Aug 30, 2005

ホリエモン

広島六区。郵政民営化に反対して自民党を離脱、国民新党を立ち上げた亀井静香氏に対する“刺客”として送り込まれたのがホリエモンことライブドア社長・堀江貴文氏だ。
以前のエントリを見ていただければわかる通り、私はホリエモンを評価していない。
そのため、「なぜ、こんな人物を擁立するのか」をいう批判には同意するものだ。

とはいえ、一応の郵政賛成派でありながら、自民党の公認は得ていない。
自民党が刺客として出馬を要請したものの、党内からの反発もあって……のような説明もされるが、私は今ひとつ納得していない。
その理由は、日本テレビ系の報道では、出馬を求めたのは自民党ではなく堀江氏側からだったという情報があったからだ。

日本テレビ系『バンキシャ』で、これは報道されたが、生出演中だった堀江氏は笑みを浮かべるだけで、その情報を否定しようとはしなかった。
そうだとすると、民主党・岡田代表が「堀江氏から会ってもらいたいという話があった」として8月16日に会談したという話が納得がいく。
つまり、出馬を目論んだ堀江氏は自分を公認してもらえないかと自民党にも民主党にも粉をかけていたのではないか(だから、岡田氏が「堀江氏から話があった」としている)。

それを前提とすれば、自民党は「うまくやった」といえるのではないか。
自民党が断った結果、堀江氏が民主党候補として立たれれば、その選挙区だけでなく全国的に話題をさらわれるのは確実で“小泉ブーム”に大きなダメージを与える。
かといって、自民党公認としてしまうと、党内からの反発はもちろん、さまざまな主張で相容れない候補を「知名度」だけで優先したとの批判が大きくなる可能性があった。
それぞれの危険をうまく回避し、かつ、おそらくは立候補がいなかったであろう亀井氏への対抗馬を用意することができたということで、選挙戦術としてはかなり優秀なのではないだろうか。

Posted at 09:56 in 政治 | WriteBacks () | Edit

公示日、各新聞の社説

ついに公示日。
各新聞の社説を眺めてみよう。

●産経新聞

『討論で明らかになった論点は、民主党の岡田克也代表が郵政民営化支持を打ち出したことなどだ。(中略)では、先の国会でなぜ、こうした郵政民営化賛成論を示すことができなかったのか。岡田代表は政府が提出した郵政民営化関連法案については「中身が問題であり、反対だ」と力説したが、民主党は対案を法案としてまとめるべきではないか。』
『年金目的消費税の導入を公約に盛り込んでおり、岡田氏は3%(現行税率と合わせると8%)と語った。』
『税負担は将来の課題と首相が主張する限り、論議は深まらないのではないか。』
『靖国神社参拝問題について首相は「参拝しないで中韓との関係がよくなるとは思っていない。四年間の小泉政治の実績から判断してほしい」と語った。岡田代表は中韓との信頼を築くことを優先したいと述べた。戦没者慰霊という国の在り方にかかわる論議も詰めることが不可欠だ。』

基本的に自民党(小泉)支持が明確。
靖国参拝問題では参拝すべきであるといっているのもわかるし、郵政民営化では民主党のふらつく対応を批難している。
増税は自民党だけでなく民主党もいっていることと強調し、武部幹事長の増税発言をカバーしようとしているようだ。

●読売新聞

『小泉首相は、郵政民営化の是非で国民の判断を仰ぎたいとし、「経済活性化、税負担軽減のためにも必要だ」と主張した。』
『民主党の岡田代表は年金改革を前面に掲げ、「危機感を持って日本を刷新したい」と政権交代へ強い意欲を示した。』
『首相は、自民、公明両党が過半数を得れば反対した自民党の参院議員も賛成に回ると言うが、成立の見通しが立つのかどうか。明確な説明を聞きたい』
『岡田氏は、郵便貯金と簡易保険に関して「将来的には民営化か廃止しかない」と述べた。そうであれば、首相が言うように、なぜ法案審議中に対案を示さなかったのか。どんな手順で民営化や廃止へ向かうのかも、明らかにすべきだ』
『首相は消費税率の引き上げ時期に初めて触れ、「2007年度は早いと思う」と述べた。岡田氏は、当面、歳出削減に努める3年間に年金目的消費税を創設するとし、「その後は増税を考えざるを得ない」との考えを示した』

基本的に、各党の主張を列挙したものである。
ただ、民主党の郵政民営化へのふらつく対応を批難するとともに、民主党が増税路線であることも明記した。
比較的中立に見せながら、自民党支持という主張を混ぜ込んでいるのがわかる。

●毎日新聞

『自民党の内紛に関心が集中した』
『議院内閣制の下では、与党は総裁を降ろし、より指導力のある総裁を新首相にするのが筋ではないだろうか』
『参院の法案否決に衆院解散で応じるという奇手を使った』
『反対派を公認せずに党から追放し、代わりに直属の親衛隊に差し替えることによって、小泉・自民党を純化し、総裁としての統治力を回復しようとする作戦』
『政治手法としては、国民の目に見える場に党内抗争をさらしたという意味で、旧来の談合政治、派閥政治からは脱皮している。この新しさが、国民の高い関心を呼んでいる要因だろう』
『小泉首相が望んでいるのは、野党を相手に政権選択を競うのではなく、党内を純化するための「小さな構図」の選挙といえるだろう』
『総選挙の主役は有権者である。「国民投票」だという首相の都合に付き合う必要はない』
『自民党も、野党の挑む論争から逃げて、争点は郵政一本だけというわけにはいかない』
『自民党のマニフェストは郵政民営化さえ実現すれば、「この国のかたち」を作る外交・安全保障まで展開できると明記している。それについて首相は「経済力の発展がなければ戦略的な外交も進んでいかない」と説明したが、論理があまりにも粗雑だ』

解散直後の社説では比較的中立的だった社説だが、ここにきて反自民を明白にしてきている。
小泉首相の郵政解散の手法を批難し、“直属の親衛隊”などという言葉を使ってイメージ悪化を狙っている。
また、解散を自民党内抗争に矮小化するとともに、郵政民営化一本に絞って支持率をあげた戦術に対抗するためか「争点は郵政一本だけというわけにはいかない」とした。 野党にも言及はあるが、具体的な批判は自民党にだけに集中しており、立ち位置がよくわかる社説だ。

●朝日新聞

『郵政民営化もその重要な手立ての一つである。とはいっても、それだけを判断の基準とするわけにはいかない。郵政改革を先送りしてでも別の政策を優先するという選択もありえるだろう』
『国際社会、とりわけ近隣諸国とどう安定した関係を築くか。自衛隊のイラク駐留の是非も有権者には重い課題だ。』
『政権交代可能な政治の枠組みが必要』
『残念ながら、自民党の公約は食い足りないところが多い。』
『首相の靖国神社参拝でずたずたの中国、韓国との外交をどう立て直すのか』
『首相は政権を維持できたとしても、自民党総裁の任期が切れる来年9月で退陣すると言っている。ではその後の責任はだれがもつのか。後継の首相候補を示すか、次の総選挙までの続投を表明するのが筋ではないか』
『マニフェスト選挙を主導してきた民主党は、さすがに一日の長がある』
『構造改革はつぎつぎと骨抜きになった。』
『共産党や社民党が指摘するような「勝ち組と負け組がはっきりした格差社会」をどう見るかだろう』
『「自民党は変わった」と胸を張る首相に引き続きゆだねるか。「政権交代で日本刷新を」という岡田氏に夢を託すか。』
『(民主党は)大きな争点である郵政改革で将来像を示せなかった。民主党には労組系を中心に民営化反対派もいる。党としてまとまることを優先するあまり判断を先送りしたとすれば、政権党としての責任感に疑問符が付く』→『民主党には制約もある。総選挙で過半数を占めても、少なくとも2年後の参院選までは参院で少数与党になることだ。だから、多くの政策の実現目標を3年後に置くしかなかった。』

えーと、民主党の機関紙でしょうか?
批判は自民党に集中。民主党は「責任感に疑問符が付く」と批判しているように見えて「民主党には制約がある(中略)多くの政策の実現目標を3年後に置くしかなかった」とフォローをいれてしまう。民主党のマニュフェストに「一日の長がある」などという持ち上げ方をした社説は他社にはみあたらない。
批難は自民党に集中しているし、「後継首相候補を示すべき」などという主張もおかしなものだ。自民党総裁は自民党員によって決まるものであり、前総裁が後継総裁を指名できるような独裁的なものではないはずだ。任期延長にしたところで、党則改正などが必要な筈で、そうした手続きを無視した“独裁”を朝日は政権与党に求めているのだろうか?
しかし、何より悪質なのは、イラクからの引き揚げを望み、中韓との外交関係悪化は首相の靖国神社参拝のためと断じ、「格差社会」になったと決め付けていることだ。各党を論じているように見えて、朝日新聞“独自の見解”を主張しているのである。

Posted at 09:33 in 政治 | WriteBacks () | Edit

Aug 29, 2005

結局、投票はどうすべきか?

ついに公示前日まできた。 そろそろ自民党バッシングもはじまっているが、今回は高い支持率のためか、婉曲的な手法が多いようである。また、自民党有利という過度な報道もマイナスのアナウンス効果に繋がる可能性が高い(小選挙区制導入以後はマイナスばかりが働いている筈)から、これも婉曲的なバッシングの一種かもしれない。
ともあれ、今度の総選挙、投票はどうすべきかを考えていこう。

まず、小泉がいうように、郵政選挙としてとらえるのであれば、郵政賛成派である自民党か公明党に投票するしかない。
民主党は今になって郵便貯金・簡保の民営化・廃止がありえつと岡田代表が発言したそうだが(→産経新聞8月28日=共同電)、郵貯を縮小したあげくの民営化や郵貯の廃止では、郵便事業は赤字事業になる可能性が高く、多くのリストラを余儀なくされ、また、税金の投入も必要となるだろう。選挙では、「郵政法案 自公は賛成一色、民主反対一色 立候補予定者」(朝日新聞8月28日 = asahi.com)でありながら、将来は民営化もなどというのは筋が通らない。
いかにも郵政問題で劣勢たたされたことからくるその場しのぎの感が否めないところだ。

内政という意味であれば、年金・税金問題がクローズアップされるだろう。
だが、マニュフェストをみる限り(非現実的な案はともかく)たいして違いはない。
結局のところ、大して具体性のない歳出削減と、ぼやかしている増税によるしかないということになるからだ。
ただ、郵政民営化を含めて「小さな政府」という前面にうちだしている分、自民党はわかりやすく方向性を示している。自民党から指摘されている通り、黒字事業の公務員を抱えながらでは小さな政府を目指すと民主とがいうには無理があろう。

内政のもう一つの大きな課題、教育につていは、自民党がダントツというしかないだろう。
「愛国心をもたせる教育」を公明党と対決しながらも、なんとか実現しようとしているのはマニュフェストによらずとも報道されている通りだからだ。

そして、外交でいえば、民主党は論外というしかない。
「中韓に媚る外交」を明記しているかのような民主党マニュフェスト、「日米同盟基軸」をはっきりと打ち出している自民党マニュフェスト。
そして、マニュフェストにこそのせられなかったものの、各党首の中で「靖国神社参拝賛成」なのは小泉総裁だけなのである。

はっきりいって、自民党の政策には不満がある。
既得権益重視、利益誘導重視であるし、上記で評価した点を含めて、物足りない部分(郵政民営化法案の中身、靖国神社への終戦記念日の参拝見送り、拉致問題に対する姿勢など)は多い。
だが、度合いは足りないにしても、ベクトルとして一番、まっとうな方向を指しているのは、自民党だと言わざるをえないだろう。
例えば、他の政党が政権をとれば、靖国神社参拝など全くありえなくなる。しかし、自民党なら、まだしも可能性が広がる、というようにだ。

各政党を見回したときに最も「右」に位置するのは自民党だ。
しかし、私などからしてみると、もっと「右」がほしい。国民新党などはそういった点をもっとついていけば、第三党になれるくらいのチャンスはあったと思うのだが……。

以上は党に対する分析だったが、個々の選挙区で個人別に見た時はまた別の観点がある。それまでを否定するつもりはないことをお断りしておく。

いずれにせよ、今度の選挙は、是非、投票にいってもらいたい。 そして、「批判票」ではなく「支持票」を入れてほしい。今回の選挙は、日本の今後を大きく左右する選挙である。それこそ、10年の空白を生み出した宮沢内閣の「政治改革解散」や、55年体制の確立につながる吉田内閣の「バカヤロー解散」、鳩山内閣の「天の声解散」に匹敵するようなものになるかもしれないから、確固とした意思を示してほしいと私は考えるのである。
もし、どうしても支持できる政党がないのであれば、「白票」でいいのではないだろうか。公職選挙法では「有効投票の総数の6分の1以上の得票」がなければ当選できないから、白票を投じることは、立派な意思表示の一つになりうるのだから。

Posted at 14:25 in 政治 | WriteBacks () | Edit

Aug 24, 2005

国民新党の非国民なHP

国民新党のHPなるものができている→http://www.kokumin.biz/
なんと、bizドメイン。アメリカの手先なのだろうか(笑)

さらに左下のほうに「4コマ」と題されたリンクがあり、小泉をヒトラーと金正日に見立てるという醜悪なイメージ操作のための4コマ漫画に繋がっている。
このセンスにまず笑えるのだが、下のほうには印刷ボタンがついていた。
これをクリックして印刷して、どんどんこの4コマを広めてよ! ということがいいたいのだと思うが……印刷するとA4・1ページに収まりきらずに3コマ目の真ん中でぶち切れて2ページ目にいってしまうのでは、どうにもならないと思うのだが。
大体、そんなに大きく印刷するほどの絵でもないのに。
それとも、国民はA3プリンターをもつべきだという政策なのだろうか??

Posted at 16:56 in 政治 | WriteBacks () | Edit

総選挙をめぐる奇妙な(?)動き

自民党の天敵といえば、朝日新聞である。
が、最近の社説はこんな感じになっている。

造反新党 小選挙区制の非情さ(朝日新聞8月23日 = asahi.com)では、末尾こそ『郵政民営化一本やりで「新しい自民党をつくる」という首相の主張は単純にすぎる。社会保障をはじめその他の重要政策では、民主党の方が具体的な公約を示している。政策本位の自民党に変身すると胸を張るなら、郵政以外の政策ももっと真剣に語るべきだ』『剛腕ぶりと政策のあいまいさ。有権者はその両面を吟味する必要がある』としながらも、文中で『強引に見える首相の手法には賛否があろう。だが、政党本位の小選挙区比例代表並立制という選挙制度のもとでは、論理的には当然のことではないか』と、小泉自民党の“刺客戦術”を評価している。

更に郵政改革 公社のままの危うさ(朝日新聞8月24日 = asahi.com)になると、民主党の郵政改革案を『強制的な縮小を打ち出した民主党案の方が一見すると明快だ。しかし、現在の稼ぎ頭である郵貯を急速に小さくすれば、公社の経営は悪化し、職員の雇用や郵便局ネットワークに影響は避けられないのではないか』と自民党と同じような主張で批判。
加えて『将来の経営形態について、自民案と民主案は大きく異なる。自民党が「民営化」を明確にしたのに対して、民主党は「あらゆる選択肢を検討する」にとどまる。郵貯の民営化や廃止といった具体的な方向を示すべきだが、そこまでの踏ん切りはつかないようだ』として、労組との関係で曖昧化したことを暗に批判することを続ける。『公社という形態が、国の監視は甘く、公開企業なら受ける株式市場からのチェックもない中途半端なものであることだ。今でさえ郵政公社はさまざまな業務に乗り出して、民間とのトラブルになっている。「国の信用」と公務員の身分保障を保ちながら、民間を圧迫するという「いいとこ取り」になるのであれば最悪の選択だ』ときては、民主党案は立つ瀬がない。
当然、末尾も『自民党案に懸念はあるが、将来の姿がみえない現行の民主党案は、さらに問題が多い。私たちはそう考える』と、自民党よりも民主党を批判する文章で締めているのである。

アドバルーンであれば、1日分の社説だけでいいような感があるだけに、この二日続けての“自民党擁護”は奇妙である。一方で郵政選挙、解けない三つの疑問(朝日新聞8月24日 = asahi.com)として自民党批判記事も書いているだけに。
これは、朝日新聞得意の煙幕なのか、揺らぎなのか、何かの罠(笑)なのか……まさか、路線変更ということはないだろうが。
いずれにしても注視していきたい。

奇妙といえば、国民新党旗揚げに参加した長谷川憲正参院議員(自民党・旧橋本派で元郵政官僚)が離党して、新党日本に所属しなおした。
これは、国民新党に23日に青森が地盤の比例選出・津島恭一前衆院議員(自民党・旧橋本派、ちなみに祖父の弟は太宰治だとか)が加入したことにより「六人」と政党要件を一人オーバーした。一方で国民新党が「四人」で政党要件に足りないことから、数合わせでトレードしたというのが一目瞭然だ。
この新党が、自民党追い出され組の選挙互助会都市用・田舎用という存在でしかないことを改めて周知する結果となったことはいうまでもないだろう。
こんなわかりやすい自爆をするのも奇妙だが、それだけ追い詰められているということだろうか。

今のところ、小泉自民党に有利な風ばかりふいているが、まだ先は長い。
この風は吹き続けるのだろうか? それとも、凪になり、あるいは逆風となるのだろうか??

Posted at 09:48 in 政治 | WriteBacks () | Edit

Aug 23, 2005

わけのわからない新党

綿貫氏─亀井氏による国民新党、ついで田中康夫長野県知事をかついだ新党日本が結成された。
すでにマスコミですら見抜かれている通り、理念なき選挙互助会というのがふさわしい集団だが、報道を並べていくと面白い。

当初の報道では「もうひとつ新党つくる話ある」 国民新党の綿貫代表(朝日新聞8月20日 = asahi.com)となっていて、新党日本の準備が示唆されている。
が、いざ立ち上がると新党日本結成 田中氏就任、揺れた決断(朝日新聞8月21日 = asahi.com)によると『 新党日本結成の情報を聞いて国民新党のメンバーは「えっ。聞いてない」と驚きの声をあげた』と報道されている。
……えーと、国民新党は健忘症? それとも、マスコミ報道されている情報も党内でうまく伝達できていない問題組織か。
あるいは、マスコミ発にしろ、国民新党発にしろ、出来レースということをかくすための田舎芝居なのだろうか?
しかし、国民新党の綿貫代表、新党日本と「いずれ合併」(朝日新聞8月22日 = asahi.com)とあっさり、当選後の合流が既定路線=選挙対策で政党を分けたことを事実上、自白。
農村部ではともかく、都市部では綿貫・亀井党では勝てないということから、田中康夫をかついだ別政治集団を立ち上げたというのが端的に示されてしまった。
おまけに、国民新党には民主党の小沢一郎副代表に近い田村秀昭参院議員が民主党を離党し、政党要件を満たすための「5人目」の議員なったことで、新党の背後に小沢氏がいるのではないかとあれていたのが、反小泉派議員「拒む必要ない」 民主・小沢氏、連携示唆(朝日新聞8月23日 = asahi.com)、衆院選:新党との連携も政権交代の選択肢 小沢民主副代表(毎日新聞8月23日 = MSN-Mainichi INTERACITIVE)ということで、傍証を小沢氏自ら示している。

ただ報道並べただけで、こうも透けてくるようでは、国民を馬鹿にしているといってもいいだろう。
それとも、こう見せるのが策で、なにか大きな仕掛があるのだろうか??

ところで、郵政反対派であり今回の新党日本にも名を連ねた小林興起氏、青山丘氏、荒井広幸氏は亀井派に所属している(滝実氏のみ旧橋本派)。 亀井派といえば河野一郎から中曽根派と、岸から福田派を経た三塚派の分派である亀井グループが合流したものだ。亀井氏はかつて警察官僚で極左事件を担当しており、また、若かりし頃は青嵐会に所属、石原慎太郎氏を擁立して自民党総裁選に臨んだこともある。それらのことから、一般に「右派」として認識されている筈だ。 それなのに、なぜ左派として認識されている田中康夫氏と組むのか疑問視する向きがある。 だが、実は亀井派と田中康夫氏は意外に近しいらしい。柏村武昭参議院議員(亀井派)のホームページ「政策集団志帥会総会に田中康夫長野県知事」によれば、2004年11月11日に田中康夫氏が亀井派で講演を行っているのがわかる(ところで、その上の記事が外国人参政権付与反対という意見であり、これが並んでいるのはなにかの冗談だろうか)。また、「政策集団志帥会の大パーティー」でも2005年4月20日の志帥会のパーティーに田中康夫氏が招かれていたこともわかる。
考えてみれば、亀井氏も田中康夫氏も外国人参政権付与賛成派という共通点があるなどしており、もう少し調べてみれば、いろいろとあるのかもしれない。
いずれにしても、この「田中康夫代表」というのは、亀井派の流れからすると自然なことのようだ。単なる人気取りでくっついたというわけではないらしい。
もっとも、両者とも底の浅さを露呈していいるといっていいだろうが。

そして、その田中代表が早速、パフォーマンスを開始している。
新党結成挨拶ということで、各党を回ったそうだが、その際の自民党の武部幹事長の対応にフォーカスしてみよう。
民主のコピーは「自作」 田中・長野県知事が使用中止要求(産経新聞8月22日 = Sanke Web)では(ただし、実際は共同電の丸写し)、『武部勤幹事長が「会議中」を理由に会わず』と、武部氏は所在しており、かつ、実際には会議中ではなかったのに口実をつくって会わなかったようなニュアンスを漂わせている。事実だとすれば、大人気ない態度だといえよう。
ところが、新党「日本」:田中代表、各党にあいさつ(毎日新聞8月22日 = MSN-Mainichi INTERACITIVE)では『武部勤幹事長が不在』と、単純にいなかったようになっており、かなり印象が異なる。
更に新党日本が始動、田中知事を前面に各党あいさつ(読売新聞8月22日 = YOMIURI ONLINE)では詳しく報道されており、『武部幹事長が報道各社のインタビュー中で、世耕弘成・広報本部長代理が応対した』となっている。これなら、武部氏が田中康夫代表と会えなかった理由がきちんと存在している。しかも、『田中知事は「あいさつに行くのもしきたりで、あいさつを受けてもらえるのもしきたりだと聞いている」と、記者団に対し武部氏の対応に不満を示したが、自民党職員は「アポなしでくるんですもの、対応できませんよ」と苦い表情だった』と続いている。
となると、わざとアポなし訪問をして『各党の対応が悪い』と印象づけるための選挙戦術であり、そこに、共同などはのかってイメージ操作をしていると見るべきではないだろうか。
早くもマスコミによる“反自民工作”ははじまっているのだ。

こうして報道を並べてみるだけで分かる“新党”の如何わしさ。
それぞれの選挙区の選挙民たちは、果たしてどのように判断するのであろうか?

Posted at 15:13 in 政治 | WriteBacks () | Edit

Aug 22, 2005

自民党マニュフェスト斬り

自民党のマニュフェストが発表された。
これを検討してみたい。
余談だが、民主党のものよりもずっと見栄えのするもので、このあたり大したものである。また、項目付や階層構造も統一されており、民主党のマニュフェストよりずっと引用しやすかったのも付記しておこう。

1.日米同盟基軸の外交

日米同盟と国際協調こそ日本外交の基本です。
107.中国・韓国など近隣諸国との関係の改善強化とアジア「共同体」構想の推進
 北朝鮮問題の解決、中国・韓国等との未来志向型の連携を強化し、アジアにおける「共同体」の構築を推進する。
108.領土問題の解決への努力と海洋権益の確保
 北方四島と竹島問題については、粘り強くその解決を目指す。また、東シナ海での海洋資源開発および大陸棚調査の推進など、わが国の海洋権益を確保する。
109.「拉致問題の解決」に向けさらに努力

日米同盟を基軸とはっきりと打ち出してているところは、さすがに政権与党。現在の国際情勢で最も国益に即した関係を前面に押し出している。 また、尖閣の名前があがっていないところは不満ながら、領土問題・東シナ海資源問題で引かないことを示した姿勢が評価できる。 アジアにおいては中国と韓国しか名前が出ていないことは不満であるが、「未来志向」という言葉は「過去の謝罪」というネタに囚われないことを示しているのだと思う。また、「東アジア」ではなく「アジア」というところがミソだ。中韓だけがアジアではないとこうことを暗に主張している。

2.防衛力整備

111.防衛庁を「省」に、自衛官に一層の名誉と誇りを
112.国の防衛体制の整備と日米安保体制の強化
115.国家の情報収集能力の向上
116.自衛隊の海外での国際協力活動の推進

民主党と異なり、自衛隊の役割をきちんと明記していることは評価できる。
特に111は注目すべき公約であり、自衛隊を軍として格上げするためのステップとして読みとれるのは私だけであろうか。

3.小さな政府?

001.郵政民営化に再挑戦
002.規制改革の強力な推進
003.行政スリム化とプログラムのスイシン
 2)官業の民間解放の推進
 5)情報通信技術の活用:ITの活用により抜本的な業務改革を行い、内部管理要員の三割以上の削減につなげる。
005.国家公務員に関する改革を実施
 2)総人件費削減
007.政府関係法人の合理化および効率化を実施
009.歳出・歳入一体の財政構造改革を実現
 7)税制の抜本的改革
  (前略)所得税については、所得が捕捉しやすい「サラリーマン増税」を行うとの政府税調の考え方はとらない、なお、
  ・18年度において、三位一体改革の一環として、所得税から個人住民税への制度的な税源移譲を実現する。
  ・19年度を目途に、社会保障給付全般に要する費用の見通し等を踏まえつつ、あらゆる世代が広く公平に負担を分かち合う観点から、消費税を含む税体系の抜本的改革を実現する。
017.三位一体改革の推進
018.市町村合併をさらに促進
019.道州制導入の検討を促進
020.地方の行政改革

マニュフェストの表紙で「郵政民営化=小さな政府」と明記しており、自民党がそれを目指していることは、明確である。公約の一番最初で「郵政民営化」を掲げているのも、主張の通りだ。
その他の公約も、この「小さな政府」を目指すものとして方向性は統一されており、矛盾はない。
しかしながら、郵政民営化以外は具体策に乏しい。また「小さな政府」と逆行しそうな、補助金をばらまきそうな項目──「テーマ2:【国際競争力・成長分野】」「テーマ4:【われわれの子どもたち】」も具体策に乏しいため、耳障りのいい言葉を並べているだけという観がある。
また、増税が既定路線でありながら、それを隠そうと言い回しに苦労しているのがわかる。まあ、増税を打ち出して選挙に勝てるほど、選挙民というものは成熟していないことは、大平内閣時の「ハプニング解散」でも証明済であるから、やむをえないところか。

4.人権関係

021.男女の雇用機会均等などをさらに進め男女共同参画社会を実現
074.テロの未然防止と対処能力の強化
075.出入国管理の厳格化
076.不法滞在者の半減
078.簡易・迅速・柔軟な救済を行う人権救済制度の確立

人権うんぬんより、治安を優先させるように読み取れる公約は頼もしい。私の主張とも近似していおり、支持できる。
その一方で、021の公約は、歪んだジェンダーフリーを推進させるのではないかという危惧があり、078では人権擁護法案の影がちらつく。
要注意であろう。

5.その他評価点

025.子どもたちの未来のために教育基本法を改正
 教育基本法を改正し、豊かな上層と道徳心にあふれ、正義と責任を重んじ、伝統文化を尊重し、郷土や国を愛する心や公共の精神が身に付く教育を実現するとともに、家庭や地域の教育力の回復を期する。教育振興基本計画を策定し、わが国の目指すべき教育を進める。

これは全面的に肯定できるところだ。
公明党の反発で苦労しているようだが、是非とも実現してほしいところだ。

まとめてみると、問題点は少なくない。
しかし、民主党よりは遥かにベターなマニュフェストであるといえる。
ベストには物足りないが、民主党と比較して、どちらに投票するかと問われれば、私は自民党を選ぶ。

Posted at 01:51 in 政治 | WriteBacks () | Edit

Aug 21, 2005

新しい執筆者

今日から、このブログに書き手が一人加わります。
もう10年以上の付き合いになる友人です。
概ね、私と同様の考え方をもっているのですが、自ら主張されたいことがあるということで、この度、ここに加わっていただきました。
では、本人からいただいた、プロフィールをいかに掲載します

名前:きなこ☆きなこ
性別;♀
1960年代の生まれ。
バツイチ・ふたりの男の子の母。現在はフリーライターとして世間を渡る。

ご挨拶:
KYOKURON_STADIUMは立ち上げ当初からよく見に来ていました。
このたびは雪富さんのご厚意で不定期ながら投稿させていただけることになり、「女性ならではの意見をずばっと書いて欲しい」というご要望を頂きました。政治・戦争といった雪富さんの得意分野とは少し違った側面からその時々で話題をつかまえて「極論」を書いて行ければ、と感じています。

育児とインターネット

 先日、テレビの育児番組の中で、インターネットの活用を勧める場面に遭遇した。
 インターネットを通じて育児情報を手に入れたり、地域の母親のコミュニティを作ってみてはどうか……というような内容で、昨今流行のブログを使って、自分が抱いている育児の悩みを発信してみてはとも提案するものだった。
 私はすでにその番組がターゲットとしているような乳幼児の母親ではなくなっているし、さほど真剣に見ていたわけではない。たまたまやっていた番組を偶然見たというだけなのだが、その提案に「?」と疑問を抱かずにいられなかった。

 その番組がこれまでにどの程度インターネットの利便性について語っていたのかは不明だが、私が見た部分では明らかに「インターネットに対する深い知識はなく、少なくともこれまでにはインターネットにさほど興味を持っていなかった女性」をターゲットにした語り口調だった。これは単純に「インターネットを育児のツールのひとつとして利用しよう」という以上のプレッシャーを与える提案ではないだろうか。

 例えばそれが、すでにインターネットを日常的に活用している女性に対しての提案だというのなら、別に疑問はない。実際にインターネット上には役立つ情報は数多く存在しているのだし、子育てに関する情報を得ることや、同じように育児に不安を抱く母親同士のコミュニティに参加することでそれなりに解決する悩みもあるのかもしれない。
 だが、これまでインターネットなど使ったことがない母親がその話を聞いた時「私も世間に遅れをとらず、インターネットを使って情報を得たり、母親同士のコミュニティに参加しなければならない」と焦りを感じてしまう危険性はないのだろうか? 育児ですでに手一杯になって外出さえままならない母親が、新たにインターネットの(下手をすればパソコンの操作方法も含めて)知識を身に付け、そこでのコミュニティに「義務感から」参加するとしたら、その負担と苦痛は耐えがたいものだ。せっかく立ち上げたブログに「インターネットのお母さんコミュニティでのお付き合いに悩んでます」なんていう書き込みをする羽目に陥るのではないだろうか。
 冷静に考えればそんな焦りや義務感は馬鹿馬鹿しいことかもしれない。だが現実に、トイレトレーニング、公園デビューなど、これまでにも育児番組や育児雑誌が紋切型のブームを作り、解決を目指していたはずなのに逆に母親たちの悩みを増加させてしまった例は決して少なくない。

 育児中の母親のインターネットやiモードの利用を、否定しようというつもりは私にはない。番組中でも「外出しなくても世間とかかわることができ、電話と違って子供の睡眠を邪魔せず、時間も選ばない」と利点を話していたけれど、その点についてはまったくその通りだと思う。私もかつて(まだパソコン通信の時代だったが)、仕事や趣味のためにネットを大いに利用していたし、身近にいる乳幼児を持つ母親がインターネットを活用して趣味を楽しみ、交友関係を広げる姿も見てきた。育児中の母親に限らず、外出のままならないさまざまな事情を持つ人にとって、インターネットが便利な道具であることは間違いない。
 だが「育児の情報を手に入れる」なんていう優等生的意見は、ついでの機能として頭のどこかに入れておけば充分だ。インターネットで楽しんでいることを亭主やお姑さんがとがめたときの言い訳にでも使えばいい。そのためだけに導入し、利用するというのであれば、パソコンやインターネットは決して手軽な手段でも安価な手段でもなく、育児に悩む母親それぞれの事情をすべて考慮した上で的確な答えを出してくれる奇跡の道具でもない。
 インターネットを使ってみましょうと勧めるのならば、何も短い息抜きであろうその時間まで母親を育児に縛りつける提案はしないで欲しい。切実にそう感じる。子供が昼寝をしている間だけは育児から解放されて、インターネットで好きな映画、ドラマ、コミック、歌手、俳優……何でもいいから自分の好きなものを眺めて過ごし、また子供にゆとりをもって接するための活力を得る--そんな提案はできないものだろうか。

 番組の中では「核家族化によって育児に関する相談相手を失った母親の孤独」といった話題にも触れていた。そんな時代に育児に直面した母親にとって、育児番組や育児雑誌は大きな支えだ。だからこそ、優等生的意見で母親を義務感や焦りに追い立てる存在ではなく、母親の悩みや不安に本当の意味で共感してくれる味方であって欲しいと思う。

(Written by きなこ☆きなこ)

Aug 19, 2005

郵政解散は横暴か?

郵政民営化法案が参院で否決されたことについて、反小泉派の議員・マスコミを中心に「手法が強引」「横暴」という声があがっている。
しかし、私にはそうは思えない。

衆院で可決された法案が参院で否決された場合、予算案以外は衆院で再採決となり、三分の二以上の賛成が得られれば法案可決、そうでなければ否決となる。
衆院可決の票差からして、衆院での再可決は不可能であり、小泉首相の衆院解散にも理がある。
というのが、今のところマスコミや評論家による“説明”である。

だが、もっと単純でいいのではないだろうか。
二院制とはいえ国会=立法府というくくりでみれば、衆院も参院も同じものだ。
内閣=行政府が中心法案として位置づけられたものが立法府で否決されたのだから、内閣は総辞職するか、議院内閣制に基づき国民の信を問いなおすというのは理屈にあっていると思うのだ。
ましてや、解散のない参院は“良識の府”として判断を行うものとされている。
中心法案を「良識」が否定したのだから、そのまま内閣が居座る方がおかしくはないだろうか。

もっとも、今回の解散について、国民は「横暴」とは思っていないようだ。
産経新聞で解散から間をおいて(8月16、17日)行われた世論調査でも、首相の解散という手法に対する支持は52.5%と過半数を超えている。
この傾向は各社(→例:朝日新聞)の世論調査でもかわらず、国民の支持を受けた解散といえよう。

こうした結果にもかかわらず、反小泉派議員・政党はともかく、中立が求められているはずのマスコミの中に「横暴」とのイメージをうえつけようとする努力があるのはどうしたことだろうか──いつものこととはいえ。

それにしても、今回の解散で日本の首相の権限が強いということを初めて知ったという人も多いのではないだろうか。
実のところ、法理上からいえば、戦前の首相と陸海軍大臣をひっくるめたくらいの力があるとまでいわれているのだ。
その証拠に、首相を強制的にやめさせることは誰にもできない(内閣不信任が成立しても解散で対抗できる。その選挙の結果、次期首相としての指名を受けないということはありえるが)。
今まで「弱い」といわれていたのは、五五年体制以降の自民党派閥政治を背景にした政治手法に起因するものであったということが、如実にあらわれた“解散”であったといえよう。

Posted at 09:55 in 政治 | WriteBacks () | Edit

Aug 18, 2005

片山さつきをどうするのか?

自民党は郵政民営化に反対した議員を総選挙で公認せず、その選挙区には賛成派を公認議員として出馬させる方針をとっている。

こうした「刺客」としてあげられた候補の中に財務省の女性キャリア、片山さつき氏の名前があがっている。
片山さつきといえば、枡添要一の別れた妻であるが、それよりも有名なのは昨年の予算段階において防衛庁担当の主計官だったことであろう。

その時の彼女の、陸軍重砲や潜水艦を時代遅れの兵器と主張するなどの出鱈目な軍事知識ぶりは、月刊誌にもとりあげられるほどであった。
軍事専門家について勉強したというが、本当の専門家ならそんなことはいわないだろう。
ましてや、それだけを専門に日夜、研究を行っている自衛隊に対して、俄か勉強で、自分の意見のほうが正しいと主張するのは、自分の才能に溺れている証拠ではないだろうか。
第一、国防という重大な問題において、一主計官が兵器整備体系や大幅な定数削減に口を出すのは越権だ。財務省の役目は国策に従って適切な予算を割り振ることであり、各省の仕事のやり方を指図するものではないはずである。

閑話休題。
ともかく、この難儀な「片山さつき」氏。しかし、放っておけば事務次官とまではいかないまでも、美人エリート官僚として注目されていることから、それなりに出世するだろう。
となると、今後、予算を主導する自民党としては非常に困った存在になる。
そこで、体よく財務省から追い出すための作戦が、今回の擁立ではないだろうか。

今回の擁立により、自民党は財務省から扱いにくいエリート官僚を追い出すことができた。それだけでなく、もちろん、当選すれば自民党は議席が増えてプラス。議員になっても、一年生で女性ではたいした発言力ももてないから大勢に影響を与えることもない。そして、落選すれば、彼女の政治・官僚生命を断つことができる(なにせ、鞍替出馬させて選挙に負けさせ、政治生命を断つというやり方は、派閥政治華やかりし頃の自民党の常套手段だ)。
比例の順位によって、落選させる気なのか当選させる気なのかははっきりするだろうが、短中期的には、自民党にマイナスになることはない。
してみると、したたかな自民党の術中に片山氏は嵌ったということになろうか。

ただ、片山氏が当選した上に、それを重ね、従来の女性議員になかったような発言力を身につけることに成功すると……軒先貸して母屋とられるということにならなければよいのだが。

Posted at 09:49 in 政治 | WriteBacks () | Edit

Aug 17, 2005

民主党マニュフェスト斬り

民主党のマニュフェストが公開された(→PDF)。
が、これがあまりにもお寒い内容なので、ぶった斬りさせていただきたい。 なお、毒にも薬にもならないような、おためごかしな部分は、ハナから省略させてもらう。そうしないと、ほとんど全文引用になりかねないからだ。

1.ひたすら中韓に媚びる姿勢

・日本はかつて戦争への道を選び、国民に深刻な犠牲を強いたのみならず、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して植民地支配と侵略によって大きな損害と苦痛を与えました。私たちは、この歴史の事実を謙虚に受け止め、率直な反省と謝罪の気持ちを忘れません。60 年前の戦争の検証を政府が中心になって行います。
・日中関係を再構築します。
・日韓関係を強化します。
・東アジア共同体の構築をめざします。
 アジア地域における相互協力と信頼醸成をすすめ、FTA・EPA(経済連携協定)の締結を推進し、農業分野などの貿易面のみならず、人の移動の自由化、エネルギー、環境、教育、保健、犯罪対策など、さまざまな分野でアジア各国・地域との連携と協力を強化します。アジア地域を不戦地域とすることを各国共通の目標とすることをめざすとともに、将来的にはアジア・太平洋を含む姿に拡大・発展させることを展望します。
・国籍要件などの影響で、無年金、低年金となった高齢者(在日外国人、在外邦人)に対しても、老齢福祉年金などに準じた給付を行えるようにします。
・近年の原油価格の高騰、中国を含むアジア諸国などのエネルギー需要の高まり、地球温暖化対策の必要性などにかんがみ、日中韓とロシアを含む東アジア・北太平洋地域における環境・エネルギー分野での国際協力を推進します。

ひたすら中韓に謝罪と賠償を行おうとでもいうのだろうか?
中韓の主張はほとんど根拠のないものばかりであることは、今更、いうまでもないだろう。
そんな前提で要するに日中韓(北朝鮮)で同盟を構築しても、いいように国力をむしりとられるだけである。
もっとも、岡田代表のビジョンによれば『私たちが実現すべき望ましい世界とは、東アジア共同体が実現し、中国が責任を持って国際社会に関与する、平和で豊かなアジアであり、米国が国際協調を重視する路線に復帰し、軍事力の行使は国連安保理決議に基づいて行われるという集団安全保障の規範化が浸透した、秩序ある国際社会である』『日本はそのような望ましい世界を実現するために国連安保理常任理事国となり、自国の防衛、アジア太平洋地域の安定、国際社会の平和と繁栄のために建設的な役割を果たしていなければならない。新しい日本は、近隣諸国との間で相互信頼感を高め、「アジアと米国の連結器」の役割を果たしている。日本の魅力は今以上に高まり、アジアと世界の尊敬と注目を集めているだろう』とあり、アジアの盟主は中国であり、日本はその追随国であるべきだというのが、本当の主張であろう。
しかし、この主張、奇しくも韓国の「北東アジアバランサー論」と酷似している。現実の外交が見えないと、国が違っても発想は一緒になるということだろうか。
また、「アジア重視」を言う割には、具体的な国名が中国と韓国しか出てこないあたりが、見事な偏りっぷりである。

2.靖国代替施設建立

・これまでに戦争で犠牲になった方々や、国際公務に携わる中で不幸にして命を落とした方々のための国立追悼施設を建立します。

論外。 なぜ、靖国でなくてはいけないかということは、この中で述べると長くなるので語らないが、靖国参拝をしないということは明確に理解できる。

3.日米同盟の希薄化

・単に米国に追随するだけでは、真の日米同盟強化に寄与しません。日本国民やアジア・太平洋諸国の声を米国に伝え、必要な場合には米国に自制を促すことが、アジア・太平洋地域の公共財としての日米同盟の価値を高めることになります。
・安全保障上の諸課題について、日米同盟が「安定力」として十分に機能するよう、日本の主体性を前提にして米国との防衛協力を推進します。
在沖縄海兵隊基地の県外への機能分散をまず模索し、戦略環境の変化を踏まえつつ、国外への移転をめざします。
・自衛隊の派遣期限が切れる今年12 月までに、イラクから自衛隊をすみやかに撤退させます。

民主党の普段の主張、1であげた東アジア共同体などを考え合わせれば、これは要するに米国と距離を置くということである。
もちろん、これが、米に頼らない安全保障体制を樹立するなどという話に繋がるのであれば、評価の仕様があるのだが、中国に追随する国家になるためだということになるのだから、論外であろう。

4.国連

・世界の平和と安定に貢献します。
 国連など国際機関の強化を図ります。
・国連の要請に対しては、新たな「国際平和協力隊(仮称)」の創設などについて検討をすすめ、日本として国際平和の維持・構築に正面から関与できるようにします。
・PKOに関しては、多様化する協力要請に対応するため、派遣される隊員の武器使用基準や、参加条件・規模・期間などに関する国会の関与のあり方を見直します。

なぜ、わざわざ自衛隊と別の組織をつくる必要があるのかわからない。
国連への幻想をもっているのもさることながら、国連の要請にこたえるのであれば、PKOうんぬんではなく、PKF参加を主張すべきである。そして、集団的自衛権の話にまで踏み込んでいかねばらない筈だ。
つまるところ、国連の民主党の主張に都合のいい部分だけをつまみ食いしただけだ。

5.防衛力削減

・弾道ミサイル防衛については、その必要性を踏まえ、シビリアン・コントロールを徹底しつつ、費用対効果などを含め総合的観点から検討をすすめます。これらに必要な予算は、防衛予算の中での振り替えで対応し、負担増を抑えます。

弾道ミサイル防衛には莫大な費用がかかる。
それを、現行の防衛費の中からまかなうとすれば、現有装備・人員の大幅削減は免れない。実質的には、防衛力の削減の主張である。
弾道ミサイルは防げても、通常兵力が防げなくなっては意味がない。

6.大きな政府?

・「危機管理庁(日本版FEMA)」の創設により、武力攻撃、テロ、大規模自然災害など、各種の緊急事態に迅速に対応できる態勢を整えます。
・基礎年金国庫負担率引き上げは予算の徹底的な見直しで2008 年度までに国庫負担率を2 分の1 に引き上げます(所要額2 兆7000 億円)。
・雇用保険特別会計の安定を図るとともに、失業給付期間が終わっても就職できない人や、自営業を廃業した人などを対象として、能力開発訓練を拡充し、最大2 年間、月額10 万円の手当を支給する法律を制定します(所要額2500 億円)。また、倒産やリストラで失業した人が安心して医療を受けられるよう、医療保険料を離職後1 年間軽減します(所要額25 億円)。
・「ヤングワーク・サービスセンター(仮称)」を整備し、失業・無業状態の若者に個人アドバイザーによるマンツーマンの就労支援、民間企業での職業訓練などのプログラムを用意し、必要に応じて就労支援手当を1 日1000 円(月3 万円程度)支給します(所要額360 億円)。学校にも行かず、職にも就かず、職業訓練も受けていない「ニート」と呼ばれる若者が集まることのできる場所をつくり、相談・支援を行います。また、全国の中学2 年生に年間5 日以上の職業体験学習を実施します(所要額17 億円)
・月額1万6000 円の「子ども手当」を創設します(所要額3 兆円)。
・「出産時助成金」を創設します(所要額2200 億円)。
・現在、約1 万4000 カ所で行われている学童保育を4 年間で2 万カ所に増やし、指導員も5 万人から6 万人へと増員します。さらに、父母の就業実態にあわせた保育時間の延長などを含め、待機児童解消に向けて、少なくとも960 億円の予算を確保します。
・日本小児科学会が提案する「小児医療・救急医療計画」モデルなどを参考にして、小児医療・救急医療体制の整備を行います(所要額10 億円)。
・子どもや家庭の問題について、一元的に政策立案・遂行する「子ども家庭省(仮称)」の設置に着手します。
・OECD加盟国平均並みの教員配置(教員1 人あたり生徒16.6 人)をめざします。
・土曜学校・放課後学習などを支援します。
・義務教育財源を確保します。
・私立生は、公立生に比べ著しく公的支援が少なく(約3 分の1)、その保護者に過重な教育費負担を強いています。この公私間格差是正のため、私立通学者に対して、直接授業料補助などを行います。
・希望者全員奨学金制度を実現します(所要額600 億円)。
・道路公団を廃止し、高速道路を原則無料化します。高速道路に係わる債務返済と道路の維持管理には、年間2兆円の財源が必要ですが、国と地方を合わせて約9 兆円の道路予算の一部振り替えと、渋滞・環境対策の観点から例外的に徴収する大都市部の通行料でまかないます。
・強制減反の廃止と米の備蓄300 万トン体制の実現
・人工林の管理・充実をすすめ、間伐などの森林整備を計画的に行い、10 年間で1000 万ha の森林を再生することをめざします。政権獲得後ただちに年次計画を策定し、初年度に1000 億円、4年後には2500 億円の予算を充当します。
新エネルギー関連の予算を計画的に増額し、現行の年間約1700 億円から任期中に3000 億円へと増額をめざします。自然災害による被災者を対象に、住宅本体への再建支援制度を確立します。
・警察を監督する公安委員会の事務を警察が行っているという矛盾を解消するため、警察法改正案を提出し、国家公安委員会・都道府県公安委員会に独立した事務局を設置します(所要額48 億円)。
・警察官の3 万人増員により、落ち込んだ検挙率を回復させます。 ・すべての無年金障がい者を「特定障害者特別障害給付金支給法」の救済対象(現在は元学生、主婦)とすることにより、無年金障がい者に基礎的な所得保障を行います(所要額900 億円)。

やたらに景気のいい数字が踊っている。
さらには、減税政策もある。

・「ローン利子控除制度」創設 ・株式の長期的保有を促進・拡大するための配当課税の廃止・軽減や、ベンチャー企業に対する投資額の一定割合の税額控除などの金融・証券税制を検討し、すみやかに実現します。

では、財源はどうするのかというと

・税金の使い道は地域で決められるよう、18 兆円の税財源を移譲します。
・ムダづかいの社会保険庁は廃止します。
・3 年間で10 兆円の歳出カット、国債発行額30 兆円未満、プライマリーバランス赤字の半減を実現します。
・「国家公務員人件費総額2 割減(1 兆円)、特殊法人向け支出半減(1.8 兆円)、現在の個別補助金の一括交付金化に伴う2 割減(2.8 兆円)、税源移譲に伴う交付税削減(1.7 兆円)、その他経費の1 割削減、特別会計の徹底的な見直しなどによって、17 兆円の既存経費カットを実現します。」
安定的な経済成長の実現を条件に、年金目的消費税の導入によって確保します。
地球温暖化対策税を創設します。
・国・地方を問わず、政府も効率性と機能性を追及しなければなりません。分権の推進、「生活利便向上テスト(○○頁参照)」などを通じた「官」の役割の見直し、国民の理解を得られない諸手当の廃止、人事計画に基づいた定数削減、給与水準の見直しなどを順次すすめ、3 年間で国家公務員人件費総額を2 割削減します。

ということになる。
いや、無理だろう。
新しい組織をつくったり、補助金を増やす(事務が増える)のに、公務員人件費削減というのは矛盾している。
また、「増やす」ほうは事細かに解説しているのに、「減らす」方は総論的で中身がわからない。反発を防ぐためか、実際に細かい中身が決まってないのかわからないが、実にセコイやり方だ。
いずれにせよ、これらの民主党の政策からは、地方への税源移譲という題目以上には、何ら現状の改革が見られない。むしろ、組織や補助金を増やす従来型政治の拡大でしかないだろう。
この有様では、民主党は大きな政府を指向していると言われても仕方がない。

7.郵政改革(!)

・現在340 兆円ある郵便貯金と簡易保険を適正規模に縮小します。
1)2006 年度中に郵便貯金の預入限度額を700 万円に引き下げます。
2)同時に、名寄せを徹底し、預入限度額を超える分については個人向け国債などに振り替えます。
3)その後、預入限度額をさらに500 万円に引き下げます。
4)8 年以内に郵便貯金220 兆円を半減させることを目標とします。
特殊法人などに対する補助金3.5 兆円を3 年間で半減させ、郵貯・簡保資金のムダづかいを元から断ちます。
・郵便貯金・簡易保険を適正規模に縮小した後は、政府系金融機関との統合も含め、あらゆる選択肢を検討します。

産経新聞社説(8月17日)読売新聞社説(8月17日)などでも既に指摘されているが、民営化という文字は一言もない。これでは、小さな政府を指向するおはお世辞にもいえまい。
また、既に竹中大臣などにも指摘されているが、収益の柱である郵貯・簡保資金を縮小は、すなわち利益の減少である。仕事が減すのだから、担当している人員も削減しなくてはならなくなるし、収益が減少すれば、郵便事業の赤字がカバーできなくなるおそれがでてくる。その一方で、郵便事業を国の責任で全国的サービスを維持するというのであれば、税金を投入するしかなくなる。
また、これも指摘されているところだが、民主党が度々主張する「過疎地域で郵便局だけが金融機関となっているようなところ」に対するフォローが民営化ではなくなるということだが、郵貯が縮小されれば、そうした地域の「溢れる」貯金はどこにいけばいいというのだろうか??
つまるところ、民主党は民営化反対(少なくとも積極的な民営化はしない)なのであり、税金を投入してでも郵政を国営で維持するというように読むのが普通であろう。

8.人権問題

・子どもたちを有害情報から守ります。
 残虐な暴力や性暴力などの有害情報から子どもを守るため、書籍の区分陳列や放送時間帯の配慮などによって、普通に暮らす子どもたちが有害情報に触れないですむ環境をつくります。そのため、「特定暴力情報等からの子どもの保護に関する法律」を制定します。また、情報社会に生きる子どもたちが、情報のもつ意味を正しく理解し、活用できる能力(メディアリテラシー)を育むような教育をすすめます。
・差別の解消をめざす法律を制定します。
 社会に残っているさまざまな差別を解消するため、すべての障がい者に「完全参加と平等」を保障し、具体的な差別の禁止を規定する「障がい者差別禁止法」、年齢を理由とした就職差別を禁止する「年齢差別禁止法」など、差別解消のための法律の制定をめざします。法務省から独立した人権委員会の設置などを盛り込んだ「人権侵害救済法案」を成立させます。
・人権侵害の救済へ向け国際機関への個人通報を制度化します。
人権侵害の救済機会を広げるため、国際機関に対し個人が直接、人権侵害の救済を求める制度(個人通報制)が求められています。政権獲得後すみやかに、個人通報制を認める「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の選択議定書」と「自由権規約選択議定書」を批准します。
・盗聴法、住基ネット法、個人情報保護法を見直します。
政権獲得後ただちに、盗聴法の運用を凍結し、2 年以内に抜本改正の法律案を国会に提出します。また、住民基本台帳法の住基ネット条項と個人情報保護法についても、即時に見直しに着手し、抜本改正のための法律案を国会に提出します。

そろそろ突っ込むのにも疲れてきました。
心地のいい言葉で、新たな検閲法律をつくろうとしていますし、悪名高き「民主党版・人権擁護法案」をあきらめていないこともよくわかります。
「盗聴法」というレッテル張りもまだやってったんだ、という感じでしょうか。
納税者番号制度の導入は公約するのに、住基ネット法は見直す(普段の主張からすると廃止方向ということでしょう)というのもわけがわかりません。
民主党は縦割り行政の廃止を訴えていますが、縦割りの解消の基本は「情報の共有」です。そのためには、何らかの形で個人の情報をユニークキーで統制することが必要にもなってくるわけですが、そうした矛盾には気づかないのでしょうか?

最後に、評価できる点をあげておきましょう。

・ODA(政府開発援助)を戦略的に活用します。
・北方領土問題の早期解決に取り組むとともに、尖閣諸島・竹島を含むわが国の領土・領海、排他的経済水域を守るため、国連海洋法条約に基づく「海洋権益確保法制(資源探査等主権行使法案など)」の制定をめざします。
・拉致事件の解決は、日本の主権、国際的人権侵害の見地から喫緊の課題であり、被害者・家族全員のすみやかな帰国、特定失踪者問題の真相解明など、拉致事件の全面解決を北朝鮮に強く迫ります。
・インターネット選挙運動を解禁します。

……あれ、おわっちゃった(笑)
実際問題、今後、自民党のマニュフェストが発表されてくれば、それもまた色々と問題を含んでいるものになるでしょう。
ですが、「東アジア共同体」「中韓への謝罪」「靖国参拝せず」「日米同盟希薄化」「人権擁護法整備」「お粗末な郵政民営化“対案”」「“小さな政府”は指向していない」と私にとっては、重要視している項目が軒並みアウトである。
こんなマニュフェストではとても民主党には投票できない。

Posted at 11:51 in 政治 | WriteBacks () | Edit

靖国参拝と選挙

結局、8月15日に小泉首相は靖国神社へ参拝しなかった。
非常に残念であり、この点について、小泉首相を批判するのは当然といえよう。
私も、小泉首相がこの戦後60周年という節目に参拝しなかったことは、今後にも悪影響を及ぼすであろうし、腰砕けぶりには失望する。

それをふまえて、今度の総選挙を「総理の靖国参拝推進派」として俯瞰した場合──小泉自民党にいれるしか相手がいないというのが現実であろう。
なにせ、他の党はみな「靖国参拝反対派」なのだ。
つまるところ、総理の靖国参拝を望むなら、他に選択肢がない。

擁護めいた事をいえば、小泉首相も今回の参拝を見送ったのは情けないが、それまで途絶えていた首相の靖国参拝を復活させたということでは、小泉首相の靖国参拝問題に関する功績は「プラス」であるとはいえる(ただ物足りないわけだ)。
とはいえ、選挙民からすれば、もう少し、他に選択肢があればいいのだが……

Posted at 09:54 in 政治 | WriteBacks () | Edit

Aug 11, 2005

中共打倒のチャンス??

中国公安当局、反日活動を全面禁止…香港紙(読売新聞8月10日 = YOMIURI ONLINE)によれば、中国公安当局が反日活動の申請を受け付けないよう指示を出したという。反日デモが各地で再び起きれば、暴徒化した群衆を統制できなくなるのが理由だとされている。
もし、これが本当だとしたら、日本はとてつもなく大きな外交カードをもっているということになる。
すなわち、「首相の8月15日靖国参拝」というカードだ。

以前にも何度か触れているが中国の反日デモは、民の意思ではあるが、官のコントロールがきいているという状態だと私は考えている。
しかし、この報道では、そのコントロールの枠をこえて、統制がきかなくなる可能性があると中共が考えているというこだろう。
となれば、小泉首相が8月15日靖国参拝を実行した場合、それが政府の禁止にもかかわらず反日暴動を生む可能性も十分に考えら得る。
暴徒と鎮圧しようとする警察という対立は、容易に反政府行動に転化しうる。
つまり、最悪(人によっては最高というかもしれない)のシナリオでは、小泉首相の靖国参拝で中共政府が倒れるということになるのだ。

……まあ、そこまでいくのはなかなか困難だろう。しかし、靖国参拝によて、中共が大きく動揺しかねないというのは事実であろう(そうでないと反日活動を禁止する理由がない)。
もはや、靖国参拝は「中国が日本に対して切るカード」ではなく「日本が中国に対して切るカード」となっているといえよう。
そう考えれば、なぜ、あれだけ中共が必死に靖国参拝を阻止しようとしているのかもよく理解できるというものだ。

Posted at 11:25 in 国際 | WriteBacks () | Edit

らいおんはーと ~ 小泉総理のメッセージ

一時話題になったものの、最近はすっかり忘れられた感のある小泉内閣メールマガジン。
そこに解散をうけての小泉総理のメッセージが記載されていたので、引用してみたい。

● 郵政解散

 小泉純一郎です。

 8月8日、衆議院を解散いたしました。小泉内閣の「改革の本丸」と位置づけてきた郵政民営化法案が参議院本会議で否決され、廃案となりましたが、私は本当に国民の皆さんがこの郵政民営化は必要ないと思っているのか、直接聞いてみなければならないと思い、衆議院を解散しました。

 いわば、今回の解散は「郵政解散」です。郵政民営化に賛成してくれるのか、反対なのか、これをはっきりと国民の皆さんに問いたいと思います。

 今まで、すべての政党が郵政民営化に反対してきました。なぜ「民間にできることは民間に」と言いながら、この郵政三事業だけは民営化してはならないと言うのか?私はこれが不思議でなりません。

 郵便局の仕事は本当に公務員でなければできないのか?役人でなければできないのか?私はそうは思いません。「大事な仕事だから公務員でなければだめだ。」と言う人がいますが、それこそまさに官尊民卑の思想です。それは民間人に失礼だと思います。

 郵便局の仕事は民間の経営者に任せても十分できる、むしろ、民間人によってこの郵便局のサービスを提供していただければ、今よりももっと多様なサービスが展開できる、国民の利便性を向上させる。民間の経営者は、国がこういう商品を出しなさい、こういうサービスをやりなさいと義務づけなくても、国民に必要な商品やサービスを展開してくれると思います。

 私は、「この郵政民営化よりももっと大事なことがある。」と言う人がたくさんいることも知っています。しかし、この郵政事業を民営化できないでどんな大改革ができるというんでしょうか。私は、前々からこう言っているんです。「行財政改革をせよといいながら郵政民営化に反対することは、『手足をしばって泳げ』と言うようなものだ。」と。

 本当に行政改革、財政改革をやるんだったら、郵政民営化の実現なしには進められません。郵政三事業には約38万人の公務員が携わっている。私は、これを民間人に開放するべきだと言っているんです。私は、郵便局は国民の資産だと思っています。過疎地の郵便局もなくなりません。今の郵政三事業のサービスは、民間人に任せても、地方においても、過疎地においても維持される、十分にできます、ということを言っているんです。

 約400年前、ガリレオ・ガリレイは、天動説の中で地球は動くという地動説を発表して、有罪判決を受けました。そのとき、ガリレオは、「それでも地球は動く。」と言ったそうです。

 今、国会では「郵政民営化は必要ない。」という結論を出しました。「それでも郵政民営化は必要だ。」と私は思います。私はもう一度国民の皆さんに聞いてみたいと思います。本当に郵便局の仕事は公務員でなければできないのか、民間人でやってはいけないのかと。

 そして、郵政民営化についての国民の皆さんの支持を得て、衆議院で過半数の勢力を得ることができれば、参議院の反対した皆さんも協力してくれると思います。選挙終了後国会を開いて、郵政民営化の法案を成立させるように努力していきたいと思います。

基本的には、解散直後の演説をベースにしたもののようだ。
小泉自民党は、郵政民営化を総選挙の主題にすえることで、小泉自民党・公明党を「改革派」、反小泉自民党と民主党を「守旧派」としてラベリングすることが狙いだ。
最近、選挙動向を左右するとされている“都市部無党派層”が、おそらくは最も望んでいるであろう「保守系改革政党」として自民党を演出しようということだろう。

この狙いは悪くない。
だが、それを成功させるには、この「郵政解散」のインパクト(余韻)を選挙日まで引っ張り続けられるかかどうかが問題になってくる。
かつての「ハプニング解散」では、自民党が政権を失うことになれば元も子もなくなるということで、結局は、大平内閣不信任案採決の欠席議員を公認したが、そうした“腰砕け”をみせれば、この戦略は失敗に終わる。目先の政権は守れるかもしれないが、小泉首相はレームダックとなる。
まずは小泉“総裁”が突っ張りきれるかどうかに注視したい。

Posted at 10:31 in 政治 | WriteBacks () | Edit

Aug 09, 2005

各新聞のスタンス

解散翌日の新聞各紙の社説を見て、今回の解散総選挙に対する各社のスタンスをさぐってみよう。

●産経新聞
総論:小泉自民支持、反民主党・反反小泉自民。郵政民営化を踏絵に、構造改革を論点として選挙を行うべき
解散論評:郵政民営化は日本の将来にとって必要不可欠な改革であり、衆院を解散して国民の民意を問うことはやむを得ない。
否決理由:自民党内の権力闘争を持ち込み、郵政法案を葬り去った。特定郵便局などの権益をすべてに優先させる人たちが存在する。
小泉政権評価:中途半端ではあるが、過去の政権が手を付けられなかった“タブー”に切り込んだ意義は大きい。国のかたちを整えてきた小泉政権の歴史的な意義を評価したい。
郵政民営化評価:自民党の集票基盤であり、族議員、官庁、特殊法人などで形成する既得権益を支えてきた。巨大な資金を市場メカニズムの外に置いて経済の活性化を阻害し、財政規律をも大きくゆがめてきた。民営化は小泉政権に限らず、いわば日本の課題。
選挙での自民党:自民党の賛成派と反対派を峻別し、自民党が改革政党になるチャンスである。国民から支持される真の保守政党に変えることは、政治の構造改革ともいえる。
民主党評価:結局、対案は出せなかった。労組の意向が最優先されたといわれても仕方なく、とても改革政党とはいえまい。国の根幹である安全保障などの基本政策もはっきりしていない。
選挙の争点:これからの日本にいかなる改革が必要かを熟慮して判断すべき

●読売新聞
総論:小泉批判も「自民党」は支持。反民主党。郵政民営化よりも内外交の懸案処理を争点として選挙をすべき。各党は正面から政策で争うべき。
解散論評:分かりにくい衆院解散劇。首相の決断は、戦後の憲政史を見ても、異様に映る。憲政の常道に反しないか、大きな疑念を残すものだ。
否決理由:(特に言及なし)
小泉政権評価:重要な外交課題にも、政治が適切に対応してきたとは言えない。
郵政民営化評価:郵政民営化法案は、不十分な点もあったが、日本の経済・社会の改革につながる重要な法案だった。
選挙での自民党:結党50年を迎える自民党は、立党以来の危機に直面している。
民主党評価:郵政国会では、郵政民営化法案の対案も出さず、支持団体の郵政労組への配慮から、現在の公社維持・結論先送りを主張し、存在感は希薄。法案否決も、自ら追い込んだのではなく、自民党の内紛に便乗しただけだったのではないか。
選挙の争点:財政再建や社会保障制度、安全保障、中韓両国との外交など、郵政民営化以上に重要な多くの課題に直面しており、郵政民営化問題だけが、争点と言うわけにはいかない。選挙後の新内閣は、重要課題に着実に取り組む懸案処理内閣でなければならない。その認識に立って、各党は、正面から政策で争うべきだ。

●毎日新聞
総論:満遍なく批判しながらも、特に反反小泉自民。小泉は批判しっぱなしだが、民主党にはややエール気味か。総選挙は郵政民営化だけでなく、内外交の重要課題をひとまとめにした国民投票。行き詰まった政治を変えるきっかけに。
解散論評:小泉首相も法案の中身は二の次で権力闘争意識をむき出しにした。首相本人が現状に限界を感じており、それを打破するため、実は元々、成立より選挙を望んでいたのではないか。
否決理由:小泉改革を現状のままの自民党の構成で続けていくのは限界が来た。首相支持率が低下し、党や派閥を無視してきた首相の政治手法や人事に対したまってきた不満が一気に噴き出した。小泉首相も法案の中身は二の次で権力闘争意識をむき出しにした。
郵政民営化評価:既に妥協を重ねた形ばかりの郵政民営化案を原点に立ち返って作り直すべき。郵政民営化は、ひいては「大きな政府か、小さな政府か」につながるテーマだ。
小泉政権評価:小泉改革は毎回、党側との妥協の産物ではあったが、一応の結論を出せた。内閣より党が力を握る二重権力構造解消のため内閣主導の政策決定を目指したのは間違いではないが、政府と与党の対決に活路を見いだす手法を続けるのは根源的に無理があった。首相も党も、政党の命であるはずの政策を軽視し、党内のねじれを放置してきたツケが、いよいよ回ってきた。
選挙での自民党:小泉首相が法案反対者を公認せず、その選挙区には新たな候補を擁立し、選挙後も組まない方針を打ち出したのは当然である。政策で大きな乖離がありながら、同じ自民党を名乗るという分かりにくい状況が、今度の内紛の結果、少しでも解消されるのであれば悪いことではない。郵政反対派内には選挙が終われば小泉首相を除いて一緒になればいいとの声が聞こえるが、これは有権者には分かりにくい姿勢と映るだろう。
=>公明党:早々と民主党との連立の可能性にも言及している公明党も「政権の枠組みは選挙結果次第」では済まされない。自民党との連立政権を継続するというのなら事前に有権者に明確にしておく必要がある。
民主党評価:今回の解散は、民主党が政権を追い込んだのではない。自民党分裂という「棚ぼた」式で政権交代の可能性が取りざたされているに過ぎないのだ。郵政民会法案政府案の批判だけに終始したのは、党内の労組系議員を中心に、自民党と同様、民営化反対派を抱え、対立を回避するためだと既に有権者も見抜いている。民主党も、そんな党内のねじれを解消すべき。
選挙の争点:年金、財政再建と増税、政治とカネ、首相の靖国参拝、行き詰まった対中国・韓国外交、北朝鮮の拉致問題と核開発、国連安保理常任理事国入り、イラク派遣自衛隊、憲法改正といった重要課題をひとまとめにした国民投票。それぞれの政策を各党が競うようにすべき。誰が本当に実のある改革を進めてくれるのかを見極める総選挙にしたい。

●朝日新聞
総論:反小泉が鮮明。他にあまり言及がない。選挙の争点は、次期政権担当選択?
解散論評:小泉改革の本丸とされた郵政民営化が頓挫したのだから、本来なら総辞職に値する。だが、これまでの改革路線に間違いはないとする以上、政権の存亡をかけて国民の信を問うのも一つの道だ。それにしても、分かりにくい解散だ。
否決理由:小泉首相と自民党の一部が激突し、双方とも引っ込みがつかなくなった。その揚げ句に、衆院解散の脅しが現実になった。党の公約に公然と造反した反対派の行動は、政党政治の原則からいって許されない。だが、党内をまとめきれなかったリーダーとしての責任を、首相はどう考えているのか。「抵抗勢力」との対立をあおり、摩擦熱で世論の支持を集める「小泉劇場」の手法が行きつくところまで来た。
郵政民営化評価:(特になし)
小泉政権評価:社会保障制度の立て直しは財源論議で行き詰まっている。政治資金の透明化も自民党の消極姿勢で改善の気配がない。外交は八方ふさがり。靖国参拝問題で中韓との亀裂はかつてなく深い。自衛隊を派遣したイラクの混乱ぶりは目に余る。国連安保理の常任理事国入りは、近隣諸国や米国の支持さえ得られず、絶望視されている。この政権には外交戦略があるのだろうかという疑問すらつきまとう。
選挙での自民党:自民党はがたがたの状態
民主党評価:民主党の責任は重い。争点を明確に打ち出す一方で、政権公約をきちんとつくり、「もう一つの選択」を具体的に示すべきだ。
選挙の争点:4年余の小泉政治の総体を採点しなければならない。れからの日本の舵(かじ)とりをだれに任せるのか、次の政権を選択する選挙ということだ。党内対立から発した解散・総選挙であることが、問題をわかりにくくしている。選挙戦を通じて、各党もわれわれも争点を整理していく必要がある。

各社それぞれに立場違うのがよくわかる。
読売は中曽根との関係が深いためか、反小泉自民への批判がほとんどない。小泉批判は解散したという事実に対してが中心である。おそらく、小泉に対しては批判をもっと加えておきたいのだろうが、それで自民党(保守政権)自体が沈んでしまっては、元も子もないといったところではないだろうか。郵政法案そのものにあまり触れず、また、それを上回る重要課題があるなどしているのは、「自民党」への配慮であろうか。
毎日は比較的中立的であり、理屈的にもおかしなところはない。ただ、郵政利権の話にふれず、否決・解散を自民党内の権力争いという定義付けしているとことが目立つ。
また、読売と同様に「内外交の重要課題」を争点としてあげているのだが、その中身が異なる。読売が取り上げていない“重要課題”では、「首相の靖国参拝」「イラク・サマワに派遣した自衛隊をどうするか」「憲法改正」などがとりあげられているし、同じものをとりあげていても「中韓両国との外交」(読売)に対して「行き詰まった対中国・韓国外交」(毎日)という表現をしており、毎日のスタンスがあらわれている。
産経と朝日は不偏不党というマスコミの範疇を左右それぞれにはみださんばかりだ。
産経は小泉首相の主張をほぼなぞったような形である。民主党をばっさりと批判する一方で、反小泉派を自民党から放逐し、真の保守政党誕生という政界再編を主張している。
一方、朝日のほうは……いつもの通り反小泉。外交について他社の社説とは異なり、わざわざ項目をたてている。靖国、イラク自衛隊派遣については小泉が悪いと明確に談じているのもいつもの通りか。
しかし、文章量の割に内容がスカスカだし、論旨が混乱している。
例えば、小泉が解散にふみきったことについては
「政権の存亡をかけて国民の信を問うのも一つの道だ。」
と筋が通っていると当初は主張する。
「朝日新聞社の先月末の世論調査では、郵政法案が通らなかった場合の解散・総選挙に53%が賛成し、反対の28%を大きく超えた。世論の多くが政治の行き詰まりを感じている」
ともいい、解散が世論にそったものだということまで示してくれている。
が、その直後に
「それにしても、分かりにくい解散だ。」
と続ける。
国民が支持している行為を「分かりにくい」というのはどういうことだろうか。主語をいれると「朝日新聞にとって分かりにくい」ということとしか文章が繋がらないのだが、そういう意味ではあるまい。
また、選挙の争点についても
「首相は「改革に抵抗する勢力との戦い」という構図で選挙に臨む。」
「有権者にとっては、これからの日本の舵(かじ)とりをだれに任せるのか、次の政権を選択する選挙ということだ。」
としながら、結びでは
「党内対立から発した解散・総選挙であることが、問題をわかりにくくしている。選挙戦を通じて、各党もわれわれも争点を整理していく必要がある。」
として、投げっぱなしである。
社説は、ある意味で新聞の顔なのだから、もっとまともな論旨を組み立ててほしいものだ。

いずれにせよ、今後の報道についても、各社はこのようなスタンスを表明した上でのものであるということを理解してから解釈すべきであろう。

Posted at 13:04 in 政治 | WriteBacks () | Edit

郵政解散

いやはや、私の読みが甘かった。
よもや否決・解散になるとは。
茶番だと思っていたのだが、本当に郵政民営化がイヤでたまらないというのが実感できた。
そんなわけで、まだ、状況が不透明なので、選挙戦についての考察は後に回す。
が、この解散だけでも見えてきたことがある。

・郵政民営化法案の効果と郵政利権
かつても分裂選挙はあったが、それはある意味で「コップの中の嵐」だった。自民党が政権与党であり続けられるだろうという前提での分裂選挙だった。
しかし、今回は分裂選挙なら民主党に政権をとられるかもしれないという、非常に不利な選挙戦を招くことが容易に予想できた筈だ。
それでも、郵政民営化に反対するというのは単なる「小泉憎し」だけではあるまい。
やはり、郵政利権というものが、とてつもなく大きなものなのだと思わざるをえない。
そして、郵政民営化法案にこれだけ激しく抵抗したということは、この法案が“有効”なものだということにもなるだろう。

・田中派の終焉
田中軍団ともよばれ、最大派閥として猛威を振るった田中派。竹下派、橋本派と権力をふるってきた。それが、明確な領袖を失い、集団指導体制になったものの野中氏は引退、橋本元総理は法廷に引きずり出され、そして、参院のドンとしてふるまっていた青木氏もこれで影響力を失墜した。
党内において、田中派支配は完全に終焉したといってもよいだろう。

・小泉という総理の信念
小泉批判において、政権を維持すること、権力欲にとらわれているというようなものがあった。しかし、単に政権を維持するだけならば、継続審議にするなどいくらでも妥協点があっただろう。
しかし、あえて強行突破を試み、否決されるや解散にふみきったことは、彼の信念が政権維持や権力欲を勝るということを示していよう。
──その信念が正しい方向なのかどうかはまた別問題だが。

・公明党の権力欲
公明党はあくまで自民党にすりよる姿勢をみせ、また、一方で民主党に粉をかけるなどして、あくまで“与党”に固執する姿勢を見せた。
わかりやすい「権力欲」である。
一度、与党になってしまった以上は、その甘い蜜から逃れることはできないのだろう。

・株価は政権の安定を求めている
参院での郵政民営化法案否決の流れになってから下落していたが、いざ解散してから下げ止まった。
郵政民営化を市場が求めていたなら、もっと下がっていい筈だ。
つまるところ、市場は政治の混乱を嫌ったのであり、郵政民営化否決を嫌ったわけではないということだろう。

これらがはっきりしたということも面白いところだ。
これらをふまえ、今後、まずは公示までの動きに注目していきたい。

Posted at 00:12 in 政治 | WriteBacks () | Edit

Aug 05, 2005

虚報ではないのか

非常ブレーキ操作の記録なし JR宝塚線脱線で事故調(朝日新聞8月4日 = asahi.com)という記事が出た。
国土交通省航空・鉄道事故調査委員会による、調査結果の一部が発表されたものだ。

さて、これを読むと、主原因が速度超過であることはかわらないものの、今までの話とかなり異なってくる。
従来は、回復運転のために速度を出しすぎておりカーブ手前でブレーキ→非常ブレーキを作動させたものの減速がまにあわず。カーブ手前での急減速もあってバランスを崩し、脱線したといストーリーであった。
事故直後に、JRが発表した“脱線速度”シミュレーションについても「想定が非現実的であり、実際にはもっと低速で脱線する」「ブレーキをかけた車両が現実に脱線しているのだから、JRに原因隠しの意図がある」というニュアンスで批判されていたはずだ。

しかし、この発表によれば、カーブにノーブレーキで突っ込んでいる。一瞬、おくれて(約一秒後)通常ブレーキをかけはじめたものの、非常ブレーキをかけることなく約三秒後に脱線するということになる。
JRがシミュレーションしたように、かなりの高速でカーブに進入しているし、また、これだけの速度(70km制限に40km以上オーバーして進入)となると、巷間いわれていた「経済性を追求したアルミ車体により重心位置が高くなりバランスを崩しやすかった」という説も少なくとも今回の事故で原因の一つとしてあげるのは無理があろう。

今回の結果で、更なる疑問がわいてはくる。
なぜブレーキをかけるのが遅れたのか。運転士の健康状態(以前話題になったマイクロスリープや、なんらかの突発的な病気など)なども考えていく必要が出てくるだろう。

しかし、いずれにせお、事故直後に各マスコミが大々的にキャンペーンした内容と、精査された調査内容は大きく異なってきた。
以前の報道は虚報といっていいのではないか。
いたずらに読者を煽り立てるような報道で、原因がはっきりしない段階から「断定」を行ってきた各マスコミは、きちんと反省し、事実を伝えるという責務を果たすべきであろう。

Posted at 10:05 in 社会 | WriteBacks () | Edit

Aug 04, 2005

分裂選挙・新党結成?

郵政民営化において、反対派議員が新党結成などということを打ち出している。
そこで、自民党(およびその前進の自由党)から、分裂選挙や新党結成といった主なものを拾ってみる。

昭和27年10月 第25回衆議院議員総選挙

 いわゆる「抜き打ち解散」に伴う総選挙。
 自由党党首・首相である吉田茂と、公職追放によって吉田に党首の座を譲るも追放解除になり自由党に復党した(新党結成の動きもあったが、鳩山の脳溢血により復党になる)鳩山一郎の対立が続いている中、吉田が鳩山派の勢力を削ぐべく抜き打ち的に解散したもの。
 吉田派と鳩山派の分裂選挙となり、鳩山派からは投票二日前に石橋湛山、河野一郎を除名するような激しい対立であった。
 この選挙により、自由党は前回(民自党時代)選挙の獲得議席264(任期中、ここに民主党連立派23名が更に合流していた)から240へと議席を大幅に減らす。
 かろうじて過半数という結果はがキャスティングボードを握る結果を生み出し、次の選挙へと繋がっていく。

昭和28年4月 第26回衆議院議員総選挙

 いわゆる「バカヤロー解散」。
 吉田首相の国会暴言に端を発するが、実はこれ自体は吉田の取り消しにより暴言を浴びせられた本人(右派社会党・西村榮一議員)は追求しない姿勢だった。しかし、鳩山派は三木武吉を中心に工作を行い、首相の懲罰動議を提出、野党・自由党鳩山派、広川弘禅(派の賛成により可決。さらに鳩山派の一部が脱党したことで内閣不信任案も可決され、吉田は衆議院を解散した。つまり、この解散そのものが、鳩山派の手によるものだったといえる。
 鳩山派の一部(強硬派)22名は自由党を脱党し、分派自由党を結成して総選挙へ。
 吉田自由党は199議席、鳩山(分派)自由党は35議席となり、吉田自由党は第一党ながらも過半数を割る。この時には改進党(重光葵)76議席、左派社会党72議席、右派社会党66議席を獲得しており、自由党は全体としても議席数を減らしている。
 その後、紆余曲折を経て、翌年12月の吉田内閣総辞職・鳩山内閣成立、昭和30年の保守合同=自由民主党結成へという政界再編が行われる。

昭和35年 河野新党

 河野一郎は鳩山派の実力者であり、また、昭和31年には鳩山内閣農林大臣として日ソ漁業交渉でフルシチョフ(当時ソ連共産党第一書記)と渡り合って交渉を成功させたという政治的力量においても実力者であった。
 岸内閣後期において反主流派に転じ、昭和35年の岸退陣に伴う自民党総裁選で立候補するも池田勇人に破れる。
 この後、河野は河野新党(いわゆる第二保守党)の結成をもくろむが、当時、歩調を同じくしていた大野伴睦らの説得、後に派閥を継ぐことになる中曽根康弘ら派内の反対により断念し幻におわる。
 後、大野の仲介により池田と和解、主流派に転じる。

昭和51年6月 新自由クラブ

 49年11月に田中角栄首相は金脈問題で退陣表明し、12月に三木武夫内閣が成立する。
 三木の首相就任は、田中後の総裁選出裁定を任された椎名悦三郎自民党副総裁が当時の有力首相候補である福田赳夫・大平正芳のどちらを選んでも党内が混乱すると考えたことから三木が選択された(いわゆる椎名裁定)。
 しかし、自民党内最左派であり、理想主義的な政治を掲げる三木は、党内多数派から支持を得られなかった。元々、三木派は少数派で党内基盤が弱かったことから、党内闘争は激化。支持率を低下させていくことになる。
 そこに51年2月にロッキード事件が発覚。
 これにより自民党の支持率の低下は著しく、危機を感じた若手議員らが離党・新党結成に這い知ることになる。
 新自由クラブがそれで、初代代表は河野洋平(離党前は中曽根派)。親のならなかった保守新党を、子が実現したということになる。合計で衆議院銀5名、参議院議員1名がこれに参加した。
 同年12月の第34回衆議院総選挙では17議席を得るも、政治姿勢の違いから西岡武夫幹事長が離党・自民党復党するなどして混乱。昭和54年の第34回衆議院総選挙では4議席と惨敗し、一過性のブームに終わる。後、昭和58年には過半数割れした自民党(中曽根内閣)と連立政権を組んだが、これにより、単なる自民党の補完勢力になってしまう。  結果、昭和61年には解党し、大部分は自民党へと合流し、消滅する。
 復党した河野洋平は平成5年から平成7年まで自民党総裁を務めるが、当時の自民党は野党であり、自民党史上今のところ唯一の総理になれなかった総裁である。

昭和51年12月 ロッキード選挙

 戦後初の任期満了選挙。
 自民党内多数派が反三木派となったこともあり、三木総理が解散権行使を阻まれたため満了まで選挙がおこなわれなかったといわれている。
 この選挙では、三木が田中逮捕(7月)に踏み切らせたと信じた田中派、次期総理を目指す福田赳夫派・大平正芳派らは明確な反三木を打ち出し、県連単位で三木の応援演説を拒否するところも出るという分裂選挙となった。
 自民党はこの選挙で、271議席から249議席へと転落する。
 とはいえ、この数字は分裂選挙によるものというよりは、田中金脈事件からロッキードへと続く政治スキャンダルの中で、党内抗争を繰り返し、また、実体のある政策を打ち出せない三木と自民党への批判によるものが主であっただろう。
 いずれにせよ、三木はこの選挙結果により退陣し、福田内閣が成立する。

昭和54年5月 ハプニング解散

 大平内閣は大型間接税導入を公約に掲げて第35回衆議院議員総選挙に突入、248議席という大敗とされた前回の議席数すら下回る結果となった。
 これに対して、大平の責任を問う形で大平主流派(大平・田中派)と反主流派(福田・中曽根・三木派、中川グループ)との対立が先鋭化。
 四〇日抗争といわれる党内闘争が勃発。総理大臣指名選挙において、自民党から大平と福田という二人の候補に投票されるなど、混乱を招くものの、大平が押し切る形で一端は終結する。
 しかし、党内闘争は続き、昭和55年5月に国会会期末の恒例行事的に社会党が提出した内閣不信任案に対して、福田・三木派が欠席。このため、不信任案が可決されてしまい、総選挙へとすすむ(この不信任案について、野党はよもや可決されるとは思っていなかったため「ハプニング解散」といわれる)。
 ここにいたり、主流派と反主流派の対立は(内閣不信任案に直前で欠席を回避した中曽根派を除き)解消不可能と思われ、自民党そのもののの分裂含みで総選挙となった。  しかし、選挙戦中に大平総理の急死という事態が発生し、それが主流派と反主流派を結束させる結果となり、また、史上初の衆参同時選挙の効果もあって、自民党は286議席を得る大勝を得る。

平成5年7月 羽田派離脱

 いわゆる「失われた10年」を生み出した自民党分裂。
 竹下派の後継(主導権)争いに端を発し、敗れた羽田孜派(実質的には小沢一郎派と目される)が新派閥を形成。これが反主流派となり、ついに平成5年6月の宮沢喜一内閣不信任案を可決させてしまう。
 結果、羽田派を中心に新党・新生党をたちあげ、総選挙に望む。
 この第40回衆議院議員総選挙では、同じく自民党離党組である武村正義らの新党さきがけ、旧田中派から熊本県知事を経て中央政界に復帰した細川護熙の日本新党らとともに「新党ブーム」を巻き起こし、新生党も解散時議席36(実質)を55にまで伸ばす。
 そして、八党連立による非自民政権、細川内閣を成立させた。
 しかし、細川内閣瓦解後の平成6年4月成立の羽田内閣では連立から社会党が離脱したことにより、少数内閣となって在任期間64日という史上二番目(しかも一番目は終戦直後の内閣という特例である東久邇宮稔彦王内閣)の短命内閣におわってしまう。
 以後、政権は自民党に復し、羽田派らは紆余曲折の末、民主党合流組と自民党合流組とにわかれることになる。

こうして俯瞰してみると、最終的に意味のある分裂、新党をやってのけたのは鳩山ぐらいのものである。しかし、この時は保守政党も元々、複数あり、また、戦後の再編期で政党の組織化も不十分な時期でもあった。
五十五年体制確立後は、いずれの試みも失敗しているといえる。
豪腕をうたわれ、一時は非自民政権をつくることに成功した小沢でさえ、不遇をかこい、民主党内で再起を目指す形になっている。
となると、今、気勢をあげている議員たちの「新党」はどうなのか? という疑問が沸く。
政権与党議員であるという最大利権を手放し、選挙での苦戦(地方組織を丸ごと鞍替えさせることでもできない限り選挙基盤の弱体化は不可避であり、また、自民党が対立候補をたてれば当然に票は割れる)を承知の上で、新党結成に走るのか──。
私はありえないと思う。
今の「新党」は単にポーズとしての発言にしかすぎないと考えるのである。

Posted at 11:43 in 政治 | WriteBacks () | Edit

Aug 02, 2005

自民党徹底抗戦に見る国民の変化

朝日新聞による「NHK番組改変への政治家の圧力」キャンペーンに対抗する自民党は、ついに強硬手段に出た。

自民、朝日新聞の取材を拒否 月刊誌に資料掲載で(産経新聞8月1日 = Sankei Web)

昔から、朝日・毎日を中心とする反保守メディアに、自民党はいらだっていた。
サンケイ新聞を池田の盟友だった水野成夫を乗り込ませて保守系メディアにさせたのも、そうした反保守に対抗するための手であった。
しかしながら、自民党から反保守メディアそのものに対して反撃することはほとんどなかった(毎日新聞の西山事件などは、毎日の“自爆”である)。
もちろん、TV朝日系ニュースステーションなどに抗議するようなこともあったが、ほとんど単発でしかなかった。

株式会社テレビ朝日の「ビートたけしのTVタックル」等における報道に関する問題への対応(総務省平16年6月22日)あたりから風向がかわってきたのではないか。
これは、「自民党・藤井孝男衆議院議員が実際とは違う別の場面のやじの映像を編集し使用したことにより、同議員が北朝鮮の拉致問題に消極的な印象を与えたとされたもの」「「ニュースステーション」の第43回衆議院議員総選挙期間中の報道について、選挙戦終盤の企画として成立させるためには、前日、翌日などの対応について周到に企画を準備した上で放送に望むことが当然であった」こと等の理由により、「配慮に欠けた構成であり、反省すべき点がある」としているところ」について「今後このようなことのないよう厳重に注意するとともに、再発防止に必要な措置を講ずることを要請しました」といいうものだ。
従来のようなTV局の言い訳が世論に通用しなかったという一つのあらわれだろう。

それを踏まえて今回の「取材拒否」である。
今までも何回か取材拒否という事態に陥ったことはあったが、いずれもなし崩しに終わっていた。
しかし、今回は安部・中川両議員の態度も強硬であるし、自民党も長期にわたってこの問題での「対朝日新聞」強硬姿勢を崩していない。
それを踏まえると、全面取材拒否ではなく、党役員の取材拒否という現実味のあるものを打ち出してきたあたり、自民党の「本気度」がうかがえるのではないか。
それはつまり、朝日新聞を敵に回しても勝算がある(あるいは世論に決定的影響がない)と自民党が考えているということでもあろう。

更にいいかえれば、世論の動向が変化してきたということになる。
反保守メディア(進歩的メディア)主導による世論が幅をきかせてきた日本国民の変化を、一つ象徴している事件に、これはなるのではないだろうか。

Posted at 14:24 in 社会 | WriteBacks () | Edit



[PR]ÓeOȂœ܂񂩁H:S19@tŌtقW