Sep 29, 2004

第二次小泉内閣と自民党

 第二次小泉内閣自民党新三役の体制が発足した。
 今回は、これを自民党内力学の観点からまとめつつ、眺めてたい。

 今回、最も厚遇されたと受け止められているのは、山崎派である。  落選・浪人中の山崎拓が首相補佐官に任じられ、古賀氏辞職に伴う補欠選挙へのアシストを行うとともに、大臣ポスト2~3に匹敵するといわれる幹事長を手に入れた。
 防衛長長官にも同派の大野功統氏が起用されているが、これは念願の初入閣(当選6回)を満たしつつ、大きな転換期を迎えている防衛政策において小泉首相と同じ考え(党内右派)という巧みな人事というべきだろう。

 また、自派である森派の伸長も著しい。
 閣僚数を3から5に伸ばしている。
 ただ、法務・南野知恵子(参院3期)、環境・小池百合子(留任・4回、参院1期)については女性閣僚という意味合いでの登用で、これは他派への言い訳になるのだろう。
 注目は外務・町村信孝だ。就任早々から果敢な発言をしており、手腕が期待される──腰砕けにならないといいが。

 高村派は14人という小派閥ながら、村上誠一郎が入閣、閣僚ポストが復活したので、まずは勝ち組といえるだろう。
 また、15人の小里派が留任で財務・谷垣禎一孝、11人の河野グループも総務・麻生太郎が留任というところは、相応といえる。

 堀内派は国家公安委員長・村田吉隆の一人にとどまった。
 閣僚数がかわらず、党三役を失っているため、「降格」ということになろう。
 この派の実力者であり、反小泉の古賀誠に対する意趣返しということか。
 また、領袖・堀内光雄と古賀の間に確執があるといわれている上、伝統的に“お公家集団”と揶揄される喧嘩下手の派閥であるから、舐められているということかもしれない。

 ある意味で負け組筆頭なのは二階グループ(旧保守新党系)。  自民党に合流したことで、選挙は戦えたが、案の定、党内では全く存在感を示せずに埋没。扇・海部という全国的に名の通った看板はいるものの、グループとしての解散は間近だろう。

 一方、亀井派は、1つポストを失い、経済産業・中川昭一(留任)と農水・島村宜伸となっている。
 島村の入閣で、最低限の面子は保てた亀井だが、自身の入閣・三役はならなかった。
 これで、小泉・亀井密約も期限切れになったらしく、亀井は反小泉活動を再開する模様だ。
 ただし、亀井派は旧中曽根(江藤)系と亀井系の間に亀裂が生じている。
 そもそも亀井グループは三塚派が森派になる際に対立して分派したグループであるため、今の小泉=森派とそりがあうわけはなく、常に反小泉予備軍という存在だ。
 だから、いっそ最初から冷遇してしまうというのは、ありえる手である。
 また、同じく旧中曽根派である山崎派を優遇することは、旧江藤系に対して、亀井系との分断をうながすサインと読むのは、うがちすぎだろうか。
 そうなれば、亀井が反小泉行動を激化させようとしても、派内対立で動きがとれないということになるからだ。

 さて、“最大派閥”の旧橋本派である。
 実は冷遇されているという印象を与えているが、閣僚ポスト自体は1人増で、厚生労働・尾辻秀久(参院)、科学技術長長官・棚橋泰文、金融・伊藤達也という布陣だ。
 しかし、“順当”といえるのは参院枠の尾辻のみである(青木参院議員会長への最低限の配慮か?)。
 伊藤は当然4回の43才、棚橋にいたっては3回の41歳という若手議員であり、旧橋本派が望んでいたであろう入閣待望組(例えば青木参院議員会長が推薦していたという額賀福志郎前政調会長)とは全く異なる。
 派閥の“うまみ”は「金とポストの分配」にあるのだが、こと旧橋本派については、そのポストの分配機能を不全にしてしまった。
 「旧橋本派のポストを増やしました」というエクスキューズを用意しながらも、実際には、旧橋本派を無視しているという、そういう人事だ。
 こんな人事を可能にしたのは、やはり、日本歯科医師会から旧橋本派への1億円ヤミ献金事件であろう。
 これにより、橋本龍太郎は派閥会長から退くことを余儀なくされる一方、新しい派閥会長が決まらない迷走ぶり。さらに、組閣直前の27日には、元官房長官の村岡兼造被告とを在宅起訴、野中広務元幹事長が起訴猶予ということになった。
 さしもの旧橋本派も、これでは“自粛”するしない。
 そして、仮に反小泉で活動して、首相を追い詰めれば、解散できって返され(かつて、大平総理がこうした行動をしたことがある)る可能性があり、こうした疑惑の中では、多くの落選を生みかねない。従って、旧橋本派あまり強く出ることができないというわけだ。
 こうなると、27日の起訴、起訴猶予のタイミング自体、小泉に都合が良すぎる。
 あるいは、彼(もしくは側近)による日付の指示があったのではないだろうか。

 さて、こうした一方、自民党筆頭副幹事長には旧橋本派・佐田玄一郎(当選5回)、衆院議院運営委員長・川崎二郎を充てた。佐田・川崎は郵政民営化反対派の有力議員であり、これは郵政民営化で暴れないようにするための取り込みであると思われる。
 また、国対筆頭副委員長には旧橋本派・小坂憲次(当選5回)、経理局長の堀内派・岸田文雄は留任。国民的人気の高い安倍晋三前幹事長は降格ならが幹事長代理に就任させている。

 こうやって通してみると、なかなかしたたかな人事といえよう。
 反対派を懐柔するよりも、味方派を多くすることに留意し、かつ、反対派に対するエクスキューズや縛りも準備しているからだ。
 これならば、大きなスキャンダルがでない限り、小泉政権は任期満了まで続きそうだ。

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Sep 28, 2004

平和維持と安保理

 なぜか、大きく報道されない記事を一つ。

平和維持に大きな役割…日本の常任理入り支持 比下院(産経新聞9月26日)

 フィリピン下院は25日、日本の国連安全保障理事会常任理事国入りを支持する決議を22日に満場一致で採択したと発表した。

 決議は「日本は国連予算の大口拠出国であり、紛争国への援助計画や陸上自衛隊などの派遣を通じて国連の平和維持活動に大きな役割を果たしている」と評価。日本が常任理事国になれば世界は「平和維持事業への(日本の)継続的な関与」を期待できるとした。

 デベネシア下院議長は常任理事国入りを目指す日本の姿勢を「正しく、十分正当化できる」と述べ、東南アジア諸国連合(ASEAN)加盟各国などに日本支持を呼び掛けた。
(共同)

 この決議では、明確に陸上自衛隊派遣を「国連の平和維持活動に大きな役割を果たしている」と評価しているようだ。その上で、「平和維持事業への(日本の)継続的な関与」を期待できるとしたという。

 普段、あれだけありがたがるアジアの国からの日本の軍事に対する評価であるのに、朝日や毎日といった新聞が沈黙しているのはなぜであろうか?
 どうやら、“アジア”とひとくくりで、「軍国主義の復活を懸念し、自衛隊派遣に反対している」という彼らの報道とは異なる事態が起きているようだ。
 報道というものは、仮に“報道されているもの”が真実だったとしても、取捨選択の時点で既に報道者の主観が入りうるといういい教材だろう。

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Sep 27, 2004

中国人の言いがかり

時事通信9月26日の記事より。

日本での新製品発売にも抗議=柳条湖事件の日で反発、「反日」過熱-中国

 【北京25日時事】満州事変の発端となった柳条湖事件73周年に当たる今月18日、キヤノンが日本国内を対象に新型デジタルカメラを発売したことに対し、中国国内でクレームが相次ぎ、北京の日系企業に困惑が広がっている。
 中国の日系企業は柳条湖事件のほか、8月の終戦記念日(抗日戦勝記念日)や7月の盧溝橋事件の発生日など「反日感情」が高まる日に中国国内で大規模なセールスなどを行うことを控えているが、「日本国内の動きにまで細心の注意が必要になった」との懸念が出ている。
 キヤノンのケースではインターネット上で「こんな日に発売するな」と中止を求める書き込みが相次いだ。現地法人「キヤノン中国」(北京)にも電話の問い合わせが2件あったという。

 いや、中国国内や中国向け製品の発表であれば、百歩譲って受け止めても良い(それでも納得しがたいのだが)。
 だが、日本国内向けの発表にまで、文句を言われる筋合いはない。ただの言いがかりだ。
 確かに「声をあげている」のは一部に過ぎない、という見方はできる(サイレントマジョリティの意見は別、ということ)。だが、こうしたことで抗議をする事例は、中国以外に聞いたことがない。
 この報道文面からすると、以前は中国からも、このような抗議はなかったようだ。

 江沢民の反日教育は、中国共産党が一九九四年九月六日付の人民日報に発表した《愛国主義教育実施綱要》にあるとされており、そこから十年。
 “反日原理主義”は着実に教育の成果をあげ、その教育を受けた若年層を中心に強固にその根を降ろしたといえるだろう。そして、その年代が、今後の中国の中核になることはいうまでもない。

 今後、日本の企業は、あまり中国に深入りすることは避けたほうがよいだろう。  中国十数億の“潜在マーケット”を手に入れるどころか、“反日”で全てを失いかねないからだ。

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Sep 24, 2004

iswebライト(無料)仕様変更

infoseekからメールがきていたので、なにかと思ったら、メンテナンスのお知らせだった。
これによりiswebライト(無料版)のCGI動作が変更され、「CGIで作成したファイルもFTPソフトで削除できるようになります」ということである。

これまで、CGIから生成されたファイル(ライトバック・コメントやwikieditishからの新規投稿など)は、ユーザー権限の問題で、FTPからは削除できず、CGIでのファイル操作ソフトGMW-manager(Going my Wayさん)や、iswebのファイルマネージャー機能などを利用して削除を行っていた。

しかし、今回の改訂でFTPから管理できることになり、操作性が向上することになる。嬉しい改訂だ。
……あとは、trackbackがCGIからうてるようになってくれるとありがたいのだが(^^;

なお、このメンテナンス作業に伴い、2004年09月30日(木)AM 03:00 ~ 2004年10月01日(金)AM 03:00 は、当Blogにはアクセスができなくなりますので、ご注意下さい。

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Sep 22, 2004

米国特許制度の破綻

 「Tabキーでリンクを探す」技法の特許、MSはどう使うのか?(Itmediaニュース9月13日)というニュースが報じられた。  この特許はMicrosoftが1997年3月に出願したもので、「ユーザーは、キーボードを使用してハイパーリンクを発見し、それらの間を移動することができる。例えば、ユーザーがキーボードのTabキーを押すと、ハイパーテキスト文書内にある最初のハイパーリンクが発見され、そこに移動することができる」「Tabキーで画像のプレースホルダとなるリンクを指定して、その画像をダウンロードするか否かを決定する」こともできると記されている。

この特許が、多くのブラウザに該当する広範囲になることはいうまでもない。
しかし、ハイパーリンクはともかく、タブキーで「次の項目」に飛ぶというのは、汎用機時代以来、広く普及している技術であり、この特許の成立自体に疑問が残る。
だが、米の司法制度では「特許を法廷に持ち込む手段として誰かを提訴できるのは、特許保有者だけだ。例外として、特許所有者が誰かを『訴える』と脅した場合、脅された側が訴訟に持ち込むことはできるが、特許所有者から脅されない限り、その特許を法廷に持ち込むことはできない」となっているらしい。
つまり、MSは、この特許を保有しているだけで、同種ソフトに牽制と圧力をかけることができるというのだ。

 本来、特許制度とは、新規で有用な技術の公開を促し、かわりに、一定期間その技術を独占的に使用できる権利を付与する制度で、研究活動を促進し、産業の発展につながることを目的としている。

しかし、米国の特許制度とは、その目的とは大きく異なった運用をされているようだ。
かつて、米では出願中の特許案件を公開する制度がなく、審査期間に関わらず「成立時」から特許が17年間有効とされていた。
そこで、再提出を繰り返して意図的に成立を遅らせて、技術が普及してから特許を成立させ、莫大なロイヤリティを稼ぐという“サブマリン特許”が大きな問題になったのである。
だが、1995年の改正で有効期間は出願日から20年とされた(ただし、法改正以前の出願案件については以前の制度が適用される)。
また、2000年の改正で、アメリカでも諸外国と同様に、出願から十八ヶ月で公開されることになったのだが、これは、国外へ出願するものに限られる。
つまり、どうせ諸外国では公開されてしまうから、それに合わせただけなのだ。
国際的にも巨大マーケットである米国内での特許については、相変わらず成立するまで非公開という“恐怖”がつきまとう。

そして、もう一つの問題点が特許を認める要件だ。
国際的な「先願主義(先に出願したものが権利を得る)」に対して「先発明主義(出願の順とは関係なく、先に発明したものが権利を得る)」を採用しているだけでも齟齬があることや法的安定性を欠く(特許が成立しても、他社が「先に発明した」ことを立証できれば、特許権者が変更されてしまう)という問題がある。
更に、米の特許での発明の要件が「有用的(useful)、実体的(tangible)、具体的(concrete)」であり、日本などに比べると格段に“ゆるい”要件なのだ。
そのため、ごく当たり前で進歩性を認めがたい特許まで成立してしまっている。
これをひっくり返すには、既知の技術であることを証明しなくてはならない。 だが、その法廷闘争を行うためには、前述の条件が必要……。

どうも、米国の特許制度は、思いついたこと、目に付いたことをできるだけ申請し、それで濡れ手に粟(今回のMSの特許のような“知的所有権”の出願には技術的実装は伴わなくてよい)でロイヤリティを獲得しようとしている手助けにしかなっていないようだ。
もはや、産業の促進ではなく、産業の阻害にしか米の特許制度はなっていない。
各国は大国・アメリカといえども、臆することなく、特許制度を国際基準でグローバル化するよう、圧力をかけ続けるべきであろう。

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Sep 21, 2004

写真の現実と真実

 米報道写真家、エディー・アダムス氏死去 71歳(産経新聞9月20日)という記事があった。
 同記事中には、69年ピュリツァー賞受賞作品も掲載されている。彼がベトナム戦争中の68年、サイゴン(当時)でテト攻勢を取材中に南ベトナムのグエン・ロアン国家警察長官が、捉えたベトコン青年を白昼堂々と射殺する瞬間を撮影したものだ。
 これは、ベトナム戦争に対する反戦論を大きく盛り上げた写真として有名である。
 ちなみに、戦争後、ロアンはアメリカに亡命し、レストランを経営して余生を過ごすのだが、この事については黙して語らなかったという。
 確かに、この写真は言い訳のできぬ“事実”を克明に記録している。

 が、より詳細な報道をみてみよう。
 丁度、ピュリツァー賞写真家のエディ・アダムス氏が死去(CNN Japan 2004/09/20)という記事があった。
 ここでも同じく『ベトナム戦争の大義に疑問を投げ掛け、世界中に衝撃を与えたこの写真は、戦争反対の米国世論形成に多大な影響を与え、戦争を公に批判する声が高まった。』とされている。
 しかし、『アダムス氏は後年、この写真の影響力に抵抗を感じるようになり、スタジオに飾ろうとはしなかった』と続く。
 更には、『処刑された若者がベトコンの指揮官で、射殺される数時間前にグエン・ロアン氏の側近の家族を殺害したいたのだと説明し、「彼(グエン・ロアン)はヒーローだった」と主張していた。』『時によって、1枚の写真が誤解を生むことがある。写真は、物事の持つすべての物語を伝えないから」「彼(グエン・ロアン)の行動が正しかったとは言わない。しかし戦争中のことで、彼はかなり凶悪な連中と戦っていたんだ」と語った。』

 影響力のある写真を撮った彼だからこそ、言葉に重みがある。
 一枚の写真には、その瞬間の事実は伝えているが、その枠外にある真実までは伝えてくれない。
 数多く示される様々な“証拠写真”も、必ずしも事実の全てを、真実を移しているとは限らないということを、(ほとんどの場合は)受け取り手である我々も、常に考えておかねば、時には誤解を、そして、時には送信者側の故意のレトリックにはまってしまうだろう。

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Sep 17, 2004

既得権者vs新規参入者

プロ野球の新球団に名乗りをあげた、ライブドアと楽天の加盟問題は、既得権者vs新規参入者の問題ととらえてみることも可能だろう。
既得権者(=従来の球団)はスクラムを組んで、新規参入者をブロック。彼らが思う方向に業界をもっていこうとしている。
これに対して、新規参入者(=ライブドア、楽天)は、業界への参入を訴え、構造改革を訴える。

しかし、ベンチャーとして成長した新規2社は、まさに、そうした既得権者と戦って、現在の地位を築いたわけであり、既存球団側が思っているほど甘い存在ではない。
それを、実際に知らしめたのが、先日のライブドアの会見(産経新聞9月16日)だろう。

この中で、本拠地に仙台を選んだことに、堀江社長は「(受け入れを)早く決断してくれたから。(来季から参入するために)スピーディーに話を進める必要があった」としている。しかし、それだけではあるまい。
100万都市であり、競合球団もなく、マーケットとして勝算があること。
野球熱が高いこと。
そして、なにより、“行政を巻き込める”こと。
早速、宮城知事も会見を開き、バックアップを約束している。
こうなると、既存球団側も、そう無碍にはできなくなるだろう。

しかも、来季、ライブドアに多少の不備があって参入できなかったとしても、もはや悪玉は既存球団側で決定している。悪くいわれることはあるまい。
最悪、来々季の参入を取りやめたとしても、7:3以上で既存球団側が“悪者”になるだろう。
もはや、ライブドアには(球団経営で赤字がでるとかの問題は別にして、企業イメージの観点からは)得にしかならないという状況をつくりだしている。

このしたたかさ、ライブドアや楽天を「たかがベンチャー」と過小評価していると、既存球団は足元をすくわれることになるだろう。

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Sep 16, 2004

世界人口の増大

国連人口基金によれば、世界の人口は63.7億人。このままいけば、50年後には89億人に達すると発表した(世界人口63・7億人、2050年には89億人に(産経新聞9月15日))。
白書によれば、人口増加の8割以上は開発途上国の貧困層で『富裕層による大量の資源消費と、(貧困層の)人口増加が、地球環境への負荷の増大の一因になっている』とされている。
貧困国での人口増加は、更なる貧困を招き、また、食料不足なども深刻化させているから、事態は深刻だ。

いっそのこと、日本は大枚はたいてODAを行うより、同じ金額で日本が世界に誇る品質をもつコンドームを途上国に大量無料配布してはどうか?
そのほうがよほど世界に貢献できそうだし、人口抑制という形で、間接的ながら効果的な貧困国への援助になりそうだ。

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Sep 15, 2004

死刑執行

14日、大阪教育大付属池田小(大阪府池田市)の児童殺傷事件での宅間守死刑囚と、熊本県内などで暴力団組員3人を殺害した島崎末男死刑囚の死刑が執行された。

刑事訴訟法では死刑は確定後、六ヶ月以内に執行することとなっている。
しかし、実際にはそんなに早く執行されることはなく、再審請求などもあいまって、確定から執行までは7、8年。早くても4年余りでの執行で、宅間死刑囚のケースはこれよりさらに早期の執行で、ここ10年間で最短という(→読売新聞9月14日記事)。
また、死刑制度に対する批判などのためか、任期が短かった場合を除いても、赤間文三、倉石忠雄、高辻正巳、左藤恵、田原隆、高村正彦といった法相は執行命令書にサインしていない。

そんな中、今回、サインした法務大臣はというと、野沢太三氏。
プロフィールからみると、なんと工学博士で旧国鉄の技術畑出身である。1986年の参議院選挙比例区で当選した鉄道族議員といえるが、どうして技術畑の人間が擁立されたのかを考えると、色々と想像をめぐらせてしまいますねぇ。
閑話休題。
さて、野沢法相は70歳で引退という自民党内規に従って、2004年7月の参議院選挙に立候補せず、既に議員ではない。従って、次回の内閣改造では大臣を外れることが決まっているし、政界引退ということになる。

以前からも、論争を避けるため、国会閉会中に執行命令にサインするのが通例となっているのだが、今回はさらに法相引退・政界引退間近という“振り逃げ”のようなタイミングだ。
死刑の是非は立法論であるから別にして、こういうタイミングでしか死刑執行命令にサインができず、また、刑訴法違反が常態となっているということは、法的安定性を欠き、著しく不合理・非効率である。
刑訴法改正などを行い、現状と法をすり合わせることは急務であろう。

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Sep 14, 2004

韓国の極秘核開発

似たようなエントリが立て続けだが、また、新たな事実が浮上したので、しょうがない。
韓国は1982年にプルトニウム抽出も実験していたことが判明した。
これも、IAEA(国際原子力機関)には未申告なものである。
IAEAに近い外交筋はロイター通信に「政府出資の研究施設で政府系研究者が費用のかかる実験をしているのを政府がまったく知らなかったなんてばかげている」と述べたという。
更に80年代にも事前申告なしにウラン濃縮の前段階に当たる転換実験(金属ウランの生産)も行われていたことも明らかになった。

韓国は米国などの圧力で81年にプルトニウム抽出につながる核燃料再処理計画の放棄を宣言していたのだが、まるで表面だけの言い繕いだったということになる。

米国はこれらに対して、IAEAへの未申告を批判しつつ、核武装のための開発ではないというのを公式見解としている。
しかし、核開発を批難したリビアが抽出したウランは韓国よりも少量だったという事実がある。
アメリカも韓国擁護のため、苦しいダブルスタンダードを余儀なくされていると見るべきだろう。
北朝鮮に核放棄を迫ろうとしている今、これは悪影響だ。

つまるところ、単に韓国が核武装の意図があるかないかだけでなく、対北朝鮮外交にも大きな悪影響を及ぼす。
また、韓国が秘密裏にやっていたなら、日本もやっているのではないかという痛くもない腹を探られ、言いがかりをつけられることにもなりかねない。
日本にとって大きな影響があることなのだから、日本政府も日本のマスコミも、もっと大きくとりあげ、論じるべきである。

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Sep 13, 2004

トワーニ正式解散

 (株)トワーニが業績不振により解散とのこと。
 同社は映画制作会社で、庵野秀明監督の映画「キューティーハニー」の大不振により、解散決定ということらしい。
 同作は大宣伝をかましたのにもかかわらず、「下妻物語」の1/8、2億円程度の興行収入にとどまったのトドメの一撃になったらしい。
 ちなみに、同社のこれまでの政策映画は、「さくや妖怪伝」、「ドッペルゲンガー」、「天使の牙」。どれも、なんか宣伝していた記憶はあるが、見に行ったこともなければ、話題になったこともないような赤字映画群だ。
 これを見ると、解散もやむなしだろう。

 ちなみにTVで宣伝はやたらに見たよな、と思うとカラクリは、出資社にあった。日本テレビ(33.3%)/ワーナー・ブラザース(33.3%)/東芝(23.3%)/タイム ワーナー エンターテイメント ジャパン(10%)。
 つまり、日本テレビのお手盛りで宣伝してたわけですね。そりゃ、露出が多いわけだ。

 ちなみに“「トワーニ」とは、東芝とワーナー・ブラザース、日本テレビの頭文字を取ったもの。永遠(とわ)に発展するという意味が込められています。”ということだそうですが、本当に永遠になっちゃいました。
 名は体をあらわすということで……

 それにしても、庵野の実写映画はあたらないな。

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Sep 10, 2004

絶対可憐ブロギング

Blosxomで掲示板や投稿小説板など、ブログ以外のことを発想・実現されている、C-WWWの深沢さんが、また、新たなものを作成されました。曰く『絶対可憐ブロギング』です。

 漫画家の椎名高志氏のファンサイトを運営している深沢氏が、椎名氏の新連載漫画の話題を随時検索して表示・管理するページとしてテスト的につくったものだそうです。  内容的には、bulkfeed や feedback から検索した RSS の内容を1件単位にバラし、blosxom のエントリとして表示・管理しているとのこと。
 Blosxom自体はファイルのエントリ化という機能であることを生かした、見事な発想です。

この使い方は、今後の応用範囲が広いと思いますので、技術情報公開希望です。
ただ、動かせるCGIサーバが限定されそうな気がしますが……。

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Sep 09, 2004

韓国の極秘ウラン濃縮

 韓国が、極秘にウラン濃縮を行っていたことが判明したのは、一週間ほど前のことだ。

特にTVでは不思議と(いや本当は不思議じゃない、いつものようにだ)控えめな報道しかされていないが、これは重大問題だ。

 韓国は、政府が関与したことではないという言い訳をしている。
 しかし、報道される規模の濃縮を行うには、大掛かりなものとなり、政府が知らないなどということはありえない。
 しかも、軽水炉では3-5%でよい濃縮度を90%に近い濃縮度まで濃縮、通常は使用されないレーザー法を用いたものだった。
 そもそも、やましいことがなければ、最初からIAEAに申告した上で実験すればいいのである。
 『核開発疑惑で矢面に立たされるイランも過去に同じレーザー法で、韓国のケースより2けた少ない数ミリ・グラムの濃縮ウランを作った事実が明らかになっている。』ということからすれば、これは、韓国政府が核兵器のための基礎研究を行っていたとしか思えない。

 韓国が核を開発していたからといって、日本も核兵器開発をするべきだとか、軍拡をすべきだとか、そういう論に走るつもりはない。
 しかし、反米反日親北の“韓国世論”と重ねていけば、韓国は米国同盟から離脱し、独自路線をとるための準備であるように思えてくる。
 朝鮮半島南部にそうした国家が成立すれば、日本は安全保障上、重大な危機にたたされてしまう。
 もちろん、短期的には、北朝鮮との六カ国協議にも悪影響だ。

 韓国のウラン濃縮問題は、日本の国益上、極めて深刻な事態である。
 日本政府は、今からでも厳重な抗議をすべきだし、韓国の“同盟離脱”後の戦略について研究する必要があるだろう。

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Sep 08, 2004

カテゴリ名と表示順

Blosxom Start Kitには、categories改プラグインが同梱されています。
これはオリジナル(カテゴリごとのページへのリンク・メニューを表示するプラグイン)にkyoさんが「カテゴリの名前を任意に定義できる」という機能を付加したものです。

さて、通常、カテゴリのリストは、アルファベット順に並びます。
しかし、これだと思うような順番に並んでくれない場合があるでしょう。
その時に、この「カテゴリの名前を任意に定義できる」機能を応用することができます。

まず、任意の並びになるように、カテゴリ(フォルダ)名を調整します。例えば、一番最初にしたいカテゴリ名を“A_xxxxx"、二番目にしたいカテゴリ名を“B_xxxxx”、三番目を“C_xxxxx”などとしていきます。
その上で、プラグインの機能で名前をつけています。例えば、“A_xxxx = Delta”、“B_xxxxx = Alpha”、“C_xxxxx = Beta”というようにします。
そうすると、カテゴリの表示は元のフォルダ名(カテゴリ名)の順に並び、表示は別名になりますので、「Delta → Alpha → Beta」という順番で表示されます。

こうすることで、任意のカテゴリ名で表示しながら、任意の表示順にすることが実現できます。

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Sep 07, 2004

市民球団・広島カープ

プロ野球・臨時実行委でのオリックスと近鉄の合併の議決で、広島東洋カープだけが棄権した。出席した鈴木球団副本部長は「われわれはファン、地元の声を無視できない。親会社を持つ他球団のスタンスとは違う。ただ法的に機構もきちんとしてきている。反対とは言えないから、あえて棄権させてもらった」と理由を説明したという。
現在では正式には“市民球団”ではなく、マツダ(旧・東洋工業)を経営母体としているカープだが、他の球団のように親会社からの支援をうけているわけではない。
12球団唯一の球団による独立採算で経営を行い、まがりなりにも黒字を出している(らしい)。
他球団と比べて、収入面で恵まれているわけではない。グッズや観客動員の売上が高いわけではなく(むしろ観客動員は低い)、巨人戦の放映権料に頼っているところはセの他球団と同じだ。
だから、抑えているのは支出である。
広島はFA市場には手を出さず、また、自球団FA選手を高額で引き止めるようなことはしない。身の丈にあった選手年俸総額を守っている。
確かに、その結果として、広島は弱体化した。
しかし、このカープの経営姿勢こそが、本当の“球団経営”なのではないだろうか。

かつて、広島東洋カープが広島カープであった頃。
チーム廃止(合併)がほぼ規定路線であり、資金不足にあえいでいた球団を救ったのは広島市民だった。
新聞社や役所におしかけて廃止(合併)撤回を訴え、自身の生活に困窮してもカンパを行った。勝手連的後援会がいくつもでき、毎試合球場の前におかれた樽には多くのカンパがよせられた。
その記憶を、広島東洋カープは忘れていない。
プロ野球球団がファンによって支えられているのだということを、一番、知っている球団なのかもしれない。

巨人戦に収入を頼っており、それがなければ赤字になる(しかも、補充の宛がない)という経営上の問題を差し引いた上でも、今回の広島の“棄権”は、“球団”を“経営”している唯一のチームの見解として、非常に重い。

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Sep 06, 2004

プーチンの苦悩

ロシア南部・北オセチア共和国ベスランの学校人質事件で、プーチンは強行突入を選択した。結果として、最終的な死者は500人を超えるだろうという悲劇になった。
しかし、他にほとんど手段はなかったといえる。
今回の事件はチェチェンに対するロシア軍の介入が背景にあり、テロリストの要求も「チェチェンからのロシア軍撤退」ということにあった。
チェチェンへのロシア軍介入の是非を問われれば、私も否とこたえる。撤退すべきである。
しかし、だからといって、テロの要求に屈するべきではない(理由は以前のエントリにあるとおり)。

また、テロリスト側も、どうも真面目に交渉するつもりはなかったように思われる。
最初から人質を容赦なく殺害しているし、人質に水すら与えていない。
そうなれば、人質に子供が多く、体力的に劣ることを考えれば、数日が限度。しかし、このような交渉を成功させるつもりがあれば、そんな短期間で交渉が妥結するわけがないだろう。
大事な交渉道具である人質を粗末に扱うことは、テロリストへの批難を高め、強行突入への口実と支持を与えることになるから、これは“交渉戦術”としては疑問だ。

従って、今回のテロリストの目的は「プーチン政権を窮地においこむこと」にあったと推測される。
どう転んでも人質の大量死という結果を招くようにし、プーチン政権への批判を高めることに目的があったということだ。
つまり、学校への立て篭もりが成功した時点で、今回の悲劇的な結果は決まっていたということになる。
そうでないチャンスがあったとすれば、テロリストの事前準備(学校改修時に多くの武器を隠したという)の段階で阻止することだっただろう。

その意味で、プーチンはテロリストに術中にはまっている。
はまっているからこそ、同様の大量人質テロは、ロシアで今後も続くであろう。
そして、テロが続く限り、テロに屈したと思われる行動=チェチェン撤退をプーチンが決断することはできまい。

かつて、アフガニスタンは「ソ連にとってのヴェトナム」といわれたが、チェチェンは「ロシアにとってのイラク」ということになるだろう。

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Sep 03, 2004

安倍幹事長の反論

訪韓していた与党幹事長のうち、安倍幹事長が歴史問題で韓国に反論した。

これらの報道によれば、盧大統領が戦前の日本を肯定する動きを強く牽制したが、これに対して安倍氏は「日本が平和を守る勢力なのかどうかは日本の戦後史をみてもらえばわかるはずだ」と反論した。
また、「新しい歴史教科書をつくる会」の歴史教科書を東京都が採択したことを、「東京都がエリートを養成する学校で右翼団体がつくった教科書を採択したと聞き、大変憂慮している」と批判したのに対しては、「日本は政府が教科書検定を行うが、採択には関与しない。扶桑社の教科書は問題があるように誇大に宣伝されており、検定を経て穏当なものになっていると考えている」と反論したという。
ちなみに、朝日新聞では
となっており、だいぶニュアンスが異なるが、それでも、教科書問題で安倍が反論したという報道がされている。

訪韓して、相手の国にいるにもかかわらず、毅然と反論できる安倍は大したものだ。 やはり“昭和の妖怪”といわれた祖父・岸信介の血を感じずにはおれない。 幹事長を辞任するらしいが、是非、閣僚などの形で小泉政権にとどまってほしいものだ。

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Sep 02, 2004

浅間山噴火

 浅間山が噴火した。
 といっても、別に珍しいことではない。
 2003年2月~4月にも極小規模ながら噴火しているし、83年には爆発もしている。
 この機会にと、資料を調べてみた。
 すると、1783年の大噴火では、火砕流は吾妻川まで、火山泥流は前橋や高崎付近にまで達したという。
 これを、現在の地図と重ねてみると、空恐ろしい。
 日本は火山国だといわれるが、こうしたニュースがないと、なかなか実感しにくい。
 かつて、富士山のハザードマップの作成・公表が「観光イメージを損なう」として反対した地域があった(現在は中間報告版が公開済→内閣府:富士山の火災防災対策)。
 しかし、危機管理の要諦は最悪を想定することだ。日本にある多くの火山が、過去の大規模噴火と同等の噴火がおきた場合の対応を、行政も地域住民も考えているだろうか?

Posted at 09:50 in 社会 | WriteBacks () | Edit

Sep 01, 2004

高齢化社会と夫婦

 少々長くなるが、毎日新聞より全文引用する。
夫婦心中:
「ずっと一緒にいたかった」77歳と76歳

 東京都大田区の都営団地で6月、死後1週間とみられるお年寄り夫婦の遺体が発見された。夫(77)は、入所していた特別養護老人ホームから一時帰宅中だった。自宅で暮らす妻(76)と夫婦離ればなれの生活を送っていた。室内には便せんに「ずっと一緒にいたかった」と書かれた夫婦連名の遺書が残されていた。警視庁蒲田署は、睡眠薬などを服用した心中とみている。介護保険制度が始まって5年。介護サービスが充実しているはずの大都会で、悲劇は起きた。

 夫婦の遺体は6月28日午後3時ごろ、発見された。10日前から一時帰宅していた父親を大田区内のホームに送ろうと、区内に住む息子が都営団地1階の自宅を訪れた。ドアには内側からチェーンロックが掛かっていた。息子の通報で駆けつけた消防隊員がドアを開け、2人の遺体を発見した。夫は居間でうつぶせに倒れ、妻は寝室のベッドの上で死亡していた。外傷はなく、妻の体内からは睡眠薬が、夫からは殺虫剤が検出された。

 夫は以前から足が不自由で車椅子生活だった。身の回りの世話をしていた妻もぜんそくなどの持病を抱え、年齢からも夫の介護が難しくなった。近所付き合いも少なく、2人で寄り添うように生きていた夫婦。夫は4月、ホームに入所する道を選んだ。妻は友人の女性(79)に「このままでは夫婦共倒れになってしまう。でも夫がホームに入ったので私1人になる。どうしよう。死にたい。ご飯を作る気もしない」と弱々しく漏らしていた。

 夫の入所後、妻は数日間の短期入所などで夫に会い続けた。ホームの職員は「2人で一緒にいたいね」と話す姿を見たが、妻は介護が必要なほどではなく入所が認められる可能性は少なかった。

 6月18日、夫が10日間の予定で一時帰宅した。20年以上暮らした団地で、久しぶりの水入らずの生活。2人は28日の別れを前に、ともに命を絶った。

 近所の人によると、夫婦は週1回、ホームヘルパーの訪問を受けていたという。区は、2人で生活したいという夫婦の願いを把握していたのか。区介護事業課は「希望してもホームに入所できない人はたくさんいる。夫から申請が出されていたから基本的には入所する意思があったと思う。適正に入所事務が行われたと認識している」と回答した。2人の生活ぶりなどについては「個人情報にかかわることなので答えられない」と繰り返した。

 息子は両親と国内旅行をするなど面倒をみてきたが、「何も答えられない」と話すだけだった。

 夫婦が暮らした団地は築30年以上。2DKの間取りの各室には、1人暮らしや「老々介護」の世帯が目立つ。団地の自治会長(80)は「高齢者が多いから、『姿が見えなくなったら連絡を取り合おう』と会合で話し合っている」と語った。

 警察庁の統計によると、03年の全国の自殺者(3万4427人)のうち、60歳以上は1万1529人(33.5%)を占る。98年に初めて1万人を突破した後は、ずっと1万人台で推移している。【斎藤良太】

毎日新聞 2004年8月31日 15時00分
 実際、区に落ち度があったとは思わない。
 高齢社会であり、また、需要に対して供給が圧倒的に不足している現在、個々の事情を斟酌して扱いに差をつけることは困難であり、余計に混乱を増大させる危険性が高い。

 だが、この記事を読んだ時、私は泣いた。
 悲劇でもある。尊くもある。
 わが身に置き換えた時、そこまで愛を貫けるのか、貫いてもらえるのか……

 先ほど、区に落ち度があったとは思わない、といったが、それがあくまで現在の制度下においてである。許認可でがんじがらめになった行政をどうにかしないと、この国は滅んでしまう。
 それを実感させられる事件でもあった。

Posted at 09:39 in 社会 | WriteBacks () | Edit



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