Dec 24, 2005

犯罪被害者匿名発表

警察発表において、犯罪被害者を匿名にしようという動きが進んでいる。
事件発表:猪口担当相「被害者が希望すれば実名発表」(毎日新聞12月20日)
しかし、珍しく大マスコミと意見を同じくし、私はこの匿名発表には反対である。

犯罪被害者が匿名になるということは、その事件に対するトレーサビリティがなくなるということである。裏づけがとれない犯罪は、フィクションとなんらかわらなくなる。
大マスコミは警察(政府)に都合の悪いことは匿名発表になり事実を隠される恐れがあると、反対の理由をあげているようだ。
もちろん、それもある。
だが、これを“利用”できるのは何も権力側だけではない。

例えば、被害者が匿名発表を希望し、犯人が未成年だった場合、被害者も犯人もわからなくなる。これでは、いくらでも捏造報道が可能であろう。
あるいは、匿名被害者であれば自作自演を見抜くことも難しくなる。報道されきったところで被害届の取下げでもすれば、捜査はまぬがれ、事件報道だけが残る。右から左、カルトまで、いくらでも悪用できそうではないか。

ただし、マスコミも主張するばかりでなく、反省をしっかりとしてほしい。
マスコミが権利を濫用し、被害者に対して被害を与え続けてきたからこそ、こうした匿名発表という話が出てくるのだから。

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Dec 21, 2005

琉球独立希望

「沖縄独立を」25% 4割「沖縄人」と認識(琉球新報12月20日)という記事を見た。
突っ込みどころ満載で苦笑する。

同時にアンケートをとったのが、台湾、香港、マカオ。香港とマカオで、正確な“民意”が出るわけがない。台湾でいう「独立」は沖縄がいう「独立」と全く意味合いが異なる。
つまり、比較できないところと比較しているのだ。
比較として考えるのであれば、北海道(アイヌ民族を中心に)などではないだろうか?

次に表題にもなっている点。
「アイデンティティーの基本構造としては、4割が「自分は沖縄人」と回答。一方で、「日本人である」が21%、「沖縄人で日本人」が36%」
他のきちんと%単位であるのに、「自分は沖縄人」だけ大雑把になっているのがあやしいが、それはさておこう。
いずれにせよ、アイデンティティに「日本人」を入れている人は57%になり「沖縄人」とだけこたえている人より多いという突っ込みもあるのがまず笑える。
加えて、他の地域と比較しなければ沖縄の特異性があるのかどうかまったくわからない。
首都圏のような地方への帰属意識が薄いところと地域意識が強いところ──例えば名古屋圏との比較、農業主体地域との比較、そういうものがなくては意味のないアンケートである。もしかしたら、「日本人」をいれてこたえる人の割合は沖縄より低いのかもしれないのだ。そうしたら、沖縄人は他の地域より日本人を強く感じる、などということになり、記事の意味合いはまるで異なってしまうだろう。

「スポーツで沖縄チームと日本チームが対戦した場合、「沖縄チームを応援する」が93%とほとんどを占めた。」
……いや、普通そうでしょう。
「日本代表」と「自分の住んでいるところ代表」が戦うんだから、自分の住んでいるところ代表を、判官びいきも含めて応援するというのは当然で、設問の意義がまるでわからない。

で、結論が「政府の政策、特に基地政策がどのように改善されるかによって、独立に対する意識も変わってくる可能性がある」って……。
米軍基地が沖縄にあるのは、その地政学的な位置の問題だから、そこが日本だろうと琉球共和国であろうと、基地を要求することにはかわりないんですけど。
基地に対する地元の意見が通らないから独立したいってことですか??
そうだとすると、「独立を望む理由としては「沖縄の政治、社会的状況が本土とは違う」が最も多かった」という冒頭と喰い違うのですが……。

こんな新聞ばかり読まされている沖縄の人は可哀想である。

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Dec 20, 2005

ゲームは子供に悪影響?

ちょっとネット上でのソースがみつからないのだが、昨日、TVニュースで「ゲームは子供に悪影響を与える」という調査結果が出たという主旨の報道がなされていた。
この調査結果によると、ゲームを1日2時間程度しかしない子供の場合、気に入らない相手がいた場合「誰かに相談する」「我慢する」という回答が上位にくる。しかし、1日4時間以上ゲームをする子供の場合は「殴る」といった回答が上位にくる。
これをもって、ゲームを長時間やってる子供はゲームに悪影響をうけ、キレやすくなっている、ということがいいたいらしい。

えーと?
これは因果関係を立証していない。
いくら子供といえども、1日平均で4時間以上ゲームをやるというのは、かなりのものだ。17時に学校から帰ってきたとして、21時まで。メシと風呂に1時間とられたとしたら、22時までゲームをやっていることになる。
これはかなりのやりこみ具合だ。
TVも見なければ、宿題や家の手伝いなどをしている暇もあるまい。

つまり、1日に4時間以上もゲームをしているような子供は、自制心に欠けるのではないか、という疑念が沸くのが当然はないか。
つまり、自制心に欠けるから、「ゲームを長時間プレイ」し「キレやすい」という回答が上位にくるのである。

この調査とやらの結果(が正しいとして)いえるのは「ゲームを長時間やる子供=キレやすい」というであって、「ゲームを長時間やるのが“理由で、キレやすい」ではない。
最初に結論ありきでやっているから、こんな自明のことがわからなくなっているのだろう。

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Dec 19, 2005

運動における陰謀論

「陰謀論」という言葉を、ここでは「ある事象に対して、それを推進・引き起こしたのは、直接的に表にでてきない、ある団体(グループ)だと論じる」ことと定義する。
例えば「アメリカのイラク戦争はユダヤの陰謀だ」とかいうやつだ。

この陰謀論にはソースがある場合と、ない場合がある。
ソースがないまま、状況証拠と推測から積み上げていくと、世に言われるトンデモ本が出来上がる。もちろん、説得力のある推測(推論)ができるのであれあば、「日本の黒い霧」(松本清張)になるのだが。

一方、ある程度のソースが存在する場合がある。
「郵政民営化はアメリカが要望していた」というようなものだ。
この場合、陰謀論はある程度はあっているということになるが、どの程度の“影響力”があるのかはまた別途検討する必要はあるだろうが。

さて、ここで遡上にあげたいのは、後者の場合である。
少なくとも「積極的支持」を表明していれば、その事象は、その団体にとっては有利に働くものであるといえる。
そして、その団体が「よからぬ団体」である場合、その事象を実現することは、一般大衆にとってどうなのか? という疑念が沸くというのは当然だ。
これは、個人レベルでは十分な動機になる。
が、必ずしも社会レベルでの動機には足りえない。

前置きが長かったが、「人権擁護法案反対」を訴える人の中には「部落開放同盟が法案を支持しているからあやしい」というように法案支持団体を理由をあげる者もいる。
先にも述べたように、これは個人レベルでは反対の動機にするには十分だ。
また、自分と思想を同じくするもの──その団体について見方を同じくするものにとっては、動機付けすることができる。
だが、人権擁護法案反対を運動として広げていこうとするのであれば、政治や社会に対して特別に関心がない人を巻き込んでいかなければならない。
その時、「陰謀」を行っている団体は“一般人”にとって、脅威として捉えられている団体だろうか?
もし、捉えられていなければ、ある団体の誹謗中傷としてとらえられ、逆に法案成立に世論を傾かせかねないだろう。

あるいは、その団体がいくら“悪の団体”だったとしても、支持している事柄までもが“悪”であるとは限らない。
例えば、オウム真理教は世間的には“悪の団体”だが、彼らが主張する“信教の自由”は(自己防衛のための利己的動機であっても)保障されるべき事柄である。
また、暴力団(ヤクザ)はその儀式の形式として神道を用いる場合が多いが、だからといって神道が非難されるのはおかしいだろう。

人権擁護法案反対の声を広く一般市民に広げていこう、というのであれば、陰謀論を展開していくことはマイナスだ。
あくまで法案の中身に対する評価で、反対運動は広げていくべきだろう。

Dec 14, 2005

塾講師による生徒殺害事件

幼い子供を狙った痛ましい事件が続いてる。
9日、塾講師によって生徒だった小学校6年生の女児が殺害された。

動機は不明ながら「折り合いが悪い」というのは以前からとされている。報道を信ずる限りは、イジメ(パワーハラスメント?)といえるような仕業があったということだ。
また、一部では「好意をもっていたが“ふられた”ので、イジメはじめた」という報道がある。
いずれにしても、子供相手にムキになっているというか、同じ目線で喧嘩している。

一部報道が事実だとすれば、彼の性的嗜好がロリコンだとかいった話になっていくのだろうが、本質はそこではない。
「自制」できるのか、「立場」にふさわしいふるまいができるのか。
そこが問題だ。
“社会”よりも“個人の権利”を優先するかのような教育。
“子供”を“大人と同じ”とする教育。
そうした教育の負の面が、「個人」を「自制」できず、「子供」と「(大人である)自分」を同レベルとして行動した今回の事件に繋がっているように思えてならない。

その事と関連しているのかもしれないが、この犯人のもつ「二面性」というのが指摘されている。熱心で優秀な講師という顔と、今回の事件。
が、考えてみると、これは二面性ではないのではないか。自己愛、あるいはエゴだということで一貫性をもっているのではないか。
つまり、講師としての「熱心さ」は教育に熱心なのではなく、自分の評価を向上させることに熱心なのである。
だから、自分の評価を貶めかねない生徒──学業が伸びない、指導に従わない生徒は、彼にとってはなんとしても解決せなばならない。「自分の評価を向上させることに熱心」の行き着く先が生徒の殺人だったということになる。
もちろん、理性的に考えれば、殺人などしたら「評価」など吹き飛んでしまう。
が、それは「殺人をしたから」であって、彼が今まで評価されてきた能力とは別の理由である。だから、彼の“評価”は守られる。
こんな風に思えてならない。
いずれにせよ、何ら正当化できるような事ではないが。

また、「塾の危機管理」の問題もクローズアップされている。
確かに、以前、学校内で生徒同士による殺人事件というものもあったのだから、“最悪”を想定するという危機管理の要諦からすれば、塾側の危機管理能力という問題が浮上するのは当然だろう。
しかしながら、それをしたり顔で批判する“コメンテーター”という連中は何なのだろうか。彼らは事前にそんな事を予想し、警鐘を鳴らしていたのだろうか?
事がおきてからあれこれいうことはたやすい。危機管理についていえば、彼らもまた“同罪”といえよう。
実際、今回の事件ではかなりの計画性が指摘されている。そうである場合、どんなに警戒したとしても“最初の一撃”を防ぐことは困難だ。
今回も塾側は生徒と講師が一緒にならないように指示を出しているのだが、それをあえて無視されるとなると、指示された以外の行動はとらないように強制排除するような仕組を考えねばならなくなる。だが、アルバイトを相手にそこまで厳格な就業を要求するのは社会的に困難だ。サービス出勤、サービス残業ですら当たり前なのが日本社会なのだから。
突き詰めれば、塾という形態を捨てて、在宅リアルタイム通信授業にでもしない限りは安全性の確保は不可能だ。

それでも、できる限りを求めていけば、最も留意しなくてはいけないのは“人”だということになる。
今回の犯人は、以前よりこの女児と問題を起こしている一方、一般的には評価がよかった、とされているようだ。
この件だけをもってして解雇というのは難しそうである(もっとも、そうしていたらいたで、別の形で生徒が“襲撃”されていた可能性が高いように思えるが)。
一方、犯人は在籍する同志社大学内で事件を起こしている。女子学生の財布を盗もうとして、警備員に咎められてこれを殴打したというのだ。強盗未遂として、刑事事件となり、執行猶予付の判決をされている。大学側からも停学処分が言い渡されている。
この塾に採用されたのは、この停学期間中だったという。
もし、塾がこの事件を知っていたら、果たして採用していただろうか?
だが、個人情報保護法が施行された今、停学はおろか、大学に在籍しているのかどうかすら、本人からの確認によるしかない。
個人情報のトレーサビリティを低くするのが個人情報保護法の狙いでもあるが、社会を構成していく上で必要な情報も遮蔽されてしまってはいないだろうか。
実名のトレーサビリティがなくなれば、それは限りなく匿名社会に近づく。
運用面での齟齬もあるのかもしれないが、それを含めて、個人情報保護法を見直す必要があるのではないだろうか。

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Dec 09, 2005

開戦記念日

日付が変わってしまったが、12月8日は64回目の大東亜戦争開戦記念日である。

私のような世代からすれば、歴史上の出来事だが、未だ日本人の平均寿命より短い年月しかたっていない。
平成16年現在、男性が78.6歳、女性が85.6歳だから、まだまだ多くの人が戦前生まれであり、また、戦争の記憶をもっていることになる。
が、軍人経験者となると、既に平均年齢を超えている。
戦友会なども維持できなくなり、次々と解散している。
本来ならば、自衛隊のOB組織と合流して一貫した“退役軍人会”にできればよいのだが、自衛隊が軍隊ではないという建前上、それも不可能だ。

時期的に考えれば、この数年が“前線”“戦地”経験者の声を聞くことのできる最後の時期となろう。
私のような戦後生まれの人間は、どこかで「最後の帝國陸海軍軍人」を見送らねばならない。
せめて、そうならないうちに、彼らの、今まで黙殺されていた声を拾い上げていかねばいけないだろう。

そうした声を、今、最も手軽に入手できるのは、光人社/潮書房の雑誌「丸」だろう。
ミリタリ少年入門編として有名な本で、最近では分量も減ってしまったようだが、必ず旧軍人・軍属の手記が乗っている。少し大きな本屋でなら取り扱っており、知らなかった方は一度、手にして見てはどうだろうか。

Nov 30, 2005

「萌え」の定義

すでにニュース番組などでも登場するようになった単語、「萌え」。
だが、これを説明しろ=定義しろとなるとなかなか難しいようだ。
じゃあ、というわけで、定義に挑戦してみよう。

まずバッサリいけば、「萌え」という単語は、「性的興奮」をあらわす言葉だと定義できよう。欲情をあらわす「ハァハァ」などという擬音と同時に使われていることが多いことでも、それは理解できる。
ただ、この場合の「性的」とは、“セックスの対象”というだけでなく、「かわいい」という程度のものから含んだ、かなり広い意味でのものだ。
従来の言葉でいえば「そそる」とか「グッとくる」というようなものを、もうちょっと広い範囲にしたようなものか。

では、なぜ、わざわざ区別して「萌え」という単語が定着したかといえば、熱中するとか興奮するというような意味で使われていた「燃え」と被せた上で、柔らかいイメージをだす漢字を見つけ出してきたという「うまさ」があろう。
それと、もう一つ、その“対象”が従来と違うものだったということではないか。

「萌え」の対象として思いつくのは、まず、ヲタク文化に属するものだろう。アニメキャラやフィギュアなどはその典型である。
そいてもうひとつは、ヲタク文化圏外でも、一般社会において性的興奮の対象と見られていないもの、あるいは性的興奮の対象と公言するものが憚られるものというのがあげられるのではないだろうか。いわゆるフェチとしてカテゴライズされるようなものだ。
後者についていえば、「セックス」を「H」と言い換えることで、ゴールデンタイムのテレビでも口にできるようになったようなものだ。「メイドに欲情するよね」より「メイド萌え」というほうが口にしやすいといえないだろうか?

以上、まとめると「萌え」とは

・「(かなり広い意味での)性的興奮」を表す
・対象が「ヲタク文化」に属するもの
・対象が一般社会において「性的興奮の対象と見られていないもの」
・対象が一般社会において「性的興奮の対象と公言するものが憚られるもの」

である。

もっとも、これは私の私論でしかないし、言葉は生き物だ。
「萌え」という単語が一般化していくにしたがって「性的興奮」という意味はそのままでも、限定されていた対象も、一般的なものまで含めた広いものになっていくであろう。
そしてまた、新たな言葉が生み出されていくに違いない。

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Nov 28, 2005

西村真悟衆院議員逮捕

民主党内最右翼として知られる西村真悟議員が逮捕された。
弁護士出身(資格として現役弁護士)である西村氏の法律事務所元職員の非弁活動(無資格での弁護士活動)を知りながら弁護士の名義を使用させていたというのが容疑である。

主張自体は当サイトと同じようなものが多く注目していた(論理展開あるいはその前提となる知識には?なところがあったが)。
が、有罪が確定するのであれば、政治家としての彼を応援すべきではない。
西村氏の“政界復帰”を認めるのであれば、他の“有罪議員”もまた、政界復帰が認められるべきということになる。
しかし、私は到底、そのような気にはならない。
西村氏の主張に賛同できるからといって政界復帰を支援するのであれば、例えば、辻本議員や鈴木宗男議員の当選について“罪”を理由に責めることはダブルスタンダードになるからだ。

ところで、この西村議員逮捕について「陰謀論」がきかれる。
脛に傷のない政治家はいない、といわれるような世界であるから、任意のタイミングで特定の人物のスキャンダルを出すことは可能といわれている(が、報復がありえるので、おいそれとはできない)。
では、今度の西村氏についてはどうなのか?

陰謀論というからには、陰謀をしかけた人間が必要である。
まず、小泉政権or自民党という“体制側”からとした場合。
西村議員はその過激な言動からメディアへの露出こそ多いものの、民主党内での影響力は極めて低い。保守系ブログからも「保守寄せパンダ」と呼ばれる始末だ。
だから、彼をパージしても、民主党「内」に与える影響は少ない。むしろ、西村氏の存在は民主党左派(旧社会党系など)との意見の違いが浮き立ち、「統一されていない民主党」というイメージを与えることに貢献していた。
小泉政権・自民党と同様(あるいはそれ以上の)右派言動をすることで、支持層を取り込むという見方はあるが、前回の選挙でも小選挙区で落選している。彼の言動がマスコミでとりあげらればとりあげられるほど、その言動は民主党にまったく影響力がないことが選挙民の前に晒されてしまった結果だといえよう。
したがって、今の小泉政権・自民党にとって、スキャンダルあばきしてまで攻撃するだけの価値は西村氏にはないと考える。

一方、民主党という“身内”とした場合はどうか?
その場合、異分子を排除するための陰謀ということになる。
いくら選挙が遠く、比例選出のため補充がきくとはいえ、イメージダウンは甚だしい。
うるさい存在ではあるが、党内での影響力はない人物(このあたりは河村たかしも似ているが)をパージするのは、デメリットが大きすぎるだろう。かつての自民党のように、派閥連合政党としての主導権争いの中で出てくるスキャンダルのような意味をもちえないのだから。
党勢立て直しをはからなくてはならない今、地方組織の一層の離反を招きかねないようなスキャンダルは民主党にとっては避けたい筈だ。
積極的な仕掛をしたとは思えない。

また、「政府が日朝国交正常化を加速するために拉致問題の強硬派を排除しようとしている」という見解はどうか。
それならば、そもそも内閣改造で安部氏を外すか低いポジションにおき、福田氏でも起用しているだろうし、強硬派の麻生氏を外相に据えたりはしまい。西村氏より、それらのほうがよほど影響力がある。

よって、私としては「陰謀論」は支持しない。
ただ、消極的な意味での陰謀──この情報を抑え込まなかったということはるかもしれない。
敵失をカバーする気は、もとより自民党にはないだろうが、民主党にしても「西村氏であれば、情報を抑え込むリスクは背負いたくない」という程度の判断はあったかもしれない。
いずれにしても、その程度であろう。

Posted at 22:04 in 政治 | WriteBacks () | Edit

耐震強度偽造

耐震強度偽造問題がここ数日のトップニュースとなっている。
これを「官から民へ」の成果だと、小泉政権攻撃の材料としようとしている向きもあるが、私はそういう見方には同意しない。このあたりは、建築関係の技術者である青い炎の日記さんと見解を同じくする。
実際、神奈川県では、平塚市も市内のホテルの構造計算書の偽造を見逃していたことが発覚しているのだし。

で、私としてはちょっと別の面から論じてみたい。
建築業界の現状というものについてだ。

さて、この構造設計という仕事、どの程度のお金になるのか見てみる。
ソースとしては、毎日新聞の記事が手がかりになる。

耐震偽造:構造部分のコスト削減、「建築主、気にしない」(毎日新聞11月20日)

これによれば、問題の設計士は「5年間で約110棟の構造計算」をしていたという。つまり、年平均22件。同事務所の年商は約2000万。実際にはこれ以外の収入もあっただろうことを考えると、1件あたり80万円くらいの収入か。
で、同じ記事によれば「個人事務所であれば、マンションの構造設計なら通常年間3~4棟、よくやっても年間10棟が限界だろう」とある。間をとって、「頑張った」として年8件くらいだとすると、年商640万。
……ありゃ。
40代サラリーマンの平均年収くらいか? と思うのは早計。
これはあくまで「年商」なので、「年収」はこれを下回る。
利益率は不明だが、構造設計は、構造計算と構造図作成。合計数百ページにおよぶ納品物をつくる必要があり、おそらくは図面は下請けに出していたのではないだろうか。
法人税もろもろを考えると、一級建築士といえども苦しい経営を強いられていることになるのではないだろうか。
一部屋何千万も払うようなマンションでも、その末端ではこの程度の支払しかされていないのである。

私の知っている範囲でも、ある種の建築資材は10年前(既にバブル崩壊後だ)の半値にまで納入価格が下落している。
下請けに下請けを重ねている建築業界の構造のコストダウンはその末端に一番大きな皺寄せがくる。
特に今のような情勢では「イヤなら別のところにする」といわれれば、そのまま受けるしかない。
単に一個人という問題ではなく、そうした「無茶なコストダウン要求」というのが、今回の一番の問題であると考えなくてはなるまい。

Posted at 22:03 in 政治 | WriteBacks () | Edit

Nov 27, 2005

耐震強度偽造

耐震強度偽造問題がここ数日のトップニュースとなっている。
これを「官から民へ」の成果だと、小泉政権攻撃の材料としようとしている向きもあるが、私はそういう見方には同意しない。このあたりは、建築関係の技術者である青い炎の日記さんと見解を同じくする。
実際、神奈川県では、平塚市も市内のホテルの構造計算書の偽造を見逃していたことが発覚しているのだし。

で、私としてはちょっと別の面から論じてみたい。
建築業界の現状というものについてだ。

さて、この構造設計という仕事、どの程度のお金になるのか見てみる。
ソースとしては、毎日新聞の記事が手がかりになる。

耐震偽造:構造部分のコスト削減、「建築主、気にしない」(毎日新聞11月20日)

これによれば、問題の設計士は「5年間で約110棟の構造計算」をしていたという。つまり、年平均22件。同事務所の年商は約2000万。実際にはこれ以外の収入もあっただろうことを考えると、1件あたり80万円くらいの収入か。
で、同じ記事によれば「個人事務所であれば、マンションの構造設計なら通常年間3~4棟、よくやっても年間10棟が限界だろう」とある。間をとって、「頑張った」として年8件くらいだとすると、年商640万。
……ありゃ。
40代サラリーマンの平均年収くらいか? と思うのは早計。
これはあくまで「年商」なので、「年収」はこれを下回る。
利益率は不明だが、構造設計は、構造計算と構造図作成。合計数百ページにおよぶ納品物をつくる必要があり、おそらくは図面は下請けに出していたのではないだろうか。
法人税もろもろを考えると、一級建築士といえども苦しい経営を強いられていることになるのではないだろうか。
一部屋何千万も払うようなマンションでも、その末端ではこの程度の支払しかされていないのである。

私の知っている範囲でも、ある種の建築資材は10年前(既にバブル崩壊後だ)の半値にまで納入価格が下落している。
下請けに下請けを重ねている建築業界の構造のコストダウンはその末端に一番大きな皺寄せがくる。
特に今のような情勢では「イヤなら別のところにする」といわれれば、そのまま受けるしかない。
単に一個人という問題ではなく、そうした「無茶なコストダウン要求」というのが、今回の一番の問題であると考えなくてはなるまい。

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Nov 21, 2005

米中首脳会談についての社説を読む

■【主張】米中首脳会談 戦略的協調に限界みえる(産経新聞11月20日)

まずは最右翼から。
「経済成長と軍事力増強を続ける中国は、米国の一極支配に対抗する戦略を明確にしており、米中の協調には限界も見え始めたといえる」
「ブッシュ大統領は先の訪日中、台湾の民主化を称賛し、中国が開かれた民主国家になるよう期待を表した。中国は「重要な国」だが、真のパートナーではないという認識だ」
「米中首脳会談の陰には東アジアの安保と地域協力をめぐる戦略問題が隠れている」
として、米中のパワーゲームがはじまっていると説く。
そのパワーゲームにおいて、
「こうした中で、日本が米国との関係をより緊密化する必要がさらに強まっているといえよう」
とすることで、小泉内閣の日米同盟重視路線への支持を表明している。
まずはこれが真っ当な分析だろう。

[米中首脳会談]「『自由の拡大』を求めた大統領」(読売新聞11月20日)

次に右の読売。

「人権や民主化について厳しいスタンスをとってきたブッシュ政権だが、ここまで踏み込んだ発言はなかった」
「北京での発言は、経済の急速な発展に比べて、改善の兆しがなかなか見えない中国民主化へのいらだちを、率直に表明したものと言える」

として、読売も米中対立をクローズアップしている。
さらに、日米同盟について産経よりも行数を割いており

「ブッシュ大統領は京都での政策演説で日米同盟を「地域、世界の平和のためのアンカー(錨=いかり)」と位置づけ、アジアへの関与を強める方針を打ち出した」
「中国はアジア全域で影響力の拡大に腐心する一方、日米の同盟関係にくさびを打とうとしている。今後もそうした動きは続くだろう」
「日本はそうした中国の戦略に乗じられてはなるまい。日米関係を基軸に価値観を共有する域内諸国との連携を一層強める。それがアジアの安定につながる」

というように、日米同盟を基軸としてアジア覇権を狙う中国に対抗するのが日本のとるべき道だとしている。
産経とは裏表の社説であり、併せて一つと読んでもいいくらいだ。

社説:APEC パワーゲームはこれからだ(毎日新聞11月20日)

左ながらも比較的冷静さもみせる毎日。
今回の社説もそうした態度がみられる。

「(東アジア共同体は)APECと異なり米国を排除する枠組みである。中国の地域覇権形成に資するだけではないか、という警戒論が強まっている。ブッシュ米大統領はAPECを機に、日、韓、中、モンゴルを歴訪し首脳外交を展開している。明らかに、東アジア首脳会議に代表される「米国抜き」の動きをけん制する狙いだ」
「地域での覇権や勢力争いも目立ってきた。東アジア首脳会議は経済がテーマだが、まさに地政学的パワーゲームの舞台である」

として、パワーゲームであることを押し出してきている。
その上で

「日本はパワーゲームに十分な備えが必要だ。APECが「開かれた地域主義」をなぜ掲げているかを思い出したい。「アジアだけで」という発想も排除はしないが、その危険性は認識すべきだ。偏狭な地域主義に対しては、常に警告を発していく必要がある」

と結ぶのだが、これはどういう主張なのかがわかりにくいところだ。
日本のアジア外交においても日米同盟基軸というのを常に念頭におくべきだ、というものなのか、日本主導のアジア共同体構想に反対している(もっといってしまえば中国を利さないからつぶしてしまえという狙い)のか?
社説のタイトルからして「APEC」を前面に出したこともあるが、抑制的にしようとしたのか、あまり「社の説」としての価値がないのが残念だ。

社説2 対抗と協力の米中関係(日本経済新聞11月20日)

更に今回は日経も見てみる。

「春から激化していた米中の経済・貿易摩擦はやや沈静化に向かう可能性も出てきた」
として、そもそも米中協調など崩れているとする。

更に

「政治問題での米中の攻防がこれから本格化することも予想される。米中両国は引き続き対抗と協力の「複雑な関係」(ブッシュ大統領)を維持しそうだ」

とし、米中は経済面で協力を残しつつ、政治的な対立は続くという認識を示す。
その証左として、以下のような事例を引く。

「ブッシュ大統領は「中国は社会、政治、宗教分野での自由を拡大する必要がある」として中国の民主化を求めた。同大統領は20日朝には北京市内のキリスト教会(プロテスタント系)で礼拝するという“示威行動”にも出た」
「胡錦濤主席は首脳会談後の記者会見で「中国の特色ある民主政治」を持ち出してこれに反論したが、その厳しい表情は会談での双方の応酬を物語っているようでもあった」

後者は主観ではるが、前者については政治的メッセージを読み取るべきだろう。
日本で金閣寺に“観光”したのとはわけが違う。

「交流を通じて中国の体制改革を促そうとするブッシュ政権と、経済カードや北朝鮮カードで米国を引き寄せようとする中国の虚々実々の駆け引きが強まりそうだ」

と結び、米中対立がアジア情勢の大きな流れであるとした。
一般に言われるような中国べったりの記事ではなく、他の社説では取り上げられていないような事例を掲載して、きちんとパワーゲームであることを解説して見せているのは評価できる。
ただ、この流れの中で、日本はどうあるべきかという視点がないのが残念なところだ。

米中会談 実利志向を歓迎したい(朝日新聞11月21日)

さて、最後にひかえしは最左翼。

「主席が来年の早い時期に訪米することも固まった。日中の首脳が「靖国」をめぐって、信頼関係を築けないのとは対照的だ。」
「大統領は日中関係を念頭に「近隣諸国との良好な関係が重要」と述べた。中国に注文した形だが、小泉首相も耳が痛いところだろう」

出た! という感じで脈絡なく「靖国」である。
しかも、米から中への注文を、なぜか小泉首相も耳が痛い、とする。
小泉首相に注文があるならば、日米首脳会談で同じような台詞が出る筈だ。
それがないということは、米国は日中関係における関係悪化の「非」は主に中国側にあると表明しているのだということは、容易に理解できよう。

「今回、大統領は「米中は大切な貿易パートナーだ」と語った」
「政治的な自由の拡大など民主化を促しつつも、追い詰めるのを避けたのは「中国が経済的に豊かになれば、政治的な自由を求める声も大きくなる」という計算もあってのことだろう」

と、ここまでくれば、米国が表明したのは「政治的パートナーではない」ということであり、また、経済関係はとりあえず崩さないが、それは民主化工作であり圧力でありということだということになる。
が、なぜかこう続く

「今後、米国の対中政策が経済重視になるにせよ、安全保障面で中国への牽制(けんせい)を怠ることはない」

なぜこうなるかわからない。
実利はあるにしろ、経済もまた中国牽制の道具の一つとして米国は考えているという文脈と繋がらない。
クリントン政権のころからの「政治も経済も」という重視から「政治」が脱落して「経済だけ」になったのだから、「政治軽視(米中はパートナーではない)」という流れで理解するのが当然ではないだろうか。

「米中は一方で牽制しあいながらも、それぞれの実利で結びつき、アジアを中心にした経済的な発展の果実を分け合おうというしたたかさが見える」
「今回の米中会談で見えた実利志向をさらに強めることは、アジア全体の安定と繁栄にも寄与するはずだ」

と結ぶのは、「米中は実利で結びついて仲良くしてますよ。日本は米国に実は相手にされてないんですよ。早く中国のいうとおりにして、中国と同盟しましょう」ということがいいたいのだろう。
経済から中国を崩そうという米国の狙いを喝破しておきながら、こういう結論に達することができるのが謎だ。

ところで、今回の産経の社説に気になる部分が。

米国の懸念は中国がユーラシア大陸東部から東南アジアを含めた周辺外交を積極化、地域共同体への動きを加速していることもある。来月、マレーシアで開く第一回東アジア首脳会議もその一つだが、米国を排除した東アジア共同体構想は、小泉純一郎首相が提唱、日本がリーダーシップを取るからこそ、米国は黙認したといわれる。

この分析が本当だとすれば、日米同盟を利用しながらも、米国追従でない独自のアジア外交を行い、中国の覇権主義に対抗するという手をうったということになる。
対中政策ということで保守には賞賛され、独自外交ということで革新からも賞賛されなくてはいけないと思うのだが(笑)
いずれにせよ、第一回東アジア首脳会議には注目ということろだろう。

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Nov 19, 2005

無防備地域運動

無防備都市運動というのがあるらしい。
ジュネーブ条約第一追加議定書の第59条「無防備地域」規程に基づき、あらかじめ無防備都市宣言を行い、一切の軍事活動に加担しないことで「地域全体がまるごと攻撃禁止になり、違反すると戦争犯罪になります」ということだと主張する。
だから、日本各地でこの無防備地域宣言を行えば、戦争に巻き込まれることはなくなり、平和が守られます、という理屈らしい。

えーと、どこからどうしていいものやら。
まず、軍事板定見問題さんのところを見ていただくと、いかにおかしな運動かがわかるだろう。
つまり、これは「敵に占領されそうな状態になった時」というのが前提で、「一切の抵抗をしないで占領されることを責任者が保証するから、攻撃しないで下さい」というのが主旨だ。
宣言運動の国際法・国内法的おかしさは上記に譲る。
仮にこれを宣言したとしてどうなるだろうか。
結果は無傷で敵軍に占領されるということになる。
確かに目前の戦闘は回避できるかもしれないが、自軍による奪回作戦があった場合、敵軍が同じように「無防備地域宣言」してくれるとは限らない。そうなれば、やはり戦火に巻き込まれる。
もし、奪回されないとしたら、自国──日本が敗戦する可能性が濃厚ということだ。
ちなみに、この無防備地域宣言はハーグ陸戦協定の「無防備都市宣言」の概念を都市だけでなく地域という面にまで広げたものである。
で、この無防備都市宣言をしたことで有名なのがパリである。

1944年、独軍パリ防衛軍司令官デートリッヒ・フォン・コルティッツ中将のはヒトラーの命令に反してパリを無防備都市宣言。パリは連合軍に無血開城した。
見事な「平和」ぶりだ。
が、その前を忘れてもらっては困る。
そもそもパリは1940年、ドイツ軍の侵攻に全く太刀打ちできなかったフランス・レイノー首相が無防備都市宣言したことにより、無血でドイツに占領されたのである。
以後四年間、ドイツ占領下で辛酸をなめている。
武力戦こそなかったものの、それは「平和」といえるだろうか?

1945年、沖縄県・前島が無防備都市宣言し、米軍は日本軍がいないことを確認すると占領せずに後退した。
が、これは、単にこの島が軍事的要地でなかったというだけにすぎない。
第一、沖縄でも小笠原でも無防備都市宣言に関係なく攻撃されていない島はほかにもある。そして、結果としてはアメリカの施政下という「占領」をうけ、祖国復帰まで30年近くを必要とするのだ。

1945年、無防備都市宣言をしたドイツ・ドレスデンは連合軍の無差別爆撃により3万5千人異常が死亡してした。
しかし、無防備都市宣言は占領しようとする行為に対するものであり、空襲に対しては効力ないから国際法違反でもない。

要するに無防備地域宣言をしたからといって平和だの安全だのが保証されるわけではない。
これは、地域単位で白旗をあげるから、攻撃しないで下さい、という降伏宣言を国際法に定めたというだけにすぎない。
決して平和も安全も保障するものではないのだ。

ところで、「あらかじめ無抵抗を宣言しておけば、平和が保たれる」という理屈、聞き覚えがないだろうか?
つまりなつかしの「先制降伏論」とか「非武装中立」というやつである。
この「無防備地域運動」は、国政レベルでは選挙民からも一顧だにされなくなった主張を、地方から復活させようというものだ。
この運動は一つの運動としてとりあげるのではなく、「プロ」の最近顕著な姿勢である“地方からの浸透”の運動の一つとしてとらえるべきだろう。

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Nov 16, 2005

奉祝・紀宮内親王殿下御成婚

15日、紀宮清子内親王殿下は黒田慶樹氏とご成婚され、臣籍降下された。
女系容認の皇室典範改正問題がもちあがっているため、もしかしたら、結婚を理由に臣籍降下される最後の内親王殿下になるのかもしれない。
そうすると、歴史的な出来事だったともいえる。
以下、いろいろと雑感。深い意味はありません。

天皇皇后両陛下が主賓でない位置に着席されている光景は新鮮だった。
披露宴での天皇家のテーブルは、すごく仲のよい家族という雰囲気が出ていて、表情もいつもの“公式”なものとは異なっていた。乾杯後、天皇陛下と皇后陛下が何か会話されている光景など、心が温かくなった。

“お嫁入り”はどの家庭でも、両親の思いは複雑であろう。
しかも天皇家では、臣籍降下がこれに伴う。
皇后陛下はかつて民間から天皇家へと嫁がれた。色々なご苦労がおありだったと伝えられる。実家への里帰りも自由にはいかない身分になられた。
今度は逆に天皇家から民間へと嫁がれる紀宮様。
真逆ではあるが、同じように実家への里帰りは自由にいかないことになろう。
天皇皇后両陛下の思いもいかばかりであろうか。
伝えられる嫁ぐ朝、強く抱きしめ「大丈夫よ」…皇后さま(読売新聞11月15日 = YOMIURI ON LINE)という記事を見ても、そうした一端が見て取れる。
今回、披露宴に天皇皇后両陛下がはじめて出席されたように、いい方向へと伝統を導いていっていただきたい。

披露宴では、新郎の上司である石原慎太郎都知事のスピーチからはじまった。
天皇家の前で石原都知事がスピーチするなんて姿は、どこでクーデターがおきたかと思うような(笑)
それにしても、石原都知事、特に最初は緊張していたのか声が上ずり気味で、瞬きの回数もいつも以上に多かった気がする。

紀宮内親王殿下が中学生の頃に書かれた絵というのがあり、そこに書かれているドレスを真似たのが今回のドレスではないかとう内容の放送があった。
そこでは、その絵の元を「宮崎駿作品」としていたが──あれは「ルパン三世・カリオストロの城」のルパンとクラリスだ。
どうやら、伝説は本当だったらしい。

それにつけてもNHK。
紀宮さま結婚:NHKの上空ヘリ取材に抗議 宮内庁(毎日新聞11月15日 = MSN-Mainichi Intractive)とはなんたることか。
宮内庁の上空取材自粛要請に対して「警視庁が飛行自粛要請区域を設定しており、その区域外からの取材であれば、宮内庁の自粛要請の範囲外だと考えた」とは子供の言い訳か。
警視庁の方は「飛行禁止区域」の設定だという情報もあるが、それはさておき。
宮内庁が自粛を求めたのは「上空からの取材」であって、警視庁の指定区域外からであろうと、上空取材であることに何ら変わりはない。
片言隻句をとらえ、本質を無視して自己の利益をはかろうとする姿は浅ましいとしか言いようがない。

最後に。
これで紀宮様は黒田清子さんとして一国民というお立場になられた。
昨日の結婚報道が「ピーク」だとは思うが、あとは普通の夫婦としての生活を黒田さん夫妻におくらせてあげてほしい。くれぐれも過剰報道などなきよう。

末筆ながら、黒田さん夫妻のこれからの人生に幸多からん事をお祈り申し上げます。

Posted at 23:53 in 社会 | WriteBacks () | Edit

Nov 12, 2005

エントリ再分類作業メモ

人権擁護法案関連のエントリを、新たにフォルダを作成して移動。
作業のメモ書き。

1.退避と削除 該当のtxtファイル、並びに同じファイル名をもつwbファイル(/plugin/states/witebacks/以下)、entries_index.dat(/plugins/states)をローカルにダウンロード。
ダウンロード終了後、該当txt、wbファイルをサーバから削除。

2.ファイルの移動
エントリ本体のtxtファイルを新規フォルダに移動。
/plugin/states/witebacks/以下にエントリ本体と同様のフォルダをつくり、wbファイルを移動。
なお、recent_wirtebacksプラグインを導入している場合は、サーバにwbファイルをUPLOADする時間を少しずつずらして、同じタイムスタンプにならないように注意(同じになると誤動作する)。

3.entries_index.datの編集
entries_index.datをエディタで開き、該当txtファイルを検索。
ファイル名の前に絶対パスでフォルダ名が記載されているので、それを絶対パスで新規フォルダに変更。

4.entries_index.datのUPDATE
entries_index.datを上書でUPLOAD。

これで、元のタイムスタンプ、コメント・ライトバックを残したまま、新しいフォルダに記事を移動できる。

Posted at 23:52 in blosxom | WriteBacks () | Edit

Nov 10, 2005

人権擁護法案・地方条例のこわさ

人権擁護法案を遡上にのせている以上、鳥取県で制定された地方条例としての人権擁護法案「鳥取県人権侵害救済推進及び手続に関する条例」についても触れなくてはいけないだろう。
条例の詳細については、鳥取県のHPを参照していただきたい。

この条例の問題点は多々あり、国の人権擁護法案と同様の問題も内含している。
既に国の法案については何度も指摘済であるので、それ以上であるこの条例の問題点を列挙していきたい。

■私人間が主対象である
そもそも国の法案では「公的機関による差別」をかなり重視している(条文の分量からすれば私人間に対する部分よりよほど多い)。
しかし、鳥取の条例では「第3条 何人も、次に掲げる行為をしてはならない」としている。第2条で「行政機関による同条の規定に違反する行為を含むものとする」とはしているものの、第19条3で「第1項の規定による協力の要請を受けた関係行政機関は、当該協力の要請に応ずることが犯罪の予防、鎮圧又は捜査、公訴の維持、刑の執行その他公共の安全と秩序の維持(以下「公共の安全と秩序の維持」という。)に支障を及ぼすおそれがあることにつき相当の理由があると当該関係行政機関の長が認めるときは、当該協力の要請を拒否することができる」、同条4「第1項の規定による協力の要請を受けた関係行政機関は、当該協力の要請に対して事実が存在しているか否かを答えるだけで公共の安全と秩序の維持に支障を及ぼすおそれがあるときは、当該事実の存否を明らかにしないで、当該協力の要請を拒否することができる」となっており、理由をつければ行政機関は人権救済推進委員会の調査を拒否できることになっているのだ。
これでは、むしろ私人間を主な対象としているといっていいだろう。
そして、その私人間に対して以下のような行為が可能なのである。

■人権救済委員会の権限が強すぎる
国の法案は救済方法を一般救済と特別救済に分け、(反対派が問題にしている)特別救済を適用できる場合を限定している。しかし、鳥取の条例では、全ての申し立てに特別救済が適用できてしまう。
そして、この特別救済では、“人権侵害者”の氏名の公表が可能である。これは私人間にとっては致命的な社会的制裁が行われるに至る可能性が非常に高い。
また、人権啓発の研修会への参加勧奨が救済措置としてあげられているが、いったいどのような“研修会”なのだろうか。様々な“事例”を思い返せば、恐怖を禁じえない。
さらに、その前段階である「調査」にも問題がある。第19条1で「事情の聴取、質問、説明、資料又は情報の提供その他の必要な協力を求めることができる」、同条2で「正当な理由がある場合を除き、当該調査に協力しなければならない」となっており、立入調査こそないものの、協力しなければならないとした調査が可能だ(ちなみに鳥取県のQ&Aによると正当な理由とは「法令で特段の定めがある場合のほか、職務上の守秘義務に当たる場合が考えられます」という限定されたものにすぎない)
この調査の結果は第20条「当該調査に係る事案の当事者に対し、その調査結果の内容を書面により通知するものとする」としているのだが、同条3「当該調査結果の内容について不服があるときは、当該通知を受けた日から2週間以内に、その理由を記載した書面により、委員会に再調査を申し立てることができる」、同条4「委員会は、前項の規定による申立てに理由があると認めるときは、再度第18条に規定する調査を行わなければならない」となっており、この再調査には限界がない。
つまり、何度でも再調査を申請することが可能で、法の性格上、よほど支離滅裂な理由でない限りは「理由ある」と認めざるをえないだろうから、何度でも再調査が行われることになりかねない(「事実がなかった」ということを証明するのは、悪魔の証明であり、非常に困難だからだ)。
そして、28条2「正当な理由なく第19条第2項の規定に違反して調査を拒み、妨げ、又は忌避した者は、5万円以下の過料に処する」なのだ。
こうなると差別したと認めるまで何度でも再調査が可能ということになる。

■第三者からの告発ができる
17条2「何人も、本人以外の者が人権侵害の被害を受け、又は受けるおそれがあることを知ったときは、委員会に対しその事実を通報することができる」とされている。つまり、まったく関係のない第三者による「通報」が可能なのだ。
となれば、特定の「運動家」がとにかく何でも訴えるという可能性が当然に出てくる。 そして、上記のように何度も再調査が可能……
なんとも「運動」に都合のいいことだ。

■反論の余地が極めて狭い
国の法案同様、被告発側の救済(回復、不服申立)措置が不十分なのはもちろんだが、反論の余地さえ極めて狭い。
第25条により「当該加害者等に対し、弁明の機会を与えなければならない」とされているものの、同条2で「弁明は、委員会が口頭ですることを認めたときを除き、弁明を記載した書面(以下「弁明書」という。)を提出してするものとする」とされているだけで、その弁明に対して審査や回答は約束されていない。
あまりに一方的だといえよう。

■人権救済委員会の独立性が低い
委員は5名からなるが、任命は第7条により「議会の同意を得て知事が任命する」、第10条により「知事は、委員が前条第1号に該当するときは、その委員を解任しなければならない」、第14条により「当該措置又は公表の内容を、知事を経由してその日以降の最初の議会に報告しなければならない」、同条2により「事務の処理状況について報告書を作成し、知事を経由して議会に提出しなければならない」。また、鳥取県のQ&Aにより、委員会は「知事の附属機関」であることも明記されている。
あまりに知事にぶら下がりすぎであろう。
これに対して、鳥取県は地方自治法により独立機関とすることができずにやむをえず知事の附属機関とするほかなかった、と回答している。が、独立性を担保できずにやむをえないというのであれば、この法案自体を撤回すべきだ。

ちなみに、一部報道によれば、法務省は「本来、人権救済は全国一律、平等に行うべきであり、地域でばらばらの対応になるのは好ましくない」という見解を出しているという。
また、電話で鳥取県に確認(いわゆる電突)したところによると「鳥取へ観光旅行した際、料理がまずかったとして、後日『あの店の職人は腕が悪い』と書いたら、誹謗中傷となり、調査対象になる」という回答を得たそうである

かつての米の禁酒法のように理念がどんなに素晴らしくても運用が伴わなくては悪法になるという例は実際にある。
あるいは個人情報保護法での過剰反応にみられるように、法律違反をおそれるあまりに萎縮するケースも実際にある。
こうした「先例」の経験を無駄にしてはいけないだろう。

Nov 09, 2005

案の定の「人権侵害」報告

「国連人権委員会のドゥドゥ・ディエン特別報告者(セネガル)が7日、国連総会第3委員会(人権)で日本における人種差別の状況について報告、同和問題やアイヌ民族、在日韓国・朝鮮人らに対する差別が実在しているとして、包括的な人種差別禁止法の制定を訴えた。」(共同通信)という報道が出た。
が、これは既にこのディエン氏が日本に調査にきた時点で、あやしい背後関係が喝破されていたのである。詳細はmumurブログに詳しい。

こういう事があるからこそ、包括的な人権という定義により言論取締り法案ができることを危惧するのである。
この言葉が本来、当然に尊重するべきであるのに、いかに「人権」という言葉が悪用されているのか。
「人権」という言葉が、全く信用・信頼できないのが、日本の現状であるとはいえないだろうか。

人権擁護法案の今後

人権擁護法案が話題になってから随分とたつ。
前回の選挙により人権擁護法案反対派が多く自民党から離れたり、議席を失ったりしたが、その新たな状況に対応した運動をしていくしかない。
実際、人権擁護法案「中身に問題」 法相、現法案提出に否定的(朝日新聞11月3日 = asahi.com)という報道があるように、推進者であった古賀誠氏の影響力低下により新たな展開も生まれてきている。

先の報道にしたところで、人権擁護法案そのものをあきらめるというものではない。
どのような内容になるかは不明だが、私が注目したいのは、以下のポイントである。

■言論の自由の確保
言論の自由は、民主主義の根幹をなすものであり、それに制限を加えるような法は、他の法より以上に慎重になるべきである。
例えば、公正取引委員会が恣意的な運用を行ったとしても、それを言論で指摘し、あるいはひっくり返すこともできよう。企業体であれば、その間の“不利”を耐える体力をもつことも可能だ。しかし、言論そのものが脅かされ、まして、個人が対象となるのであれば、そのようにはいかない。
これが大前提だ。

■“差別”の非包括的定義
本来、法の穴をふさぐためには、包括的定義を行うことが望ましい。
かつて、いわゆる「ねずみ講」禁止の条文で、その対象として「国債」が含まれていなかったために、それを使ってねずみ講を行った事件が発生したことがあった(しかも法案修正後には会社を解散したため、かれらがねずみ講として摘発されることはなかった)。これも、包括的定義を行っていれば、防げた事件であろう。
しかし、言論というものがデジタル的でなく曖昧な部分を多く抱えていることも鑑みれば、なにが法の対象となるかがわかりにくいのは、言論の萎縮につながり、健全ではない。
また、過去、人権擁護や差別解消という名のもとに、その“専門団体”によって行われてきた“弾圧”を知っている人間にとっては恐ろしいことこの上ないのである。

■救済(対抗)措置
人権擁護法案の趣旨からして、人権侵害の告発・認定というプロセスがあることは避けえない。その「素早い処理」に対して「素早い救済」が可能であるかどうかは注目しなくてはならない。
本来、推定無罪であるはずが、世間一般では推定有罪であるかのように扱われていることはもちろん、総会屋などがはびこってきたのは「ことなかれ主義」によるものだ。これが、「人権侵害の疑いにより告発」という出来事にどう対応するか、非常に危惧される。
個人という“体力”のないものを対象にしている以上、一般の裁判によらなくては救済できないようでは片手落ちだろう。

■実質業務の妥当性
人権侵害の告発件数をどのくらいと見積もって、それをどのくらいの人数でさばくのか。
場合によっては、単なる事務方が実質的な判断を行うことにもなりかねない。
そうなっては“危険性”は増すことになろう。

■濫用に対する歯止め
これは2つの意味がある。
一つは、“告発”の濫用である。
とにかく、数うちゃあたるで、特定の対象に告発しまくり、一つでもとおれば御の字というような“悪用”をしてくる輩が出てくる可能性は否定できまい。そうした事態を防ぐための歯止め措置が必要である。
もう一つは、この人権擁護組織の恣意的運用に対する歯止めである。
例えば「二次被害」を防ぐために、実際になにがおきたかは知らされずに「告発・認定」だけが発表され、あるいは、人権擁護組織に対する批判的言動事態が「人権侵害」として告発されてしまったらどうなるだろうか。
学生運動はなやかりし頃、「赤軍罪」という言葉があった。
もちろん、そんな罪状はないのだが、様々な法を駆使して、ほとんど言いがかりにも近い事由で警察が過激派を拘束したことを指す(最近では、オウム信者に対して同様なことが行われた)。
つまり、法の“濫用”は今の法でも十分にありえるということだ。
では、なぜ、人権擁護法案には厳格な“歯止め”を要求するかといえば、それが言動を取り締まるものだからである。
先ほど例にあげたような“濫用”が極一部に対して(国民一般がそれを知っても納得できるような範囲で)のみ行われているのは、言論の自由が存在し、それによって批判にさらされる可能性が常に存在するからだ(念のため、一部へ対象であっても、こうした“濫用”が許されるべきだと私が思っているわけではない)。
しかし、言論の自由を脅かすものがあった場合、そうはいかなくなる。
“濫用”に対して指摘ができなくなれば、それをとめる手立てはなくなるからだ。
だから、他の法以上に厳格な運用しかできないような歯止めがなくてはいけないと私は考えるのである。

おそらく近く修正案がでるのだと思うが、今後も注意深く動向をチェックしていきたい。

Nov 07, 2005

評論と運動論と理想

えー、飲みすぎには注意しましょう。
反省してます。
……と、前ふりはともかく表題の議論。

いってみれば、このブログは「評論」というカテゴリに属するのであろう。
こういう場合、筆者は、自分の「理想」を主張していけばよい。
政治評論という舞台では、「よりベターを選択する」という民主政治の観点からの「ベター」を論じることはあるが、それは、自分の「ベスト」に少しでも近づけようという意味でのベター論である。
なにか問題が生じている場合、それに対する解決案も、素直に自分の考えるものを表明していけばよい。
自分の理想を書き連ねることが許されるのが評論だといえる。

しかし、同じ課題を「運動」として扱う場合は話が異なる。
運動とはアピールであると同時にネゴシエーションでもある。
仮に「おとしどころ」があると思っていても、最初からそれを主張していては、考えていた「おとしどころ」より「相手側」で決着してしまうだろう。
だから、「運動」として展開する場合には、あえて強硬な主張をしていく必要がある。
ただ、あまりに強硬すぎてアピールすべき層に「引かれて」しまうと本末転倒だ。
ここが、成功する運動と失敗する運動の差になるのではないだろうか。

近年、右派による「運動」が盛り上がりはじめている。
しかし、長年「運動」を行ってきた所謂プロ市民に比較して、戦術的に劣る部分が多々見られる。
彼らは、単に商売しているという意味だけではなく「プロ」だ。右派といえども、その運動戦術を見習うべきところは見習っていくことが必要ではないだろうか。
そして、「運動」での目的が同じであれば、その他の主張は違っても共闘できる筈だ。

Nov 03, 2005

麻生太郎一口メモを検証する。

2ch発で、麻生太郎の「一口メモ」なるものが出回っているらしい。
そこで、その内容を検証してみよう。
ただ、時間がないので、ネット上でしかあたっていないことをお断りしておく。
もし、確実な情報をお持ちの方がいれば提供していただきたい。

◎=確実
○=ほぼ間違いない
△=どちらともいえる
?=不明

◎吉田茂の孫
◎三笠宮寛仁親王妃信子妃殿下の実兄である
◎薩摩藩の大久保利通候の玄孫
 吉田茂の孫であることは、 本人HPプロフィールにあり。  諸資料から家計図をつくるとこんな煌びやかなものになるらしい。
                 鈴木善幸--妻
            麻生太吉       |
              ├--麻生太賀吉 |
             祖母   |    |
                  ├--+麻生太郎
      加納久朗---吉田茂  |  |
              ├-+-母  └信子(妹)
大久保利通-牧野伸顕---雪子 |       |
                |     三笠宮寛仁親王
                └吉田健一
◎子供の頃は白米禁止、麦飯のみ(よそで出された食事を何でもおいしく頂けるようになるため)
「わが家の食事は麦飯だった。あのころは世間もそうだったが、「人様の家に呼ばれたときにどんなものを出されても、おいしいと感謝する気持ちを持たせるには普段、賛沢させることはよくない」というのが、おふくろの方針だったね。」(→月刊自由民主2003年1月/本人HP掲載
◎麻生グループ会長の経営者実業家
社長に就任していたことが本人HPプロフィール麻生グループHPにあり。  なお、 衆議院議員当選に伴い、社長を辞任。現在の麻生グループは実弟が社長。麻生氏はオーナー的立場か?
◎学習院出セレブ
◎スタンフォード留学・ロンドン大留学
本人HPプロフィールにあり。
なお、麻生セメント入社後、昭和45~47年には西アフリカ最西端のシエラレオネにダイヤモンド鉱山の掘削の仕事で派遣されていた。
?学費は全て自分持ち<ホストでバイト?
?そろばん2級
ネット上にソースなし
?元ホスト
ソース不明。生年からして現在的な意味での「ホスト」ではないと思われるが……
?金持ちなので私利私欲や利権とは全く無縁
これはなんとも。権力欲ならお金とは関係ないですし……
ただ、麻生グループは地方財閥で生半可な金持ちでないことは確かでしょう。
◎オリンピック日本代表(クレー射撃)
本人HPプロフィールにあり。1976年、モントリオール五輪・クレー射撃スキートで出場(41位)。なお、この大会をもって選手引退(→産経新聞・平成16年8月17日コラム/本人HP掲載より)
○クリスチャンで洗礼名はフランシスコ
?クールビズで胸元に見えてた金のネックレスは ロザリオ及び妻の指輪 
本人HPにカトリックであると記述あり(→本人HP・講演録平成13年10月24日
洗礼名、クールビズについては確認がとれず。

◎親台派
以下の事実が確認されるため、間違いないだろう。
日華議員懇談会に所属。平成15年4月に同会副会長として訪台。当時自民党政調会長で同党三役の在任中の訪台は異例。
平成13年、経済財政担当相当時、閣僚懇談会で、李登輝前総統の訪日問題で早急なビザ発給を求めた。
○アンチ特定アジア
○愛国主義者。で右系
政治的立ち位置は一般にはこのように分類されるであろう。
→本人HPの各種資料
もっとも、私からするとアンチ特定アジアというより、彼らにおもねることなく正論を吐いているだけとも思える(2003年5月31日東京大学学園祭における「創氏改名は朝鮮人が望んだ、日本はハングル普及に貢献した」という発言など)。
なお、創氏改名とハングル普及について『韓国でやりあったら灰皿が飛んできた。「若い者じゃ話にならない、年寄りを呼んでこい」と言ったら、おじいさんが現れて「あなたのおっしゃる通りです」』という話は麻生がそういうやりとりをしたということではなく、麻生が上記東大講演会でそういうエピソードを紹介したということらしい。
○大の 朝日嫌い
○アホマスコミが嫌い
言動からすると、ほぼ間違いなし。
「新聞は読んじゃダメ。眺めるぐらいでちょうどいい」 →(文藝春秋平成17年9月号/本人HP掲載
「ポスト小泉のライバルは」とのQに「マスコミ」
→外相就任記者会見

○野中広務を貧民部落とせせら笑う
『野中広務 差別と権力』魚住昭、講談社、p344に記述があるという。
ただし、野中以外のソースがないため疑問視する声もある。
△創価とガチで敵対中
一般にクリスチャンは創価学会とは仲が悪いので、可能性は高い。
ただし、創価学会から接近をうけているとの報道もある(→国民新聞平成14年5月

◎クリスチャンだが靖国には毎年参拝(初めて行ったのは吉田茂に連れられて小学生の頃)
当然、参拝すべきです。歴代首相も参拝しているんですから。クリスチャンだった大平正芳さんも行っています。そもそも国家のために尊い命を投げ 出してくれた人に対して、国家が最高の栄誉をもって祀るということを禁じている国なんてありませんよ。そうした最低限の哲学がなければ国家というもの 自体が成り立たないと私は思います。
(中略)
初めて参拝したのは小学校六年、昭和二十七年四月二十八日のことでした。日付までしっかりと覚えているのは、『今日は日本が独立する日だから』と、 祖父で当時総理大臣だった吉田茂に言われ、一緒に参拝したからです。吉田茂に連れて行かれたのは、上野の動物園、本牧亭、鈴本演芸場、靖国、 この四つだけですな。靖国には二、三回連れて行かれたと思います。会社員になってからも、もちろん国会議員になってからも毎年必ず行っています。 いま、靖国とは別に慰霊施設を造ろうという話も出ていますが、特攻隊の兵士をはじめ戦死した者は皆、『靖国神社で会おう』と言って死んでいったんです。  →(文藝春秋 平成17年9月号/本人HP掲載

◎中韓から安倍ちゃんと並び、最も警戒されてる議員の1人
韓国メディア、安倍・麻生氏の起用を強く批判(朝日新聞10月31日)などをみる限り、そうらしい。

◎国会で、2ちゃんねる発言
国会会議録検索システムによれば、以下の事例が確認できる。
参議院イラク人道復興支援活動:平成16年05月28日
衆議院総務委員会:平成16年06月03日
参議院総務委員会:平成17年06月16日

○コミック擁護派ヲタ
◎ゴルゴ13が大好き
?成田空港のvipルームでローゼンメイデンの一巻を呼んでいた
今のところ読書が確認されているコミック
過去の雑誌:「少年」「冒険王」
現在の雑誌:「マガジン」「ジャンプ」「サンデー」「チャンピオン」「ビッグコミック」「オリジナル」「スペリオール」「スピリッツ」「モーニング」「ヤングジャンプ」「ビジネスジャンプ」など週10~20冊。
タイトル:「のらくろ」「冒険ダン吉」「鉄腕アトム」「鉄人28号」「ジャングル大帝」「男一匹ガキ大将」「三国志(横山光輝)」「忍者武芸帳」「サスケ」「子連れ狼」「巨人の星」「字宙戦艦ヤマト(アニメか?)」「浮浪雲」「パツ&テリー」「ジョジョの奇妙な冒険」「犬夜叉」「バキ」「ネゴシエーター」「クライングフリーマン」「沈黙の艦隊」「ジパング」「風の大地」「蒼天航路」「弐十手物語」「ゴルゴ13」「こちら葛飾区亀有公園前派出所」「ドラえもん」(→ビッグコミックオリジナル増刊(2003年7月02日増刊)/本人HP掲載
「美味しんぼ」「加治隆介の議」「票田のトラクター」(→衆議院内閣委員会 :平成13年03月28日、国会会議録検索システムにより検索可能)
三省堂のコミックステーション渋谷に秘書やSPと一緒に買いにいっていたらしい(同店は既に閉店)。

?世界の長者ビルゲイツに安いカレーおごる
ソースがとれず。平成15年2月25日、自民党本部で開催されたe-japan重点計画特命委員会にビル・ゲイツを招いた時のことか?(当時、麻生は同委員長)

?杉村たいぞー氏にプチジェラシー<自身マスコミ受けが悪いから
ソース不明

△クールビズは中川(酒)氏と並んでヤクザスタイル
主観の問題なので……

とても自民党一の左派ともいわれる河野派とは思えない。
まあ、お公家集団といわれた宏池会に古賀誠氏がいるのだから、そんなものなのかもしれない。
いずれにせよ、今度の動向次第では、ネット界最大の人気政治家になるかも──舌禍が心配ではあるが。

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Nov 02, 2005

新内閣・続

さて、新内閣ができたら、社説をチェックするのが筋(笑)というものだろう。 対照的な対特定アジア外交を抜き出してみよう。

【主張】小泉改造内閣 財政再建のかたち示せ 「負担の合意」が最後の仕事(産経新聞)
 一方、対中国、韓国外交の行き詰まりを指摘する声がある。小泉首相の靖国神社参拝のため、首脳の相互訪問が実現していないことなどを、その理由としている。だが、相互訪問の実現によって懸案が片付くわけではない。首脳間で「友好」を確認するだけの外交ではあまり意味はないのだ。
 「反日」運動を展開し、いまだに謝罪しない中国との関係は、国連安保理常任理事国入りなどをめぐって、日本と利害が対立した。こうした利害を調整し、国益に資する外交が必要だ。

[小泉改造内閣]「内と外の『危機』に立ち向かえ」(読売新聞)
 首相は、麻生氏に対し、外相として取り組む課題の筆頭に、日米同盟の強化を挙げた。中国には、12月にマレーシアで開催される東アジア・サミットで当初、自国での開催にこだわったように、アジアでの覇権確立の意図がうかがえる。
 日本は米国との同盟関係を一層強化して対応すべきである。「日米分断」を狙う中国を利する愚は避けることだ。

社説:小泉改造内閣 「郵政」論功に安住するな(毎日新聞)
小泉首相の靖国神社参拝問題で暗礁に乗り上げている近隣外交の先行きは不透明状態が続きそうだ。麻生太郎外相、安倍晋三官房長官はいずれも親米路線を優先させている。しかも、参拝問題では小泉首相に同調している。今後も対中国、対韓国関係は楽観を許されないだろう。

内閣改造 アジア外交が心配だ(朝日新聞)
不安になるのは外交の布陣である。これでアジア外交は立て直せるのか、大きな懸念を抱かざるを得ない。
(中略)
私たちが驚いたのは外交だ。首相の靖国神社参拝で中国や韓国との関係はこじれ、アジア外交は浮遊しつづけている。その正面に立つ外相にポスト小泉候補の一人、麻生前総務相を横滑りさせた。
 麻生氏といえば、思い起こすことがある。03年、政調会長時代の講演で、日本が韓国を植民地にしていた時の創氏改名について、朝鮮の人びとが望んだかのような発言をして、韓国などの批判を浴びた。陳謝したものの「真意が伝わらなかった」と発言の撤回はしなかった。
 この夏の月刊誌のインタビューでは、もし首相になった場合、靖国参拝をするかと聞かれ、こう述べている。
 「普通にお参りします。韓国や中国にいくら言われても、泰然自若としていればいい。彼らが『これ以上、この問題を言い立ててもしょうがない』と悟って、自然に丸く収まるのが、一番理想的な形でしょう」
 今後はもっと慎重な発言になるのかもしれない。だが、近隣国とのとげとげしい関係を修復する役回りにふさわしい人選とは思えない。
 もうひとりのポスト小泉候補、安倍前幹事長代理は官房長官になった。
 最初の記者会見で、自らの靖国参拝について「国民のひとりとして、政治家として参拝してきた。今までの気持ちをこのまま持ち続けたい」と、今後も参拝を続ける可能性を示した。
 小泉政権でも、外交的な配慮から歴代の外相と官房長官は参拝を控えてきた。新内閣では3人がそろって参拝するということなのだろうか。
 その一方で、この人事からはずれたポスト小泉候補がいる。中国との関係を重視し、首相の靖国参拝に批判的だった福田元官房長官だ。
 靖国問題で譲る気はない。関係修復はそのことを前提に考えましょう――。今回の布陣から、中韓などが首相の意図をそう読み取ったとしても無理はない。
 国内では改革継続の旗を振り、アジア外交の停滞には目をつぶり続ける。この小泉路線があと1年続く。その痛手の深さが心配である。

わかりやすいまでにわかりやすいが、その中でも朝日新聞は、社説の主題に据えるほどの力のいれようだ。しかし、表題が「アジア」でありながら中身は中国と韓国しかでてこないところが、さすがすぎる。それも、ひたすら日本側に非があるというのが理解不能だ。中韓は無謬なのだろうか?
毎日新聞は抑えた論調ではあるが「近隣外交」といいながら「中韓」だけであり、靖国参拝問題だけがネックであるかのような表現をしており、根っこは朝日とかわらない。
読売新聞、産経新聞は、きちんと外交と国益を把握した社説になっているといえよう。 特にいうべきことはない。

朝日新聞や東京新聞はこれを機に靖国参拝問題を復活させたいようだが、既に参拝が行われ「実害」が出ていない状況では、盛り上がりに欠け、すぐに下火になってしまうだろう。
もはや焦点は来年の小泉首相の任期切前──来年9月のそれの直前である8月15日に参拝するのかどうかに絞られたといっていいだろう。

余談。
マスコミは事前には「小泉首相と安倍氏の間に隙間風」などいっていたが、それは何の話だったのだろう?
逆に小泉首相と福田氏との間の方がすきま風らしい。福田氏は森氏に閣僚ポスト固辞を伝えたとも、森氏は福田氏の入閣を強力に推薦したとも情報が錯綜しているが、いずれにせよ、距離を置いたということは事実だろう。
福田氏は故・福田赳夫元首相の息子だが、福田赳夫といえば、岸信介・佐藤栄作の嫡流の右派で通っていた。前政権である田中角栄の日中国交回復をうけて日中平和有効条約を結んでこそいるが、本来は台湾派(中華民国派)であり、首相在任中には8月15日を含む合計4回、靖国神社参拝も行っている。それなのに、福田氏は親中派と称され、靖国神社参拝に慎重派となっている。
血筋を受け継いだのは福田氏かもしれないが、思想を受け継いだのは福田赳夫の秘書であった小泉なのかもしれない。

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Nov 01, 2005

新内閣と新三役

第3次小泉改造内閣と自民党新三役が決定した。
その内容についてはさんざんに報道されているので、ここでは再掲しない。
以下、雑感として綴っていきたい。

なんといっても、注目は、安倍官房長官・麻生外相・武部官房長官のトリオだろう。
これは対中韓強硬ラインといってもいい。この3人は腹も座っているので、揚げ足とりにやられなければ、大いに期待できるところだ。
中川農水相は親の代からの農水族かつ右派でこれも期待できるところ。
額賀防衛庁長官も防衛族でもあるので前回の雪辱(小渕内閣時代に防衛庁長官辞任に追い込まれる)を果したいところだろう。

逆に気になる面々もいる。
北側国交相は公明党枠だから仕方がないが、なにせ、公明党。
二階経産相も旧保守党枠なので、仕方がないのかもしれないが、親中派。
小坂文科相は左派であり、今後の教育改革の足をひっぱるのではないかという不安がある。
さらに自民党内の政策の取りまとめ役である中川秀直政調会長も気になる。小泉の腹心とされ、2004年にも靖国に代理をたてて参拝もしているのだが、靖国参拝靖国神社A級戦犯分祀論をあげたことがあるようだ。
与謝野馨経財金融相は人権擁護法案の推進派としてネット上では名高い(?)が、通信傍受法成立に尽力し、旧中曽根派でもあり、ちょっと動向は注目だ。

いずれにしても、枢要なポストは公明党枠と旧保守党枠を除いては右派で固めたといえるだろう。
今後、大きな国政選挙がしばらくないということも踏まえて、思い切った施策をとっていただきたい。

余談。
NHKで再放送されている閣僚会見を見ていると、東京新聞が「A級戦犯合祀は厚生省の知らないところで現場の軍人に近い人間が勝手にやったことという疑いが強まった。A級戦犯を昭和殉難者としている靖国神社を参拝することは大東亜戦争史観肯定につながると思われるが、靖国参拝をするのか?」などとまくしたてていた。
川崎厚労相には早口でよくわからないといわれる始末。
自分の決めつけと思想を押し付ける質問で、実に気持ち悪かった。
A級戦犯のそもそも論をさておいたとしても、誰を祀るかを最終的に決めるのは厚生省ではなく靖国神社でることは当り前で(厚生省が決めるので、政教分離に反するではないか!)、旧戦犯は受刑者ではなく公務死という扱いになっているのも国会によって決定したことであるのに。

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Oct 26, 2005

靖国参拝問題・続報

まずは“特定アジア”の動き。

威勢良く“反日”をぶちあげていた韓国であったが、「訪日取消し」:5日後に「日本公式訪問」発表 世論の非難集中(毎日新聞10月25日 = MSN-Mainichi INTERACTIVE)というわけで、韓国・潘基文外交通商部長官が小泉首相の靖国神社参拝に抗議し、訪日計画を取り消してからわず5日でこれを撤回してしまった。
世論の問題は別として、外交的には交流を絶って困るのは韓国側であるということが露呈したといえよう。

次に中共。
中国:小泉首相靖国参拝後の週末、反日デモなし 政府、安定を優先--規制実る(毎日新聞10月23日 = MSN-Mainichi INTERACTIVE)という記事が出ている。『北京の反日団体関係者は「現在はデモに関する管理が厳しい」と、当局が反日活動に規制をかけていることを認めた』とされており、日本への批難を続けてはいるが、国内の「反日デモ」は抑え込むというかたちだ。
これは、大規模なデモは中共での社会不安の増大という形で国際社会でとらえられ、北京五輪に向けてマイナスイメージを与えることを避けるということがあろう。そして、それがゆえにデモは抑制をとらせねばならず、過激化すれば中共治安機関は“鎮圧”にのりだせなばならなくなる。それが積み重なることで、当初は「反日」だったデモが「民衆vs政府」という構図に容易に転化しうるだろう(先の反日デモ(暴動)の際にも、“反日”という名目は日頃の様々な不満に対して意思表明(あるいはガス抜き)をしたいことの「表向きの看板」として使われたという分析があったくらいだ)。
してみると、外交レベルでの批難というのは、既に外交ではなく内政問題──中共国内の反日デモを封じ込めに対するガス抜きであるとみなすことができよう。

こうしてみると、靖国参拝を強行した小泉の「外交手腕」はたいしたものだといえる。 結果として中韓からの外交カードではなくしてしまったのだから。

次に国内。 いつも通りの反応なところはスルーするのだが、こんな報道があった。

「反対派の論理破綻」民主・野田氏(産経新聞10月26日 = Sankei Web)というものだ。 これによると、民主党・野田佳彦国対委員長が首相の靖国参拝に関して政府に提出した質問主意書は次のような要旨であるという。

「A級戦犯」と呼ばれた人たちは戦争犯罪人ではない。戦争犯罪人が合祀されていることを理由に首相の靖国参拝に反対する論理はすでに破綻している。「A級戦犯」に対する認識を再確認することは、人権と国家の名誉を守るために、緊急を要する。
「A級戦犯」として有罪判決を受け禁固七年とされた重光葵は釈放後、鳩山内閣の副総理・外相となり、勲一等を授与された。同じく終身刑とされた賀屋興宣は池田内閣の法相を務めている。これらの事実は「戦犯」の名誉が国内的にも回復されているからこそ生じたと判断できる。
重光、賀屋らの名誉が回復されているとすれば、同じ「A級戦犯」として死刑判決を受け絞首刑になった東条英機以下七人、終身刑ならびに禁固刑とされ、服役中に獄中で死亡した五人、判決前に病のため死亡した二人もまた名誉を回復しているはずである。
「A級戦犯」とは、極東国際軍事裁判当局が事後的に考えた戦争犯罪の分類であり、法の不遡及(そきゅう)、罪刑法定主義が保証されず、法学的な根拠を持たないと解釈できる。

素晴らしい。 保守論壇やネット上の保守系ブログの主張とほぼ同じだ。これについては、私も高く評価する。

ちなみに、少し調べてみたが、野田氏は早稲田大学政経学部・松下政経塾出身。日本新党から新進党を経て民主党ということで、一般には保守派として分類されているようだ。
また、平成14年8月に世代交代を狙った「第二期民主党をつくる有志の会」を前原民主党代表と結成しているし、今回の代表選びでも、前原を推し、中堅・若手議員をまとめる行動を見せている。
となると、前原とは近い関係にある(松下政経塾の先輩後輩でもある)といえよう。
代表と近しく国対委員長という要職にあるものが“自民党より右”という発言を行った意義は大きい。

この野田氏の質問主意書に答えた政府答弁書は靖国問題で政府答弁書決定 「戦犯」は存在せず 公式参拝であっても合憲(産経新聞10月26日 = Sankei Web)となっている。
「連合国によって「戦犯」とされた軍人・軍属らが死刑や禁固刑などを受けたことについて、国内法上は戦犯は存在しない」と、野田氏の見解を認めた形だ。
もちろん、これには根拠がある。
比較的冷静な分析として日々不穏なり::靖国補論(2) 戦犯の名誉について(yasukichi氏)を紹介させていただく。
おそらく、政府答弁もこれとほぼ同じ理論なのではないだろうか。
拘留されていた人は全て赦免・釈放されており、戦犯として扱われていた期間のために恩給・年金などが不利にならないよう立法され、また、命を失った者は「法務死」として戦死、戦病死に準じて扱われこととなっている。
「現在の国内法上、戦争犯罪人として取り扱われている人はいない」ということなのだ。

戦犯赦免釈放を求める国民運動の署名四千万人を背景に、昭和28年「戦争犯罪による受刑者の赦免に関する決議」が全会一致(社会党も!)で可決したという事実が、今日では埋もれている。
この答弁は、それを現代によみがえらせる契機になるのではないかと期待している。
……ちゃんとマスコミがとりあげてくれれば、だが。

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Oct 21, 2005

党首討論

19日、自民党・小泉総裁(首相)と民主党・前原代表の党首討論が行われた。
「靖国参拝」で論戦 小泉首相と前原代表の党首討論(朝日新聞)党首討論初対決、靖国参拝で“けんか腰”(読売新聞)をテキストにしてみよう。

記事の見出しでは、まるで靖国参拝が党首討論の主題であったかのような印象を与えている。
が、実際には40分は外交問題を中心にしたもので、靖国参拝問題は最後の5分にすぎなかった。
そして、この40分は、応酬としてはつまらなかったものの、非常に重要なものであったといえる。
なぜならば、前原代表は“日米同盟の意義は、アジア太平洋地域の安定のための公共財」と、日米同盟重視の立場を強調した。中国についても、「中国は日米両国の分断を図っている節がある」と厳しい見方を示した。”のだ。
五五年体制確立以降、最大野党(自民党が野党だった時代を除き)が日米同盟を重視し、中国が日米の分断をはかっているという公式発言をしたことがあっただろうか。画期的といってもよい。
ここは素直に評価する。

が、それが靖国参拝問題になってしまうと「靖国参拝を強行されたことで日中間の戦略的な包括的な対話の道筋が閉ざされた」「中国の多くの問題をトータルに考えず、この4年半は外交不在の小泉政権だ。」という理屈になってしまうのだろうか。
なぜ、中国から日本への悪意をもった工作だという可能性が考慮されないのだろうか。
そして、“町村外相が(中国に)行くと言って断られている。盧武鉉(韓国大統領)さんも来ないと言っている。しっかりとした関係構築ができるのか。”とまで言って靖国参拝を批判しておきながら、小泉に「どうしていけないのか。私は理解できない」とかえされると「誰がいけないと言ったか」と子供みたいな見苦しい返し方には唖然とする。
そして「私人としての参り方を演出したかったのかもしれないが、むしろ亡くなった方に失礼だ」と神道形式の参拝でなかったことを批判しながら「憲法には思想信条の自由だけでなく、政教分離も書いてある。」とも批判する。神道形式での参拝を要求するのと、政教分離を主張することは矛盾しているではないか。
「憲法には思想信条の自由だけでなく、政教分離も書いてある」という批判については、小泉は政教分離に違反していないとしているのだから、小泉にしてみれば当然の答弁だった。さらに「大阪高裁では憲法判決(違憲判決?)も出ている」というが、これは判決ではなく傍論としてのもので間違いだ。第一、違憲判断をしていない判決のほうが多いのだが、それに触れないというのは片手落ちだ。

前原の狙いは、靖国参拝が外交的な観点から国益に合わないと指摘することのようであったが、自分で主張した中国が日本に対して工作外交をしているという話と整合性がとれなくなっているし、党首討論を終えた小泉は中韓外交について「短期的な視点からでなく長期的に」「10年、20年、30年」とこたえたのに比べると、底が浅い。
ただ、これは前原の考えというより、民主党の内部事情からいっているものなので、整合性が合わなくなっているのかもしれないが、いずれにしても、民主党の思想的脆弱さがよくあらわれていた党首対談だったといえるのではないだろうか。

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Oct 19, 2005

靖国参拝報道

各社社説に突っ込みを入れてみたい。

産経新聞:首相靖国参拝 例大祭にしたのは適切だ
当然ながら参拝賛成派。
私と主張はほとんど同じである。
「小泉首相が国民と約束した年一度の靖国参拝を継続したことを素直に評価したい」
「中国と韓国はこれまでも首相の靖国参拝に反対し、今回の参拝にも、ことさらのように強く抗議した。いずれも不当な内政干渉である」
「首相の靖国参拝は外交的配慮により左右されるべき問題ではない」
「誰が次期首相に選ばれても、靖国参拝を継承してもらいたい」
……突っ込むところありません。

読売新聞:もっと丁寧に内外に説明を
読売新聞は、最近(ナベツネ復帰以来?)、中曽根元首相と同じくA級戦犯分祀論をとっているようだ。社説もそれをうけて、靖国参拝そのものには反対しないのだが、というような立場で、迷走気味だ。
主張は「中国政府や韓国政府は反発している。首相の靖国参拝をめぐって、国内にも様々な意見がある。それに対して首相はあまりにも説明不足である」ということらしい。
他は事実の列記に近い。
すっきりしない社説だ。

朝日新聞:靖国参拝 負の遺産が残った
当然ながら参拝反対派。
「アジア外交をどう立て直すのか」としながらも、具体的には中国・韓国の国名しかあがっていないところがわかりやすい。
「より多くの人が納得できるあり方を模索するのが政治指導者の役割」というのであれば、反対していない国々の方が圧倒的に多いということになるのだが……。
ましてや、「日本外交の大きな視点から参拝を見送るべきだった」とは片腹いたい。日本外交の大きな視点があるからこそ、参拝をするべきだったのだ。
一方で「中国側にも、今春のような暴力ざたにならないよう冷静な対応を求めたい」としており、ちょっと従来と異なるような反応もしているところが興味深い。

毎日新聞:靖国参拝 中韓の反発が国益なのか
これまた当然、参拝反対派。
「私たちは、首相の靖国参拝が外交上の国益を損ない、信教の自由を保障した憲法20条との関係でも疑義があるとして反対してきた。首相が参拝のスタイルを工夫し、入念に時期を選んだとしても、参拝を容認することはできない」というお決まりをまずは主張する。裁判所で違憲“判決”は出たことがないのだが、毎日新聞の判断は、裁判所よりも優先するのだろうか。
「今回、記帳をやめて私的参拝にしたというなら、首相はこれまでの参拝のどこに問題があったのかを国民に説明すべきだ」というが、問題はないと考えているが難癖つける連中のために配慮したというだけだろう。
「首相の靖国参拝のたびに隣国から大きな反発を浴び、外交当局が右往左往する。首相は停滞したアジア外交を立て直す責任をどう果たすのか」と結ぶのだが、外交とは波風をたてないことが至上命題なのではない。基本的には自国の国益を追求する場であり、当然に対立がおこりうるものだ。
もっとも毎日新聞のいう通り、靖国参拝が中韓の反日行動を煽るのは確かである。
しかし、この場合、「参拝しなかった時」に生起することと比較しなくては、どちらが国益にかなっているかは判断できない筈だ。
それを見事に開設しているのが、産経新聞の記事小泉首相靖国参拝 「心の問題」決意貫く 中韓の干渉強く牽制である。
「中国が、歴史問題で日本に踏み絵を迫り、「日本より優位に立つための口実に過ぎない」(周辺)と首相が見切っていたフシがある」「首相は周囲に「靖国で譲れば日中関係が円滑にいくなんて考えるのは間違いだ。靖国の後は教科書、尖閣諸島、石油ガス田…と次々に押し込んでくる」と漏らしており、中国に強い警戒感を抱いている」というのが本当であれば、小泉首相は思ったよりもずっと骨太の外交政策をとっていることになる。 ましてや「首相サイドは昨年十一月のラオスとチリ、今年四月のインドネシアと過去三回開かれた日中首脳会談の前に「首相は時期は別として、靖国神社を参拝する。それでもいいなら会談を受ける」と非公式に打診していた」というなら、大したものだし、「首相は最近、「中国は、日本人の心の問題にまで踏み込んだことを後悔するだろう」と周囲に語っている。」というのには、頼もしさえ感じるではないか。

……とまあ、社説をみてきたわけだが、「想定の範囲内」で、あまり面白くない。
そこで、他の記事もひろってみよう。

靖国参拝:中韓両国の反応に一定の配慮 米国務省報道官(毎日新聞)という見出だと、まるで米が中韓の肩をもったかのようだ。靖国問題「対話による懸案解決を」…米報道官(読売新聞)で補完しても前後関係がよくわからない。
だが「(歴史問題に関して)懸念を有する国々が、対話と友好的な精神を通じ、懸案の解決に向けて日本政府と協力することを期待する。この地域の国々の良好な関係は、われわれすべての利益だ」」というのは、むしろ中韓を牽制する言葉にもとれる。
どちらの見方が正しいのかはさっぱりわからないのだが、ブッシュ大統領訪日が同日に発表されるなど、大東亜戦争で日本と激しく戦った(当然、多くの戦死者が出ている)アメリカは、靖国参拝問題をまるでトピックスとして考えていないということがわかるし、中国軍の主要施設を訪問へ 米国防長官が北京入り(産経新聞)によればラムズヘルド米国防長官は「6月に訪問先のシンガポールで「中国を脅かす国はない。なぜ軍事支出の増加が必要なのか」と批判。7月に公表した米国防総省の年次報告書も中国の軍拡、軍近代化を「周辺諸国の脅威」と強調し、警戒感をあらわにしてきた」とあり、米は中国を警戒しているのがよくかる。そうした状況からすると……

さて、ついでにもう一つ話題を。
首相の靖国参拝、閣僚ら肯定的評価(朝日新聞)
閣僚は賛否両論…首相の靖国参拝に(読売新聞)
靖国参拝:閣僚から外交への影響を懸念する発言も相次ぐ(毎日新聞)
全て、18日の閣議後の記者会見の報道である。
だが、見出しだけみると、まるで噛みあわない。
新聞報道というものが、いかにバイアスがかかっているのかという好例であろう。

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Oct 17, 2005

小泉首相靖国参拝

政治・社会評論系のブログでは、今日明日あたり、この話題で持ちきりであろう。
で、私もご多分にもれず、とりあげるのであった。

今回の参拝は秋季例大祭にあわせたものである。
靖国神社の祭祀からいえば、“平日”である8月15日より、ずっとふさわしい。
戦後、14人66回(今回の参拝を含む)の首相による靖国参拝が行われている。
このうち、終戦直後(昭和20年8月18日)の東久邇宮首相を例外として除き、13人65回の内容をみると、8月15日に参拝したのは4人9回(三木、福田、鈴木、中曽根)。前後では小泉・平成13年8月13日、橋本・平成8年7月29日(自身の誕生日)がある。また、正月に参拝したものが中曽根2回、小泉1回ある。
そして、他の多く(12人43回)は春か秋の例大祭にあわせた参拝だ。
となると、今回の参拝は本義にたちもどったものであるという見方ができる。
橋本以来、5年ぶりに靖国参拝をした首相が小泉なら、例大祭としては20年ぶり(中曽根・昭和60年春、秋に限れば同昭和59年秋以来)の靖国参拝をしたとのも小泉ということになった。
これは意義のあることだ。

もっとも、これは結果論的な話であり、本来の公約は「8月15日」。参拝方法についても「配慮した」ものとなり、私のような参拝賛成派からすれば不満があることは否めない。
だが、主要政党の党首で、靖国参拝を表明しているのは小泉総裁しかなく、まがりなりにも実行している以上、“ベター”を選ぶのが政治と考えて、小泉を支持するより他ないのが現状だ。
より「右」の主要政党が出現すれば、選択の余地があるのだが。

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Oct 05, 2005

のまネコ騒動

2ch周辺の話題として、のまネコ問題というのがある。
大雑把にいうと2ch発の空耳FLASHとして作成されたものが、avex側に認められ、正式なCDに添付されて発売されたが、そのFLASH中に登場するキャラを、avexがオリジナルのものだとして商標登録しようとしたという騒動である(→詳しくはまとめサイトへ)。

著作権とか商標登録の法律的な面もあるし、一部報道では商業利用への反発などとされているが、最大のポイントは「パクリをオリジナルと言い張る」というところだろう。
この「のまネコ」がオリジナルだという主張は、現在に至るまでavex側は変更していない。
もし、こんな主張をせずにいたら、グッズ展開やなにかをしたとしても、ここまで反発はなかっただろう。いや、うまくすれば好感を得られた筈だ。

mixi内でのavex・松浦社長の「訴えます」発言とか、avexの「いわゆる「のまネコ」問題についての当グループの考え方」の稚拙な文章とか含めてみると、avexの企業倫理というものに大いに疑問を抱かざるをえない。
既にメジャーマスコミにも報道されはじめている今、このままの突っ張った対応を続けると、大火事になりそうな気がするが……果たして?
少なくとも「パクリをオリジナルと言い張る」ところを撤回しないと、“祭り”は終わりそうにないのだが。

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Oct 02, 2005

靖国問題での「問題判決」

これについては、私が思っている内容は、以下の各記事で言い尽くされている。

首相の靖国参拝「違憲」 大阪高裁判決 宗教的活動に当たる(産経新聞9月30日夕刊 = Sankei Web)
識者、「ねじれ」批判 原告側、判決を評価 靖国参拝 高裁違憲判断(産経新聞夕刊 = Sankei Web)
【主張】靖国訴訟 ねじれ判決に拘束力なし(産経新聞10月1日 = Sankei Web)
[靖国参拝判決]「きわめて疑問の多い『違憲』判断」(読売新聞10月1日 = YOMIURI ONLINE)

それにしても、最も違和感のあったのはこの部分。
「3度にわたって参拝した上、1年に1度参拝を行う意志を表明するなどし、これを国内外の強い批判にもかかわらず実行し、継続しているように、参拝実施の意図は強固であった」
つまり、いちゃもんつければ何でもいいってことかい?

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Sep 30, 2005

石綿騒動

石綿=アスベストによる健康被害が急に取り沙汰され、様々な対応が行われはじめている。
この騒動に若干の疑問を私はもっている。
石綿工場近隣住人の中皮腫を、工場の石綿に起因すると企業が認めたことから、一気に火がついてキャンペーンがはじまった。だが、石綿の危険性は早くから指摘されている。
実際、1975年・吹きつけアスベストの新規使用禁止、1988年・学校の吹きつけアスベストの制限、1995年・解体改築時のアスベストを記録義務付などというように、行政による対策も不十分といわれながらも、行われてきた。特に88年の対策時は前年からかなりの報道もされており、石綿=危険という認識自体は広まっていた筈だ。

今回の“キャンペーン”は工場従事者などではなく、その周辺住人という、いわば「無関係な人を巻き込んだ」ことがセンセーションになっている。
が、その後の方向が行政バッシングにはいかず、むしろ行政側が整然と対応している感すらある。
これは、あらかじめ図られたタイミングだったのではないかと邪推してしまうほどだ。

もう一つ、マスコミでの“煽り”が気になる。
盛んに「石綿は危険」を訴えるのだが、どのくらいの程度が危険なのかさっぱりわからないのだ。
石綿工場に長期間勤務すれば、飛散しているだろうし、危険なのはわかる。
一般家庭であれば、飛散は少ないかもしれないが、長期・長時間に渡っている場所なので、危険性は高そうだ。
学校の体育館は、そこに児童がいるのは平均すれば週に2~3時間くらいだろうか。それが最長の小学生で6年。これでもう危険なのか?
自転車のブレーキの石綿からはどのくらい飛散するのか、おそらく微量の筈だが、それでも危険なのか?
学校の理科の実験で、目の前で石綿付金網を使っていたが、そんなちょっとでも危険だったのか?
さっぱりわからない。
いたずらに煽りたてるだけでなく、正確な情報を伝えてほしいものだ。

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Sep 22, 2005

惨敗の奇妙な言い訳

臨時国会が開幕し、各種メディアでの“選挙総括”も一通り終わった感がある。
様々な意見が出ているが、民主党支持者の一部には、醜態といっていいような見苦しい“言い訳”している例がある。
その中でも特に疑問に思うものをとりあげて、批判をしてみたい。

・小選挙区制の欠陥
議席数の違いほど、得票率は開いていない。これは小選挙区制の欠陥に乗じて自民党が勝利しただけで、民意を反映していない──というものだ。
まず、これが小選挙区制度の欠点であることは、私も大いに肯定する。
ただし、この制度は、それをわかっていて取り入れられたものだということを忘れてしまっては困る。
小選挙区制度は政治改革を図るという目的のもと、政策主導、金のかからない政治、政治のダイナミズム(導入当初でいえば、55年体制打破)をメリットとして掲げて導入されたものである。
「金」に関してはあやしいものの、マニュフェストが積極的にいわれるようになり政策はずっと表にでてきた。また、自民党内の派閥も崩れはじめ、党主導の選挙になりつつあり「政策主導」は実現しつつある。
また、今回の自民党大勝はまさにダイナミズムの実現であり、小選挙区制のメリットはきちんとあらわれているといえよう。
裏を返せば、野党にも「大勝」の可能性があるということが証明されたわけであり、そうした導入当初に予想したとおりのメリットとデメリットが出たことを、民主党が大敗したからといって騒ぐというのは見苦しい(選挙前から指摘していたというのなら別)。
第一、前回までも“民主党躍進”も小選挙区制度下のものであり、小選挙区制度の欠陥を指摘するのであれば、民主党躍進にも疑念を抱かねばならないだろう。
そもそも、大選挙区制でも中選挙区制でも、それぞれにデメリットがあり、ベストの選挙制度は存在しないというのが常識である。デメリットだけをあげつらっても意味がない。
各制度も含めてメリット、デメリットを比較して論じなければ意味をもたない。

・マスコミが自民寄り
今回は刺客騒動に対する報道など、自民党の戦略にはまった感は否めない。
しかし、当サイトでも社説分析をしたように、マスコミのスタンスは朝日を中心に反自民(小泉)のものも存在した。
私は「ベター」という意味で、自民党を支持しているが、その目から見れば民主党(野党)寄りと思われる報道が多かったような印象をうけている。
かつて、93年にテレビ朝日・椿貞良取締役報道局長が、民放連・放送番組聞査会で総選挙について「非自民政権が生まれるよう報道せよ、と指示した」と発言したことが問題になったが、TBSの石原都知事発言捏造問題、03年のTV朝日における藤井孝男元運輸相の発言合成事件、また同年同局の衆院選中の民主党「菅内閣閣僚名簿」の長時間放映など、「反保守」報道は綿々と存在する。今回の開票特番でも、自民党躍進に苦々しいコメントを吐いていたコメンテーターを擁する番組があったことで、各局のそれまでの報道スタンスもすけてみえようというもので、自民党一片よりでなかったことがわかろう。 また、これについても、少なくとも上記で触れた93年の第四〇回総選挙の結果についても批判されるべきであろうし、「民主党寄りだ」と自民党が批判している前回までの選挙時の報道についても分析をするべきであろう。
それをせずに今回だけを批判しても、「ためにする」批判としかみえない。

・IQが低い、低所得者が自民党を支持した
この情報が真実かどうかは別として、それで自民党が勝ったことがなにか悪いのでしあろうか? IQが低かろうと、低所得であろうと、ニートであろうと、老人であろうと若者であろうと、成人であれば等しく一票をもつのが普通選挙制度であり、彼らの票はまぎれもなく“民意”だ。
もちろん、普段から制限選挙制を唱えているのであれば、大いにこういう主張をされるべきだが。
それにしても、これが事実だとするのであれば、反小泉派がしきりに主張している「小泉政治は切り捨て政治、勝ち組優遇政治」というものが、その切り捨てられる筈の層に指示されたという、誠に奇妙なものになる。

もちろん、まともな民主党支持論もある。
「ベター」を選ぶのが選挙だとするならば、民主党がやるべきことは「自民党への攻撃」ではなく、「自民党よりベターな政党になること」だ。
支持者の方々も、そこに向けての議論をしていくべきではないだろうか。

私が望むことは“日本がよりよい方向にすすむこと”であるので、自民党より民主党がベターな選択肢になるのであれば、それは、大いに歓迎し、投票しようと思っている。

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Sep 21, 2005

これは捏造ではないのか?

なにげなく毎日に目を通していて驚いた。
近聞遠見:「平伏」ムードのなかで 岩見隆夫(毎日新聞9月17日 = MSN-Mainichi INTERACTIVE)というコラムの内容だ。

 自民党圧勝ショックのさなか、1枚の報道写真がひとしきり永田町の話題をさらった。テレビでも騒がれた。

 写真の撮影時間は12日午後2時31分。圧勝の記者会見を終えた小泉純一郎首相が、例の上着なし、速歩スタイルで自民党本部の会見室を退出する場面。その一瞬を毎日新聞の川田雅浩カメラマンがとらえている。

 翌朝、同紙1面中央に大きく載った写真を、だれもが

 「ほお」

 と見つめた。小泉を、イスから立って見送る黒っぽい背広姿の自民党首脳陣約10人の、腰のかがめ方が気になったからだ。

 青木幹雄参院議員会長がもっとも深く約70度、片山虎之助参院幹事長50度、与謝野馨政調会長30度、……。しかも、写真の横には、

 <強い首相 与党は平伏>

 と企画記事の見出しまでついていたから、強烈だった。

 ところが、数日後、自民党の某実力者(その場にはいない)が笑いながら言うのを聞いた。

 「錯覚だよ。あれはね、腰を下げたところじゃなく、上げるところです。年を取ると、イスから立ち上がるのもすっといかない」

 なるほど。改めて写真を見直すと、武部勤幹事長、安倍晋三同代理らは真っすぐ立ち、中川秀直国対委員長はむしろ胸をそらしている。若いほど立ち上がりやすい。青木、片山の同世代としてよくわかる。

 それだけの話だが、<平伏>でないことはわかった。映像、写真のこわさでもある。

(後略)

元記事はこれ。
写真は掲載されていないのだが、これって、捏造の自白じゃないのか!?
よくいっても、悪質な印象操作をしたということの公言だろう。
そういう行為をしたのもさることながら、恥ずかしげもなくこういうことを書けるというのが信じられない。
マスコミの倫理のなさをよくあらわしているではないか。

追記:
コメント欄の通り写真を発見したのだが、キャプションは「記者会見を終えて会場を出る小泉首相(右側)と頭を下げて見送る自民党幹部たち」になっている。 これは捏造確定だな。

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ネット保守=反体制派

ネットウヨ(右翼)、ネット保守などという言い方がネット界で使われるようになっているようだ。
実際、ネットでも自民が圧勝 支持ブログ、民主の2倍(共同通信9月16日 = Yahoo! NEWS)というように、統計的にもネット上で自民支持という“保守優勢”の結果がでている。

この“保守”の増加の理由はいくつかあるだろう。
その中の一つに「反体制派である」ということをあげたい。

世の中の傾向として、若年層は“反体制”に走りやすい。
かつての日本での学生運動もそうであったし、韓国の学生運動は現在進行形。
中共では、天安門事件に象徴される逆のベクトルでの学生運動がある。
ネットいう若年層が多い世界においては、そうした“反体制”の意見が多くなるのは必然であろう。

そして、もう一つ、ネットではマイノリティの意見が増幅されやすいという傾向がある。
これは、マジョリティーは現状に満足しやすく、自ら行動することが少ないのに対して、マイノリティーはマイノリティーであることによる不満から、自ら積極的に行動しているからだと分析できる。
ネット上では、実社会における自己を同一されにくいため、しがらみから離れた行動がしやすいからだ。
また、インターネットは検索性に優れるため、マイノリティはマイノリティ同士と出会いやすく、その行動が加速される(毎日会う相手より、たまにあう友達との方がはしゃぎすぎてしまうというやつだ)。

つまり、“保守”は『反体制』で『マイノリティー』であるということを、インターネット上で保守が強い理由の一つとして私はあげるのだ。
もちろん、“保守”とは一般に親体制である。実際、小泉氏は首相であるし、自民党は安定多数をもつ政権与党である。
では、どこが『反体制』で『マイノリティ』なのかといえば、第四権力とまでいわれる『スコミ』に対してだ。
ネット上の保守系言論の多くは、メジャーマスコミに対する批判・批難がセットになっている(このブログもそうである)。
メジャーマスコミ、言論人(特に朝日、毎日系)の多くが『反権力』を売り物にしている現状の中、『反権力』権力に対する『反体制』=保守、という構図だ。
もし、朝日・毎日(+共同?)がこれほど力をもっておらず、産経・読売のような報道内容しかメジャーマスコミが報じていなければ、保守はマジョリティとなり、保守系言論はこれほどネット上に溢れていなかっただろう。
そして、『反体制』『マイノリティ』として、朝日・毎日系言論がネット上で優勢になっていたのではないだろうか。

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Sep 20, 2005

新人議員は小泉派?

大量当選した自民党の一年生議員達について、派閥への加入を禁止し、党主導で新人研修を行うことについて、「小泉派の旗揚げ」などと一部で言われている(→毎日新聞9月20日
もし、旧来の派閥主導型を認めていたら、それはそれで「派閥政治はなくなっていない」などと報道したのだろうから、どちらにしても“叩こう”という意図は明白だ。

いずれにしても、この新人議員への党による囲い込みを「小泉派」と称することは、旧来の派閥の意味でいうならば、間違いである。
旧来の派閥の「金とポスト」は、この新人議員たちには「党」から与えられることになるからだ。
小泉総裁が退任すれば「金とポスト」は新総裁の意向に従って分配されることになる。独自の(子分を養うほどの)資金源をもたない小泉総裁では、総裁退任後も新人議員団を派閥として維持することは不可能だ。
従って、これを「小泉派」とするのは、無理がある。

ただ、新人議員の中には、小泉総裁の理念に共鳴したという人物が少なからずいる訳で、そうした人物が政策本位で小泉“元”総裁となっても、行動を共にする──本来の意味での政策集団としての「小泉派」の形成の可能性はある。
それを「派閥」という言葉を使って呼ぶのかどうかはまた別だが、少なくとも“旧来の派閥”ものとは一線を隔することになるだろう。

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Sep 16, 2005

「自民党をぶっ壊した」のは誰か

まだ完全とはいえないが、派閥連合党といわれていた自民党において、派閥の影響力が低下し、総裁主導の党に変貌を遂げようとしている。
今後、自民党の総裁が同じ方針をとるのであれば、金とポストの分配機構としての派閥は壊滅するだろう(それでも政策集団としては残るだろうが)。

語られ尽くしていることではあるが、自民党における派閥というものは、もともとは総裁候補と、それを総裁に押し上げようとする支援者たちの集団としてはじまった。自由党時代の鳩山一郎派がその代表格といえよう。
その後、保守合同までいくつかの政党を合併していく過程で、旧所属党の思想を引き継ぐなどして政策集団としての性格が強い派閥も出てくる。旧国民協同党系となる三木派などはそれにあたる。
その後、55年体制下の自民党安定政権となり、自民党総裁=内閣総理大臣となることから、党内抗争のための派閥という性格が強くなっていった。

派閥の力の源泉は金とポストである。
選挙にも普段の政治活動にも、とにかく政治には金がかかる。いわゆる給料だけではまったく不足なのだが、力もない若手議員には、献金もほとんどない。そこで、集金能力のある大物政治家が、資金援助を行う。見返りは、来たるべく総裁選びでの派閥領袖への支援だ。
当選回数を重ねて入閣などポストを狙う議員となれば、今度は、派閥に資金を献上することになる。こうした“派閥への貢献”に応じて、派閥領袖が党内政治力で獲得してきたポストが、割り当てられていく。

田中角栄派が党内最大派閥として君臨できたのは、地域利益誘導型政治を完成させることで得た強力な献金網を武器に多くの議員に金を潤沢に分配できたことによる。そうなれば、当選回数を重ね、力をつけてきた議員達が派閥に貢献することで、また派閥の力が増す。この“好循環”によったものだ。

三角大福中の怨念と抗争にまみれたとまで言われた派閥政治を終わらせるために必要な第一歩は小選挙区制の導入であった。
中選挙区では、一つの選挙区に複数の候補が当選できる(例えば、福田赳夫と中曽根康弘、小渕恵三は同じ群馬3区を選挙区としていた)。そのため、共倒れさえしなければ、一つの選挙区に自民党候補を複数人たてられた。派閥同士の利害が衝突しにくくなるため、派閥間の談合で候補者が決まっていったのである。
ところが、小選挙区となると、一つの選挙区で一人の候補しか当選しない。
こうなると、利害関係が直接、衝突してしまうから、派閥間では調整ができなくなり、党が候補者の絞込みを主導することとなる。
これは、候補者に対する党の影響力を強くするとともに、従来、派閥が自派閥要員の獲得のために行ってきた新人議員の発掘が党主導に移行し、派閥のしがらみのない候補者が増えることを意味する。

この小選挙区制の導入については小沢一郎に大きな功績があった。彼は他にも国会の政府委員制度(大臣のかわりに官僚が答弁する制度)の廃止や副大臣制の導入など、政府権限の強化に取り組んでいた。それが今回の民主党敗北の原因になっているのだから、皮肉なものだが……

小選挙区制が導入されても、派閥がすぐに力を失わなかったのは、まだ金とポストが残っていたからだ。
そのうち、金に大きなダメージをうけたのは、“不景気”である。
不景気による財政悪化で「構造改革」とされた一連の民営化や公共投資の抑制が余儀なくされ、誘導すべき利益が著しく減少してしまったからだ。
そして、最後の牙城、ポストについても、それまでの派閥の弱体化を背景に“一本釣り”で組閣することに成功。
これでにより、従来の意味での派閥の瓦解は決定したのである。

つまり「派閥連合党」としての自民党を“ぶっ壊した”のは、時系列順にいうと、小沢一郎、不景気、小泉純一郎ということだ。
ただ、小沢と小泉の境遇がまるで正反対になってしまったわけだが……

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Sep 15, 2005

野党再生への道

総選挙で惨敗した野党。
日本全体のことを考えれば、あまりに力がないのは困る。
既に天然記念物な社民党や、イデオロギーに殉ずる共産党はどうにもならないので、民主党と、国民新党・新党日本について見ていこう。

民主党惨敗の理由は、政策(マニュフェスト)が評価されなかったこと、その政策自体がブレたこと=票ほしさで場当たり的対応を繰り返したことに大きく求められるだろう。
自民党を熱狂的に支持したというより、民主党があまりにふがいなく、自民党しか入れることができなかったという層が、この自民党大勝を演出した大きな要因として考えられるからだ。
様々な閉塞感から、今、日本の国民は変化を求めている。
なのに民主党は票がほしいために発言がブレる、実現性のない、あるいは国益にかなわない政策をふりまわす、支持団体におもねる、守旧派政党としてみなされているのだ。
これを改革派政党に変えなくては、民主党の浮上はない。
が、どうもわかっていないらしい→民主代表選、前原氏が立候補へ 野田氏出馬せず一本化(朝日新聞9月15日 = asahi.com)
かつて、森総理擁立を密室政治として批判していた民主党が、同じことをやっている。
自民党は、森後継を総裁選挙として一般党員による選挙を行い、従来の自民党論理からすれば異端の小泉氏を総裁としたことで、密室談合政治のイメージの払拭に成功した。
民主党も、せめて同じ方法をとって、“古い永田町”からの脱却をアピールしなくてはいけない筈だ。
牛歩や対案ださない反対などをしている場合ではない。
常に対案を出し、党内融和を優先せず、自らの支持団体と反するような改革を表に打ち出さなくては、今の自民党に対抗することはできないだろう。

一方の国民新党・新党日本が選挙互助会であったことはいうまでもない。
相変わらずこんなこと(→新党日本の長谷川参院議員、国民新党に復党の意向(朝日新聞9月12日 = asahi.com))をしているくらいである。
それも、無党派層と無関心層をごっちゃにして、変なイメージ戦略(田中長野県知事の担ぎ出し、印籠や掛け声など)をやった結果、個人後援会の力でだけしか当選できなかったという結果だ。
いずれにせよ、小泉総裁の間は当然として、来年、小泉が総裁を退いたとしても、今のままでは後継総裁を含め、党内にかなりの影響力を残すことは必至であり、復党は当分の間難しい。
ならば、彼らは“新党”として生きていかねばならない。
そのときに、彼らが生き残れる立ち位置は「自民党より右」しかないだろう。
今、自民党より左は、民主党、社民党、共産党と“左度合い”に応じて選択ができる。
しかし、近年、その人数を増大させていると見られる保守層には「より右」を選択できる余地がない。
新党が自民党より右の立場を鮮明にして、かつ、単なる反対政党ではなく是々非々で及べば、「民主よりはマシ」「自民党しか選択しがない」として投票した保守層を取り込むことができる筈だ。
単独で政権を担う規模には至らないであろうが、選挙結果次第によっては連立政権の一翼を担えるところまではいけるのではないだろうか。

今の野党は早急に自己改革を行い、自民党以外にも「選択肢」として遡上にのぼれるようになってほしい。 自民党が「ベスト」だと思って投票した人は、ほんの一握りでしかないのだから、「ベター」な選択肢があれば、それを人々は選ぶのだから。

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Sep 14, 2005

無党派層≠無関心層

今回の小泉自民党の大勝、そして、ここ最近の選挙を語る時に、必ず使われるキーワードが『無党派層』である。
語義的にいえば、『特定の支持政党をもたない』という人々だ。
その層の増加に伴い、彼らがどこに投票するかで、選挙結果が大きく左右されることから注目されている。

この無党派層、かつては浮動票と呼ばれることがほとんどだった。
55年体制化で、イデオロギーと政党とがイコールで結ばれている建前があった頃には、政治に関心をもつものは自らのイデオロギーに基づいて、支持政党を決めているものであり、浮動票とは、投票だけにはくるが政治に無関心な層というような扱いであった。

現在でも、そうした見方を引きずっており、無党派層=無関心層としている論評が散見される。
曰く、小泉のブームづくりにのせられてしまい、ムードだけで投票した無党派層が多かったために小泉自民党が圧勝した、というような物言いだ。
確かに、無党派層の一部が無関心層であることは否定しない。
しかし、55年体制が崩壊し、保守二大政党制を唱えた小沢氏らが自民党を離党し、現在では旧社会党左派から自民党右派までを抱え込んだ民主党が第一野党として存在していることは、イデオロギーと政党が結び続く時代を終焉させたといってもよい(共産党、社民党といったイデオロギーと強く結びついた政党が没落していることでもわかる)。
つまり、自分のイデオロギーで支持する政党を固定する時代は終わったのである。
これにより「政治に関心はあるが、支持政党を固定しない」人々が増えているのが、無党派層増大の一つの要因であるといえる。

では、そうした層は何によって投票する政党を決めているのかといえば、マニュフェストや普段の政治活動を含めて、選挙ごとに是々非々で判断しているのだ。
これを理解しないと、悔し紛れに醜悪な言動をさらすことになる。
曰く「代表の顔で負けた」「ムードづくりに負けた」「小泉劇場」「洗脳されている」……

民主党の大敗、無党派層とりこめなかった大きな原因は、自民党以下の政策しかもたず、自民党以下のマニュフェストしかつくれなかったことなのだ。
政治に関心があるからこそ、無党派であるという層がいる、無党派層はイコールで無関心層ではないということをマスコミも各政党も見抜かなくてはならない。
そうでない限り、的外れの分析と、的外れの対策が続くばかりであろう。

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Sep 12, 2005

第44回衆議院議員選挙

率直に言って驚いた。 自民党がここまで伸びるとは思っていなかった。 これは、優勢が伝えられていた自民党自身も思っていなかったほどの勝利だろう。 なにせ、自民1議席、損する 比例東京・名簿登載者足りず(産経新聞9月12日 = Sankei Web)という勝ちすぎて比例名簿登載者が足りずに社民党に議席を譲ってしまうという前代未聞の事態まで発生するほどなのだから。 保守層の間では、公明党に対する反発が根強く、自民党の単独過半数あるいは単独安定多数を望む声が大きかったが、あっさりとそれが実現してしまったことになる。ダイナミックに動きやすい小選挙区制度の特徴がよく出た選挙であり、日本憲政史上に残る選挙だったといえよう。

さて、選挙がはじまった当初、各社の社説を分析してみたので、選挙が終わっての社説を比較検討してみたい。

●産経新聞

タイトル:自民圧勝 極めて重い首相の責務 官邸主導で構造改革を貫け
自民党への評価:
日本の国の力を結集する仕組みを官邸主導で整えることも大きな課題だ。首相が郵政民営化でみせた覚悟と力量をもって、こうした課題に切り込むことに国民は強く期待している。
全選挙区に郵政民営化賛成候補を落下傘方式などで擁立したことは、「地盤、看板、かばん」という旧来型の立候補システムを変え、政策中心の選挙を貫いた。個人後援会中心の古い自民党を近代政党に変える契機になった。
小泉首相の歴史的な使命は、戦後日本を構造的に変革することにあるといえる。
民主党への評価:
なぜ、国民の心をつかめなかったのか、を真摯に受け止め、出直さなくてはならない。
小泉政権の課題:
税負担を封印するな
内閣官房を中心に国益を実現する仕組みを作り上げるのが小泉首相の課題である。
首相は究極の構造改革である憲法改正を主導する責任もある。

●読売新聞<

タイトル:[自民圧勝]「郵政以外の課題にも取り組め」
自民党への評価:
自民党の圧勝は、郵政民営化の賛否に絞った首相の劇場型手法が、予想以上に功を奏した
一つのテーマに限定して争うのは、本来、政権選択の選挙としては邪道だ。
民主党への評価:
民主党は、先の通常国会では、郵政民営化法案に対案も出さなかった。解散後になって、有権者の関心が高まると、“対案”を小出しにするという、「後出し」の対応に終始した。郵政労組の既得権益を擁護しているとの批判もあった。
政権公約(マニフェスト)選挙の本家を自任する民主党が、政策論争がそれなりに活発化すると、対応が混乱し、足元をすくわれたのは皮肉だ
小泉政権の課題:
参院の反対議員も、「民意」を無視することは出来まい。(郵政民営化関連)法案の早期成立を図るのは当然だ。
当面、取り組むべき最大の課題は、年金など社会保障制度改革だ。深刻な財政の改革も、これ以上先送りできない。さらには不安定かつ不透明な国際情勢にあって、外交・安全保障の問題に、どう対処するのか

●毎日新聞

タイトル:自民圧勝 国民の期待は「郵政」だけでない
自民党への評価:
今回の選挙は二つの顔を持っていた。一つは政権担当政党を選択する選挙という「大きな顔」、もう一つは郵政民営化の賛否を問う国民投票的な選挙という「小さな顔」だ。自民圧勝は、この両面で小泉政治が信任されたことを意味する。同時に、民主党の非力さを露呈した。
今回の圧勝も小泉純一郎首相が巻き起こした「風」によるところが大きい。体質が本当に強化されたのかどうかは「風」が去ったあとに試される
参院では自民党の過半数割れが続いており、公明党の協力がなければ政権運営はうまくいかない。力を増した小泉・自民党を政権内で制御する役割が高まった。
小泉・自民党は特定郵便局長OBらによる伝統的支持団体との関係を断つ潔さをみせた。党体質改革への決意をアピールする点で民主党の上をいっていた。これまでは民主党に傾斜していた無党派層を取り込み都市部で強さを見せたことが、それを裏付けている。
メディア効果を計算に入れた「小泉劇場」はあやうさを包含するが、政治の透明性を高めた点では評価していい
地元と縁のない落下傘候補が地方でも善戦した。人気投票の色彩が強かったとはいえ、利益誘導を求めがちだった有権者意識の変化をうかがわせる
民主党への評価:
死票が多く出る小選挙区制を併せ持つ現在の選挙制度では議席の変動が顕著に表れる。2大政党への流れが基本的に変わったわけではないだろう。
民主党は選挙戦に入ってから年金、子育て政策を前面に出して対抗したが、郵政改革でのわかりにくさが最後まで響いた。連合などの支持団体に遠慮したためだ。
既得権の再調整が迫られている中で、民主党は解党的出直しを強いられている。党改革に大胆に取り組み、それを党再建の第一歩にしなければならない
小泉政権の課題:
「郵政民営化こそすべての改革の本丸」と訴えてきた小泉首相にとって選挙後の最初の課題は特別国会で郵政民営化法案を成立させることだ。
少子高齢化が急速に進む中、年金、医療、介護などの社会保障政策と財源問題にどう取り組むのか。官僚機構の改革を断行する決意はどの程度か。膨大な借金を抱える国の財政をどう健全化させるのか。アジア外交をどう立て直し日米同盟との調和をどのように図るのか。
首相が「郵政」以外を語らないのは無責任だ。有権者はすべてを白紙委任したわけではないことを自覚し、任期中に優先的に取り組む政権課題をただちに明確に示すべきだ。

●朝日新聞

タイトル:小泉自民党圧勝 「改革」選挙の弾みと怖さ
自民党への評価:
郵政民営化にかける首相の気迫が保守政党のイメージを打ち破り、改革を望む民意を圧倒的につかんだ
民主党が強かった都市部で自民党はつぎつぎと議席を獲得した。農村部出身の議員たちが力を持ってきた党の体質が変わることを予感させる
国民の不安、さらにいっこうに変わろうとしない政治への不満。有権者の間に充満していたガスに火をつけたのは岡田民主党の「政権交代」ではなく、「政治を変える」という首相のメッセージだった
一つのテーマが起爆剤となったこのダイナミックな展開には、民主主義の可能性とともに、ある種の怖さや危うさも感じられる。わずかな票差でも議席数の差が大きくなりやすいのが小選挙区制の特徴とはいえ、ムードや風で選挙結果がここまで劇的に動くことには驚くほかない
民主党への評価:
民主党は無残なまでに出遅れた。
郵政改革で対案を出し遅れたことが、最後まで災いした。自民党の反対派もろとも、「古い政治」と片づけられてしまったかのようだ
90年代からの政治改革の流れは、2大政党による政権交代を可能にし、政治に緊張感を与えることに眼目があった。その一方の旗頭に成長した民主党には、こうした機運に安住する気分がなかったか。「新しい政治」を切り開くという旗を小泉首相に奪われてしまった
民主党は人事刷新にとどまらず、体質から見直していく必要がある。この党には、寄り合い所帯のもろさを見せまいと、亀裂を必要以上に恐れるきらいがあった。不一致をさらし、党内で真剣に議論する勇気を持たなければ、再生への道は開けない
小泉政権の課題:
少数意見に配慮し、健全な民主主義を維持していく重い責任を負ったことを忘れてもらっては困る。これまで以上に自制とバランス感覚が求められる。フリーハンドを得たと勘違いしてはならない
この選挙は、まぎれもなく民営化の是非を問う国民投票だった。それが圧倒的に信認された以上、郵政法案をすみやかに成立させるべきなのはいうまでもない。 この圧勝で小泉政治のすべてが信認されたと考えるのは間違いだ。なぜなら、首相は郵政以外の政策課題はほとんど語らなかったからだ。たとえば憲法改正や八方ふさがりの外交について、首相は争点からはずし続けた。白紙一任でお任せというわけにはいかない。
靖国神社参拝や中国や韓国との関係をどうするのか。この問題を抜きに、地域としてのアジアにどんな外交の絵を描いていくか、戦略を語ることは難しい。イラクにいる自衛隊をこのまま残すのかどうかの決断も迫られている。

基本的に、選挙前にスタンスをそのまま維持しているのが見て取れる。

産経新聞は、更に首相にリーダーシップを発揮することを求め、首相の権力強化を求めるとともに、憲法改正までを視野にいれるように要求している。
小泉自民党の「落下傘候補」も好意的に評価した。
一方、民主党にはけんもほろろという有様で、とにかく小泉政権による「国益実現」に期待するという形だ。
小泉政権を強く支持した形といえる。

読売新聞は、郵政の出遅れのみならず、民主党のマニュフェストを具体例をあげて批判。単に“小泉劇場”だけでなく、民主党自体の力不足が惨敗の理由にあげられるとしているところが他と異なる。
一方で、郵政一本に絞った小泉自民党の選挙戦略を「邪道」として批判。
民意を受けたことは評価しつつも、年金という内政や外交・安保も重要課題であるとして小泉政権に注文をつけた。
民主党が政権政党に値しないというような論調であり、自民党支持としつつも、小泉劇場は批判しているという形であろう。

毎日新聞になると、自民党圧勝の主因を“小泉劇場”だと位置づける。
そして、小泉政権が民意によって支持されたとし、落下傘候補も地域利益誘導型がら政策選挙への転換として評価。自民党が従来の支持団体との決別までして“改革”に走ったことも評価しており、むしろ、読売新聞よりも小泉への評価は高い。
一方、民主党には、二大政党への流れは基本的に変わっていないとして擁護。敗因はあくまで郵政での出遅れだとしているが、“労組への遠慮”を批判した。
民主党の擁護が大きいような気がするが、比較的冷静な論調である。しかし、今後の小泉政権への課題となってくると、「郵政以外を語らないのは無責任」「白紙委任ではない」として、小泉首相のリーダーシップ型政治を強く牽制。また、立て直すべきとした外交には、わざわざ「アジア」を冠しているのが、毎日らしいところだろう。

最後は朝日新聞。
小泉自民党の圧勝は、積極的支持よりも政治への不満がもたらした、一種の批判票であるという理屈らしい。それを「ムード」「風」として、まるで政策論争がなかったかのような切り口だ。さらには、ここまで一方的になったのは小選挙区制度の欠陥だといわんばかりで、「ダイナミズム」「政権交代」をお題目に、中選挙区を批判していたのはどこの新聞だといいたくなる。
一方、民主党の敗因は郵政での出遅れとした(毎日の社説にもいえることだが、郵政だけが民主党の敗因ではなく、マニュフェスト全体を見て判断した人間も少なからずいると思うのだが……)。同時に寄り合い所帯であることを批判し、民主党の体質改善を訴えている。
今後の小泉政権には「少数意見への配慮」「フリーハンドを得たと勘違いしてはならない」「これまで以上に自制とバランス感覚」を求め、リーダーシップの発揮を強く牽制した。更に、他社では具体的な単語が出ていない「靖国神社参拝」「中韓との関係」「イラク自衛隊」をあげているところは、さすが朝日というところか。
小泉自民党を批判したいのだが、圧倒的勝利に裏付けられた「民意」に配慮して、遠まわしな表現にとどめているというところだろう。

結局、今後も各新聞、スタンスは変えていかないということだ。
このバイアスを考慮して、今後の報道も見ていく必要があるだろう。

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Sep 11, 2005

今日は選挙日

いよいよ選挙日となった。
いろいろな報道は出ているが、とにかく明日、全てが決まる。
今回はまさに日本の命運をかける選挙になるといってもよい。
政治に不満を述べるのあれば、選挙権を行使するのが先決だ。是非とも、選挙に行ってもらいたい。
そして、“批判票”ではなく“支持票”を、どうしても支持するに足る人物がいなければ、白票にすべきだ。もう、批判票で相手を利するというような悠長なことが許される状況ではなくなったと私は考えるからだ。

それにしても、一昨日に報道された民主党・岡田党首の演説は酷かった。
今までの主張を翻して「民主党は増税しません」とスピーチしたのだ。
これは、マニュフェストにも明記されている増税案との整合性はどうなっているのだろうか、と当然の疑問が湧く。
報道陣がスピーチ後の岡田党首にそれをぶつけると「歳入増になるような増税はしない」との回答。これはもう詐欺というか嘘つきといっていいのではないだろうか。
岡田党首の見識を疑う。
こんな場当たり的なことをしても、TV報道やネットなどで容易に他地域での情報が得られるようになっている今、逆効果になるのではないだろうか??

Posted at 01:39 in 政治 | WriteBacks () | Edit

Aug 30, 2005

ホリエモン

広島六区。郵政民営化に反対して自民党を離脱、国民新党を立ち上げた亀井静香氏に対する“刺客”として送り込まれたのがホリエモンことライブドア社長・堀江貴文氏だ。
以前のエントリを見ていただければわかる通り、私はホリエモンを評価していない。
そのため、「なぜ、こんな人物を擁立するのか」をいう批判には同意するものだ。

とはいえ、一応の郵政賛成派でありながら、自民党の公認は得ていない。
自民党が刺客として出馬を要請したものの、党内からの反発もあって……のような説明もされるが、私は今ひとつ納得していない。
その理由は、日本テレビ系の報道では、出馬を求めたのは自民党ではなく堀江氏側からだったという情報があったからだ。

日本テレビ系『バンキシャ』で、これは報道されたが、生出演中だった堀江氏は笑みを浮かべるだけで、その情報を否定しようとはしなかった。
そうだとすると、民主党・岡田代表が「堀江氏から会ってもらいたいという話があった」として8月16日に会談したという話が納得がいく。
つまり、出馬を目論んだ堀江氏は自分を公認してもらえないかと自民党にも民主党にも粉をかけていたのではないか(だから、岡田氏が「堀江氏から話があった」としている)。

それを前提とすれば、自民党は「うまくやった」といえるのではないか。
自民党が断った結果、堀江氏が民主党候補として立たれれば、その選挙区だけでなく全国的に話題をさらわれるのは確実で“小泉ブーム”に大きなダメージを与える。
かといって、自民党公認としてしまうと、党内からの反発はもちろん、さまざまな主張で相容れない候補を「知名度」だけで優先したとの批判が大きくなる可能性があった。
それぞれの危険をうまく回避し、かつ、おそらくは立候補がいなかったであろう亀井氏への対抗馬を用意することができたということで、選挙戦術としてはかなり優秀なのではないだろうか。

Posted at 09:56 in 政治 | WriteBacks () | Edit

公示日、各新聞の社説

ついに公示日。
各新聞の社説を眺めてみよう。

●産経新聞

『討論で明らかになった論点は、民主党の岡田克也代表が郵政民営化支持を打ち出したことなどだ。(中略)では、先の国会でなぜ、こうした郵政民営化賛成論を示すことができなかったのか。岡田代表は政府が提出した郵政民営化関連法案については「中身が問題であり、反対だ」と力説したが、民主党は対案を法案としてまとめるべきではないか。』
『年金目的消費税の導入を公約に盛り込んでおり、岡田氏は3%(現行税率と合わせると8%)と語った。』
『税負担は将来の課題と首相が主張する限り、論議は深まらないのではないか。』
『靖国神社参拝問題について首相は「参拝しないで中韓との関係がよくなるとは思っていない。四年間の小泉政治の実績から判断してほしい」と語った。岡田代表は中韓との信頼を築くことを優先したいと述べた。戦没者慰霊という国の在り方にかかわる論議も詰めることが不可欠だ。』

基本的に自民党(小泉)支持が明確。
靖国参拝問題では参拝すべきであるといっているのもわかるし、郵政民営化では民主党のふらつく対応を批難している。
増税は自民党だけでなく民主党もいっていることと強調し、武部幹事長の増税発言をカバーしようとしているようだ。

●読売新聞

『小泉首相は、郵政民営化の是非で国民の判断を仰ぎたいとし、「経済活性化、税負担軽減のためにも必要だ」と主張した。』
『民主党の岡田代表は年金改革を前面に掲げ、「危機感を持って日本を刷新したい」と政権交代へ強い意欲を示した。』
『首相は、自民、公明両党が過半数を得れば反対した自民党の参院議員も賛成に回ると言うが、成立の見通しが立つのかどうか。明確な説明を聞きたい』
『岡田氏は、郵便貯金と簡易保険に関して「将来的には民営化か廃止しかない」と述べた。そうであれば、首相が言うように、なぜ法案審議中に対案を示さなかったのか。どんな手順で民営化や廃止へ向かうのかも、明らかにすべきだ』
『首相は消費税率の引き上げ時期に初めて触れ、「2007年度は早いと思う」と述べた。岡田氏は、当面、歳出削減に努める3年間に年金目的消費税を創設するとし、「その後は増税を考えざるを得ない」との考えを示した』

基本的に、各党の主張を列挙したものである。
ただ、民主党の郵政民営化へのふらつく対応を批難するとともに、民主党が増税路線であることも明記した。
比較的中立に見せながら、自民党支持という主張を混ぜ込んでいるのがわかる。

●毎日新聞

『自民党の内紛に関心が集中した』
『議院内閣制の下では、与党は総裁を降ろし、より指導力のある総裁を新首相にするのが筋ではないだろうか』
『参院の法案否決に衆院解散で応じるという奇手を使った』
『反対派を公認せずに党から追放し、代わりに直属の親衛隊に差し替えることによって、小泉・自民党を純化し、総裁としての統治力を回復しようとする作戦』
『政治手法としては、国民の目に見える場に党内抗争をさらしたという意味で、旧来の談合政治、派閥政治からは脱皮している。この新しさが、国民の高い関心を呼んでいる要因だろう』
『小泉首相が望んでいるのは、野党を相手に政権選択を競うのではなく、党内を純化するための「小さな構図」の選挙といえるだろう』
『総選挙の主役は有権者である。「国民投票」だという首相の都合に付き合う必要はない』
『自民党も、野党の挑む論争から逃げて、争点は郵政一本だけというわけにはいかない』
『自民党のマニフェストは郵政民営化さえ実現すれば、「この国のかたち」を作る外交・安全保障まで展開できると明記している。それについて首相は「経済力の発展がなければ戦略的な外交も進んでいかない」と説明したが、論理があまりにも粗雑だ』

解散直後の社説では比較的中立的だった社説だが、ここにきて反自民を明白にしてきている。
小泉首相の郵政解散の手法を批難し、“直属の親衛隊”などという言葉を使ってイメージ悪化を狙っている。
また、解散を自民党内抗争に矮小化するとともに、郵政民営化一本に絞って支持率をあげた戦術に対抗するためか「争点は郵政一本だけというわけにはいかない」とした。 野党にも言及はあるが、具体的な批判は自民党にだけに集中しており、立ち位置がよくわかる社説だ。

●朝日新聞

『郵政民営化もその重要な手立ての一つである。とはいっても、それだけを判断の基準とするわけにはいかない。郵政改革を先送りしてでも別の政策を優先するという選択もありえるだろう』
『国際社会、とりわけ近隣諸国とどう安定した関係を築くか。自衛隊のイラク駐留の是非も有権者には重い課題だ。』
『政権交代可能な政治の枠組みが必要』
『残念ながら、自民党の公約は食い足りないところが多い。』
『首相の靖国神社参拝でずたずたの中国、韓国との外交をどう立て直すのか』
『首相は政権を維持できたとしても、自民党総裁の任期が切れる来年9月で退陣すると言っている。ではその後の責任はだれがもつのか。後継の首相候補を示すか、次の総選挙までの続投を表明するのが筋ではないか』
『マニフェスト選挙を主導してきた民主党は、さすがに一日の長がある』
『構造改革はつぎつぎと骨抜きになった。』
『共産党や社民党が指摘するような「勝ち組と負け組がはっきりした格差社会」をどう見るかだろう』
『「自民党は変わった」と胸を張る首相に引き続きゆだねるか。「政権交代で日本刷新を」という岡田氏に夢を託すか。』
『(民主党は)大きな争点である郵政改革で将来像を示せなかった。民主党には労組系を中心に民営化反対派もいる。党としてまとまることを優先するあまり判断を先送りしたとすれば、政権党としての責任感に疑問符が付く』→『民主党には制約もある。総選挙で過半数を占めても、少なくとも2年後の参院選までは参院で少数与党になることだ。だから、多くの政策の実現目標を3年後に置くしかなかった。』

えーと、民主党の機関紙でしょうか?
批判は自民党に集中。民主党は「責任感に疑問符が付く」と批判しているように見えて「民主党には制約がある(中略)多くの政策の実現目標を3年後に置くしかなかった」とフォローをいれてしまう。民主党のマニュフェストに「一日の長がある」などという持ち上げ方をした社説は他社にはみあたらない。
批難は自民党に集中しているし、「後継首相候補を示すべき」などという主張もおかしなものだ。自民党総裁は自民党員によって決まるものであり、前総裁が後継総裁を指名できるような独裁的なものではないはずだ。任期延長にしたところで、党則改正などが必要な筈で、そうした手続きを無視した“独裁”を朝日は政権与党に求めているのだろうか?
しかし、何より悪質なのは、イラクからの引き揚げを望み、中韓との外交関係悪化は首相の靖国神社参拝のためと断じ、「格差社会」になったと決め付けていることだ。各党を論じているように見えて、朝日新聞“独自の見解”を主張しているのである。

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Aug 29, 2005

結局、投票はどうすべきか?

ついに公示前日まできた。 そろそろ自民党バッシングもはじまっているが、今回は高い支持率のためか、婉曲的な手法が多いようである。また、自民党有利という過度な報道もマイナスのアナウンス効果に繋がる可能性が高い(小選挙区制導入以後はマイナスばかりが働いている筈)から、これも婉曲的なバッシングの一種かもしれない。
ともあれ、今度の総選挙、投票はどうすべきかを考えていこう。

まず、小泉がいうように、郵政選挙としてとらえるのであれば、郵政賛成派である自民党か公明党に投票するしかない。
民主党は今になって郵便貯金・簡保の民営化・廃止がありえつと岡田代表が発言したそうだが(→産経新聞8月28日=共同電)、郵貯を縮小したあげくの民営化や郵貯の廃止では、郵便事業は赤字事業になる可能性が高く、多くのリストラを余儀なくされ、また、税金の投入も必要となるだろう。選挙では、「郵政法案 自公は賛成一色、民主反対一色 立候補予定者」(朝日新聞8月28日 = asahi.com)でありながら、将来は民営化もなどというのは筋が通らない。
いかにも郵政問題で劣勢たたされたことからくるその場しのぎの感が否めないところだ。

内政という意味であれば、年金・税金問題がクローズアップされるだろう。
だが、マニュフェストをみる限り(非現実的な案はともかく)たいして違いはない。
結局のところ、大して具体性のない歳出削減と、ぼやかしている増税によるしかないということになるからだ。
ただ、郵政民営化を含めて「小さな政府」という前面にうちだしている分、自民党はわかりやすく方向性を示している。自民党から指摘されている通り、黒字事業の公務員を抱えながらでは小さな政府を目指すと民主とがいうには無理があろう。

内政のもう一つの大きな課題、教育につていは、自民党がダントツというしかないだろう。
「愛国心をもたせる教育」を公明党と対決しながらも、なんとか実現しようとしているのはマニュフェストによらずとも報道されている通りだからだ。

そして、外交でいえば、民主党は論外というしかない。
「中韓に媚る外交」を明記しているかのような民主党マニュフェスト、「日米同盟基軸」をはっきりと打ち出している自民党マニュフェスト。
そして、マニュフェストにこそのせられなかったものの、各党首の中で「靖国神社参拝賛成」なのは小泉総裁だけなのである。

はっきりいって、自民党の政策には不満がある。
既得権益重視、利益誘導重視であるし、上記で評価した点を含めて、物足りない部分(郵政民営化法案の中身、靖国神社への終戦記念日の参拝見送り、拉致問題に対する姿勢など)は多い。
だが、度合いは足りないにしても、ベクトルとして一番、まっとうな方向を指しているのは、自民党だと言わざるをえないだろう。
例えば、他の政党が政権をとれば、靖国神社参拝など全くありえなくなる。しかし、自民党なら、まだしも可能性が広がる、というようにだ。

各政党を見回したときに最も「右」に位置するのは自民党だ。
しかし、私などからしてみると、もっと「右」がほしい。国民新党などはそういった点をもっとついていけば、第三党になれるくらいのチャンスはあったと思うのだが……。

以上は党に対する分析だったが、個々の選挙区で個人別に見た時はまた別の観点がある。それまでを否定するつもりはないことをお断りしておく。

いずれにせよ、今度の選挙は、是非、投票にいってもらいたい。 そして、「批判票」ではなく「支持票」を入れてほしい。今回の選挙は、日本の今後を大きく左右する選挙である。それこそ、10年の空白を生み出した宮沢内閣の「政治改革解散」や、55年体制の確立につながる吉田内閣の「バカヤロー解散」、鳩山内閣の「天の声解散」に匹敵するようなものになるかもしれないから、確固とした意思を示してほしいと私は考えるのである。
もし、どうしても支持できる政党がないのであれば、「白票」でいいのではないだろうか。公職選挙法では「有効投票の総数の6分の1以上の得票」がなければ当選できないから、白票を投じることは、立派な意思表示の一つになりうるのだから。

Posted at 14:25 in 政治 | WriteBacks () | Edit

Aug 24, 2005

国民新党の非国民なHP

国民新党のHPなるものができている→http://www.kokumin.biz/
なんと、bizドメイン。アメリカの手先なのだろうか(笑)

さらに左下のほうに「4コマ」と題されたリンクがあり、小泉をヒトラーと金正日に見立てるという醜悪なイメージ操作のための4コマ漫画に繋がっている。
このセンスにまず笑えるのだが、下のほうには印刷ボタンがついていた。
これをクリックして印刷して、どんどんこの4コマを広めてよ! ということがいいたいのだと思うが……印刷するとA4・1ページに収まりきらずに3コマ目の真ん中でぶち切れて2ページ目にいってしまうのでは、どうにもならないと思うのだが。
大体、そんなに大きく印刷するほどの絵でもないのに。
それとも、国民はA3プリンターをもつべきだという政策なのだろうか??

Posted at 16:56 in 政治 | WriteBacks () | Edit

総選挙をめぐる奇妙な(?)動き

自民党の天敵といえば、朝日新聞である。
が、最近の社説はこんな感じになっている。

造反新党 小選挙区制の非情さ(朝日新聞8月23日 = asahi.com)では、末尾こそ『郵政民営化一本やりで「新しい自民党をつくる」という首相の主張は単純にすぎる。社会保障をはじめその他の重要政策では、民主党の方が具体的な公約を示している。政策本位の自民党に変身すると胸を張るなら、郵政以外の政策ももっと真剣に語るべきだ』『剛腕ぶりと政策のあいまいさ。有権者はその両面を吟味する必要がある』としながらも、文中で『強引に見える首相の手法には賛否があろう。だが、政党本位の小選挙区比例代表並立制という選挙制度のもとでは、論理的には当然のことではないか』と、小泉自民党の“刺客戦術”を評価している。

更に郵政改革 公社のままの危うさ(朝日新聞8月24日 = asahi.com)になると、民主党の郵政改革案を『強制的な縮小を打ち出した民主党案の方が一見すると明快だ。しかし、現在の稼ぎ頭である郵貯を急速に小さくすれば、公社の経営は悪化し、職員の雇用や郵便局ネットワークに影響は避けられないのではないか』と自民党と同じような主張で批判。
加えて『将来の経営形態について、自民案と民主案は大きく異なる。自民党が「民営化」を明確にしたのに対して、民主党は「あらゆる選択肢を検討する」にとどまる。郵貯の民営化や廃止といった具体的な方向を示すべきだが、そこまでの踏ん切りはつかないようだ』として、労組との関係で曖昧化したことを暗に批判することを続ける。『公社という形態が、国の監視は甘く、公開企業なら受ける株式市場からのチェックもない中途半端なものであることだ。今でさえ郵政公社はさまざまな業務に乗り出して、民間とのトラブルになっている。「国の信用」と公務員の身分保障を保ちながら、民間を圧迫するという「いいとこ取り」になるのであれば最悪の選択だ』ときては、民主党案は立つ瀬がない。
当然、末尾も『自民党案に懸念はあるが、将来の姿がみえない現行の民主党案は、さらに問題が多い。私たちはそう考える』と、自民党よりも民主党を批判する文章で締めているのである。

アドバルーンであれば、1日分の社説だけでいいような感があるだけに、この二日続けての“自民党擁護”は奇妙である。一方で郵政選挙、解けない三つの疑問(朝日新聞8月24日 = asahi.com)として自民党批判記事も書いているだけに。
これは、朝日新聞得意の煙幕なのか、揺らぎなのか、何かの罠(笑)なのか……まさか、路線変更ということはないだろうが。
いずれにしても注視していきたい。

奇妙といえば、国民新党旗揚げに参加した長谷川憲正参院議員(自民党・旧橋本派で元郵政官僚)が離党して、新党日本に所属しなおした。
これは、国民新党に23日に青森が地盤の比例選出・津島恭一前衆院議員(自民党・旧橋本派、ちなみに祖父の弟は太宰治だとか)が加入したことにより「六人」と政党要件を一人オーバーした。一方で国民新党が「四人」で政党要件に足りないことから、数合わせでトレードしたというのが一目瞭然だ。
この新党が、自民党追い出され組の選挙互助会都市用・田舎用という存在でしかないことを改めて周知する結果となったことはいうまでもないだろう。
こんなわかりやすい自爆をするのも奇妙だが、それだけ追い詰められているということだろうか。

今のところ、小泉自民党に有利な風ばかりふいているが、まだ先は長い。
この風は吹き続けるのだろうか? それとも、凪になり、あるいは逆風となるのだろうか??

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Aug 23, 2005

わけのわからない新党

綿貫氏─亀井氏による国民新党、ついで田中康夫長野県知事をかついだ新党日本が結成された。
すでにマスコミですら見抜かれている通り、理念なき選挙互助会というのがふさわしい集団だが、報道を並べていくと面白い。

当初の報道では「もうひとつ新党つくる話ある」 国民新党の綿貫代表(朝日新聞8月20日 = asahi.com)となっていて、新党日本の準備が示唆されている。
が、いざ立ち上がると新党日本結成 田中氏就任、揺れた決断(朝日新聞8月21日 = asahi.com)によると『 新党日本結成の情報を聞いて国民新党のメンバーは「えっ。聞いてない」と驚きの声をあげた』と報道されている。
……えーと、国民新党は健忘症? それとも、マスコミ報道されている情報も党内でうまく伝達できていない問題組織か。
あるいは、マスコミ発にしろ、国民新党発にしろ、出来レースということをかくすための田舎芝居なのだろうか?
しかし、国民新党の綿貫代表、新党日本と「いずれ合併」(朝日新聞8月22日 = asahi.com)とあっさり、当選後の合流が既定路線=選挙対策で政党を分けたことを事実上、自白。
農村部ではともかく、都市部では綿貫・亀井党では勝てないということから、田中康夫をかついだ別政治集団を立ち上げたというのが端的に示されてしまった。
おまけに、国民新党には民主党の小沢一郎副代表に近い田村秀昭参院議員が民主党を離党し、政党要件を満たすための「5人目」の議員なったことで、新党の背後に小沢氏がいるのではないかとあれていたのが、反小泉派議員「拒む必要ない」 民主・小沢氏、連携示唆(朝日新聞8月23日 = asahi.com)、衆院選:新党との連携も政権交代の選択肢 小沢民主副代表(毎日新聞8月23日 = MSN-Mainichi INTERACITIVE)ということで、傍証を小沢氏自ら示している。

ただ報道並べただけで、こうも透けてくるようでは、国民を馬鹿にしているといってもいいだろう。
それとも、こう見せるのが策で、なにか大きな仕掛があるのだろうか??

ところで、郵政反対派であり今回の新党日本にも名を連ねた小林興起氏、青山丘氏、荒井広幸氏は亀井派に所属している(滝実氏のみ旧橋本派)。 亀井派といえば河野一郎から中曽根派と、岸から福田派を経た三塚派の分派である亀井グループが合流したものだ。亀井氏はかつて警察官僚で極左事件を担当しており、また、若かりし頃は青嵐会に所属、石原慎太郎氏を擁立して自民党総裁選に臨んだこともある。それらのことから、一般に「右派」として認識されている筈だ。 それなのに、なぜ左派として認識されている田中康夫氏と組むのか疑問視する向きがある。 だが、実は亀井派と田中康夫氏は意外に近しいらしい。柏村武昭参議院議員(亀井派)のホームページ「政策集団志帥会総会に田中康夫長野県知事」によれば、2004年11月11日に田中康夫氏が亀井派で講演を行っているのがわかる(ところで、その上の記事が外国人参政権付与反対という意見であり、これが並んでいるのはなにかの冗談だろうか)。また、「政策集団志帥会の大パーティー」でも2005年4月20日の志帥会のパーティーに田中康夫氏が招かれていたこともわかる。
考えてみれば、亀井氏も田中康夫氏も外国人参政権付与賛成派という共通点があるなどしており、もう少し調べてみれば、いろいろとあるのかもしれない。
いずれにしても、この「田中康夫代表」というのは、亀井派の流れからすると自然なことのようだ。単なる人気取りでくっついたというわけではないらしい。
もっとも、両者とも底の浅さを露呈していいるといっていいだろうが。

そして、その田中代表が早速、パフォーマンスを開始している。
新党結成挨拶ということで、各党を回ったそうだが、その際の自民党の武部幹事長の対応にフォーカスしてみよう。
民主のコピーは「自作」 田中・長野県知事が使用中止要求(産経新聞8月22日 = Sanke Web)では(ただし、実際は共同電の丸写し)、『武部勤幹事長が「会議中」を理由に会わず』と、武部氏は所在しており、かつ、実際には会議中ではなかったのに口実をつくって会わなかったようなニュアンスを漂わせている。事実だとすれば、大人気ない態度だといえよう。
ところが、新党「日本」:田中代表、各党にあいさつ(毎日新聞8月22日 = MSN-Mainichi INTERACITIVE)では『武部勤幹事長が不在』と、単純にいなかったようになっており、かなり印象が異なる。
更に新党日本が始動、田中知事を前面に各党あいさつ(読売新聞8月22日 = YOMIURI ONLINE)では詳しく報道されており、『武部幹事長が報道各社のインタビュー中で、世耕弘成・広報本部長代理が応対した』となっている。これなら、武部氏が田中康夫代表と会えなかった理由がきちんと存在している。しかも、『田中知事は「あいさつに行くのもしきたりで、あいさつを受けてもらえるのもしきたりだと聞いている」と、記者団に対し武部氏の対応に不満を示したが、自民党職員は「アポなしでくるんですもの、対応できませんよ」と苦い表情だった』と続いている。
となると、わざとアポなし訪問をして『各党の対応が悪い』と印象づけるための選挙戦術であり、そこに、共同などはのかってイメージ操作をしていると見るべきではないだろうか。
早くもマスコミによる“反自民工作”ははじまっているのだ。

こうして報道を並べてみるだけで分かる“新党”の如何わしさ。
それぞれの選挙区の選挙民たちは、果たしてどのように判断するのであろうか?

Posted at 15:13 in 政治 | WriteBacks () | Edit

Aug 22, 2005

自民党マニュフェスト斬り

自民党のマニュフェストが発表された。
これを検討してみたい。
余談だが、民主党のものよりもずっと見栄えのするもので、このあたり大したものである。また、項目付や階層構造も統一されており、民主党のマニュフェストよりずっと引用しやすかったのも付記しておこう。

1.日米同盟基軸の外交

日米同盟と国際協調こそ日本外交の基本です。
107.中国・韓国など近隣諸国との関係の改善強化とアジア「共同体」構想の推進
 北朝鮮問題の解決、中国・韓国等との未来志向型の連携を強化し、アジアにおける「共同体」の構築を推進する。
108.領土問題の解決への努力と海洋権益の確保
 北方四島と竹島問題については、粘り強くその解決を目指す。また、東シナ海での海洋資源開発および大陸棚調査の推進など、わが国の海洋権益を確保する。
109.「拉致問題の解決」に向けさらに努力

日米同盟を基軸とはっきりと打ち出してているところは、さすがに政権与党。現在の国際情勢で最も国益に即した関係を前面に押し出している。 また、尖閣の名前があがっていないところは不満ながら、領土問題・東シナ海資源問題で引かないことを示した姿勢が評価できる。 アジアにおいては中国と韓国しか名前が出ていないことは不満であるが、「未来志向」という言葉は「過去の謝罪」というネタに囚われないことを示しているのだと思う。また、「東アジア」ではなく「アジア」というところがミソだ。中韓だけがアジアではないとこうことを暗に主張している。

2.防衛力整備

111.防衛庁を「省」に、自衛官に一層の名誉と誇りを
112.国の防衛体制の整備と日米安保体制の強化
115.国家の情報収集能力の向上
116.自衛隊の海外での国際協力活動の推進

民主党と異なり、自衛隊の役割をきちんと明記していることは評価できる。
特に111は注目すべき公約であり、自衛隊を軍として格上げするためのステップとして読みとれるのは私だけであろうか。

3.小さな政府?

001.郵政民営化に再挑戦
002.規制改革の強力な推進
003.行政スリム化とプログラムのスイシン
 2)官業の民間解放の推進
 5)情報通信技術の活用:ITの活用により抜本的な業務改革を行い、内部管理要員の三割以上の削減につなげる。
005.国家公務員に関する改革を実施
 2)総人件費削減
007.政府関係法人の合理化および効率化を実施
009.歳出・歳入一体の財政構造改革を実現
 7)税制の抜本的改革
  (前略)所得税については、所得が捕捉しやすい「サラリーマン増税」を行うとの政府税調の考え方はとらない、なお、
  ・18年度において、三位一体改革の一環として、所得税から個人住民税への制度的な税源移譲を実現する。
  ・19年度を目途に、社会保障給付全般に要する費用の見通し等を踏まえつつ、あらゆる世代が広く公平に負担を分かち合う観点から、消費税を含む税体系の抜本的改革を実現する。
017.三位一体改革の推進
018.市町村合併をさらに促進
019.道州制導入の検討を促進
020.地方の行政改革

マニュフェストの表紙で「郵政民営化=小さな政府」と明記しており、自民党がそれを目指していることは、明確である。公約の一番最初で「郵政民営化」を掲げているのも、主張の通りだ。
その他の公約も、この「小さな政府」を目指すものとして方向性は統一されており、矛盾はない。
しかしながら、郵政民営化以外は具体策に乏しい。また「小さな政府」と逆行しそうな、補助金をばらまきそうな項目──「テーマ2:【国際競争力・成長分野】」「テーマ4:【われわれの子どもたち】」も具体策に乏しいため、耳障りのいい言葉を並べているだけという観がある。
また、増税が既定路線でありながら、それを隠そうと言い回しに苦労しているのがわかる。まあ、増税を打ち出して選挙に勝てるほど、選挙民というものは成熟していないことは、大平内閣時の「ハプニング解散」でも証明済であるから、やむをえないところか。

4.人権関係

021.男女の雇用機会均等などをさらに進め男女共同参画社会を実現
074.テロの未然防止と対処能力の強化
075.出入国管理の厳格化
076.不法滞在者の半減
078.簡易・迅速・柔軟な救済を行う人権救済制度の確立

人権うんぬんより、治安を優先させるように読み取れる公約は頼もしい。私の主張とも近似していおり、支持できる。
その一方で、021の公約は、歪んだジェンダーフリーを推進させるのではないかという危惧があり、078では人権擁護法案の影がちらつく。
要注意であろう。

5.その他評価点

025.子どもたちの未来のために教育基本法を改正
 教育基本法を改正し、豊かな上層と道徳心にあふれ、正義と責任を重んじ、伝統文化を尊重し、郷土や国を愛する心や公共の精神が身に付く教育を実現するとともに、家庭や地域の教育力の回復を期する。教育振興基本計画を策定し、わが国の目指すべき教育を進める。

これは全面的に肯定できるところだ。
公明党の反発で苦労しているようだが、是非とも実現してほしいところだ。

まとめてみると、問題点は少なくない。
しかし、民主党よりは遥かにベターなマニュフェストであるといえる。
ベストには物足りないが、民主党と比較して、どちらに投票するかと問われれば、私は自民党を選ぶ。

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Aug 21, 2005

新しい執筆者

今日から、このブログに書き手が一人加わります。
もう10年以上の付き合いになる友人です。
概ね、私と同様の考え方をもっているのですが、自ら主張されたいことがあるということで、この度、ここに加わっていただきました。
では、本人からいただいた、プロフィールをいかに掲載します

名前:きなこ☆きなこ
性別;♀
1960年代の生まれ。
バツイチ・ふたりの男の子の母。現在はフリーライターとして世間を渡る。

ご挨拶:
KYOKURON_STADIUMは立ち上げ当初からよく見に来ていました。
このたびは雪富さんのご厚意で不定期ながら投稿させていただけることになり、「女性ならではの意見をずばっと書いて欲しい」というご要望を頂きました。政治・戦争といった雪富さんの得意分野とは少し違った側面からその時々で話題をつかまえて「極論」を書いて行ければ、と感じています。

育児とインターネット

 先日、テレビの育児番組の中で、インターネットの活用を勧める場面に遭遇した。
 インターネットを通じて育児情報を手に入れたり、地域の母親のコミュニティを作ってみてはどうか……というような内容で、昨今流行のブログを使って、自分が抱いている育児の悩みを発信してみてはとも提案するものだった。
 私はすでにその番組がターゲットとしているような乳幼児の母親ではなくなっているし、さほど真剣に見ていたわけではない。たまたまやっていた番組を偶然見たというだけなのだが、その提案に「?」と疑問を抱かずにいられなかった。

 その番組がこれまでにどの程度インターネットの利便性について語っていたのかは不明だが、私が見た部分では明らかに「インターネットに対する深い知識はなく、少なくともこれまでにはインターネットにさほど興味を持っていなかった女性」をターゲットにした語り口調だった。これは単純に「インターネットを育児のツールのひとつとして利用しよう」という以上のプレッシャーを与える提案ではないだろうか。

 例えばそれが、すでにインターネットを日常的に活用している女性に対しての提案だというのなら、別に疑問はない。実際にインターネット上には役立つ情報は数多く存在しているのだし、子育てに関する情報を得ることや、同じように育児に不安を抱く母親同士のコミュニティに参加することでそれなりに解決する悩みもあるのかもしれない。
 だが、これまでインターネットなど使ったことがない母親がその話を聞いた時「私も世間に遅れをとらず、インターネットを使って情報を得たり、母親同士のコミュニティに参加しなければならない」と焦りを感じてしまう危険性はないのだろうか? 育児ですでに手一杯になって外出さえままならない母親が、新たにインターネットの(下手をすればパソコンの操作方法も含めて)知識を身に付け、そこでのコミュニティに「義務感から」参加するとしたら、その負担と苦痛は耐えがたいものだ。せっかく立ち上げたブログに「インターネットのお母さんコミュニティでのお付き合いに悩んでます」なんていう書き込みをする羽目に陥るのではないだろうか。
 冷静に考えればそんな焦りや義務感は馬鹿馬鹿しいことかもしれない。だが現実に、トイレトレーニング、公園デビューなど、これまでにも育児番組や育児雑誌が紋切型のブームを作り、解決を目指していたはずなのに逆に母親たちの悩みを増加させてしまった例は決して少なくない。

 育児中の母親のインターネットやiモードの利用を、否定しようというつもりは私にはない。番組中でも「外出しなくても世間とかかわることができ、電話と違って子供の睡眠を邪魔せず、時間も選ばない」と利点を話していたけれど、その点についてはまったくその通りだと思う。私もかつて(まだパソコン通信の時代だったが)、仕事や趣味のためにネットを大いに利用していたし、身近にいる乳幼児を持つ母親がインターネットを活用して趣味を楽しみ、交友関係を広げる姿も見てきた。育児中の母親に限らず、外出のままならないさまざまな事情を持つ人にとって、インターネットが便利な道具であることは間違いない。
 だが「育児の情報を手に入れる」なんていう優等生的意見は、ついでの機能として頭のどこかに入れておけば充分だ。インターネットで楽しんでいることを亭主やお姑さんがとがめたときの言い訳にでも使えばいい。そのためだけに導入し、利用するというのであれば、パソコンやインターネットは決して手軽な手段でも安価な手段でもなく、育児に悩む母親それぞれの事情をすべて考慮した上で的確な答えを出してくれる奇跡の道具でもない。
 インターネットを使ってみましょうと勧めるのならば、何も短い息抜きであろうその時間まで母親を育児に縛りつける提案はしないで欲しい。切実にそう感じる。子供が昼寝をしている間だけは育児から解放されて、インターネットで好きな映画、ドラマ、コミック、歌手、俳優……何でもいいから自分の好きなものを眺めて過ごし、また子供にゆとりをもって接するための活力を得る--そんな提案はできないものだろうか。

 番組の中では「核家族化によって育児に関する相談相手を失った母親の孤独」といった話題にも触れていた。そんな時代に育児に直面した母親にとって、育児番組や育児雑誌は大きな支えだ。だからこそ、優等生的意見で母親を義務感や焦りに追い立てる存在ではなく、母親の悩みや不安に本当の意味で共感してくれる味方であって欲しいと思う。

(Written by きなこ☆きなこ)

Aug 19, 2005

郵政解散は横暴か?

郵政民営化法案が参院で否決されたことについて、反小泉派の議員・マスコミを中心に「手法が強引」「横暴」という声があがっている。
しかし、私にはそうは思えない。

衆院で可決された法案が参院で否決された場合、予算案以外は衆院で再採決となり、三分の二以上の賛成が得られれば法案可決、そうでなければ否決となる。
衆院可決の票差からして、衆院での再可決は不可能であり、小泉首相の衆院解散にも理がある。
というのが、今のところマスコミや評論家による“説明”である。

だが、もっと単純でいいのではないだろうか。
二院制とはいえ国会=立法府というくくりでみれば、衆院も参院も同じものだ。
内閣=行政府が中心法案として位置づけられたものが立法府で否決されたのだから、内閣は総辞職するか、議院内閣制に基づき国民の信を問いなおすというのは理屈にあっていると思うのだ。
ましてや、解散のない参院は“良識の府”として判断を行うものとされている。
中心法案を「良識」が否定したのだから、そのまま内閣が居座る方がおかしくはないだろうか。

もっとも、今回の解散について、国民は「横暴」とは思っていないようだ。
産経新聞で解散から間をおいて(8月16、17日)行われた世論調査でも、首相の解散という手法に対する支持は52.5%と過半数を超えている。
この傾向は各社(→例:朝日新聞)の世論調査でもかわらず、国民の支持を受けた解散といえよう。

こうした結果にもかかわらず、反小泉派議員・政党はともかく、中立が求められているはずのマスコミの中に「横暴」とのイメージをうえつけようとする努力があるのはどうしたことだろうか──いつものこととはいえ。

それにしても、今回の解散で日本の首相の権限が強いということを初めて知ったという人も多いのではないだろうか。
実のところ、法理上からいえば、戦前の首相と陸海軍大臣をひっくるめたくらいの力があるとまでいわれているのだ。
その証拠に、首相を強制的にやめさせることは誰にもできない(内閣不信任が成立しても解散で対抗できる。その選挙の結果、次期首相としての指名を受けないということはありえるが)。
今まで「弱い」といわれていたのは、五五年体制以降の自民党派閥政治を背景にした政治手法に起因するものであったということが、如実にあらわれた“解散”であったといえよう。

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Aug 18, 2005

片山さつきをどうするのか?

自民党は郵政民営化に反対した議員を総選挙で公認せず、その選挙区には賛成派を公認議員として出馬させる方針をとっている。

こうした「刺客」としてあげられた候補の中に財務省の女性キャリア、片山さつき氏の名前があがっている。
片山さつきといえば、枡添要一の別れた妻であるが、それよりも有名なのは昨年の予算段階において防衛庁担当の主計官だったことであろう。

その時の彼女の、陸軍重砲や潜水艦を時代遅れの兵器と主張するなどの出鱈目な軍事知識ぶりは、月刊誌にもとりあげられるほどであった。
軍事専門家について勉強したというが、本当の専門家ならそんなことはいわないだろう。
ましてや、それだけを専門に日夜、研究を行っている自衛隊に対して、俄か勉強で、自分の意見のほうが正しいと主張するのは、自分の才能に溺れている証拠ではないだろうか。
第一、国防という重大な問題において、一主計官が兵器整備体系や大幅な定数削減に口を出すのは越権だ。財務省の役目は国策に従って適切な予算を割り振ることであり、各省の仕事のやり方を指図するものではないはずである。

閑話休題。
ともかく、この難儀な「片山さつき」氏。しかし、放っておけば事務次官とまではいかないまでも、美人エリート官僚として注目されていることから、それなりに出世するだろう。
となると、今後、予算を主導する自民党としては非常に困った存在になる。
そこで、体よく財務省から追い出すための作戦が、今回の擁立ではないだろうか。

今回の擁立により、自民党は財務省から扱いにくいエリート官僚を追い出すことができた。それだけでなく、もちろん、当選すれば自民党は議席が増えてプラス。議員になっても、一年生で女性ではたいした発言力ももてないから大勢に影響を与えることもない。そして、落選すれば、彼女の政治・官僚生命を断つことができる(なにせ、鞍替出馬させて選挙に負けさせ、政治生命を断つというやり方は、派閥政治華やかりし頃の自民党の常套手段だ)。
比例の順位によって、落選させる気なのか当選させる気なのかははっきりするだろうが、短中期的には、自民党にマイナスになることはない。
してみると、したたかな自民党の術中に片山氏は嵌ったということになろうか。

ただ、片山氏が当選した上に、それを重ね、従来の女性議員になかったような発言力を身につけることに成功すると……軒先貸して母屋とられるということにならなければよいのだが。

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Aug 17, 2005

民主党マニュフェスト斬り

民主党のマニュフェストが公開された(→PDF)。
が、これがあまりにもお寒い内容なので、ぶった斬りさせていただきたい。 なお、毒にも薬にもならないような、おためごかしな部分は、ハナから省略させてもらう。そうしないと、ほとんど全文引用になりかねないからだ。

1.ひたすら中韓に媚びる姿勢

・日本はかつて戦争への道を選び、国民に深刻な犠牲を強いたのみならず、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して植民地支配と侵略によって大きな損害と苦痛を与えました。私たちは、この歴史の事実を謙虚に受け止め、率直な反省と謝罪の気持ちを忘れません。60 年前の戦争の検証を政府が中心になって行います。
・日中関係を再構築します。
・日韓関係を強化します。
・東アジア共同体の構築をめざします。
 アジア地域における相互協力と信頼醸成をすすめ、FTA・EPA(経済連携協定)の締結を推進し、農業分野などの貿易面のみならず、人の移動の自由化、エネルギー、環境、教育、保健、犯罪対策など、さまざまな分野でアジア各国・地域との連携と協力を強化します。アジア地域を不戦地域とすることを各国共通の目標とすることをめざすとともに、将来的にはアジア・太平洋を含む姿に拡大・発展させることを展望します。
・国籍要件などの影響で、無年金、低年金となった高齢者(在日外国人、在外邦人)に対しても、老齢福祉年金などに準じた給付を行えるようにします。
・近年の原油価格の高騰、中国を含むアジア諸国などのエネルギー需要の高まり、地球温暖化対策の必要性などにかんがみ、日中韓とロシアを含む東アジア・北太平洋地域における環境・エネルギー分野での国際協力を推進します。

ひたすら中韓に謝罪と賠償を行おうとでもいうのだろうか?
中韓の主張はほとんど根拠のないものばかりであることは、今更、いうまでもないだろう。
そんな前提で要するに日中韓(北朝鮮)で同盟を構築しても、いいように国力をむしりとられるだけである。
もっとも、岡田代表のビジョンによれば『私たちが実現すべき望ましい世界とは、東アジア共同体が実現し、中国が責任を持って国際社会に関与する、平和で豊かなアジアであり、米国が国際協調を重視する路線に復帰し、軍事力の行使は国連安保理決議に基づいて行われるという集団安全保障の規範化が浸透した、秩序ある国際社会である』『日本はそのような望ましい世界を実現するために国連安保理常任理事国となり、自国の防衛、アジア太平洋地域の安定、国際社会の平和と繁栄のために建設的な役割を果たしていなければならない。新しい日本は、近隣諸国との間で相互信頼感を高め、「アジアと米国の連結器」の役割を果たしている。日本の魅力は今以上に高まり、アジアと世界の尊敬と注目を集めているだろう』とあり、アジアの盟主は中国であり、日本はその追随国であるべきだというのが、本当の主張であろう。
しかし、この主張、奇しくも韓国の「北東アジアバランサー論」と酷似している。現実の外交が見えないと、国が違っても発想は一緒になるということだろうか。
また、「アジア重視」を言う割には、具体的な国名が中国と韓国しか出てこないあたりが、見事な偏りっぷりである。

2.靖国代替施設建立

・これまでに戦争で犠牲になった方々や、国際公務に携わる中で不幸にして命を落とした方々のための国立追悼施設を建立します。

論外。 なぜ、靖国でなくてはいけないかということは、この中で述べると長くなるので語らないが、靖国参拝をしないということは明確に理解できる。

3.日米同盟の希薄化

・単に米国に追随するだけでは、真の日米同盟強化に寄与しません。日本国民やアジア・太平洋諸国の声を米国に伝え、必要な場合には米国に自制を促すことが、アジア・太平洋地域の公共財としての日米同盟の価値を高めることになります。
・安全保障上の諸課題について、日米同盟が「安定力」として十分に機能するよう、日本の主体性を前提にして米国との防衛協力を推進します。
在沖縄海兵隊基地の県外への機能分散をまず模索し、戦略環境の変化を踏まえつつ、国外への移転をめざします。
・自衛隊の派遣期限が切れる今年12 月までに、イラクから自衛隊をすみやかに撤退させます。

民主党の普段の主張、1であげた東アジア共同体などを考え合わせれば、これは要するに米国と距離を置くということである。
もちろん、これが、米に頼らない安全保障体制を樹立するなどという話に繋がるのであれば、評価の仕様があるのだが、中国に追随する国家になるためだということになるのだから、論外であろう。

4.国連

・世界の平和と安定に貢献します。
 国連など国際機関の強化を図ります。
・国連の要請に対しては、新たな「国際平和協力隊(仮称)」の創設などについて検討をすすめ、日本として国際平和の維持・構築に正面から関与できるようにします。
・PKOに関しては、多様化する協力要請に対応するため、派遣される隊員の武器使用基準や、参加条件・規模・期間などに関する国会の関与のあり方を見直します。

なぜ、わざわざ自衛隊と別の組織をつくる必要があるのかわからない。
国連への幻想をもっているのもさることながら、国連の要請にこたえるのであれば、PKOうんぬんではなく、PKF参加を主張すべきである。そして、集団的自衛権の話にまで踏み込んでいかねばらない筈だ。
つまるところ、国連の民主党の主張に都合のいい部分だけをつまみ食いしただけだ。

5.防衛力削減

・弾道ミサイル防衛については、その必要性を踏まえ、シビリアン・コントロールを徹底しつつ、費用対効果などを含め総合的観点から検討をすすめます。これらに必要な予算は、防衛予算の中での振り替えで対応し、負担増を抑えます。

弾道ミサイル防衛には莫大な費用がかかる。
それを、現行の防衛費の中からまかなうとすれば、現有装備・人員の大幅削減は免れない。実質的には、防衛力の削減の主張である。
弾道ミサイルは防げても、通常兵力が防げなくなっては意味がない。

6.大きな政府?

・「危機管理庁(日本版FEMA)」の創設により、武力攻撃、テロ、大規模自然災害など、各種の緊急事態に迅速に対応できる態勢を整えます。
・基礎年金国庫負担率引き上げは予算の徹底的な見直しで2008 年度までに国庫負担率を2 分の1 に引き上げます(所要額2 兆7000 億円)。
・雇用保険特別会計の安定を図るとともに、失業給付期間が終わっても就職できない人や、自営業を廃業した人などを対象として、能力開発訓練を拡充し、最大2 年間、月額10 万円の手当を支給する法律を制定します(所要額2500 億円)。また、倒産やリストラで失業した人が安心して医療を受けられるよう、医療保険料を離職後1 年間軽減します(所要額25 億円)。
・「ヤングワーク・サービスセンター(仮称)」を整備し、失業・無業状態の若者に個人アドバイザーによるマンツーマンの就労支援、民間企業での職業訓練などのプログラムを用意し、必要に応じて就労支援手当を1 日1000 円(月3 万円程度)支給します(所要額360 億円)。学校にも行かず、職にも就かず、職業訓練も受けていない「ニート」と呼ばれる若者が集まることのできる場所をつくり、相談・支援を行います。また、全国の中学2 年生に年間5 日以上の職業体験学習を実施します(所要額17 億円)
・月額1万6000 円の「子ども手当」を創設します(所要額3 兆円)。
・「出産時助成金」を創設します(所要額2200 億円)。
・現在、約1 万4000 カ所で行われている学童保育を4 年間で2 万カ所に増やし、指導員も5 万人から6 万人へと増員します。さらに、父母の就業実態にあわせた保育時間の延長などを含め、待機児童解消に向けて、少なくとも960 億円の予算を確保します。
・日本小児科学会が提案する「小児医療・救急医療計画」モデルなどを参考にして、小児医療・救急医療体制の整備を行います(所要額10 億円)。
・子どもや家庭の問題について、一元的に政策立案・遂行する「子ども家庭省(仮称)」の設置に着手します。
・OECD加盟国平均並みの教員配置(教員1 人あたり生徒16.6 人)をめざします。
・土曜学校・放課後学習などを支援します。
・義務教育財源を確保します。
・私立生は、公立生に比べ著しく公的支援が少なく(約3 分の1)、その保護者に過重な教育費負担を強いています。この公私間格差是正のため、私立通学者に対して、直接授業料補助などを行います。
・希望者全員奨学金制度を実現します(所要額600 億円)。
・道路公団を廃止し、高速道路を原則無料化します。高速道路に係わる債務返済と道路の維持管理には、年間2兆円の財源が必要ですが、国と地方を合わせて約9 兆円の道路予算の一部振り替えと、渋滞・環境対策の観点から例外的に徴収する大都市部の通行料でまかないます。
・強制減反の廃止と米の備蓄300 万トン体制の実現
・人工林の管理・充実をすすめ、間伐などの森林整備を計画的に行い、10 年間で1000 万ha の森林を再生することをめざします。政権獲得後ただちに年次計画を策定し、初年度に1000 億円、4年後には2500 億円の予算を充当します。
新エネルギー関連の予算を計画的に増額し、現行の年間約1700 億円から任期中に3000 億円へと増額をめざします。自然災害による被災者を対象に、住宅本体への再建支援制度を確立します。
・警察を監督する公安委員会の事務を警察が行っているという矛盾を解消するため、警察法改正案を提出し、国家公安委員会・都道府県公安委員会に独立した事務局を設置します(所要額48 億円)。
・警察官の3 万人増員により、落ち込んだ検挙率を回復させます。 ・すべての無年金障がい者を「特定障害者特別障害給付金支給法」の救済対象(現在は元学生、主婦)とすることにより、無年金障がい者に基礎的な所得保障を行います(所要額900 億円)。

やたらに景気のいい数字が踊っている。
さらには、減税政策もある。

・「ローン利子控除制度」創設 ・株式の長期的保有を促進・拡大するための配当課税の廃止・軽減や、ベンチャー企業に対する投資額の一定割合の税額控除などの金融・証券税制を検討し、すみやかに実現します。

では、財源はどうするのかというと

・税金の使い道は地域で決められるよう、18 兆円の税財源を移譲します。
・ムダづかいの社会保険庁は廃止します。
・3 年間で10 兆円の歳出カット、国債発行額30 兆円未満、プライマリーバランス赤字の半減を実現します。
・「国家公務員人件費総額2 割減(1 兆円)、特殊法人向け支出半減(1.8 兆円)、現在の個別補助金の一括交付金化に伴う2 割減(2.8 兆円)、税源移譲に伴う交付税削減(1.7 兆円)、その他経費の1 割削減、特別会計の徹底的な見直しなどによって、17 兆円の既存経費カットを実現します。」
安定的な経済成長の実現を条件に、年金目的消費税の導入によって確保します。
地球温暖化対策税を創設します。
・国・地方を問わず、政府も効率性と機能性を追及しなければなりません。分権の推進、「生活利便向上テスト(○○頁参照)」などを通じた「官」の役割の見直し、国民の理解を得られない諸手当の廃止、人事計画に基づいた定数削減、給与水準の見直しなどを順次すすめ、3 年間で国家公務員人件費総額を2 割削減します。

ということになる。
いや、無理だろう。
新しい組織をつくったり、補助金を増やす(事務が増える)のに、公務員人件費削減というのは矛盾している。
また、「増やす」ほうは事細かに解説しているのに、「減らす」方は総論的で中身がわからない。反発を防ぐためか、実際に細かい中身が決まってないのかわからないが、実にセコイやり方だ。
いずれにせよ、これらの民主党の政策からは、地方への税源移譲という題目以上には、何ら現状の改革が見られない。むしろ、組織や補助金を増やす従来型政治の拡大でしかないだろう。
この有様では、民主党は大きな政府を指向していると言われても仕方がない。

7.郵政改革(!)

・現在340 兆円ある郵便貯金と簡易保険を適正規模に縮小します。
1)2006 年度中に郵便貯金の預入限度額を700 万円に引き下げます。
2)同時に、名寄せを徹底し、預入限度額を超える分については個人向け国債などに振り替えます。
3)その後、預入限度額をさらに500 万円に引き下げます。
4)8 年以内に郵便貯金220 兆円を半減させることを目標とします。
特殊法人などに対する補助金3.5 兆円を3 年間で半減させ、郵貯・簡保資金のムダづかいを元から断ちます。
・郵便貯金・簡易保険を適正規模に縮小した後は、政府系金融機関との統合も含め、あらゆる選択肢を検討します。

産経新聞社説(8月17日)読売新聞社説(8月17日)などでも既に指摘されているが、民営化という文字は一言もない。これでは、小さな政府を指向するおはお世辞にもいえまい。
また、既に竹中大臣などにも指摘されているが、収益の柱である郵貯・簡保資金を縮小は、すなわち利益の減少である。仕事が減すのだから、担当している人員も削減しなくてはならなくなるし、収益が減少すれば、郵便事業の赤字がカバーできなくなるおそれがでてくる。その一方で、郵便事業を国の責任で全国的サービスを維持するというのであれば、税金を投入するしかなくなる。
また、これも指摘されているところだが、民主党が度々主張する「過疎地域で郵便局だけが金融機関となっているようなところ」に対するフォローが民営化ではなくなるということだが、郵貯が縮小されれば、そうした地域の「溢れる」貯金はどこにいけばいいというのだろうか??
つまるところ、民主党は民営化反対(少なくとも積極的な民営化はしない)なのであり、税金を投入してでも郵政を国営で維持するというように読むのが普通であろう。

8.人権問題

・子どもたちを有害情報から守ります。
 残虐な暴力や性暴力などの有害情報から子どもを守るため、書籍の区分陳列や放送時間帯の配慮などによって、普通に暮らす子どもたちが有害情報に触れないですむ環境をつくります。そのため、「特定暴力情報等からの子どもの保護に関する法律」を制定します。また、情報社会に生きる子どもたちが、情報のもつ意味を正しく理解し、活用できる能力(メディアリテラシー)を育むような教育をすすめます。
・差別の解消をめざす法律を制定します。
 社会に残っているさまざまな差別を解消するため、すべての障がい者に「完全参加と平等」を保障し、具体的な差別の禁止を規定する「障がい者差別禁止法」、年齢を理由とした就職差別を禁止する「年齢差別禁止法」など、差別解消のための法律の制定をめざします。法務省から独立した人権委員会の設置などを盛り込んだ「人権侵害救済法案」を成立させます。
・人権侵害の救済へ向け国際機関への個人通報を制度化します。
人権侵害の救済機会を広げるため、国際機関に対し個人が直接、人権侵害の救済を求める制度(個人通報制)が求められています。政権獲得後すみやかに、個人通報制を認める「女子に対するあらゆる形態の差別の撤廃に関する条約の選択議定書」と「自由権規約選択議定書」を批准します。
・盗聴法、住基ネット法、個人情報保護法を見直します。
政権獲得後ただちに、盗聴法の運用を凍結し、2 年以内に抜本改正の法律案を国会に提出します。また、住民基本台帳法の住基ネット条項と個人情報保護法についても、即時に見直しに着手し、抜本改正のための法律案を国会に提出します。

そろそろ突っ込むのにも疲れてきました。
心地のいい言葉で、新たな検閲法律をつくろうとしていますし、悪名高き「民主党版・人権擁護法案」をあきらめていないこともよくわかります。
「盗聴法」というレッテル張りもまだやってったんだ、という感じでしょうか。
納税者番号制度の導入は公約するのに、住基ネット法は見直す(普段の主張からすると廃止方向ということでしょう)というのもわけがわかりません。
民主党は縦割り行政の廃止を訴えていますが、縦割りの解消の基本は「情報の共有」です。そのためには、何らかの形で個人の情報をユニークキーで統制することが必要にもなってくるわけですが、そうした矛盾には気づかないのでしょうか?

最後に、評価できる点をあげておきましょう。

・ODA(政府開発援助)を戦略的に活用します。
・北方領土問題の早期解決に取り組むとともに、尖閣諸島・竹島を含むわが国の領土・領海、排他的経済水域を守るため、国連海洋法条約に基づく「海洋権益確保法制(資源探査等主権行使法案など)」の制定をめざします。
・拉致事件の解決は、日本の主権、国際的人権侵害の見地から喫緊の課題であり、被害者・家族全員のすみやかな帰国、特定失踪者問題の真相解明など、拉致事件の全面解決を北朝鮮に強く迫ります。
・インターネット選挙運動を解禁します。

……あれ、おわっちゃった(笑)
実際問題、今後、自民党のマニュフェストが発表されてくれば、それもまた色々と問題を含んでいるものになるでしょう。
ですが、「東アジア共同体」「中韓への謝罪」「靖国参拝せず」「日米同盟希薄化」「人権擁護法整備」「お粗末な郵政民営化“対案”」「“小さな政府”は指向していない」と私にとっては、重要視している項目が軒並みアウトである。
こんなマニュフェストではとても民主党には投票できない。

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靖国参拝と選挙

結局、8月15日に小泉首相は靖国神社へ参拝しなかった。
非常に残念であり、この点について、小泉首相を批判するのは当然といえよう。
私も、小泉首相がこの戦後60周年という節目に参拝しなかったことは、今後にも悪影響を及ぼすであろうし、腰砕けぶりには失望する。

それをふまえて、今度の総選挙を「総理の靖国参拝推進派」として俯瞰した場合──小泉自民党にいれるしか相手がいないというのが現実であろう。
なにせ、他の党はみな「靖国参拝反対派」なのだ。
つまるところ、総理の靖国参拝を望むなら、他に選択肢がない。

擁護めいた事をいえば、小泉首相も今回の参拝を見送ったのは情けないが、それまで途絶えていた首相の靖国参拝を復活させたということでは、小泉首相の靖国参拝問題に関する功績は「プラス」であるとはいえる(ただ物足りないわけだ)。
とはいえ、選挙民からすれば、もう少し、他に選択肢があればいいのだが……

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Aug 11, 2005

中共打倒のチャンス??

中国公安当局、反日活動を全面禁止…香港紙(読売新聞8月10日 = YOMIURI ONLINE)によれば、中国公安当局が反日活動の申請を受け付けないよう指示を出したという。反日デモが各地で再び起きれば、暴徒化した群衆を統制できなくなるのが理由だとされている。
もし、これが本当だとしたら、日本はとてつもなく大きな外交カードをもっているということになる。
すなわち、「首相の8月15日靖国参拝」というカードだ。

以前にも何度か触れているが中国の反日デモは、民の意思ではあるが、官のコントロールがきいているという状態だと私は考えている。
しかし、この報道では、そのコントロールの枠をこえて、統制がきかなくなる可能性があると中共が考えているというこだろう。
となれば、小泉首相が8月15日靖国参拝を実行した場合、それが政府の禁止にもかかわらず反日暴動を生む可能性も十分に考えら得る。
暴徒と鎮圧しようとする警察という対立は、容易に反政府行動に転化しうる。
つまり、最悪(人によっては最高というかもしれない)のシナリオでは、小泉首相の靖国参拝で中共政府が倒れるということになるのだ。

……まあ、そこまでいくのはなかなか困難だろう。しかし、靖国参拝によて、中共が大きく動揺しかねないというのは事実であろう(そうでないと反日活動を禁止する理由がない)。
もはや、靖国参拝は「中国が日本に対して切るカード」ではなく「日本が中国に対して切るカード」となっているといえよう。
そう考えれば、なぜ、あれだけ中共が必死に靖国参拝を阻止しようとしているのかもよく理解できるというものだ。

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らいおんはーと ~ 小泉総理のメッセージ

一時話題になったものの、最近はすっかり忘れられた感のある小泉内閣メールマガジン。
そこに解散をうけての小泉総理のメッセージが記載されていたので、引用してみたい。

● 郵政解散

 小泉純一郎です。

 8月8日、衆議院を解散いたしました。小泉内閣の「改革の本丸」と位置づけてきた郵政民営化法案が参議院本会議で否決され、廃案となりましたが、私は本当に国民の皆さんがこの郵政民営化は必要ないと思っているのか、直接聞いてみなければならないと思い、衆議院を解散しました。

 いわば、今回の解散は「郵政解散」です。郵政民営化に賛成してくれるのか、反対なのか、これをはっきりと国民の皆さんに問いたいと思います。

 今まで、すべての政党が郵政民営化に反対してきました。なぜ「民間にできることは民間に」と言いながら、この郵政三事業だけは民営化してはならないと言うのか?私はこれが不思議でなりません。

 郵便局の仕事は本当に公務員でなければできないのか?役人でなければできないのか?私はそうは思いません。「大事な仕事だから公務員でなければだめだ。」と言う人がいますが、それこそまさに官尊民卑の思想です。それは民間人に失礼だと思います。

 郵便局の仕事は民間の経営者に任せても十分できる、むしろ、民間人によってこの郵便局のサービスを提供していただければ、今よりももっと多様なサービスが展開できる、国民の利便性を向上させる。民間の経営者は、国がこういう商品を出しなさい、こういうサービスをやりなさいと義務づけなくても、国民に必要な商品やサービスを展開してくれると思います。

 私は、「この郵政民営化よりももっと大事なことがある。」と言う人がたくさんいることも知っています。しかし、この郵政事業を民営化できないでどんな大改革ができるというんでしょうか。私は、前々からこう言っているんです。「行財政改革をせよといいながら郵政民営化に反対することは、『手足をしばって泳げ』と言うようなものだ。」と。

 本当に行政改革、財政改革をやるんだったら、郵政民営化の実現なしには進められません。郵政三事業には約38万人の公務員が携わっている。私は、これを民間人に開放するべきだと言っているんです。私は、郵便局は国民の資産だと思っています。過疎地の郵便局もなくなりません。今の郵政三事業のサービスは、民間人に任せても、地方においても、過疎地においても維持される、十分にできます、ということを言っているんです。

 約400年前、ガリレオ・ガリレイは、天動説の中で地球は動くという地動説を発表して、有罪判決を受けました。そのとき、ガリレオは、「それでも地球は動く。」と言ったそうです。

 今、国会では「郵政民営化は必要ない。」という結論を出しました。「それでも郵政民営化は必要だ。」と私は思います。私はもう一度国民の皆さんに聞いてみたいと思います。本当に郵便局の仕事は公務員でなければできないのか、民間人でやってはいけないのかと。

 そして、郵政民営化についての国民の皆さんの支持を得て、衆議院で過半数の勢力を得ることができれば、参議院の反対した皆さんも協力してくれると思います。選挙終了後国会を開いて、郵政民営化の法案を成立させるように努力していきたいと思います。

基本的には、解散直後の演説をベースにしたもののようだ。
小泉自民党は、郵政民営化を総選挙の主題にすえることで、小泉自民党・公明党を「改革派」、反小泉自民党と民主党を「守旧派」としてラベリングすることが狙いだ。
最近、選挙動向を左右するとされている“都市部無党派層”が、おそらくは最も望んでいるであろう「保守系改革政党」として自民党を演出しようということだろう。

この狙いは悪くない。
だが、それを成功させるには、この「郵政解散」のインパクト(余韻)を選挙日まで引っ張り続けられるかかどうかが問題になってくる。
かつての「ハプニング解散」では、自民党が政権を失うことになれば元も子もなくなるということで、結局は、大平内閣不信任案採決の欠席議員を公認したが、そうした“腰砕け”をみせれば、この戦略は失敗に終わる。目先の政権は守れるかもしれないが、小泉首相はレームダックとなる。
まずは小泉“総裁”が突っ張りきれるかどうかに注視したい。

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Aug 09, 2005

各新聞のスタンス

解散翌日の新聞各紙の社説を見て、今回の解散総選挙に対する各社のスタンスをさぐってみよう。

●産経新聞
総論:小泉自民支持、反民主党・反反小泉自民。郵政民営化を踏絵に、構造改革を論点として選挙を行うべき
解散論評:郵政民営化は日本の将来にとって必要不可欠な改革であり、衆院を解散して国民の民意を問うことはやむを得ない。
否決理由:自民党内の権力闘争を持ち込み、郵政法案を葬り去った。特定郵便局などの権益をすべてに優先させる人たちが存在する。
小泉政権評価:中途半端ではあるが、過去の政権が手を付けられなかった“タブー”に切り込んだ意義は大きい。国のかたちを整えてきた小泉政権の歴史的な意義を評価したい。
郵政民営化評価:自民党の集票基盤であり、族議員、官庁、特殊法人などで形成する既得権益を支えてきた。巨大な資金を市場メカニズムの外に置いて経済の活性化を阻害し、財政規律をも大きくゆがめてきた。民営化は小泉政権に限らず、いわば日本の課題。
選挙での自民党:自民党の賛成派と反対派を峻別し、自民党が改革政党になるチャンスである。国民から支持される真の保守政党に変えることは、政治の構造改革ともいえる。
民主党評価:結局、対案は出せなかった。労組の意向が最優先されたといわれても仕方なく、とても改革政党とはいえまい。国の根幹である安全保障などの基本政策もはっきりしていない。
選挙の争点:これからの日本にいかなる改革が必要かを熟慮して判断すべき

●読売新聞
総論:小泉批判も「自民党」は支持。反民主党。郵政民営化よりも内外交の懸案処理を争点として選挙をすべき。各党は正面から政策で争うべき。
解散論評:分かりにくい衆院解散劇。首相の決断は、戦後の憲政史を見ても、異様に映る。憲政の常道に反しないか、大きな疑念を残すものだ。
否決理由:(特に言及なし)
小泉政権評価:重要な外交課題にも、政治が適切に対応してきたとは言えない。
郵政民営化評価:郵政民営化法案は、不十分な点もあったが、日本の経済・社会の改革につながる重要な法案だった。
選挙での自民党:結党50年を迎える自民党は、立党以来の危機に直面している。
民主党評価:郵政国会では、郵政民営化法案の対案も出さず、支持団体の郵政労組への配慮から、現在の公社維持・結論先送りを主張し、存在感は希薄。法案否決も、自ら追い込んだのではなく、自民党の内紛に便乗しただけだったのではないか。
選挙の争点:財政再建や社会保障制度、安全保障、中韓両国との外交など、郵政民営化以上に重要な多くの課題に直面しており、郵政民営化問題だけが、争点と言うわけにはいかない。選挙後の新内閣は、重要課題に着実に取り組む懸案処理内閣でなければならない。その認識に立って、各党は、正面から政策で争うべきだ。

●毎日新聞
総論:満遍なく批判しながらも、特に反反小泉自民。小泉は批判しっぱなしだが、民主党にはややエール気味か。総選挙は郵政民営化だけでなく、内外交の重要課題をひとまとめにした国民投票。行き詰まった政治を変えるきっかけに。
解散論評:小泉首相も法案の中身は二の次で権力闘争意識をむき出しにした。首相本人が現状に限界を感じており、それを打破するため、実は元々、成立より選挙を望んでいたのではないか。
否決理由:小泉改革を現状のままの自民党の構成で続けていくのは限界が来た。首相支持率が低下し、党や派閥を無視してきた首相の政治手法や人事に対したまってきた不満が一気に噴き出した。小泉首相も法案の中身は二の次で権力闘争意識をむき出しにした。
郵政民営化評価:既に妥協を重ねた形ばかりの郵政民営化案を原点に立ち返って作り直すべき。郵政民営化は、ひいては「大きな政府か、小さな政府か」につながるテーマだ。
小泉政権評価:小泉改革は毎回、党側との妥協の産物ではあったが、一応の結論を出せた。内閣より党が力を握る二重権力構造解消のため内閣主導の政策決定を目指したのは間違いではないが、政府と与党の対決に活路を見いだす手法を続けるのは根源的に無理があった。首相も党も、政党の命であるはずの政策を軽視し、党内のねじれを放置してきたツケが、いよいよ回ってきた。
選挙での自民党:小泉首相が法案反対者を公認せず、その選挙区には新たな候補を擁立し、選挙後も組まない方針を打ち出したのは当然である。政策で大きな乖離がありながら、同じ自民党を名乗るという分かりにくい状況が、今度の内紛の結果、少しでも解消されるのであれば悪いことではない。郵政反対派内には選挙が終われば小泉首相を除いて一緒になればいいとの声が聞こえるが、これは有権者には分かりにくい姿勢と映るだろう。
=>公明党:早々と民主党との連立の可能性にも言及している公明党も「政権の枠組みは選挙結果次第」では済まされない。自民党との連立政権を継続するというのなら事前に有権者に明確にしておく必要がある。
民主党評価:今回の解散は、民主党が政権を追い込んだのではない。自民党分裂という「棚ぼた」式で政権交代の可能性が取りざたされているに過ぎないのだ。郵政民会法案政府案の批判だけに終始したのは、党内の労組系議員を中心に、自民党と同様、民営化反対派を抱え、対立を回避するためだと既に有権者も見抜いている。民主党も、そんな党内のねじれを解消すべき。
選挙の争点:年金、財政再建と増税、政治とカネ、首相の靖国参拝、行き詰まった対中国・韓国外交、北朝鮮の拉致問題と核開発、国連安保理常任理事国入り、イラク派遣自衛隊、憲法改正といった重要課題をひとまとめにした国民投票。それぞれの政策を各党が競うようにすべき。誰が本当に実のある改革を進めてくれるのかを見極める総選挙にしたい。

●朝日新聞
総論:反小泉が鮮明。他にあまり言及がない。選挙の争点は、次期政権担当選択?
解散論評:小泉改革の本丸とされた郵政民営化が頓挫したのだから、本来なら総辞職に値する。だが、これまでの改革路線に間違いはないとする以上、政権の存亡をかけて国民の信を問うのも一つの道だ。それにしても、分かりにくい解散だ。
否決理由:小泉首相と自民党の一部が激突し、双方とも引っ込みがつかなくなった。その揚げ句に、衆院解散の脅しが現実になった。党の公約に公然と造反した反対派の行動は、政党政治の原則からいって許されない。だが、党内をまとめきれなかったリーダーとしての責任を、首相はどう考えているのか。「抵抗勢力」との対立をあおり、摩擦熱で世論の支持を集める「小泉劇場」の手法が行きつくところまで来た。
郵政民営化評価:(特になし)
小泉政権評価:社会保障制度の立て直しは財源論議で行き詰まっている。政治資金の透明化も自民党の消極姿勢で改善の気配がない。外交は八方ふさがり。靖国参拝問題で中韓との亀裂はかつてなく深い。自衛隊を派遣したイラクの混乱ぶりは目に余る。国連安保理の常任理事国入りは、近隣諸国や米国の支持さえ得られず、絶望視されている。この政権には外交戦略があるのだろうかという疑問すらつきまとう。
選挙での自民党:自民党はがたがたの状態
民主党評価:民主党の責任は重い。争点を明確に打ち出す一方で、政権公約をきちんとつくり、「もう一つの選択」を具体的に示すべきだ。
選挙の争点:4年余の小泉政治の総体を採点しなければならない。れからの日本の舵(かじ)とりをだれに任せるのか、次の政権を選択する選挙ということだ。党内対立から発した解散・総選挙であることが、問題をわかりにくくしている。選挙戦を通じて、各党もわれわれも争点を整理していく必要がある。

各社それぞれに立場違うのがよくわかる。
読売は中曽根との関係が深いためか、反小泉自民への批判がほとんどない。小泉批判は解散したという事実に対してが中心である。おそらく、小泉に対しては批判をもっと加えておきたいのだろうが、それで自民党(保守政権)自体が沈んでしまっては、元も子もないといったところではないだろうか。郵政法案そのものにあまり触れず、また、それを上回る重要課題があるなどしているのは、「自民党」への配慮であろうか。
毎日は比較的中立的であり、理屈的にもおかしなところはない。ただ、郵政利権の話にふれず、否決・解散を自民党内の権力争いという定義付けしているとことが目立つ。
また、読売と同様に「内外交の重要課題」を争点としてあげているのだが、その中身が異なる。読売が取り上げていない“重要課題”では、「首相の靖国参拝」「イラク・サマワに派遣した自衛隊をどうするか」「憲法改正」などがとりあげられているし、同じものをとりあげていても「中韓両国との外交」(読売)に対して「行き詰まった対中国・韓国外交」(毎日)という表現をしており、毎日のスタンスがあらわれている。
産経と朝日は不偏不党というマスコミの範疇を左右それぞれにはみださんばかりだ。
産経は小泉首相の主張をほぼなぞったような形である。民主党をばっさりと批判する一方で、反小泉派を自民党から放逐し、真の保守政党誕生という政界再編を主張している。
一方、朝日のほうは……いつもの通り反小泉。外交について他社の社説とは異なり、わざわざ項目をたてている。靖国、イラク自衛隊派遣については小泉が悪いと明確に談じているのもいつもの通りか。
しかし、文章量の割に内容がスカスカだし、論旨が混乱している。
例えば、小泉が解散にふみきったことについては
「政権の存亡をかけて国民の信を問うのも一つの道だ。」
と筋が通っていると当初は主張する。
「朝日新聞社の先月末の世論調査では、郵政法案が通らなかった場合の解散・総選挙に53%が賛成し、反対の28%を大きく超えた。世論の多くが政治の行き詰まりを感じている」
ともいい、解散が世論にそったものだということまで示してくれている。
が、その直後に
「それにしても、分かりにくい解散だ。」
と続ける。
国民が支持している行為を「分かりにくい」というのはどういうことだろうか。主語をいれると「朝日新聞にとって分かりにくい」ということとしか文章が繋がらないのだが、そういう意味ではあるまい。
また、選挙の争点についても
「首相は「改革に抵抗する勢力との戦い」という構図で選挙に臨む。」
「有権者にとっては、これからの日本の舵(かじ)とりをだれに任せるのか、次の政権を選択する選挙ということだ。」
としながら、結びでは
「党内対立から発した解散・総選挙であることが、問題をわかりにくくしている。選挙戦を通じて、各党もわれわれも争点を整理していく必要がある。」
として、投げっぱなしである。
社説は、ある意味で新聞の顔なのだから、もっとまともな論旨を組み立ててほしいものだ。

いずれにせよ、今後の報道についても、各社はこのようなスタンスを表明した上でのものであるということを理解してから解釈すべきであろう。

Posted at 13:04 in 政治 | WriteBacks () | Edit

郵政解散

いやはや、私の読みが甘かった。
よもや否決・解散になるとは。
茶番だと思っていたのだが、本当に郵政民営化がイヤでたまらないというのが実感できた。
そんなわけで、まだ、状況が不透明なので、選挙戦についての考察は後に回す。
が、この解散だけでも見えてきたことがある。

・郵政民営化法案の効果と郵政利権
かつても分裂選挙はあったが、それはある意味で「コップの中の嵐」だった。自民党が政権与党であり続けられるだろうという前提での分裂選挙だった。
しかし、今回は分裂選挙なら民主党に政権をとられるかもしれないという、非常に不利な選挙戦を招くことが容易に予想できた筈だ。
それでも、郵政民営化に反対するというのは単なる「小泉憎し」だけではあるまい。
やはり、郵政利権というものが、とてつもなく大きなものなのだと思わざるをえない。
そして、郵政民営化法案にこれだけ激しく抵抗したということは、この法案が“有効”なものだということにもなるだろう。

・田中派の終焉
田中軍団ともよばれ、最大派閥として猛威を振るった田中派。竹下派、橋本派と権力をふるってきた。それが、明確な領袖を失い、集団指導体制になったものの野中氏は引退、橋本元総理は法廷に引きずり出され、そして、参院のドンとしてふるまっていた青木氏もこれで影響力を失墜した。
党内において、田中派支配は完全に終焉したといってもよいだろう。

・小泉という総理の信念
小泉批判において、政権を維持すること、権力欲にとらわれているというようなものがあった。しかし、単に政権を維持するだけならば、継続審議にするなどいくらでも妥協点があっただろう。
しかし、あえて強行突破を試み、否決されるや解散にふみきったことは、彼の信念が政権維持や権力欲を勝るということを示していよう。
──その信念が正しい方向なのかどうかはまた別問題だが。

・公明党の権力欲
公明党はあくまで自民党にすりよる姿勢をみせ、また、一方で民主党に粉をかけるなどして、あくまで“与党”に固執する姿勢を見せた。
わかりやすい「権力欲」である。
一度、与党になってしまった以上は、その甘い蜜から逃れることはできないのだろう。

・株価は政権の安定を求めている
参院での郵政民営化法案否決の流れになってから下落していたが、いざ解散してから下げ止まった。
郵政民営化を市場が求めていたなら、もっと下がっていい筈だ。
つまるところ、市場は政治の混乱を嫌ったのであり、郵政民営化否決を嫌ったわけではないということだろう。

これらがはっきりしたということも面白いところだ。
これらをふまえ、今後、まずは公示までの動きに注目していきたい。

Posted at 00:12 in 政治 | WriteBacks () | Edit

Aug 05, 2005

虚報ではないのか

非常ブレーキ操作の記録なし JR宝塚線脱線で事故調(朝日新聞8月4日 = asahi.com)という記事が出た。
国土交通省航空・鉄道事故調査委員会による、調査結果の一部が発表されたものだ。

さて、これを読むと、主原因が速度超過であることはかわらないものの、今までの話とかなり異なってくる。
従来は、回復運転のために速度を出しすぎておりカーブ手前でブレーキ→非常ブレーキを作動させたものの減速がまにあわず。カーブ手前での急減速もあってバランスを崩し、脱線したといストーリーであった。
事故直後に、JRが発表した“脱線速度”シミュレーションについても「想定が非現実的であり、実際にはもっと低速で脱線する」「ブレーキをかけた車両が現実に脱線しているのだから、JRに原因隠しの意図がある」というニュアンスで批判されていたはずだ。

しかし、この発表によれば、カーブにノーブレーキで突っ込んでいる。一瞬、おくれて(約一秒後)通常ブレーキをかけはじめたものの、非常ブレーキをかけることなく約三秒後に脱線するということになる。
JRがシミュレーションしたように、かなりの高速でカーブに進入しているし、また、これだけの速度(70km制限に40km以上オーバーして進入)となると、巷間いわれていた「経済性を追求したアルミ車体により重心位置が高くなりバランスを崩しやすかった」という説も少なくとも今回の事故で原因の一つとしてあげるのは無理があろう。

今回の結果で、更なる疑問がわいてはくる。
なぜブレーキをかけるのが遅れたのか。運転士の健康状態(以前話題になったマイクロスリープや、なんらかの突発的な病気など)なども考えていく必要が出てくるだろう。

しかし、いずれにせお、事故直後に各マスコミが大々的にキャンペーンした内容と、精査された調査内容は大きく異なってきた。
以前の報道は虚報といっていいのではないか。
いたずらに読者を煽り立てるような報道で、原因がはっきりしない段階から「断定」を行ってきた各マスコミは、きちんと反省し、事実を伝えるという責務を果たすべきであろう。

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Aug 04, 2005

分裂選挙・新党結成?

郵政民営化において、反対派議員が新党結成などということを打ち出している。
そこで、自民党(およびその前進の自由党)から、分裂選挙や新党結成といった主なものを拾ってみる。

昭和27年10月 第25回衆議院議員総選挙

 いわゆる「抜き打ち解散」に伴う総選挙。
 自由党党首・首相である吉田茂と、公職追放によって吉田に党首の座を譲るも追放解除になり自由党に復党した(新党結成の動きもあったが、鳩山の脳溢血により復党になる)鳩山一郎の対立が続いている中、吉田が鳩山派の勢力を削ぐべく抜き打ち的に解散したもの。
 吉田派と鳩山派の分裂選挙となり、鳩山派からは投票二日前に石橋湛山、河野一郎を除名するような激しい対立であった。
 この選挙により、自由党は前回(民自党時代)選挙の獲得議席264(任期中、ここに民主党連立派23名が更に合流していた)から240へと議席を大幅に減らす。
 かろうじて過半数という結果はがキャスティングボードを握る結果を生み出し、次の選挙へと繋がっていく。

昭和28年4月 第26回衆議院議員総選挙

 いわゆる「バカヤロー解散」。
 吉田首相の国会暴言に端を発するが、実はこれ自体は吉田の取り消しにより暴言を浴びせられた本人(右派社会党・西村榮一議員)は追求しない姿勢だった。しかし、鳩山派は三木武吉を中心に工作を行い、首相の懲罰動議を提出、野党・自由党鳩山派、広川弘禅(派の賛成により可決。さらに鳩山派の一部が脱党したことで内閣不信任案も可決され、吉田は衆議院を解散した。つまり、この解散そのものが、鳩山派の手によるものだったといえる。
 鳩山派の一部(強硬派)22名は自由党を脱党し、分派自由党を結成して総選挙へ。
 吉田自由党は199議席、鳩山(分派)自由党は35議席となり、吉田自由党は第一党ながらも過半数を割る。この時には改進党(重光葵)76議席、左派社会党72議席、右派社会党66議席を獲得しており、自由党は全体としても議席数を減らしている。
 その後、紆余曲折を経て、翌年12月の吉田内閣総辞職・鳩山内閣成立、昭和30年の保守合同=自由民主党結成へという政界再編が行われる。

昭和35年 河野新党

 河野一郎は鳩山派の実力者であり、また、昭和31年には鳩山内閣農林大臣として日ソ漁業交渉でフルシチョフ(当時ソ連共産党第一書記)と渡り合って交渉を成功させたという政治的力量においても実力者であった。
 岸内閣後期において反主流派に転じ、昭和35年の岸退陣に伴う自民党総裁選で立候補するも池田勇人に破れる。
 この後、河野は河野新党(いわゆる第二保守党)の結成をもくろむが、当時、歩調を同じくしていた大野伴睦らの説得、後に派閥を継ぐことになる中曽根康弘ら派内の反対により断念し幻におわる。
 後、大野の仲介により池田と和解、主流派に転じる。

昭和51年6月 新自由クラブ

 49年11月に田中角栄首相は金脈問題で退陣表明し、12月に三木武夫内閣が成立する。
 三木の首相就任は、田中後の総裁選出裁定を任された椎名悦三郎自民党副総裁が当時の有力首相候補である福田赳夫・大平正芳のどちらを選んでも党内が混乱すると考えたことから三木が選択された(いわゆる椎名裁定)。
 しかし、自民党内最左派であり、理想主義的な政治を掲げる三木は、党内多数派から支持を得られなかった。元々、三木派は少数派で党内基盤が弱かったことから、党内闘争は激化。支持率を低下させていくことになる。
 そこに51年2月にロッキード事件が発覚。
 これにより自民党の支持率の低下は著しく、危機を感じた若手議員らが離党・新党結成に這い知ることになる。
 新自由クラブがそれで、初代代表は河野洋平(離党前は中曽根派)。親のならなかった保守新党を、子が実現したということになる。合計で衆議院銀5名、参議院議員1名がこれに参加した。
 同年12月の第34回衆議院総選挙では17議席を得るも、政治姿勢の違いから西岡武夫幹事長が離党・自民党復党するなどして混乱。昭和54年の第34回衆議院総選挙では4議席と惨敗し、一過性のブームに終わる。後、昭和58年には過半数割れした自民党(中曽根内閣)と連立政権を組んだが、これにより、単なる自民党の補完勢力になってしまう。  結果、昭和61年には解党し、大部分は自民党へと合流し、消滅する。
 復党した河野洋平は平成5年から平成7年まで自民党総裁を務めるが、当時の自民党は野党であり、自民党史上今のところ唯一の総理になれなかった総裁である。

昭和51年12月 ロッキード選挙

 戦後初の任期満了選挙。
 自民党内多数派が反三木派となったこともあり、三木総理が解散権行使を阻まれたため満了まで選挙がおこなわれなかったといわれている。
 この選挙では、三木が田中逮捕(7月)に踏み切らせたと信じた田中派、次期総理を目指す福田赳夫派・大平正芳派らは明確な反三木を打ち出し、県連単位で三木の応援演説を拒否するところも出るという分裂選挙となった。
 自民党はこの選挙で、271議席から249議席へと転落する。
 とはいえ、この数字は分裂選挙によるものというよりは、田中金脈事件からロッキードへと続く政治スキャンダルの中で、党内抗争を繰り返し、また、実体のある政策を打ち出せない三木と自民党への批判によるものが主であっただろう。
 いずれにせよ、三木はこの選挙結果により退陣し、福田内閣が成立する。

昭和54年5月 ハプニング解散

 大平内閣は大型間接税導入を公約に掲げて第35回衆議院議員総選挙に突入、248議席という大敗とされた前回の議席数すら下回る結果となった。
 これに対して、大平の責任を問う形で大平主流派(大平・田中派)と反主流派(福田・中曽根・三木派、中川グループ)との対立が先鋭化。
 四〇日抗争といわれる党内闘争が勃発。総理大臣指名選挙において、自民党から大平と福田という二人の候補に投票されるなど、混乱を招くものの、大平が押し切る形で一端は終結する。
 しかし、党内闘争は続き、昭和55年5月に国会会期末の恒例行事的に社会党が提出した内閣不信任案に対して、福田・三木派が欠席。このため、不信任案が可決されてしまい、総選挙へとすすむ(この不信任案について、野党はよもや可決されるとは思っていなかったため「ハプニング解散」といわれる)。
 ここにいたり、主流派と反主流派の対立は(内閣不信任案に直前で欠席を回避した中曽根派を除き)解消不可能と思われ、自民党そのもののの分裂含みで総選挙となった。  しかし、選挙戦中に大平総理の急死という事態が発生し、それが主流派と反主流派を結束させる結果となり、また、史上初の衆参同時選挙の効果もあって、自民党は286議席を得る大勝を得る。

平成5年7月 羽田派離脱

 いわゆる「失われた10年」を生み出した自民党分裂。
 竹下派の後継(主導権)争いに端を発し、敗れた羽田孜派(実質的には小沢一郎派と目される)が新派閥を形成。これが反主流派となり、ついに平成5年6月の宮沢喜一内閣不信任案を可決させてしまう。
 結果、羽田派を中心に新党・新生党をたちあげ、総選挙に望む。
 この第40回衆議院議員総選挙では、同じく自民党離党組である武村正義らの新党さきがけ、旧田中派から熊本県知事を経て中央政界に復帰した細川護熙の日本新党らとともに「新党ブーム」を巻き起こし、新生党も解散時議席36(実質)を55にまで伸ばす。
 そして、八党連立による非自民政権、細川内閣を成立させた。
 しかし、細川内閣瓦解後の平成6年4月成立の羽田内閣では連立から社会党が離脱したことにより、少数内閣となって在任期間64日という史上二番目(しかも一番目は終戦直後の内閣という特例である東久邇宮稔彦王内閣)の短命内閣におわってしまう。
 以後、政権は自民党に復し、羽田派らは紆余曲折の末、民主党合流組と自民党合流組とにわかれることになる。

こうして俯瞰してみると、最終的に意味のある分裂、新党をやってのけたのは鳩山ぐらいのものである。しかし、この時は保守政党も元々、複数あり、また、戦後の再編期で政党の組織化も不十分な時期でもあった。
五十五年体制確立後は、いずれの試みも失敗しているといえる。
豪腕をうたわれ、一時は非自民政権をつくることに成功した小沢でさえ、不遇をかこい、民主党内で再起を目指す形になっている。
となると、今、気勢をあげている議員たちの「新党」はどうなのか? という疑問が沸く。
政権与党議員であるという最大利権を手放し、選挙での苦戦(地方組織を丸ごと鞍替えさせることでもできない限り選挙基盤の弱体化は不可避であり、また、自民党が対立候補をたてれば当然に票は割れる)を承知の上で、新党結成に走るのか──。
私はありえないと思う。
今の「新党」は単にポーズとしての発言にしかすぎないと考えるのである。

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Aug 02, 2005

自民党徹底抗戦に見る国民の変化

朝日新聞による「NHK番組改変への政治家の圧力」キャンペーンに対抗する自民党は、ついに強硬手段に出た。

自民、朝日新聞の取材を拒否 月刊誌に資料掲載で(産経新聞8月1日 = Sankei Web)

昔から、朝日・毎日を中心とする反保守メディアに、自民党はいらだっていた。
サンケイ新聞を池田の盟友だった水野成夫を乗り込ませて保守系メディアにさせたのも、そうした反保守に対抗するための手であった。
しかしながら、自民党から反保守メディアそのものに対して反撃することはほとんどなかった(毎日新聞の西山事件などは、毎日の“自爆”である)。
もちろん、TV朝日系ニュースステーションなどに抗議するようなこともあったが、ほとんど単発でしかなかった。

株式会社テレビ朝日の「ビートたけしのTVタックル」等における報道に関する問題への対応(総務省平16年6月22日)あたりから風向がかわってきたのではないか。
これは、「自民党・藤井孝男衆議院議員が実際とは違う別の場面のやじの映像を編集し使用したことにより、同議員が北朝鮮の拉致問題に消極的な印象を与えたとされたもの」「「ニュースステーション」の第43回衆議院議員総選挙期間中の報道について、選挙戦終盤の企画として成立させるためには、前日、翌日などの対応について周到に企画を準備した上で放送に望むことが当然であった」こと等の理由により、「配慮に欠けた構成であり、反省すべき点がある」としているところ」について「今後このようなことのないよう厳重に注意するとともに、再発防止に必要な措置を講ずることを要請しました」といいうものだ。
従来のようなTV局の言い訳が世論に通用しなかったという一つのあらわれだろう。

それを踏まえて今回の「取材拒否」である。
今までも何回か取材拒否という事態に陥ったことはあったが、いずれもなし崩しに終わっていた。
しかし、今回は安部・中川両議員の態度も強硬であるし、自民党も長期にわたってこの問題での「対朝日新聞」強硬姿勢を崩していない。
それを踏まえると、全面取材拒否ではなく、党役員の取材拒否という現実味のあるものを打ち出してきたあたり、自民党の「本気度」がうかがえるのではないか。
それはつまり、朝日新聞を敵に回しても勝算がある(あるいは世論に決定的影響がない)と自民党が考えているということでもあろう。

更にいいかえれば、世論の動向が変化してきたということになる。
反保守メディア(進歩的メディア)主導による世論が幅をきかせてきた日本国民の変化を、一つ象徴している事件に、これはなるのではないだろうか。

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Jul 28, 2005

政治の季節がやってくる

人権擁護法案、今国会提出見送り…自民党(読売新聞7月24日 = YOMIURI ONLINE)という報道がなされ、人権擁護法案がとりあえず今国会では提出が見送られたようだ。

実際に、この法案の今回の提出が見送られた理由には幾つかあるはずだ。
単純には、郵政民営化法案審議により国会日程の余裕がないこと、党内抗争としての帰結、ちらつく総選挙への対応、保守系メディア・論壇からの反対キャンペーン……。
そして、「インターネット発の反対世論・キャンペーン」をそこにあげる人間も多いのではないだろうか。

実際のところ、複数あるであろう理由の中で、この「ネット発反対運動」がどの程度のウェイトを占めていたかは判断しにくい。
主要な理由であったかもしれないし、ほとんど意味はなかったのかもしれない。
本当のところは、平沼議員や古賀議員などに本音を語ってもらわねばわからないところだ。

だが、今後を展望した時に重要なのは、「ネット発反対運動」に参加した人々が、「自分たちの行動で政治は変えられる」と“認識”したということだ。
この経験を一度したということは、政治に対して行動することへの大きな動機であり、やりがいになる。
つまり、彼らは今後も政治に対して声を上げ続けるだろう。
そして、その一人一人は新たなコアとなって周囲の人間を巻き込んでいくかもしれない。その中で、また「成果」をあげれれば、巻き込まれた人が、また「やりがい」を得て……

かつての学生運動(安保闘争といいかえてもよい)は運動は大きくなれども、それで社会を変えることはできず、社会自身の支持も失っていった。モチベーションをなくした運動は消滅するしかなく、「政治の季節は終わった」。
しかし、今回の人権擁護法案反対運動がモチベーションを与えたことにより、再び政治の季節が訪れるのではないだろうか。
私はそう予想する。

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Jul 26, 2005

『談合』は悪いか?

日本道路公団の現役副総裁が逮捕されるなど、度々、ニュースを賑わす『談合』。
これが悪いことか? といわれれば「悪い」とは答える。なぜなら、法を犯しているからだ。
だが、ただ「悪い」というだけでは、談合がなぜなくならないかということが見えなくなる。なにせ、古くは水利権の話し合いに祖をもつといわれるくらい、綿々と続いてきたことなのだ。
談合の「罪」については、いまさら私が語るまでもないので、「功」について少し考えてみたい(ただし、今回の論は建築業についてのみ)。

談合のもっともわかりやすい「功」は、参加企業が「得」をするということだ。値段で叩き合うことなく、利益幅を確保することができる。
だが、それだけでは、今回のように発注側の道路公団まで談合に加担した理由がわからなくなくなるだろう。
もちろん、天下りの確保という事実はある。
しかし、本質には建築業界の見積もり作業の困難さという問題があるのだ。
前田建設ファンタジー営業部などを見ると、建築業界の見積作業の一端が見えると思うが、とにかく見積作業に工数がかかる。大きな工事になれば、見積作業のために徹夜などザラにあるものだ。
この工数は、すなわちコストとなる。見積の金額に上乗せしなくてはならない。
が、その時の入札がとれなければ、見積コストは回収できなくなる。となると、次の入札の見積に、そのコストを加えなくてはならない。
仮に、10社で入札をしていたとしよう。単純計算で、10回に1回しか受注できなくなる。となると、1回の受注に10回分の見積金額が上乗せされることになり、見積金額が高くなるだけでなく(発注業者側の損)、高くなっても利益は増えない(受注業者側の損)という結果を招く。

それならば、見積をせずに辞退すればいい、という意見もあろう。
だが、辞退してしまうと、「辞退したという実績」になってしまい、以後の入札で不利になってしまうのだ。
ならば、見積をきちんとせずに適当な値段でわざと失注すれば……という意見も出るだろう。だが、これもあまり適当で高値だと、以後の入札に関わるし、まかりまちがって、とれてしまったりしたら、きちんと見積をしていなかっただけに大変な事になる。
そんなわけで、適当にするにしても、金額の「あたり」をつける必要が出てくる。となると、とりたいと思って、きちんと見積をしている企業に連絡をとり、大体の値段を教えてもらい、それよりちょっと高い金額をつければいい、ということになっていく。
これこそ、談合だ。

結局、談合は最低の金額にはならないが、それなりの金額での入札となり、発注側も入札側もそれなりに満足が得られるという結果を導いている。 だからこそ、談合はなくならないのだ。

談合については、他にも指名入札や落札最低金額の問題などもあるのだが、長くなるのでまた別の機会があれば、その時にでも。
いずれにせよ、ただ「悪い」「悪い」と批判するだけでは、何も進展しない。もっと深く切り込んでいかなければ、談合がなくなるどころか、縮小されることもないだろう。

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Jul 22, 2005

解散風

このところ、郵政民営化法案の参院採決を控えて、各マスコミで「解散風」が盛り上がっている。
面白いのは、朝日も産経も読売も毎日も共同も(そしてその系列も)、皆、おしなべて「解散」をぶちあげているところだ。普段はあれだけ足並みがばらついているのに。
これについて、ちょっと分析してみたい。

本来、解散権は首相の専権事項である。
他の人間がそれを宣言することも、止めることもできない。
が、実際にはそう簡単にはいかないのも事実。
やはり、「解散ムード」というか、なんとなく「解散してもしょうがない」というような世論が必要なのである。
例えば、福田や鈴木は、そのムードがつくれなかったために、解散をしたかったのにできなかった首相だ。

これをふまえると、朝日・毎日らの「反自民」マスコミは、「本当に解散をさせたいため」の煽りだと予想できる。
郵政で自民が分裂選挙となれば、民主党がタナボタで有利だからだ。彼らは本当に解散してもらいたいのである。

逆に、読売・産経らの「親自民(というか小泉)」マスコミは、「解散の脅しを有効にするため」の煽りだと予想できる。
小泉は否決されると解散するぞ、というのを「脅し文句」にしているわけだが、そのために実際に解散できるムードになっていないといけない。
その援護を行っているということだ。

つまるところ、マスコミは、それぞれの思惑について報道を行っているだけであり、実際の解散の可能性の高低と、関係がないということなのだ。

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Jul 15, 2005

なんかわかりやい

「朝日読めないのは違憲」 男性被告が国を提訴(共同通信7月8日 =YAHOO! NEWS)

 大阪拘置所(大阪市)に拘置されていた間、朝日新聞の購読を不許可とされ精神的苦痛を受けたとして、傷害罪で公判中の男性被告(61)が8日、国に220万円の損害賠償を求める訴訟を大阪地裁に起こした。
 訴状によると、男性は労働者の支援団体委員長。大阪府警西成署前で抗議活動をした際、建設作業員を殴りけがをさせたとして、1月に起訴され、拘置所に収監された。
 拘置所職員に朝日新聞の購読を申し込んだが、拘置所内のアンケートで購読希望者の多かった読売、産経新聞しか購読できないと拒否された。

いやー、いろんな意味でわかりやすすぎて、ネタかと思うほどのニュースだ。

「労働者の支援団体委員長がささいなことで国損害賠償請求」
「労働者の支援団体委員長が建設作業員(労働者)を殴り傷害罪」
「労働者の支援団体委員長が朝日新聞の購読を希望」
「購読希望者の多いのは読売、産経新聞」

こんなに笑えるニュースは久しぶりだ。 拘置所も、やはり、社会の縮図なのであろう。

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Jul 14, 2005

強制動員

強制動員:市民団体代表者、真相究明のネットワーク結成へ(毎日新聞7月14日 = MSN-Mainichi INTERACTIVE)

もはや、中身には今更突っ込むまでもあるまい。
日本領土だった朝鮮の、他の日本領と同じく行われた“国家総動員”と、占領地域である中国への(ありもしない)強制連行とをごっちゃにしたあげく、被爆を絡めるというわけのわからなさ。本来異なる問題を一緒にしてしまい、事実関係をわかりにくくし、反証しにくくすることが狙いであろう。

それはともかくとして、私は日本の団体が「強制動員」という言葉を前面に押し出し、それが報道されたのを初めて目にした。
かつて、(狭義の)強制連行が通用しなくなってきて広義の強制連行という言葉になった。今度はそれも通用しなくなってきたので、新語を流行させようということなのだろうか?

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時代は変わる

首都圏のテロ対処、北海道・陸自が移動訓練(読売新聞7月11日 = YOMIURI ONLINE)

冷戦の華やかりし頃には首都圏の部隊を北海道に移動させていたものだが、今では逆になってしまった。
時代はかわるものだ。

ところで、このテロ対処で移動訓練というのは、今ひとつ腑に落ちない。
いわゆる「テロ」として想起されるのは、先のロンドンでのテロのようなものだろう。
しかし、それならば陸自部隊を動かしても意味がない。
であるならば、想定している事態は、テロといっても特殊部隊の潜入や工作員の蜂起といった準軍事的な事態であろう。
今の日本に対して、そのような行動をとる勢力は──自明である。
その日に向けての想定と対応が、確実に政府レベルで行われている証左であろう。

Jul 11, 2005

北朝鮮の罵倒という栄誉

北朝鮮が六ヶ国協議に復帰する。
先にサミットで、小泉首相が北朝鮮が六ヶ国協議に早晩、復帰するという見方を示していただが、情報を入手していたのだろう。 ところで、復帰にあたって北朝鮮は「日本だけは協議再開に寄与したことがない」と日本を非難した(→毎日新聞7月10日 = MSN-Mainichi INTERACTIVE)。

この発言の意図には、対北強硬派である日本への牽制がある。
対日ならば、六ヶ国協議国中の反日国家である中韓と連携することが可能だ。
そうして日本を封じ込めておいて、もう一方の対北強硬派の米と実質的な二国間協議にもっていきたいというのが北朝鮮の思惑だろう。

しかし、「日本だけは寄与したことがない」と評価してもらえたのは、喜ばしい。
別の言い方をすれば「北朝鮮の意に沿うようなことはしなかった」ということで、日本が妥協をしなかったということになる。
いやはや、大変な栄誉だ。

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Jul 08, 2005

宣戦布告?

あまり大きく報道されていないニュース。

韓国、“軽空母”独島艦を建造 海自の「おおすみ」より大型

 【ソウル=黒田勝弘】韓国海軍は近くアジアで最大級の強襲揚陸艦(LPX)を進水させる。排水量一万三千トンで日本の海上自衛隊が保有する八千九百トンの「おおすみ」よりかなり大型だ。飛行甲板を備えていることから韓国マスコミは“軽空母”と伝えている。また各紙によると艦名は日本と領有権紛争が起きている「独島(日本名・竹島)」の名をとって「独島艦」と名付けられるという。
 この強襲揚陸艦は全長二百メートル、幅三十二メートルで乗組員は四百五十人。全長は「おおすみ」の百七十八メートルより二十二メートル長い。完全武装の海兵隊一個大隊(七百人)やヘリコプター十五機、戦車七十両などを輸送できる。最大時速二十三ノットで、上陸支援作戦のほか津波など災害救援にも使用されるという。
 二〇〇二年十月から国内の韓進重工業で建造が進められ、この十二日に進水式をした後、二年後に実戦配備される。将来、同型を三隻保有する計画という。
 韓国は近年、弱体だった海軍力の増強に力を入れており、国産の駆逐艦などを相次いで建造している。韓国マスコミはこれまで日本の「おおすみ」に対しては “空母疑惑”を書き立て「軍事大国化」などと批判している。海軍の艦艇に対する「独島」という命名は刺激的で、盧武鉉政権の対日強硬姿勢の表れとする見方もある。
(産経新聞) - 7月6日2時44分更新

まず最初に軍事的考察を加えておくと、軽空母といってみたところで、現実的にはヘリしか運用できない。
韓国軍の強襲揚陸能力の向上には役立つが、日韓の軍事バランスに与える影響は限定的だろう。
逆に本来の目的であったであろう対北朝鮮においては、かなり軍事的影響を与える。
上陸可能海岸が少ないとはいえ、貧弱な航空兵力しかもたない彼らにとっては、航行中の迎撃、水際防衛が困難だからだ。

が、それにしてもすごい。
現在、領有権争いになっているところの地名を「強襲揚陸艦」、つまり敵前上陸用軍艦につけてしまうというそのセンス。
今の日本で「えとろふ」と命名したり、アイルランドが北アイルランドの地名を命名するようなものだ。
こんなことをするのは、相手を挑発するか、戦争を前提しているかでしかありえない。
他の国に対してであれば、もっと国際問題化しているだろう。

更に、自衛隊の強襲揚陸艦「おおすみ」を軽空母として軍事大国化と批判しておきながら、自分たちはそれよりも大型のものをつくり「軽空母」と称して悦に入っているというダブルスタンダートぶりも見事なものだ。

ちなみに海自は08年頃に13500トンで全通甲板(飛行甲板)をもつヘリ空母(こちらは強襲揚陸艦ではなく純然たるヘリ空母)を就役させる予定で、2番艦までが計画されている(同型もしくは改良型でさらに2隻を整備するのではないかという話もある)。
彼らが“軽空母”を整備した以上、堂々と建造できるだろう。ついでに「竹島」という艦名をつけてみてはどうだろうか。

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ロンドン爆破テロ

ロンドンで同時爆破テロが発生した。
地下鉄車内・構内3か所とバス1台が爆破され、死傷者は700人とも伝えられている。

サミット開幕にあわせたアルカイダ系によるテロという見方が強いが、まだ信憑性のある犯行声明も出ていないし、捜査もすすんでいない。
したがって、テログループの目的は不明である。
しかし、それでもいえることがある。
サミットの各国首脳が言っているように「テロに屈してはいけない」ということだ。

無差別テロは、その目的においてではなく、手段によって批判されるものだ。
どんなに“正しい”主張であったとしても、無差別テロを手段として用いた瞬間に、それは無意味となる。

国内のマスコミ報道においても、ゆめゆめそれを忘れないようにしてほしい。
無差別テロという手段によって主張が通る、あるいは、手段が正当化されるというような言説を広めることは、同じようなテロを多発させ、あるいは日本に招き入れのと同じことなのだから。

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Jul 06, 2005

出来レース?

郵政民営化法案が衆議院で可決した。
五票差、あと三人が賛成に回れば否決されるという薄氷の可決であった──というのが各マスコミ報道の基調である。
が、どうも出来レースくささを感じるのは私だけだろうか。

今回の投票で反対にまわった自民党議員は37人、棄権・欠席は14人。
その内訳をみると

 旧橋本派52人中 反対16 棄欠3
 森派  51人中 反対1 棄欠1
 亀井派 29人中 反対12 棄欠1
 堀内派 34人中 反対3 棄欠5
 山崎派 27人中 反対1 棄欠2
 高村派 12人中 反対0 棄欠1
 河野G  9人中 反対1
 無派閥      反対3 棄欠1
 ※小里、二階Gは造反なし

となる。
綺麗に割り振ったな、というのが私の印象である。

先の都議選の結果もふまえると、公明党に選挙協力をしないといわれてしまえば、いわゆる大物議員はともかく、若手自民党議員としては死活問題である。
一方で、特定郵便局は大事な支持者である集票機構であり、あっさり賛成に回れば、これまた死活問題だ。
実際、こんな報道もある。

<郵政法案>造反議員たち、解散の回避には安堵?

 郵政法案の採決で、造反議員は「処分は甘んじて受ける」と話しながらも、解散の回避に安堵したのか、淡々とした様子だった。衆院本会議の議場。自民党議員が反対票を投じるたび、民主党議員席から拍手がわく。「賛成233、反対228」。可決が決まると、小泉純一郎首相はうれしそうに目を細め、無邪気に手をたたいた。
(毎日新聞) - 7月6日1時44分更新

やはり、解散総選挙はしたくないのである。 結局、「修正しました」「惜しいところまでいきました」として、「我々は最大限抵抗しました!」という言い訳作りをしたのだろう。
つまり、この「五票差」もこうなるように調整された結果だ、というのが私の見解である。

与野党の議席差が少ない参議院では可決があやぶまれているとの報道があるが、参議院自民党への影響力の強い青木参院幹事長は郵政民営化に賛成している。また多少の“造反者”を演出はするかもしれないが、否決はないというのが既定路線と見ている。

さて、この“読み”、あたっていますかどうか。 参院を見守りたい。

ところで、郵政民営化法案が委員会で可決された時に、部屋の後ろの方で「廃案」って紙をもって並んでた人たち──みっともなくて、選挙民として恥ずかしくなったのは私だけでしょーか。

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Jul 04, 2005

都議選の結果

東京都議選が終了した。
自民党:48、民主党:35、公明党:23、共産党:13、東京・生活ネ:3、社民党:0。
これで、都政がかわるかというと……何もかわらないだろう。
第一、共産党以外はオール与党である。
一応、民主党は、選挙では反石原を掲げたものの、自公83議席では具体的にできることはなく、実質的には準与党程度で推移するだろう。 ただでさえ、地方自治体においては首長の力が強いのだから。

さて、なぜか国政が訴えられた選挙戦だったらしいが、その国政との絡みで見てみよう。
共産党、社民党はいうまでもなく敗退(共産党:26→15→13)、社民党(1→0→0)。

自民党は、自ら設定した50議席をクリアできなかったのだから負け。ただ、ダメージは最小限度であったとはいえる。自民党の議席推移を見ると、44→54→53→48ということで、93年(日本新党=細川政権)と01年小泉ブームとの中間といったところで、大きく割り込んだわけではないからだ。
一方、投票率が低かったにもかかわらず(そして公明党の支援をうけたにもかかわらず)議席が伸びなかったことについては、元々、都市部では組織が弱いとはいえ、自民党の組織の弱体化が目立つ結果となったといえよう。

民主党は勝敗ラインとした30を超え、前回議席(22)を大きく上回った。民主党は「政権交代への期待を実感」としている。が、実際には政権交代とはほど遠い結果をつきつけられたというべきだろう。
本来、昨年の参院選の得票率(都内)が自民党を大きく上回り、51人を擁立したわけなのだから、もっと当選できていたという計算になる筈である。
それができなかったのは、結局、「全国選挙の中での東京選挙区」と「東京単体での選挙」とで、選挙民が異なる判断をしたということ、つまり、民主党には第一党を任せられないという意思表示ではないだろうか。

そして、「勝った」のは公明党だろう。現有議席と同数を全員当選で確保し、組織の強固さを印象付けた。このことは、今後の選挙において、ますます自民党の公明党への依存度を深め、公明党の自民党への影響力が強くなること示しているからだ。

これらの結果から考えれば、小泉政権の「解散」カードは相変わらず有効であるということになった。
政権末期の小泉にとっては、自爆さえ覚悟すれうば、解散総選挙を断行できるのに対して(そして、おそらく、それでも自公連立で政権維持は可能な結果となるだろう)、自民党議員は、苦しい選挙戦を覚悟しなくてはならないからだ。
なにせ、「猿は木からおちても猿だが、議員は選挙におちればただのヒト」なのである。

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Jun 28, 2005

ミュージカルバトン?

最近、色々なブログで、ミュージカルバトンというものを目にする。
Blog僻地である私のところにはとんできていないが、要するに『音楽に関するいくつかの質問が「バトン」として回ってきたら、自分のブログ上でこれらの質問に答え、次の5人を選びその人にバトンを渡す、というルール(→はてなダイアリー)』のものだ。

次の5人に渡す? どっかで聞いたことのあるフレーズだ。
そう、チェーンメールではないか。
つまるところ、これは、ブログ向けチェーンメールでしかない。

確かにミュージカルバトンの場合、チェーンメールによくある悪戯的なものでも、デマ情報でも、怪しげな勧誘でもない。内容自体は別に非のうちどころがない。
しかし、なぜ「1人」ではなく「5人」なのか。
チェーンメールは内容以前に、無限連鎖を意図しているところに問題がある。
ミュージカルバトンも内容が問題なのではなく「方法」が問題なのだ。
ネズミ講のように、広まっていくこと自体が“悪”なのである。
なぜなのかというのは、既存のチェーンメールへの注意を示す言葉をミュージカルバトンにいれかえて考えてみればいい。

最初、5人にミュージカルバトンを送ったとする。そのうちの2人がミュージカルバトンをまわすこととし、それぞれ5人にミュージカルバトンを送る。Blogなので、1日に1回これが行われるとする。30日後(=30回目の転送)では5億人が5人ずつミュージカルバトンを送ろうとすることになるという計算だ。
膨大な“数”は、限りあるBlogリソースを食いつぶすだろう。登録者の多いBlogシステムはミュージカルバトンの大量発生で障害が発生し、それがインターネットそのものに悪影響を及ぼす可能性すらある。
あるいは、個人レベルで考えてみよう。
それだけの“数”となれば、同一人物に何度も同じ内容のミュージカルバトンが送られてくることになるだろう。送ってきた相手にミュージカルバトンは止めて下さいと説明しても、また別の人間からミュージカルバトンが送られてこよう。しかも、それは何度も、何年間も繰り返されるかもしれないのだ。

もちろん、5億人などというのは、机上の空論だ。
5人に2人も送らないかもしれないし、同じ人は二度目は送信しないだろう。あきがきて自然に収束するといったところか。
だが、なぜ、無限連載を意図するものが悪いことなのか、という説明になっているだろう。
連鎖を止めなければ、この状況に限りなく近づいていくということなのである。

ミュージカルバトンは、内容によってでなく、その方法によって、チェーンメールと同じ問題をもっている。だから、止めるべきだ。
これが、私の考えである。

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経済制裁と“覚悟”

以前のエントリでも触れたが、北朝鮮に対する経済制裁について再述したい。 家族会の座り込みなどもあって、再び経済支援に関する論議が活発になっているからだ。

私は、あらゆる手段を用いて、拉致被害者を奪回すべきという家族会と救う会に同意する。
また、経済制裁を容易には行使できないという政府にも同意する。

矛盾するように思えるだろうが、それは、それぞれの立場が違うからだ。
そして、後者には解説が必要となろう。
それは、多くの国民に“覚悟”がない以上、為政者としてはやむをえない判断だからということである。

経済制裁は、おそらく、北朝鮮にとって大きなダメージなる。
ただでさえ、経済が崩壊している北朝鮮には、致命傷だ。
そうなった時、北朝鮮は座して死を待つのだろうか? 捨身の反撃に出る、戦争あるいはテロの可能性がないといえようか?
仮に何らかの理由でそうならずに北朝鮮という国家が崩壊すれば、大量の難民が発生する。
日本の国民はこれらに対する覚悟ができているだろうか。
いや、とてもそうは思えない。 特に、これを安易に小泉攻撃に使っている連中には、ただの材料でしかなく、実際に制裁を行えば行ったで、批判を行うだけだろう。 国民に“覚悟”ができていない状態では、政府は経済制裁にGoといえない。

しかし、“べき”論でいえば、経済制裁をすべきなのだ。
日本という国家が国家であるためには、不法に拉致された国民を奪回することが必要であり、拉致被害者を取り戻すためには強力な「圧力」が必要だからだ。
だから、国民も(そしてマスコミも)覚悟を固めるべきである。
戦争も辞さず経済制裁を行う、と。

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Jun 24, 2005

「日本唯一の地上戦」という嘘

今年も沖縄慰霊の日がやってきた。
昭和20年6月23日、帝國陸軍第32軍司令官(=沖縄防衛司令官)の牛島満中将が自決し、組織的抵抗が終ったとされている日だ。
沖縄戦で犠牲となった多くの敵味方将兵、日本民間人に深い哀悼の意を捧げるものである。

ところで、沖縄戦を語る際に、「日本唯一の地上戦」という言葉が枕詞のようにつくことが多い。
しかし、これは嘘だ。

沖縄戦に先立つ昭和20年2月19日から始まった硫黄島戦が、日本の国土が地上戦の舞台となった最初である。
民間人こそあらかじめ避難させてはいたが、小笠原諸島であり、日本国土であることはいうまでもないだろう。

また、当時、日本領であった千島列島には、昭和20年8月18日に占守島にソ連軍が米供与の上陸用舟艇で奇襲上陸し、20日に停戦するまでの間、戦闘が行われている。
同様に、当時、日本領である南樺太も8月11日からソ連軍が侵攻開始。8月20日には、真岡市(ホルムスク)にソ連軍が上陸。逃げる一般市民に銃火を浴びせ、反撃する日本軍と戦闘となり、25日まで続いている。

沖縄戦についていえるのは「現日本領で住民を多く巻き込んで地上戦が行われた唯一の戦い」というだけだ。
「日本唯一の地上戦」ということさら悲惨さを強調するための“嘘”は、もうやめにしてもらいたい。

Jun 21, 2005

日韓首脳会談

日韓首脳会談が開催された。 二時間の会談の一時間五〇分が歴史認識に費やされたとか、会見場は質問禁止で韓国TVのカメラしかいれないとか、いろいろと“異常”なものではあった。
しかし、日本としては、まずは上出来だったのではないか。

・靖国問題 新たな追悼施設を「検討」はする。が、靖国参拝中止は受け入れず。 小泉は靖国神社の代替施設にはなり得ないとの考えを示している。 朝日新聞の報道によれば、「建設するかどうかも含めて検討しようと(いうことだ)。つくるからプラスとか、つくらないからマイナスという問題じゃない。言われて考えるものじゃない。日本人自身の問題だ」と正論を述べている。また、結論を出す時期も明確化せず(いくらでもうやむやにできる)。

・教科書問題
2期日韓歴史共同研究で歴史教科書に関する委員会を設置し、研究結果を両国の教科書制度の枠内で「教科書の編集過程での参考」とするとした。 つまり、これは日本の従来の主張、国定教科書ではないから、教科書の内容を縛ることができないとするもの、そのままだ。

フジ系の夕方のニュースでは、木村太郎が「韓国大統領は言うべきことを日本首相にいった」「妥協は事務方が勝手にやってしまった」という韓国国内向けの首脳会談に、日本がホスト側の面子を立てて、のっかてあげたのだ、と解説していた。
確かにその程度のことでしかあるまい。

ただ、朝日新聞によれば「大統領は日本の扶桑社の歴史教科書の採択率に関心を持っていることを伝えた」とある。こんなこと、一国の大統領が首脳会談に取り上げるようなことではあるまい。
それよりももっと重要な事、例えば北朝鮮問題や米韓同盟のゆらぎについてなど、いくらでも議題あるだろうに。
やれやれ。

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Jun 18, 2005

民主主義を破壊する暴挙を行う民主党

国会会期の大幅延長(55日)が与党による賛成多数で可決された。
野党第一党である民主党は、この会期延長に反対したが、その理由は、郵政民営化法案を廃案に追い込むためだという。
読売新聞の報道によれば、岡田民主党代表は、「ありとあらゆることをして、(郵政民営化関連)法案の廃案に向け全力を尽くす」と述べたそうだ。

これは、まさに民主主義の破壊というべきであろう。
あくまでルールにのっとてすすめなくては、民主主義国家たりえない。
法案を廃案にしたいのであれば、それは、国会における討議、国民の世論形成によって行われるべきである。
目的のために手段は正当化されない。
そうだとするならば、まさにテロリストの論理だ。

なお、民主党では、おなじみ西村眞悟だけでなく、民主に反中議連 北京五輪中止訴え(産経新聞6月17日 = Yahoo!NEWS)にあるように、松原仁、渡辺周、中津川博郷の各衆院議員や米沢隆副代表ら約20人が参加し、北京五輪の開催中止を要求する国会決議を今国会で採択することを視野に、反日姿勢を強める中国への対抗策を協議するという動きが出ている。
これは、非常に望ましいことではあるが、党としては、上記のような対応している限り、保守層へのパフォーマンスといわれてもしかたあるまい。 本当に“政権準備党”になりたいのであれば、党内左派を切る覚悟をしなくてはなるならないだろう。

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Jun 17, 2005

チャイナ・リスク

中国:土地収用で襲撃、農民6人が死亡--河北省(毎日新聞6月15日 = MSN-Mainichi INTRACTIVE)
<中国>土地収用拒否の農民を襲撃する映像 米紙がサイトで(毎日新聞6月16日 = Yahoo!NEWS)
中国・河北省 武装集団が村を襲撃 住民6人死亡、48人ケガ(動画:NNN[日本テレビ系] = Yahoo!NEWS)

うーん、凄い。 中国河北省定州市縄油村で土地収用に絡んで立ち退きを拒否した農民を、猟銃や鉄パイプを持った200人から300人の迷彩服姿の武装集団が襲撃。住民6人が死亡、48人が負傷というニュースだ。

これが「警官(軍)vs村民」とかいうなら、わかる。しかし、私兵(?)vs村民だ。 仮にも国連常任理事国であり、大国を自負し、サミットにゲスト参加している国での出来事とは思えない。つまるところ、法治国家としての体をなしていない。

報道管制されているが、どうも中国内陸部では治安が悪化しているという話もある。 中国の体制は、一般に日本人のもっている印象以上に揺らいできていると見るべきではないだろうか。 反日だけではなく、そういう意味でも、チャイナ・リスクは高いように思える。

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Jun 16, 2005

靖国を巡る二題

靖国神社を巡って奇妙な報道があって気になっていた。
まず一つ目は、日本遺族会が小泉純一郎首相の靖国神社参拝について、「近隣諸国に配慮し、理解してもらうことが必要だ」などと慎重な対応を求めたとされる報道だ。
が、これは親中派の会長、古賀誠氏の個人的な見解であることがはっきりとした(→靖国参拝「近隣諸国に配慮必要」 遺族会「正式見解でない」(産経新聞6月15日 = Sankei Web)【主張】靖国参拝問題 何だったのか遺族会見解(産経新聞6月15日 = Sankei Web))。
日本遺族会が「首相に靖国を参拝してもらいたいという考えに変わりはない」と明言したということは、親中派の古賀氏が、個人的見解を、さも遺族会の見解であるかのように表明してみせたというのが真実だったということだ。

次に、台湾立法院委員で高砂族(台湾少数民族)の高金素梅氏が、高砂義勇隊の戦死者の遺族代表とともに訪日し、靖国神社に合祀された「高砂義勇隊」戦死者の位牌を同神社から除くよう日本側に求めるとともに、賠償を請求するという報道だ。
台湾は親日的であり、特に高砂族は旧日本軍に対して今でも好意的な筈であるので、疑問に思っていた。
と、事実は反日勢力の工作宣伝活動であることがわかった(→台湾先住民族、贋遺族靖国騒動の真実。(酔夢ing Voice・西村幸祐氏))。
これで合点がいったといものだ。

既に、これらは日本のメディアにとりあげられ、日本の国民に誤った印象を植え付けてしまっているだけでなく、それが海外にも報道されてしまっている。
これを覆すのは容易なことではないが、しかし、一人一人が声をあが、少しでも多くの人に、本当の情報が伝わるようにしなくてはなるまい。
そして、小泉首相が、工作に左右されることなく、靖国に参拝することを強く望む。

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Jun 15, 2005

やってよかった歴史共同研究

 [日韓歴史研究]「認識の不一致があるのは当然だ」(読売新聞6月14日社説 = YOMIURI ONLINE)
歴史共同研究 中国にも実証重視を貫け(産経新聞6月14日社説 = Sankei Web)

当初、この日韓共同研究がはじまった時には、韓国側の“要求”に日本側が屈し、歴史教科書を韓国側の主張通りに書き換えさせられるのではないかと、私は危惧していた。
しかし、日本の学者達は、学者たるに徹し、安易な“政治決着”を行うことはなかったのである。
この共同研究は、結局、日韓双方の主張を両論併記する形で報告をまとめたのだが、何より韓国側研究者の政治性が極めて強いことが明らかになったといえよう。

「韓国側の近現代史を担当する2人が、国会議員になるため途中で委員を辞めている。」
「日本政府に対する韓国国民の請求権を放棄した1965年の日韓基本条約を批判し、条約の再考を求め、「日本国内の歴史進歩グループと国境を超える連帯」を提唱する研究者もいた。」

後者にいたっては、なにをかをいわんや。
この共同研究は、こうした韓国側の“病理”を浮かび上がらせるのに十分な効果があったといえよう。

今後、韓国との第二次共同研究や、中国との共同研究といった話もあがっている。
だが、日本の研究者が、実証重視の姿勢を貫いていく限り、何ら問題はあるまい。むしろ、逆に中韓の“異常性”を示してくれるだろう。
できうるならば、第三国の学者もいれてくれないだろうか。より、一層の効果が望めるのだが。

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Jun 14, 2005

中山発言に対する妄言

「従軍慰安婦」巡る中山発言、韓国・中国が反発(読売新聞6月12日 = YOMIURI ONLINE)
「中山文科相がまた妄言」 韓国マスコミが一斉に批判(産経新聞6月12日 = Samlei Web)
韓国:中山文科相の慰安婦発言に「妄言」と反発(毎日新聞6月12日 = MSN-Mainichi INTERACTIVE)
従軍慰安婦という言葉なかった、歴史教科書で中山文科相(朝日新聞6月12日 = asahi.com)

どれも共同電がベースなので、似たような記事だが、読売だけは独自記事も入れている。
ともあれ、中山成彬文部科学相が11日に静岡市で開かれたタウンミーティングで「そもそも従軍慰安婦という言葉は当時はなかった。なかった言葉が(教科書に)あったことが問題」と述べたことに、中韓が反発。
韓国与党ウリ党の田炳憲スポークスマンは「日本の教育の最高責任者から過去の侵略行為を否定する妄言が続くことは遺憾で、怒りを禁じ得ない」と表明、野党ハンナラ党も「日本政府は文科相の歴史歪曲(わいきょく)について即刻謝罪し、再発しないよう措置を取らねばならない」と主張、メディアも「文科相がまた妄言」(聯合ニュース)などと伝えている。
また、中国の国営新華社通信も「歴史を正しく認識し、歴史のわい曲に反対する日本の有識者やアジア国民の厳しい非難を浴びている」と論評、強く批判したとのことだ。

まず、当時。従軍慰安婦という言葉が存在しなかったというのは歴史的事実である。
これを妄言という中韓の方が妄言だ。
もちろん、当時なかった言葉でも歴史用語として使われてはいい。
例えば、鎌倉幕府という言葉は、当時は存在しなかったが、歴史用語として今日、定着している。
が、「従軍慰安婦」という用語は間違いである。
「従軍」とは、軍属もしくは(軍人・軍属以外の)軍の行動管理下、軍制度にあるものを指す言葉だ。例えば、従軍記者や従軍僧侶、従軍看護婦などである。
「大辞林 第二版」(三省堂)の定義でいうなら「軍隊につき従ってともに戦地へ行くこと」が従軍なのだ。
しかし、慰安婦は(当時でも軍法会議にかけられた犯罪の場合を除き)民間業者による経営であり、軍による行動管理もされていない。「軍隊についてきた」ことはあっても「軍隊につき従った」わけではないのだ。
間違っている用語を教科書にのせるべきでないという文科相の発言は至極まっとうであり、なんら問題はない。

町田外相、中山文科相と、ようやく閣僚がまともなことを言えるようになってきたのだ。ここで反日勢力に屈しては逆コースである。閣僚辞任などをせずに、このままの姿勢を貫いてほしい。

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Jun 13, 2005

靖国議論の混迷

夏がくれば盛り上がる、靖国問題。
首相が靖国神社に参拝し、戦没者を追悼することについて、賛否論が国内外で巻き起こる季節だ。

が、その議論には混乱がある。
靖国参拝の賛否、是非を論ずるには2つの観点があるからだ。

1・外圧により戦没者慰霊の方法を変えることについて(外交問題)
2・靖国神社が首相が戦没者慰霊するのにふさわしいかどうか(国内問題)

ごっちゃにするから、論点がわからなくなってしまう。
議論をするには、これを分けて考えるべきだ。

2について、様々な議論があるのはまだわかる。
が、1については明白だろう。
「外圧により、慰霊方法を変えてはならない」という結論だ。
要するに、靖国であろうと、新規慰霊設備であろうと、外圧をかけられた場合、どうするのかということだ。
「靖国」だから外圧によって変えるべきというのは、論外だ。
では、「靖国」には中韓の反感があるか変えるべきだとすれば、「新設備」にも反感があった場合、どうするのか。その理屈であれば、新設備に対しても、何か手をうたなかなくてはいけなくなる。つまり、中韓のために慰霊方法を決めるということに他ならない。 そもそも、戦没者慰霊は、戦没者のためにするものであり、外国のためにするものではない。
この外圧は、内政干渉以外のなにものでもあるまい。

これから、靖国参拝問題を語るのであれば「外国に配慮して=外圧により戦没者慰霊方法を変えることの是非」と「国内での戦没者慰霊の場としてふさわいいかどうか」を分けて論じるようにしてほしい。
往々にして、「靖国は戦没者慰霊の場としてふさわしくない」という論が「中韓が文句をつけているから、戦没者慰霊の場としてふさわしくない」という本論であり、それを補強するために色々な理屈をつけているだけだからだ。
そのような方には、「外圧に屈するべきである」という論をまずきちんと明示してくれれば、無駄な議論をする必要がなくなるので、お互いに大変、有益だと思うのだが。

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Jun 10, 2005

日本、北朝鮮を先制攻撃?

「日本の北朝鮮先制攻撃、排除できない」発言に国会が騒然(中央日報6月8日 = Japanese JoongAngIlbo)

韓国国会で与党・ウリ党の崔星議員が、「日本が北朝鮮を先制攻撃する可能性がある」と発言したという。
その根拠が“昨年12月の朝日新聞の報道を引用し、「米日共同作戦計画5055は、韓半島有事の際という但し書きのもと、日本自衛隊が韓半島戦闘に参加する米軍の支援活動を行うことを明示している」”というものだからおそれいる。
朝鮮半島有事であれば、米軍は日本の基地を利用し、韓国軍にとっても策源となることは間違いない。朝鮮戦争でもそうだったのだから。
そして、戦況によっては、自衛隊が後方で限定的に作戦参加(米~日間の船団護衛、対馬海峡封鎖など)することもありえるだろう。おそらく、共同作戦計画にはそこまでしか入っていまい。
よしんば、一時的な「展開」ではありえても、「自衛隊の韓半島駐留の可能性」とはなるまい。恒常的に韓国に自衛隊を駐留させる政治的・軍事的意味がない。
つまり、まるで根拠になっていないものを根拠としてふりかざしているのだ。

「有事の際、北朝鮮の核ミサイル脅威を理由に、日本が韓半島に軍事的介入し、日本が独自に対北朝鮮先制攻撃を行う可能性を排除できない」というのもよくわからない。
有事になっているなら、米軍が北朝鮮のミサイル脅威に対して攻撃を行うであろう(日本を守ることは、米軍の策源を守ることでもある)。
同時多発的な有事を抱えていない限り、戦力も十分であり、(日本)国内的にも国際的にも煩わしいことになる日本の参戦は、米が許さないことはいうまでもない。
そしてもちろん、北朝鮮から手を出されない限り、国内世論をまとめきれない日本が先制攻撃を行うことはない。

崔議員は「日本の北朝鮮先制攻撃の可能性に言及した日本防衛庁長官の発言をはじめ、最近、平和憲法改正の動きが日本国内で起きている」とし、「今月末に行われる韓日首脳会談で‘日本の北朝鮮先制攻撃絶対不可’が議題に採択されなければならない」と主張したという。
が、さすがにいくら反日的といわれても、韓国政府の方がまともだった。尹光雄国防長官は「全く事実でない。日本が世界の責任ある国家として北朝鮮を先制攻撃するというのは考えられず、合理的な内容ではない」「日本防衛庁長官の対北朝鮮先制攻撃発言は事実でない」と一蹴したという。
記事にも「こういう内容を公論化した場合、むしろ日本政府の不信を招き、韓日関係に悪い影響を及ぼす」とある通りだろう。

だが、こうした発想をする議員が、与党議員として当選しているという事実を、日本人はよく覚えておくべきだろう。
韓国の「反日病理」の一つの現出であるからだ。

もっとも、日本政界の「親中韓病理」のことを思うと、あまり隣国のことをいってばかりもいられないのだが。

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Jun 08, 2005

日の丸のプライド

「汚れるから…」官邸の国旗、雨の日降ろします(産経新聞6月8日 = Sankei Web)

なんと、首相官邸の国旗は、汚れるからと雨になると降ろすというのだ!
国家を象徴するものなのに情けないことこのうえない。
記事中にもあるように、自衛隊では天候に関わらず掲揚しているし、船舶にいたってはいわずもがなだ。
雨にも負けず、風にも負けず、毅然とたちたることこそ必要なのではないか。
今からでも遅くない。早急に改善すべきだ。

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Jun 07, 2005

町村外相、フルスロットル?

なにか各社の報道がバラバラなのだが、全部まとめると、なにか町村外相がとばしているようだ。

「軍国主義批判とんでもない」 外相、国際貢献を強調(産経新聞6月6日 = Sanleo Web) 町村外相:親中派の福田前官房長官を皮肉たっぷりに批判(毎日新聞6月6日 = MSN-Mainichi INTERACTIVE)
「ごまをするから日中関係がおかしくなる」講演で外相(朝日新聞6月6日 = asahi,com)
町村外相「年内に日中首脳会談の実現を」(読売新聞6月6日 = YOMIURI ONLINE)

全部、6日の言動だ。
まず、外務省の会合にて。
「靖国神社に行ったから、日本は軍国主義だとか批判もあるが、とんでもないことで、赤字国債を出してまで政府開発援助(ODA)を一生懸命出し続け、90年代は世界一の供与額だったことは胸を張って国際社会に言える」
「(日本のODAは)平和な国家として諸外国の発展を助けることに大変な情熱を注いでいるという意味で、自信を持っていい」
と述べ、靖国参拝を非難する中韓に反論し、ODAの成果をアピール(逆にいえば、中国ODAの早期引揚の牽制?)。

次に、東京都内での講演にて。
自民党内親中派・福田康夫前官房長官が5月16日の衆院予算委員会で日中首脳の相互訪問が途絶えている状況を「異常だ」と批判したことについて「福田さんがそう言うのもおかしい。なぜかというと福田官房長官時代にもうすでに相互訪問が行われていないのだから」と皮肉たっぷりに反論。
更に訪中した野田元自治相が小泉首相との会談を中国・呉儀副首相が直前キャンセルしたことに「お互いの外交当局は(事前に)分かってやっているのではないか」と語ったということに、「誠に不愉快。私が知ったのは当日朝だ。どうしてそこまで、中国要人にへりくだらないといけないのか。ああいう形で無用に中国に行ってゴマをする人がいるから日中関係はおかしくなる率直に言わないと友好関係にならない」と痛烈に批判。
歴史史教科書問題については既出の繰り返しが含まれるが「一部の極めて左がかった学者やジャーナリストが韓国に行って『今度こんな教科書が出る。問題ですよ』と言う」と正しく原因を指摘した上で、「日本の軍国主義や韓国に対する植民地支配を賛美する教科書はない。教科書を執筆しているのは、どっちかというと左がかった人たち。左がかった教科書でないと、日教組が採択にもっていかない。ゴルフで言えば左OBすれすれの教科書を書くのだから、軍国主義を賛美するわけがない」と身も蓋もないない指摘。
東シナ海ガス田開発には「日本は日本の法律にのっとった形で粛々と試掘(手続きを)をやっていく。そうなったら、(中国側との)話し合いが進むかもしれない」と中国側を牽制。

一部発言は複数の報道のものを私が繋ぎ合わせています。一字一句は正確ではありませんが、要旨は変えていないつもりだ。
いずれにしても素晴らしい発言の数々で、全てが正論だ。
こういう人物が外相であり、はっきりものを言っているという事は、非常に頼もしい限りである。

それにしても、ほんの数年前なら、こうした発言のどれか一つでも、“問題発言”で辞任させられていたところだろう。
これは少しずつでも日本が、国際常識的に普通の国に近づいている証拠だと信じたい。

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Jun 03, 2005

韓国の反日無罪

逃走韓国漁船を巡って韓国海洋警察庁と日本海上保安庁の巡視艇が睨み合うという異常事態が発生した。
まず、事実関係を整理してみよう。

31日 午後11時27分頃 日本側排他的経済水域(EZZ)内約5.4kmで海上保安庁レーダーに韓国漁船502シンプン号(77トン)が発見される。
→日本側主張:穴子の違法操業中
→韓国側主張:違法操業はしていない
31日 午後11時35分頃 現場に急行した海上保安庁巡視艇「たつぐも」他1隻が、シンプン号に停船を求め、たつぐもより海上保安官3人が同船に飛び乗りを試みる。2人は成功するが、1人は海中に転落。それを日本側が救助する間に、韓国船は保安官をのせたまま逃走する。
1日 午前0時19分頃 シンプン号、韓国EZZ内1.44km(釜山市・機張郡・大辺港東27マイル海上)まで逃走後、釜山海上警察に「日本巡視船が船を拿捕しようとしている」と緊急連絡。
→日本側発表:海保の要請で韓国海洋警察庁の警備艦が出動
→韓国側発表:釜山海上警察の非常連絡を受けた蔚山海上警察が警備艇251艦(250トン級)を派遣
1日 午前1時50分頃、韓国EZZ内32km(蔚山の東約29キロ)で韓国警備艇がシンプン号を発見、同船は停止し、韓国警備艇は日本側の拿捕を防ぐため、シンプン号の右側船腹を251艦など3隻の警備艇とロープでくくり付けた。駆けつけた日本側巡視艇3隻も反対側から同船にロープを取り付けた。

以下、詳細時間、順序不詳。
 韓国警備艇6隻と日本巡視船7隻の合計13隻での睨みあい。
 連れ去られていた海上保安官は巡視艇に収容。
 シンプン号船長は韓国警備艇に収容され、韓国側の取り調べをうける。
 後、漁船の船長や乗務員に対しては韓国側の警備艦の上で任意の事情聴取を実施。

2日 午後6時15分 日韓の政府レベルの交渉の結果、により、日本側巡視艇が現場より撤収。シンプン号と乗組員は韓国側へ引き渡す。
日韓の海上保安当局が交わした合意文には、韓国漁船側がEEZの侵犯を認め50万円の担保金を払う一方、日本の海上保安官の漁船乗組員に対する暴行の謝罪と、漁船の損害賠償2000万ウオン(約213万円)の要求が盛り込まれたことを明らかにした(→毎日新聞の記事)。

まず、そもそもの最初の現場での事を考察してみる。
韓国漁船が発見されたエリアは、韓国漁船による違法操業が多発している海域だ。
「たつぐも」も5月15日に立入検査をしようと韓国漁船に接舷しようとした際に体当たりされて船体に穴をあけられている。
このようなところで、韓国漁船を発見すれば、違法操業をしていることを疑うには相当の理由がある。日本側が立入検査を求めるのは当然であろう。
一方、韓国側の発表によれば、韓国漁船は冷蔵庫が故障しており、操業はしてなかったという。
が、それならば停船して検査に応じればいいのである。
故障して操業できないなら、なぜ、そんなところにいたのか?
既に海上保安庁により立入をする際の映像が公開されたが(日本テレビ系ニュースで報道を確認)、きちんと手順を踏んでおり、何ら問題は感じられない。
状況証拠からすれば限りなく黒であり、日本側が追跡したことは当然であろう。

次に韓国漁船乗組員が負傷したとされている問題についてだ。
乗り込みをしたにも関わらず、逃走を続けようとする漁船に対し、操縦室の窓ガラスをわるなどしたことは事実のようだ。止めようとする海保職員と逃げようとする韓国漁船乗組員の間で、もみ合い、小競り合いがおきたことは想像できるし、その際、韓国側に負傷者が出たということは当然にありえる。
しかし、韓国側乗組員が証言したという「日本保安官が振り回した警棒とヘルメットで、約5~10分にわたって殴られた」ということはありえないだろう。
今まで、日本側がそうした行動に出た例はないし(あれば、当に韓国側で大きな騒ぎになっているはずだ)、10人対2人でそんなことが可能だろうか?
第一、そこまでできるのであれば、韓国漁船のコントロールを奪えなかったこと自体がおかしいではないか。
よって、負傷者が出たというのは事実だろうが、海保職員に5~10分もの暴行を受けたという証言は嘘であろう。

今回、最終的な現場になったのは、韓国EEZ内である。この時点で捜査権を主張して譲らなかった。
が、海洋法に関する国際連合条約の111条により、EZZ内からの追跡については、他国領海に入るまで日本側がもっている(111条2、3)。
韓国側も漁船が日本の漁業法違反(立ち入り検査忌避)容疑を認めているのだから、日本の追跡には根拠があると認めている。
つまり、韓国側の主張は明らかに国際条約を無視したものだ。
第一、日本の法律違反については、韓国側の法で裁くことはできまい。いわゆる“高飛び”というのと同じだ。

ところで、韓国世論は、漁民に暴力をふるったことを批判したり、船主が韓国人だから刑事管轄権は韓国にあるなどと主張しているようだ。
前車は、逃亡しようと反抗する犯罪者に対する鎮圧行動であり非難されるいわれはないし、後者は先に説明したように国際条約の無知である。
ましてや、「謝罪と賠償を要求」に至っては、開いた口がふさがらない。
盗人猛々しいとは、まさにこの事だろう。

結論的にいえば、海上保安庁の主張にほぼ100%の理がある。
韓国という“国家”は、とにかく国際条約であっても無視をするし、自国民なら犯罪者であっても日本の警察組織よりも証言を信用するということが白日のもとにさらされた。 つまり、“反日無罪”であって、それが全てに優先するということだ。

今回の“超法規的措置”による外交は全く支持できない。
日本は最後まで原則論を貫くべきであった。
現場で生命を賭して仕事をされている海上保安官の方々の無念は察してあまりある。 せめて、「多くの課題を残した。必ずしも前例とはしたくない結果であり、今後、韓国側と協議したい」(海上保安庁第七管区海上保安本部・警備救難部企画調整官)との言葉を肝に命じたい。
そして、日本人は“韓国との友好”というものが片思いであり、存在しないということを早く悟るべきだ。

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Jun 02, 2005

誤解なきように

なにか、昨日のエントリの私の文章が、あちこちにコピペされているようだ。
その過程で省略されたりしているために、ちょっと私の真意とは異なるような捉え方をされているきらいもあるので、ここで少し解説を加えておきたい。

私は、以前のエントリでも述べているように、本来、法案の法学的・社会的文脈で不安視している。

■言論の自由の確保
■歯止めの不在
■救済(対抗)措置がない
■法的安定性を欠く

この観点からすると、今回報道された修正案というのは、評価できる部分が大きい。
法的安定性の部分では大きく前進しているし、事実上の強制力を弱めたことも評価できる。
そして、私はあまり国籍条項は重視していなかった。
人権というものを扱う上で、より価値観の共有度が高いと思われる日本国籍を有するものが人権擁護委員としてベターだとは思うが、法案にきっちりとした安全弁があれば、問題はなく、逆に常識から外れたような運用を行う人権擁護委員を批難することができるからだ。
だから、現在報道されている修正案に加えて、歯止めの問題と救済(対抗)措置の問題が解決されれば、私としては積極的に反対する理由はない。

が、前エントリについては、あえて避けていた政治的文脈で人権擁護法案(の修正案)を語った。
国籍条項、とするにはあまりに「穴」があるがゆえ、そこに不自然さを感じたからだ。それにより、得するのは誰なのか、を考えたということである。

ただ、今回の報道は断片的であり、また、はっきりとしたFactがとれていない。
だから、最後に「詳細はつまびらかではない」「現在のところ」というエクスキューズをいれておいたのである。
この報道が事実でなかった場合には、陳謝するつもりだ。

元々、反対派議員を攻撃する意図はない。
しかし、報道で「国籍条項を盛り込んだ」とされているものが(この共同電を信じる限りは)実質的には事実ではない、ということに注意すべきであると考え、警告という意味合いもあって前エントリを書いている。

以上を、私の真意の説明とさせていただく。

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誤解なきように

なにか、昨日のエントリの私の文章が、あちこちにコピペされているようだ。
その過程で省略されたりしているために、ちょっと私の真意とは異なるような捉え方をされているきらいもあるので、ここで少し解説を加えておきたい。

私は、以前のエントリでも述べているように、本来、法案の法学的・社会的文脈で不安視している。

■言論の自由の確保
■歯止めの不在
■救済(対抗)措置がない
■法的安定性を欠く

この観点からすると、今回報道された修正案というのは、評価できる部分が大きい。
法的安定性の部分では大きく前進しているし、事実上の強制力を弱めたことも評価できる。
そして、私はあまり国籍条項は重視していなかった。
人権というものを扱う上で、より価値観の共有度が高いと思われる日本国籍を有するものが人権擁護委員としてベターだとは思うが、法案にきっちりとした安全弁があれば、問題はなく、逆に常識から外れたような運用を行う人権擁護委員を批難することができるからだ。
だから、現在報道されている修正案に加えて、歯止めの問題と救済(対抗)措置の問題が解決されれば、私としては積極的に反対する理由はない。

が、前エントリについては、あえて避けていた政治的文脈で人権擁護法案(の修正案)を語った。
国籍条項、とするにはあまりに「穴」があるがゆえ、そこに不自然さを感じたからだ。それにより、得するのは誰なのか、を考えたということである。

ただ、今回の報道は断片的であり、また、はっきりとしたFactがとれていない。
だから、最後に「詳細はつまびらかではない」「現在のところ」というエクスキューズをいれておいたのである。
この報道が事実でなかった場合には、陳謝するつもりだ。

元々、反対派議員を攻撃する意図はない。
しかし、報道で「国籍条項を盛り込んだ」とされているものが(この共同電を信じる限りは)実質的には事実ではない、ということに注意すべきであると考え、警告という意味合いもあって前エントリを書いている。

以上を、私の真意の説明とさせていただく。

May 31, 2005

動き出した人権擁護法案

国籍条項盛り込み調整へ 人権擁護法案で自民(産経新聞5月31日 = Sankei Web)という報道が出た。
反対派の「真の人権擁護を考える懇談会」の会長、平沼赳夫氏が与謝野馨政調会長に修正案を示したという。

その修正案というものの一部が同記事中にある。

「人権委員会の出頭要請や立ち入り検査の規定を削除」
 →これはよい。
「人権侵害の定義は、憲法の保障する権利および自由を違法に侵害する行為」
 →限定列挙にすべきだとは思うが、現行法の範囲という点で法的安定性、予見は相当程度確保されたと考えられ、評価できる。
「メディア規制条項は削除」
 →むしろ、まずはメディアに適用してほしい。ただ、推進派の与党人権問題等懇話会(古賀誠座長)は、これを“凍結”扱いを主張している。

 さて、ここまではまだよい。
 問題は見出しで「国籍条項盛り込み」と言われている部分だ。
 公明党も「必要があれば(政府案を)修正する」との考えを示したとくくられており、いかにも国籍条項盛り込みを支持しているように見える。
 が、記事を注意深く読むと単純な話ではない。国籍条項とされている部分を引用してみよう。

人権擁護委員は「市町村議会選の選挙権を有する住民」とし、日本国籍に限定

そう、もうわかったであろう。条文として日本国籍に限定しているのではなく、また、憲法で日本国籍をもたなくては有せないとされている国政選挙権ではなく、「地方参政権」なのである。
つまり、永住外国人地方参政権付与が実現すれば、彼らが人権擁護委員になれるという道を残しているということだ。

あまりに反対意見が多いことから、1STEPおこうという作戦であろう。
「国籍条項を盛り込みました!」として、人権擁護法案を成立させる。
そして、永住外国人地方参政権付与を実現させる。
すると、人権擁護委員に永住外国人がなれる、という仕組みだ。
だから、公明党も賛成したということだろう。

私は安易な陰謀論はとりたくない。
しかし、「国籍条項」と称しているものに、単純に「日本国籍」と明記せず、こうした迂遠な表現をとったとなると、どうしたもそこに「策略」を感じずにはおれない。
詳細はつまびらかではないが、今回の修正案は、できるだけ原案の骨子を残したまま、世論を誤魔化そうとしているようにしか見えなくなってくる。
よって、現在のところ、私は、この修正案をもってしても、人権擁護法案には賛成することはできない。

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動き出した人権擁護法案

国籍条項盛り込み調整へ 人権擁護法案で自民(産経新聞5月31日 = Sankei Web)という報道が出た。
反対派の「真の人権擁護を考える懇談会」の会長、平沼赳夫氏が与謝野馨政調会長に修正案を示したという。

その修正案というものの一部が同記事中にある。

「人権委員会の出頭要請や立ち入り検査の規定を削除」
 →これはよい。
「人権侵害の定義は、憲法の保障する権利および自由を違法に侵害する行為」
 →限定列挙にすべきだとは思うが、現行法の範囲という点で法的安定性、予見は相当程度確保されたと考えられ、評価できる。
「メディア規制条項は削除」
 →むしろ、まずはメディアに適用してほしい。ただ、推進派の与党人権問題等懇話会(古賀誠座長)は、これを“凍結”扱いを主張している。

 さて、ここまではまだよい。
 問題は見出しで「国籍条項盛り込み」と言われている部分だ。
 公明党も「必要があれば(政府案を)修正する」との考えを示したとくくられており、いかにも国籍条項盛り込みを支持しているように見える。
 が、記事を注意深く読むと単純な話ではない。国籍条項とされている部分を引用してみよう。

人権擁護委員は「市町村議会選の選挙権を有する住民」とし、日本国籍に限定

そう、もうわかったであろう。条文として日本国籍に限定しているのではなく、また、憲法で日本国籍をもたなくては有せないとされている国政選挙権ではなく、「地方参政権」なのである。
つまり、永住外国人地方参政権付与が実現すれば、彼らが人権擁護委員になれるという道を残しているということだ。

あまりに反対意見が多いことから、1STEPおこうという作戦であろう。
「国籍条項を盛り込みました!」として、人権擁護法案を成立させる。
そして、永住外国人地方参政権付与を実現させる。
すると、人権擁護委員に永住外国人がなれる、という仕組みだ。
だから、公明党も賛成したということだろう。

私は安易な陰謀論はとりたくない。
しかし、「国籍条項」と称しているものに、単純に「日本国籍」と明記せず、こうした迂遠な表現をとったとなると、どうしたもそこに「策略」を感じずにはおれない。
詳細はつまびらかではないが、今回の修正案は、できるだけ原案の骨子を残したまま、世論を誤魔化そうとしているようにしか見えなくなってくる。
よって、現在のところ、私は、この修正案をもってしても、人権擁護法案には賛成することはできない。

自己責任

産経抄5月30日(産経新聞 = Sankei Web)という記事(コラム)が掲載された。
私はこれに大きく同意する。

なにか勘違いした論評が溢れているが、まず、どんな状態でイラクに入って拉致されたにせよ、邦人救出に対して全力を尽くすのは当然である。
だから、この斎藤氏にも以前の人々にも政府は救出のために行動を起こした。
ただ、なぜ、最初のイラク人質事件の時に「自己責任論」がもりあがったのか。
それは、家族と支援者という連中が、責任を日本政府に転化するような言動を大々的に繰り広げたためである。
あまつさえ自衛隊撤退という、国家の勧告を無視して招いた結果の尻拭いを国家に“要求”するという行為をしたためだ。

私は、以前のエントリでも自己責任とは「自分のケツは自分で拭う」ことだと言っている。
それを踏まえた上で、斎藤氏の行動を(武装テロ組織が発表した通りの状況だとした上で)論ずれば、「▼投降すれば取引材料にされたうえ、惨殺されると承知しての抵抗だったようだ。ぎりぎりの場面でのこの判断は、少しの甘えもない武人のものである。」という産経抄の味方に賛成する。
フランス外人部隊という対テロ、対内戦の最前線で戦ってきた、そして、それでも日本国籍を捨てなかった斎藤氏には、当然、自分が捕虜になった場合の状況は想定できたはずだからだ。
これこそ、まさに、自己責任の完結であろう。

そして、結論は、産経抄と同じくなる。
「▼イラクで起きた日本人の人質事件では、さまざまな議論がなされてきた。命を賭す覚悟もなく甘い考えで戦地に赴くことは厳に戒めねばならないが、徹底したプロ意識と勇気の人を前にすると自ずと頭が垂れてくる。」
と。

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May 30, 2005

毅然とした外交を

日本の対応で中国側動揺とアーミテージ氏指摘(読売新聞5月28日 = YOMIURI ONLINE)という記事が出た。
なぜか、他ではほとんど報道されていないのだが、重要な内容だ。
米アーミテージ前国務副長官が“「長年、中国が日本の『戦争における過ち』を取り上げると、日本は『政府開発援助(ODA)をもっと出しましょう、申し訳ない』と謝ってきた」と指摘したうえで、「今回、中国は同じシナリオを使おうとしたが、日本は『お詫びはした。今は新しい時代で、前に進まなければならない』と頭を下げず、中国側は『違った反応が出てきた』と混乱した」”という。
つまり、毅然とした小泉外交こそが、今までの中国のゆすり外交を打ち砕いたということだ。
これは、高く評価されるべきであり、国益のためにも、小泉外交を支持するべきであろう。

靖国問題にしたところで、教科書問題にしたところで、本来なら日本の内政問題であるのに、それを中国が干渉してくるのは、日本側がそれに右往左往するからだ。
こうして、毅然とした外交を繰り広げていくことが、一番の解決策になる。
小泉、そして続く政権には、こうした外交を維持してほしい。

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May 27, 2005

日本海海戦

本日は、日本海海戦100周年である。
100年前、明治38年(1905年)の今日。
欧州から回航されたロシア太平洋第2・3艦隊と、日本聯合艦隊が激突した。
この時、陸戦では、日本が決戦を賭した奉天会戦で辛うじて勝利したものの、決定的な打撃を与えるには至らず。それも、海戦で日本海軍が負けた場合はおろか、戦術的に勝利だったとしても、戦力として維持されるような単位でウラジオストック軍港に逃げ込まれた場合、日本の海上補給線が脅かされ、日本陸軍は戦いを待たずして敗北してしまう。
海戦は、日露戦争そのものの勝敗を決定する戦略的戦いであった。

完勝するしか、日露戦争に勝利する方法はないという厳しい局面の中、聯合艦隊は13時55分Z旗を掲げて戦闘開始を下令。対馬沖の第一合戦から日本海海戦が開始される。
そして、翌28日、鬱陵島沖での第10合戦までの二日間の戦いにより、ロシア艦隊は巡洋艦1、駆逐艦2を残して壊滅。日本の損害は水雷艇3隻のみという、世界海戦史上に残るパーフェクトゲームであった。

この海戦の結果、米国の仲介を得て、日露戦争は日本の勝利に終る。
これは、有色人種が白人に勝利するという近代史上に大きな意味をもつ戦いであった。 そして、この時から今日に至るまで、白人主体の“世界”に対する日本の孤軍奮闘がはじまったのだ。

日露戦争を日本の侵略であるとか、そうした皮相的かつ事実とかけ離れた文脈でしか語れないのは不幸である。
そうであるなら、対馬沖で海上慰霊祭 日本海海戦100年(産経新聞5月27日 = Yahoo NEWS)にあるように、在日露駐日行使や米英政府高官などが記念式典に出席したことが理解できまい。
対馬市商工会の長町忠一会長の言うように「海戦で負けていれば、今の日本はなかった」のである。
この機会に、日本海海戦、そして、日露戦争に対する正当な評価が広まることを望む。

また、この日本海海戦を後世に伝えるための中心的存在である記念艦・三笠の保存と顕彰の主旨に参道される方は、三笠保存会の会員になってみたはどうだろうか。
1口年二千円(個人)で会員になることができる。 三笠保存会の一会員として、できるだけ多くの方が会員になられることを願っている。

参考:
100z.jp(日本海海戦100周年記念大会)
記念艦・三笠(三笠保存会)

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May 26, 2005

森岡正宏厚生労働政務官を支えよう

A級戦犯、国内では罪人でない…森岡厚労政務官発言(読売新聞5月26日 = YOMIURI ONLINE)という記事が出た。
それによれば、森岡正宏厚生労働政務官(自民党)は、“「戦争は一つの政治形態で、国際法のルールにのっとったものだ。A級戦犯はそれぞれ刑に服した。国内では罪人ではない」などと発言、参拝取りやめを求める中国などを批判した。極東国際軍事裁判(東京裁判)についても、「勝手に占領軍がこしらえた一方的な裁判だ」などと強調した。”と発言したという。

実に正鵠を得ている。 加えて言うのであれば、日本には戦犯というものは既に存在しない。
サンフランシスコ講和条約で独立を取り戻した昭和27年4月の国会で「戦傷病者戦没者遺族等援護法」を可決。旧軍人軍属の恩給支給を再開。
同5月1日付の法務府注意総発第52号「連合国の軍事裁判により刑に処せられた者の国内法上の取り扱いについて」においてにより、戦犯として拘禁中の死者すべて(刑死、未決死、獄死)を「公務死」、戦犯逮捕者を「抑留又は逮捕された者」として取り扱うと通知する。
そして、戦犯赦免要望の4,000万を数ええう署名を背景に、昭和28年8月に「戦争犯罪による受刑者の赦免に関する決議」を国会の全会一致(欠席者はあり)で決議、戦犯として処刑された方々は法務死であって戦死者とみなされることとなる。更に、戦傷病者戦没者遺族等援護法を改正して、これに法的裏付けを与えた。
よって、日本において、戦犯は名誉回復をされ、現在、法的には“戦犯”という言葉は存在しないのである。

こうした議論は媚中派と化していた旧橋本派が押さえ込んでいたのだが、当の旧橋本派に所属する森岡氏からこうした発言が出たということで、旧来の派閥の影響力が急速に低下しているということをうかがわせる。 その意味では、小泉の自民党改革は順調に進んでいるといえるのかもしれない。

ともあれ、こうした発言をしたことで、森岡氏に辞任を要求する声が強く出てくるに違いない。
だが、私は森岡氏が正論であると声をあげる。そして、不当な辞任要求に屈しないように切に願う次第だ。

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May 25, 2005

岡田迷走

「もう少し丁寧な言い方あっても」岡田代表が首相批判(読売新聞5月24日 = YOMIURI ONLINE)
 民主党の岡田代表は24日、日本外国特派員協会で講演し、中国の呉儀副首相が小泉首相との会談を中止して帰国した問題について、「小泉首相は『会いたくないと言うのなら会う必要はない』と言ったというが、もう少し丁寧な言い方があってもいい。日中間の溝を深めるような方向に持って行っているような気がする」と述べ、首相の対応を批判した。

 さらに、副首相が首相との会談を中止した理由について「(戦没者の追悼の仕方は他国が干渉すべき問題ではないなどとした)衆院予算委員会の首相答弁が影響した可能性がある」との見方を示した。
(2005年5月24日18時19分 読売新聞)

いやー、なんというか、凄い。
子供の学級会並だ。
国際儀礼としても“無礼”である中国の態度に対しては何もなく、小泉の言い方が丁寧でないとは、言いがかりもいいところだ。
無礼な態度に謙ってどうするのか。最低でも小泉のような言い方をしなければ、相手に舐められるだけではないか。
ただ小泉批判ありきで、何かにつけて“文句”をつけようとしているのアリアリである。もっとも、揚げ足をとろうとして、降ろしている方の足を抱えてしまって持ち上げることすらできていないのだが。

いずれにせよ、失笑を買いたいのか、中国に媚びをうりたいかの岡田の言動を見ている限り、民主党に政権担当能力などないのは明白である。

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May 24, 2005

中国苦慮?

小泉首相との会談中止 中国副首相「緊急の公務」(産経新聞5月23日=Sankei Web)
会談中止、政府関係者は「靖国絡み」の見方強める(読売新聞5月23日 = YOMIURI ONLINE)

来日していた中国副首相が、予定されていた小泉首相との会談をドタキャンして、帰国した。
外交的に異例であり、理由も「公務のため、本国へ帰る必要が生じた。他意はない」という連絡が入っただけだという。

このドタキャンの本当の理由は、16日に小泉首相が靖国参拝について「他国が干渉すべきでない」と発言したことが原因だという。
しかし、今までの中国であれば、会談した上で、強硬に靖国神社参拝中止を申し入れてきたいただろう。
それが、会談そのものを中止し、表向きは靖国問題が理由でないとしているのは、明らかに従来の態度と変化しているように思える。

思うに、ある意味で中国は苦慮しているのではないだろうか。
会談すれば、靖国問題を話題にせねばならない。しかし、小泉は、それを受け入れないと中国は判断したのだろう。
そうなると、反政府運動に繋がる可能性のある反日運動を激化させることになるし、経済支援はしてほしいのに日本側が“冷える”可能性も高くなる。
それを中国側は嫌ったのではないか。
外交儀礼に反するとしても、そちらのほうがマシだと中国は判断したということではないだろうか。

もっとも、我々日本国民にしたところで、会談をして変な約束をされたりしないで、本当によかった。

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May 23, 2005

中国の抗議

靖国参拝や教科書問題「目にしたくない」…胡国家主席(読売新聞5月22日=YOMIURI ONLINE)
靖国参拝中止を要求 胡主席、与党幹事長に(産経新聞5月22日=Sankei Web)

北京訪問した与党自民党・公明党の幹事長と中国・胡錦涛国家主席と会談した。
お決まりの三点セットだが、中国側から「(1)日本の指導者層の靖国神社参拝(2)歴史を美化した教科書(3)台湾に言及した日米両政府の共通戦略目標-を挙げ、批判した。」という。
だが、同時に「中日関係の友好発展は両国の根本的な利益にかなう」と胡主席が述べたとされている。
どうも、定例業務として批判はしたが、今は友好方針をとるという表明のように思える。
実際、武部幹事長は、そのいずれをも受け入れる姿勢を示さなかった。

以前なら、すぐに土下座していたところだろうが、こういう態度を示されては、中国としても、それ以上、強くつっこむこともできないというところだろうか。
これも、小泉外交の成果の一つだろう。
表面的な抗議をとりあげて、反日勢力は騒ぐであろうが、怯むことなく、外交を繰り広げていってほしい、

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May 19, 2005

歪んだ正義感

やはりこういう事態を招いた。→尼崎脱線事故:JR西社員への嫌がらせや暴力行為相次ぐ(毎日新聞5月19日=MSN-Mainichi INTERACTIVE)

道徳心や自制心、公共心というものを失うような教育をしてきたことも問題だが、マスコミの執拗かつ無意味なバッシング──JR西日本が悪であるとの報道がこれを生み出したといえるだろう。
時を同じくして、ニューズウィークの誤報問題が発生している(→読売新聞5月19日)。こちらは誤報だが、少なくとも16人がこの記事を原因とした暴動により死亡したといわれている。
日本のマスコミのJR西報道は誤報ではないが、歪報道であり曲解報道だ。その悪質さは誤報とほとんどかわりあるまい。

このJR西日本の社員への「報道被害」について、マスコミは何も反省することはないのであろうか?
少なくとも、こうした暴力をやめるように啓蒙報道をする責務があるのではないか。 恥を知ってもらいたい。

Posted at 23:59 in 社会 | WriteBacks () | Edit

人権って何だ?

受刑者処遇法が成立 模範囚は外泊も容認(産経新聞5月18日=Sankei Web)を見た。
すっかりノーマークだったがこんな法案が通っていたとは驚きだ。
確かに、監獄法は古い法律で改正が必要な部分はあったし、受刑者の虐待などあもっての他である。

だが、「模範囚で刑期の3分の1を超えるなど、一定の要件を満たす受刑者の外出や外泊を容認」というのは理解しがたい。 ただでさえ、アジア諸国の収監者には(彼らの本国の生活に比べて)待遇がよくて罰にならないとまでいわれているような状況である。 刑を終えてない受刑者はまだ贖罪を終えていない。人権は制限されていて当り前である。 ましてや、被害者の立場だったらどうであろうか。

犯人ばかりが人権を保護される悪弊が、またも繰り返されている気がする。

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May 18, 2005

何をしても叩かれるJR西日本

尼崎事故「公言禁止」文書を配布、車掌ら押印させる(読売新聞5月17日= YOMIURI ONLINE)という記事が出た。
プライベートまで含めた自粛要請と、事故の公言禁止という内容である。
この記事では、この公言禁止をまるで、事故の隠蔽工作であるかのように表現している。
しかし、JRの職員が事故の事を世間話であるかのように話をして、反感をかっているという事実(投書)もあった。
話題に出すことを自体を避けるべきだという判断は全く不思議ではないし、そのような風潮をつくりだしたのは当のマスコミであろう。
公言しても叩く、公言しないようにしても叩く。
結局、JR西は何をしても叩かれるだけではないか。

さらに、同内容を報じたJR脱線事故 「社員は公言自粛を」 列車区長名 文書配布、誓約求める(産経新聞5月17日=Sankei Web)では“ある関係者は「『不適切な事象』が相次いだのは、ある意味で会社の体質。社会からの批判を避けるため、個々の社員に署名・捺印を強要するのはおかしい」と批判。「上から社員を抑えつけようとしている」と反発している。”などと結んでいる。
このある関係者は、内容からしてJR西の社員、おそらくは労組関係者なのだろう。 確かに、本来、自粛とは「自ら」行うものであって、要請する自粛というのはおかしくはある。だが、要請しなければならないような行動をしてきたのは社員に他ならない(個人旅行まで叩くようなマスコミの姿勢はおかしいと思うが)。
そして、そういった行動をしたのが「社員」自身であり、社員もまた会社の体質の一翼をなしているというのに、すべてを管理側の責任にするような、この発言はどうであろうか。
これこそ、JR西の悪しき体質であろう。
国鉄から引きずる労使の状況を改めなくては、会社の体質改善など不可能に違いない。

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May 17, 2005

小泉外交のしたたかさ?

小泉首相:靖国参拝「他国が干渉すべきでない」 予算委(毎日新聞5月16日=MSN-Mainichi INTERACTIVE)によれば、小泉首相は「他国が干渉すべきではない。戦没者に心からの追悼の誠を捧げることがなぜいけないのか、理解できない」「いつ行くかは適切に判断する」と発言したという。
これは、靖国神社参拝への中韓(+北鮮)の干渉によって参拝を左右しないという意思表示であり、今年も参拝するという姿勢のあらわれだ。

先のバンドン会議における小泉首相の“謝罪”は国内右派から批判されたが、もし、今回の発言までセットで、あらかじめ考えられていたのだとすれば、大変、したたかな外交だったということになる。
つまり、“謝罪(あくまで村山談話を引いた形だが)”により(また、過激化により社会不安=反政府活動に繋がることをおそれ)中国政府は反日デモを徹底して封じるようになった。
それを確認した上で、小泉は靖国参拝カードが外交カードにならないというメッセージを発するとともに、参拝を続けると表明したのだ。
中国は反日デモを再開させようにも、それが“鎮圧”できるという実績を示してしまったために、今後、反日デモを発生させることは、“政府の策謀”ととられるか“政府治安能力の低下”ととられてしまう。
また、仮にデモを発生させても、日本側はカードとしないことを明言したため、反日デモの要求を満たす“落としどころ”がない。となれば、デモが激化・広範化し、社会不安──反政府活動に繋がっていくおそれが高くなる。

これで、小泉は中国を自縄自縛に追い込んでしまった。
あとは、小泉がこの方針を貫ける人物だと見ているかどうかによって、対応が分かれるであろう。

それにしても、この小泉外交、計算尽くなのだろうか?? 今ひとつ断言できないが、首相たるもの結果を出してこそであるから、まあ、いいか。

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May 16, 2005

米牛肉輸入解禁上等

米国産牛肉の輸入解禁が話題になっている。
若齢牛を検査しないという米の方針のまま解決されることに、不安の声があがっているし、米の圧力に屈したという批判もされているようだ。
が、私は解禁しても全くかまわないと思っている。

まず、若齢牛の検査というのがあまり意味がないというのは事実であるらしい。
であるならば、禁止するというのは確かに無理がある。関税障壁とみなされてもやむをえない。

一方、国産牛のほうは、全頭検査を続けるという。
それならそれでいいではないか。
きちんとした表示さえしてくれるのであれば、消費者は「高くても安心」「安くて不安」のどちらかを主体的に選択するだけである。

だから、輸入を解禁しても構わない。
その結果、米牛肉が売れるのか、売れないのか。
消費者に任せればいいだけの話ではないか。
それで、もし、米牛肉の方が売れるのであれば──しかたない。消費者は、多少のリスクはかまわないと判断したのだ。
それもまた、自由経済ではないだろうか。
そして、選択の自由を与えるかわりに、リスクは消費者が追う。
それが規制緩和の実態でなくてはならない筈だ。

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May 13, 2005

頑張れ、呉市海事歴史科学館

戦艦大和の展示、見直しを 「戦争美化」と市民団体(京都新聞5月11日=京都新聞電子版)という記事が共同通信より配信されている。
大和の1/10模型などを目玉とする呉市海事歴史科学館(大和ミュージアム)に市民団「ピースリンク広島・呉・岩国」(世話人・湯浅一郎氏ら)が、“軍事技術中心の展示は「戦争を美化する危険性がある」”として展示内容の見直しを求めたという。
広島は左翼団体の力が強いので、こうしたことがあるのではないかと思っていたが、案の定であった。

しかし、軍事技術中心の展示のなにがいけないのか。
海外を見回しても、軍事技術中心の展示は当たり前であるし、かつて日本人がこうしたものを作り上げたのだというものを展示するのには歴史的意義もある。
戦艦・大和は世界最大の戦艦として後世に語り継がれるものであるし、零戦は初期において亜細亜・太平洋上空を制圧し、有色人には優秀な航空機などつくれないという偏見を吹き飛ばした機体である。その技術は日本人が後世に、世界に誇っていいことだ。
それに「戦争を美化する“危険性”がある」というのであれば、この市民団体の申し入れには「言論の自由を抑圧する“危険性”がある」という言葉をお返ししよう。
こんなあいまいな言葉で“圧力”をかけるほうが間違いだ。
呉市海事歴史科学館には、不当な圧力に負けず、本来の姿を貫いてほしい。

それにしても、そんなに「軍事技術」の展示がいけないというのであれば、当時の最先端の技術が用いられた軍事拠点である城郭や、たたら製鉄という特殊技術を用いた日本刀、槍といったもの、そして甲冑の展示も「戦争を美化する危険性がある」のではないだろうか。
ただ、寡聞にして、この団体が姫路城や各地の美術館に「戦争美化の危険性がある」と抗議したという話は聞いたことがない。

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May 12, 2005

天下り是正抜本策

天下り是正 省庁に「専門職」新設 特殊法人改革へ布石 政府方針(産経新聞5月12日=Yahoo! NEWS)という報道が出た。
既にエントリで触れているとおり、天下りの最大の要因は、中央官庁の独特の人事制度、早期退職にあると私は考えている。
今回、政府はその早期退職に手をつけることで、天下りの「供給」を絶とうというわけだ。
また、規制緩和・財源地方移譲をすすめることは、中央官庁の権限を縮小することでもある。つまり、天下りの「需要」を絶つことに繋がる。
この2つをすすめてるということは、天下りを是正する抜本改革を行おうとしていることだ。
そして、その目指すところは、官僚支配といわれる現状の行政体制の打破であろう。

しかし、それだけの意味をもつこのニュースの扱いは、あまりに小さい。
見識がないのか、それとも、天下りに原因は官僚が悪だからという今までの世論操作に反す上、小泉政権の功績と評価されそうな事は、極力報道したくないという意思のあらわれであろうか。

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May 11, 2005

日本人傭兵

イラクで新たに日本人1人が拘束されたという声明がイラクテロ組織から発表された。
今回、従前のケースとは異なり、イラクで武装警備を行っている人物が襲撃されたという。
パスポートが公開されたため、身元が特定されたが、それによれば陸上自衛隊第一空挺団という精鋭部隊を経て、フランス外人部隊で20年以上勤務したという。おそらく、実戦にも参加しているだろう。
今回のイラク入りも「警備員」ということになっているが、軍用小火器を携帯し、イラクテロ組織と「戦闘」をしている。これは、事実上、米軍基地の警備部隊(それも軍レベルの)であることを示している。つまり、まがうことなき傭兵である。

さて、なにか的外れの論評が報道されているようなので、なぜ、米軍がイラクで傭兵を使っているかを解説しよう。
正面兵力を維持するためには、補給・整備や通信、後方基地の警護など様々な後方支援が必要となる。かつて、第二次大戦当時は正面兵力の3割を後方支援に割く必要があったといわれ、現代では、これが4~5割。将来的には6割に達するともいわれている。 つまり、1万人の兵力を投入しても、実際に正面で戦っているのは5千人、などということになっているわけだ。
一方で、陸軍兵士においても、装備のハイテク化や、それに伴う教育の高度化により、軍を維持するためのコストははねあがる一方である。
予算は有限であるから、同じ予算であれば、高額装備(兵器)を減らすか部隊数を減らすしかない。が、国際世論上、民間人を巻き込まないために精密兵器(高額兵器だ)の配備は欠かせず、国内世論上、戦死者を最低限に抑えるための高性能兵器の配備も欠かせない。つまり、米軍は部隊数を減らすしか手がないのである。
そこで、米政府が考えたのが、後方支援を「アウトソーシング」することだ。後方支援ならあまり装備も高度な教育も必要とされないから、雇いものでも十分。そして、金のかかる常備軍はすべて正面兵力に回せる。
1万人の常備兵力はすべて正面へ、後方支援の1万人はアウトソーシングで。
これで、普段の軍事予算を抑制しながら、戦時には最大限の戦力を発揮するというのが米軍の近年の「改革」だったのである。

つまるとこと、今回の日本人は、アメリカの傭兵としてイラクに入り、傭兵部隊として戦闘して捕虜になったというだけの話である。
日本政府に問題があったわけでもないし、自衛隊がいるから捕虜とされたわけではない。まさに自己責任だ(家族もイラク政策を変えることなく、揺らぐこともなく、兄の件とは別に主体的に(自衛隊が)イラクにいるべきかどうかを考えてほしい。いるべきと思うなら、日本政府を支持します」とこたえており、非常に立派な態度である)。
そのためか、今ひとつマスコミの報道も盛り上がっていない。
ただし、日本政府は、政府の義務として、捕虜解放に努力すべきであるし、“雇い主”として米にも最大限の協力を要求するべきであろう。

ところで、襲われた十数人の中から“日本人”をわざわざ選んで捕虜にしたのではないかという意見もある。
が、私はこの見方はとらない。
戦闘に勝利したといっても、増援の米軍が迫っており、時間的に切迫していたはずだ。戦闘直後?に日本人だと確認して(韓国人かも中国人かもしれないのだ)、彼だけを残して──などという回りくどいことができたとは思えない。
むしろ、彼の年齢と、経歴(仏外人部隊では中隊長だったという)から考えると、この“部隊”の指揮官だったのではないだろうか。
つまり、指揮官だから、捕虜にされたわけで、日本人だからではないと思われる。 従って、この事件をむやみに自衛隊に結びつけたりするのは、この事件の本質を理解することを妨げるだろう。

■追記
報道によると、外人部隊時の最終階級は曹長ということになっているようだ。だとすると、中隊長という説はあやしくなる。
ただし、曹長だとしても、ベテラン下士官(一般的にも分隊長~小隊長クラス)であり、一部報道によれば第2落下傘連隊(仏軍全体でも最強といわれるエリート部隊)に所属していたという。 今回、指揮官であったのではないかという見解は変更しない。

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May 10, 2005

勉強に楽しみは必要ない

新しい教科書では、歴史教科書ばかりに関心が集まっているが、他の教科書ももちろん、改訂になっている。
そこでは、カラーページを増やしたり、版形を大きくして図版を増やしたり、流行作家や歌手を題材にしたりするなどしている。
曰く「楽しく」学ばせるためだという。
しかし、“楽しさ”は、勉強に必要なのだろうか?

楽しいことを一生懸命にやるなんてことは、当り前だ。
ゲームでも趣味でも、そんなことは熱中できる。
しかし、“学問に王道なし”という。つまらないことでも、勉強することに楽な道、近道はない。苦しくてもコツコツと積み上げていかねばならないといういことだ。
楽しくなくてもやらなくてはならないことがあり、それを積み上げていかねばいけないということ自体が教育なのではないだろうか?

社会人になった時のことを考えてみよう。
大部分の人にとって、仕事は苦しいだろう。だから、ストレスに関することがあれだけ話題になるのだ。
そこに、「楽しいこと」しか知らずにきた学生が入ってきたらどうなるのか?

仕事でも勉強でも、人が動くのにもっとも強い動機は「楽しみ」ではない。「やりがい」である筈だ。
その「やりがい」がなんであるかは人それぞれで構わない。
だが、苦しいこと、辛いことの中にも「やりがい」がある。だからこそ、苦しいこと、つらいことを続けていける。
そうしたことを学ぶこともまた、教育であり、社会に通用する人間を育てていくことになろう。

今の“勉強”とやらの有り方は、子供に媚びて表面上の学力を伸ばそうとするばかりで、教育にはなっていないのではないだろうか。

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May 09, 2005

公然と男女差別をする毎日新聞

女性専用車両:首都圏私鉄9社など 通勤時間帯に一斉導入(毎日新聞5月9日=MSN-Mainichi INTERACTIVE)という記事が出ていた。

この記事には男女差別丸出しといっていい。
「新聞や雑誌を読み捨てる人はいない」などと、男がそうしたことをすると決め付けるだけでなく、私立高校2年生の言葉として「嫌なにおいがしないだけでも救われる」ときたものだ。
女子高生がこういうことを言ったとしても驚きはしないが、それをそのまま記事にのせてしまう神経を疑う。
これは、男女差別ではないのか?
合田月美という記者の考えがよく透けてみえるではないか。

痴漢問題は確かに解決しなければならない問題だが、同様に痴漢冤罪問題も解決しなければならない問題だ。
電車を利用する身としては人事ではない。むしろ、男性専用車両をつくってもらいたいくらいだ。
そして「長髪を振り回す人はいない」「変な香水のにおいがしないだけでも救われる」とインタビューされたらこたえたいものだ。

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