党元代表・管直人氏のことであると主張する。
これは、遊説中だったが、携帯から入力されたのでわずかな間に入力されたものである。
信頼できる相手から入力したものである。
だから、管直人の口座を調べさせろ! 秘密口座がある! と主張したら、民主党は国政調査権を受けるということか?
受けないというなら、ダブルスタンダード。
受けるというのであれば、「管」を他の人間に差し替えれば誰でも調査できる。

どちらにしても、起りえてはいけない話だ。
民主党がやっているのは、この程度のことだということを、くれぐれも自覚してほしい。


Posted at 23:37 in 政治 | WriteBacks () | Edit

Feb 20, 2006

TBS、GJ

TBSの朝のワイドショー、朝ズバッ!!がなかなかよい仕事をしていた。

怪文書メール問題を取り上げたところ、ライブドア社員から入手したという堀江前社長の通常メールを紹介していた。
それによると、堀江氏はメールのシグネチャとして自分の名前は英語で示し、自身の本の宣伝をいれているという。
また、メールにおいても「宮内」と呼び捨てすることなく、必ず敬称をつけているとか、丁寧語を使っているとかいう証言を得たという。
随分と怪文書メールの内容とは異なる。

また、毎日新聞・岸井成格特別編集委員も出演していたが、この内容は2月頭にはつかんでいたのだという。また、メールの存在も知っていたという。だが、これを持ち込んだ人物(おそらく永田議員がいう元フリー記者と同一人物と示唆していた)が信用できないし、裏付もとれなかったから、記事にしなかったという。

そして、同時に出演していたのが、民主党ライブドア対策チーム会長・桜井充議員。
彼は事前にこの質問内容を聞いていなかったという。知っていたのは、幹部など僅かなものらしい。
まあ、機密を保つのはしょうがないところ。
で、彼が語った、永田議員が「メールを本物と信じた理由」は、従来からの繰り返しになる「ライブドア社内システムのフォーマットと似ている」「情報提供者が信用できる」という二点だけだった。

………あれ、両方とも同じ番組内で否定されちゃってるんですけど(笑)
いやはや、永田議員が一端、承諾した出演をキャンセルしたので、ここで一人で座らされる羽目になったようだが、彼にとっては針のムシロだろう。かわいそうに。

そして、口座番号についても「把握していると聞いている」というだけで、対策チームにも知らされていないらしい。
ついには、みのもんた氏に「国政調査権を求める前に、証拠をはっきり提出しなさいよ」と言われる始末。
スタジオゲストからも「挙証責任は民主党にあるでしょ?」と突っ込まれて「そうです」と桜井議員は「はい」といってしまった。素直だとは思うが、前原代表と言ってることが違うぞ、大丈夫か??


そして、この番組内での話ではないが、前原代表の言動はひどすぎる。
十九日のフジテレビ「報道2001」では「武部氏は息子や会社の口座を調べたと言うが、一般論でいえば、このようなやり取りに普通の口座は使わない。われわれは金融機関にかかわる情報も得ている」と述べ、振込先に“隠し口座”が使われていた可能性を指摘したというが、まさに悪魔の証明の典型だ。
この理屈が許されるのであれば、どんな口座を調べても「他の口座がある」と主張できてしまう。それこそ、存在する全ての銀行口座を調べでもしない限り「なかったこと」が証明できない!

更に「与党も後ろめたいことがないなら、国政調査権を行使して、オール国会で堂々と金融関係にかかわる様々な資料を要求するのが本筋だ」として、国政調査権を使用しないのは、自民党が隠そうとしていることがあるからだと攻撃する。
証拠もないのに、強制調査を行うということが、いかに危険で民主主義国家、法治国家としての概念と外れているが理解できていないのか!
むしろ、メールの真偽はどうでもよく、この難癖で自民党にダーティーイメージを植えつけようというだけの戦略なのか。
はっきりって、旧社会党以下だ。こんな政党が政権を語るなど愚の骨頂。

今後、仮に口座番号が出てきたとしても、それだけでは国政調査権を発動すべきではない。その口座で不正なやりとりが行われたと疑うに足るだけの証拠がないからだ。
なにせ、今の「証拠」とやらは怪文書メールが1枚だけ。
メールが信頼できるに足るもの、ということになってはじめて、「不正な資金のやりとりが疑われる」ということで、その口座番号の調査に至るのだ。
民主党がまずすべきことは、メールが本物だと補強する証拠を出すことだ。
ただ単に口座番号だけ出てくればいいというものではない。振込記録なり、その口座で資金をやりとりしたと示唆するものなりが同時に必要だ。

秘密会でもメールの黒塗を外した公開を拒むなど、民主党の対応は異常である。
結果的に口座を調査すれば、いろいろと出てきて追い詰められるとか、国勢調査権発動を拒んでいるだけで自民党のイメージを失墜させることができるとか思っているのであれば、少なくとも「政権奪取」などということは口にすべきではないだろう。

国民は、まともな政党でありさえすれば、いつでも自民党以外に投票する。
しかし、比較すれば自民党が一番マシとしか思えない状況が問題なのだ。
民主党は自民党の足を引っ張ることに努力するのではなく、自民党より、まともな政党と思われるために努力すべきである。

Posted at 20:25 in 政治 | WriteBacks () | Edit

Feb 19, 2006

目的のために手段は正当化されない

怪文書メール(と今のところはいっておこう)のためにブログ界隈やニュースをうろうろ。
その中で、気になった言説が二点。

・武部次男はすぐに帰国して否定会見をしろ

 えーと、彼はこの件より以前から仕事で海外出張しているそうです。
 海外と取引のある仕事だそうで、それ自体はあまり不自然ではないらしい。

 いずれにしても、武部氏の政治の仕事とは別の仕事をしているわけです。
 その仕事のために海外出張をしているのに、それを切り上げて帰るというのは、仕事を途中でやめてこい、といっているわけです。
 じゃあ、それによる仕事の損失は誰が補償してくれるんですか?
 それこそ、会社の命運をかけた仕事をしていて、帰国したために全てが台無しになって、会社倒産、従業員も路頭にまようとでもなった場合、誰が補償してくれるのですか?
 こんな言いがかりで帰国させられていては、たまったものではありません。
 ビジネスマンならわかりそうなものですが……。

 そりゃ、もっとはっきりとした証拠があれば別ですけどね。


・国政調査権を使ってシロクロはっきりさせればいい

 一見、もっともなのですが、これは危険な考えです。
 民主主義国家、法治国家においては、手続は重要です。
 例えば、刑事訴訟法により、結果として正しい証言であったとしても、拷問によるものであった場合、証拠能力はないと規程されています。
 つまり、証拠にならない「言いがかり」で国政調査権が発動してしまうという前例をつくるのは非情に危険。権利の濫用である。ましてや、相手は政治家の息子とはいえ、市井の人間だ。
 これが是とされるのであれば、どんな言いがかりでも、誰にでも、国権による調査ができてしまうではないか。
 例えば、自民党がメールをでっちあげて、「朝鮮総連から民主党の前原代表に振込みがあった」と主張すれば、総連と前原代表を調査してよいということか?(やってほしいけどw)


 というわけで、今のところ、民主党が確たる証拠だすというのが、最も優先されるべき事項である。
 仮にあとから証拠がでてきたり、実際に金の受け渡しがあったのだとしても、証拠もないうちから国政調査権の発動を求めたり、立証責任を相手に押し付けたりする民主党の手段は決して指示できないし、批難されてしかるべきだろう。

Posted at 22:06 in 政治 | WriteBacks () | Edit

Feb 18, 2006

大丈夫か、永田議員?

衆議院予算委員会で、民主党・永田議員が、堀江前ライブドア社長が自民党・武部幹事長次男に三千万円の振込を指示したメールというものを“暴露”。政局を震撼させた──といいたいところだが、私はTVでのニュースが続くにつれ爆笑してしまった。

突っ込みどころはたくさんある。
この「金」がどういう性格なものなかさっぱりわからない(選挙絡みの資金であるかのような名目を指示しているが、なんの対価なのだかは書いていない)。つまり、合法的な金である可能性だってある。この時点での堀江前社長は犯罪者ではないのだから、そこからお金をもらうこと自体は問題がない。 また、この中で武部幹事長次男とされる部分は、名前だけが記載されている。これを武部幹事長次男だと特定したのは「情報提供者からの(武部氏の二男だとの)証言による」というだけ。なんだそりゃ。

しかし、なによりも問題なのは、このメールが本物であるという信憑性が限りなく低いということだ。

では、このメール本体を見てみよう。

永田氏が明かした「受信日時」は2005年8月26日午後3時21分35秒、衆議院選挙中だ。ところが、テレビ朝日によるとこの3分後に堀江前社長は選挙区で遊説中のテープが残っている。その前後もクルーや支持者、スタッフが周囲にいた筈で、パソコンを使っていればそれこそ鬼の首をとったようにテレビ朝日は報道しているだろう。
また、堀江前社長は度々、密着取材されているが、モバイル環境でメールをうつ姿は、少なくとも近年は見かけられていない。そのかわりに彼が使っているのは、携帯電話だ。
となると、堀江前社長なら3分もあれば携帯からこの程度の文章はうてる筈。それだっ! ってことになる。だが、違和感はある。このメールには、携帯メールにありがちな約束事が入っていない(数字の全角/半角、行頭下げ、複数空改行、署名などのスタイル)からだ。ただ、これは、堀江氏の普段のメールのスタイルを知らないから、確証ではなく心証どまりだが……
それと、一部で「受信日時」だからテレビ朝日の報道は関係ないという声が出ているが、これは間違い。メールの「受信日時」はPC(クライアント)がうけとった時間ではなく、メールサーバが受信した日時だ。そして、通常は送信日時と数十秒から数分程度しかずれるものではない。

……と、ここまで書いていたら、民主党がメールのプリントアウトの黒塗のコピーを公開。すると、彼らが「受信日時」と称していたものが「Date」ヘッダであったことがわかった。つまり、「送信日時」だ。これは堀江氏が遊説中の時間であることはいうまでもない。そして、同時にこの程度のことも民主党は理解していないというIT音痴ぶりを示している。
更に、ヘッダにはX-SenderとX-mailerが印刷されているが、携帯電話からのメール送信では通常はつかない筈だ。
つまり、これは携帯から送信されたという可能性が非情に低いのだ。
民主党、自爆してるのに気づいているか??

が、流出(発覚)をおそれて、堀江氏がメールヘッダを偽造したという説も出ている。内容がこんなにわかりやすいのにわざわざそこだけ偽造する意味が不明だ。内容を暗号にでもするほうがよほどいい。
あるいは、タイマー送信した、とすれば受信時間の矛盾は解決することもできるが、これもそこまで細工しているのに中身に一切の細工がないということへの説明にはならない。
とはいえ、堀江氏が携帯からWebメールを使用したり、PDAをもっていたりして、わざとああいうPCと同じような書式で入力したという可能性は0ではない(随分な確率だろうが)。
それを解明するのは簡単だ。メールヘッダを開示すればよい。それでどこ(なに)からいつ送信したのか、どのような経路できたのか、全て記載されているからだ。

ところが、永田議員、このメールはプリントアウトでもらったのだという(16日夜の日本テレビ系「きょうの出来事」より))。それも限られたヘッダしか印刷されていない。それも、入手した時点で黒塗されている部分があるのだという。
メールヘッダが全てあれば、経由したメールサーバやメールIDなど様々な情報が記載されているので、でトレーサビリティをもつことができる。しかし、どうもOutlookExpressで印刷されたらしい、限られたヘッダしか表示されていない「プリントアウト」では真贋を区別するための情報が全く存在していない。
なにせ、受け取ったと称するメールを偽造するのは簡単だ。メールヘッダを手打ちしたテキストを製作し、それをメールソフトで「インポート」すればいっちょあがり。知識は必要だが、日本でも万人単位でもってる程度の知識で十分なのだ。

そうなると、これは入手ルートを遡って、オリジナルのメールデータでヘッダを調査するのがよいということになる。
が、永田議員がそれを入手したのは「元フリー記者」(どうでもいいが、「元」はフリーにかかっているのか、記者にかかっているのか、どちただ?)から。そのフリー記者の入手先であるオリジナルの情報提供者とは会ったことがない。そして、名前は明かせないという(いずれも16日夜の日本テレビ系「きょうの出来事」より)。
……えーと、こういうのは世間では出所不明、というような気がするんですが……

気をとりなおして。
じゃあ、メールの内容を裏付ける傍証があれば、信憑性はあることになろう。
では、事実を知るうる立場の人間たちの発言(コメント)を拾ってみよう。

武部氏、自ら二男に電話をかけるが、二男は金銭授受疑惑を否定。側にいて受話器を渡された予算委の茂木敏充理事が「そういう事実はありますか」と改めて問いかると二男は重ねて「ありません」と否定した。
東京地検伊藤鉄男次席検事「メールの存在および指摘された事実関係について、当庁では全く把握していない」
堀江前社長は接見した弁護人に、「メールも送っていなければ、金も払っていない」と全面否定。
ライブドア広報グループ「選挙は堀江(前社長)が個人でやっていたことで、会社としてコメントすることはない。指摘された事実については把握していないし、事実かどうか分からない」

どれも否定ばかりで傍証にならない。
じゃあ、当の永田氏は決定的な証拠を握っているのか?

「少なくともメールのやり取りが行われたことが明らかになった」

えーと、メールのやりとりだけではダメですよね。
論点はメールをやりとりしたかどうかではなく、お金が動いたかどうかですから。

「(金融機関名、口座名、日時などの)証言を得ている」

……確か、本来の情報提供者には会ってないといってましたよね。
ということは、この「証言」っていうのは誰からのもの?
普通に考えたら二次、三次情報っていうことで、世間では伝聞というと思うんですが。
一方で永田氏は物証について「現段階では言えない」なんて受け答えしてるんですが、これ、普通は「もってない」時の言い訳にしか聞こえないだろう。
持ってるんだったら、大々的に「もってる」けど「今は出せない」っていう言い方をすればいいのだから。

では、なぜ、永田氏はこのメールを本物だと思ったのか。
曰く「情報提供者が信頼できる」「フォーマットがライブドアが使っているものと酷似」というのが理由だという。
だが、一次情報提供者とは会ったことがないといっているし、それが明かせないというのだから、百歩譲って永田氏の理由になったとしても、他者を納得させる理由にはならないことはいうまでもない。そして、後者についても、こんなテキストメールのどこにフォーマットがあるというのか?? せめて、堀江社長の独特のシグネチャでもあればよかったのだろうが……。まさか、OEでの印刷の形を見てライブドア社内と一緒だとかいってるんじないよなぁ

いずれにしても、現時点では出所がはっきりしない、容易に偽造しうる、傍証がない文章ということになる。
こういうのは普通、怪文書というのだが。
こんなものを国会でだしてしまって、本当に大丈夫なのか、永田!?
だまされてないか??

さて、そんな状態での民主党の追求は続いている。
が、民主党の言い草はあまりに酷い。公党とは思えない低脳ぶりだ。

予算委員会で、民主党の馬淵澄夫議員は説明責任は政府、与党にあると指摘した。
そんなバカな。

「お前は殺人犯だ」
「違う。その証拠はあるのか?」
「証拠はお前が出せ」

……こんなやり取り、ありえないでしょ?
第一、「なかった」という証明は「悪魔の証明」と呼ばれて、極めて難しいこととされている。挙証責任は問題を告発した方にあるというのは常識だ。
しかし、民主党は党全体で説明責任が政府・与党にあるという態度らしい。

永田議員は「銀行に資金移動記録を提出させる国政調査権の発動が確実に行われるとわかれば、必要な情報を提供する」と述べ、「(与党側が)それを拒否するのは、やましいところがあるのだろう」と語ったというが、これも滅茶苦茶。
確たる証拠もないのに、国政調査権を発動するなど権利の濫用でしかない。疑うに十分な証拠があって、はじめて発動するのがあたりまえだ。
これをたとえるならば、捜査令状を要求しておきながら、その証拠はない、令状が確実に出されるとわかれば、必要な情報を提供する、と言っているのと同じなのだから。

更に委員会に先立つ理事会で自民党は「メールの日付の8月26日には堀江被告は広島県内で選挙運動中だった」と強調。民主党に対し(1)メールが同日に堀江被告によって発信されたこと(2)振込先として記載の人物が武部氏の二男であると特定できた理由(3)ライブドアからの資金振り込みの事実―などの証明を求めたのに、民主党側は「証明に応じたら、武部氏らの参考人招致を認めるのか」と反論したというが、これは反論じゃなくて言いがかりだ。
証拠を出して、検討して、説得力があるとなったところで、はじめて参考人承知となるのが当たり前だ。民主党は出してもいない証明の証拠能力を認めろというのか? それであれば、どんな問題でもでっちあげれば、どんなに貧弱な証拠でも参考人招致を実現できることになるではないか。

さらに、民主党野田佳彦国対委員長は小泉首相が「ガセネタ」と批判したことについて「行政のトップが国会審議で(質問した情報を)ガセネタとは何事か。根拠は武部氏がそう言っているからというだけのことで、とんでもない」と反論、自民党側に抗議したことを明らかにしたというが……。
武部氏は(信用できるかどうかはまた別として)次男個人と会社の口座の記録を全て調べた結果として金の動きはない、と言っているのである。ちゃんと調査はしたということになっているのであり、口頭でやってない、といっただけではないのだ。
これに民主党が対抗するには、口座番号は日付を示して、実際の記録を提出させることでなくてはいけない筈だ。そうすれば白黒はっきりつくのだから。
第一、今の「疑惑」とやらは、先にも述べたように怪文書レベルのものをベースとしているのだから、「根拠は永田がそう言っているからというだけのことで、とんでもない」のではないか?

後から証拠が出てきて、このメールが本物だということになる可能性は、もちろんある。
しかし、今、民主党が主張していることは出鱈目すぎる。
旧社会党のほうがまだマシな疑惑追及の仕方をしていた。
こんなことでは、永遠に政権をとることなどできないと知るべきであろう。

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Feb 08, 2006

女系天皇論議

秋篠宮妃紀子妃殿下のご懐妊の発表を受け、注目度が一層増している女性・女系天皇問題。
いわゆる保守派の間でも、女性天皇については多少、意見が割れているが、「女系天皇反対」というの線は共通しているようだ。
私も女系天皇に反対しているのだが、今の女系天皇反対論の中には、違和感を覚えるものがある。
いくつか列挙していきたい。

・男系の遺伝子
男系にのみ伝わる遺伝子があり、それを絶やしてはいけないという論。
しかし、少なくとも1000年以上は続く男系相続が、そんな生物学的な話で男系相続が決定していたわけではない。ましてやその遺伝子に特別な効果があるわけでもない。
それに、そんなに男系の遺伝子が大事であるなら、桓武平氏でも清和源氏でも村上源氏でも男系で存続している家なら天皇に即位できるという理屈にもなりかねない。
いささか、為にする反論すぎる。

・諸外国から女系では敬意を得られない
諸外国からの見方はどうでもよいだろう。天皇家をどう考えるかは日本の国内問題であり、諸外国からの見方で決めるものではない。それこそ、靖国問題とダブルスタンダードな論になる。

・皇朝の継続性
女系相続では王朝交代にも等しいという論。
しかしながら、英国の現王朝もエリザベス女王後をその息子(あるいは孫)が継いでも王朝の継続性が絶たれたと思う人は少ないだろう(1960年勅令により、マウントバッテン・ウインザー家に家名は代わるが、王朝名(王家公称)はウィンザーを続けるとされている)。また、オランダでは女王が3代続いているが、オラニエ・ナッソウ家として家名もかわっていない。
従って、世界的なレベルでみれば、女系だからといって必ずしも王朝交代とはなっていない。個人的にそう考えるのは自由であるが、一般論化するのは誤解を招く主張だ。

・伝統の継承
男系相続という天皇家の伝統を崩すという論。
しかし、1000年の伝統を崩して京都から遷都し、洋風の習慣を入れ、側室制度を廃し、民間より皇后陛下を迎え、皇后陛下自らの子育てを行い……ちょっと例が明治以降に寄っているが、数々の伝統を崩しながらも、それは好ましいものとして受け入れられていっている。「伝統だから」で崩していけないというのであれば、それらはどうなるのであろうか。

と、ここまで反論してきてなんだが、私は女系天皇反対なのである。

理由の一点目は伝統と文化の問題。「家を継ぐのは男子である」という考えが、私にとっては自然だからだ。そして、今現在は、そうした考えが世間でも一般的であろう。いってみれば、男系相続は日本の伝統であり文化であるといえよう。
上記反論と矛盾するようだが、「天皇家の伝統」ではなく「日本の伝統・文化習慣」ということだ。
だから、日本国の象徴である天皇家もそうすべきだと考えるのである。

そして 二点目はシステム上の問題。万世一系・男系相続というシステムが過去において天皇制度を維持するのに重要な役割を果たしてきたからだ。
このシステムは、道教や平清盛、足利義満が天皇になる(あるいはとってかわる)ということを阻まれた大きな要因である。
そして、皇統が維持されたからこそ権力と権威の分離に成功し、日本が動乱に陥った際に最後の安定点として登場し、日本が決定的な混沌に陥ることを回避させてきた。
もちろん、女系になったからといって、皇統が断絶したと感じる国民は少数派だと思われ、天皇家の権威が失われるとは考えにくい。
しかし、万世一系・男系相続という皇位継承の根幹が一度、変更されてしまえば、あとは「前例」ができることでなし崩しに変更されうるのではないだろうか。そして、権力と権威の分離が失われてしまったら──。

以上が私の女系天皇論議に関する見方である。 女系反対論に与したいところはあるのだが、遺伝子の話などは(個々人の理由とするのはともかく)、広く一般に訴えるには、ちょっと向かない理論ではないか。 また、王朝交代論にしたところで、愛子内親王殿下に即位し、その子供に皇位が継承された場合に、皇統の断絶を国民が感じるのか? というと、これも疑問だ。 「男女同権をまず天皇家から」というスローガンを掲げられると、感情的にはどうあれ正面から反対しにくい(男女差別と反論される)ことを考えると、女系天皇反対運動を広めるには、もっと一般にアピールするものが必要なように思われる。

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Feb 01, 2006

なぜ皇室典範改正を急ぐのか

皇室典範改正、端的にいえば皇位継承順位改正論議をなぜ急ぐのかという議論がある。
女系、男系、女性容認男系継承などなど、議論が成熟していない上、女性天皇・女系天皇が実際の問題となるのは、次々代なのだから、もっと時間をかけるべきだというものだ。

この論には理がある。
拙速に決めるべき事柄ではなく、慎重に国民的議論を積み重ねる必要があると考えられるからだ。
ただ、一方で、なぜ政府がそれを急いでいるかというのも理由は存在する。
それを小泉が歴史に名を刻もうとしているからだ、などと矮小化することは簡単だが、もっと切実な問題があろう。
それは敬宮愛子妃殿下のご教育問題だ。

男女を問わず長子優先とでもなれば、敬宮妃殿下が皇位を継承することはほとんど確実になる。そうなれば、将来、天皇陛下として即位あらせられるということを前提としたご教育が必要になる。
だから、女系にしろ女性にしろ敬宮妃殿下が即位あらせられることがあるのかどうか、それを敬宮妃殿下が幼少のうちに決めてしまいというのが政府や宮内庁が急いでいる最大の理由だろう。

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