Jul 31, 2004
選挙にみる小泉改革
さて、参院選挙の投票率を見てみよう。
04年 56.57%
01年 56.44%
98年 58.84%
今回も過去4番目の低水準 となった。
従来、低投票率であれば、組織票をもっている党が強いといわれていた。
例えば、創価学会という強力な母体をもつ(逆にそれ以外からはほとんど支持されていないのだが)公明党は手堅く票をまとめている。
しかし、従来は組織票を誇っていた自民党が強さを発揮できていない。
自民党の議員は政権与党であることを存分に利用する。
まず、公共事業の予算をできるだけ多く確保する。
その公共事業を、地元にできるだけ多く予算分配するように活動する。
そして、確保した予算=仕事を、支援企業に割り振って、金を地元におとす。そして、必要な許認可(これがまた膨大な数があり、とてもまともに許認可を待っていては、いつまでたっても仕事が前進できないようなものだ)を与える。
支援企業は、仕事がもらえる見返りとして、人・モノ・金を、その議員に対して援助する。
これが地域利益誘導型の政治手法である。
需要と供給がマッチングした実に見事なシステムといえるだろう(もっとも、これは都市には摘要できない。自民党が都市部に弱いのは、そのためでもある)。
だが、このシステムは崩壊しつつあるのだ。
一つは長引く景気低迷で予算が圧迫され、十分な予算を各地元に巻くことができなくなったこと。
そして、もう一つは、他ならぬ小泉改革のためである。
小泉改革は、規制緩和を進行させ、今まで議員に頼る必要があった許認可を廃止、緩和している。
さらに、地方から国家へ税金を吸い上げ、それを国家から地方へと再分配するスタイルをやめようとしている。
そして、自民党議員の支援企業の多くが建設業であるのに対し、予算の使い方を変えて、彼らが関係のないような分野(IT、科学技術など)に、より多くの投資をしようとしている。
このどれもが、地域利益誘導型システムにおける国会議員が“力の源泉”としていたものを弱めるようなものでしかない。
つまり、組織票の力が発揮できなかった今回の自民党の姿は、小泉改革が進展し、実際に効果をあげていることを示すものだったのである。
Jul 30, 2004
参院選の結果の読み方
遅ればせながら、参議院選挙の結果の分析なぞ。
まず、今回の結果をもう一度まとめ。
自民 49 (-1)
公明 11 (+1)
民主 50 (+12)
共産 4 (-11)
社民 2 (±0)
マスコミに一般には「自民敗北、民主躍進」として報道されている内容だ。
しかし、これを前回選挙である2001年と今回の改選である1998年の選挙結果と一緒にしてみよう
| 政党名 | 04年 | 01年 | 98年 |
| 自民 | 49 | 65 | 46 |
| 公明 | 11 | 13 | 9 |
| 保守 | -- | 1 | -- |
| 民主 | 50 | 26 | 27 |
| 自由 | -- | 6 | 6 |
| 共産 | 4 | 5 | 15 |
| 社民 | 2 | 3 | 5 |
| 無所 | 5 | 2 | 18 |
今回、自民党の改選前議席として示された「50」というのは、実は選挙結果ではない。政界再編といわれた政党の烏合離散の中で、旧自由党→保守党の参議院議員が合流しているために選挙のあとに増えた数字である。
98年の選挙では46議席しか獲得していないので、選挙同士で比べれば「+3」だったのだ。ただし、98年の参院選は景気の悪化と政界再編の余波で自民党が大きく議席を減らし、橋本総理(当時)が退陣するに至った「大敗北選挙」であったから、これより伸びているのは当然だろう。
一方の民主党も、同じ理由で議席が選挙結果より大きく増えている。単純に増減からいえば、共産党から丸々かっぱいだようにみえるが、選挙結果からすると倍近い増加ぶりで、共産党だけでなく、旧自由党基盤を順調に取り込んだ上で、無所属・諸派に流れていた票もがっちりとまとめたということになろう。
01年の選挙と比較してみると、自民党は大きく票を減らし、やはり民主党は大きく票を伸ばしている(そして、共産党はこの時にはすでに没落している)。
このことからも、「民主党勝利」という報道は間違っていないし、55年体制時の旧社会党に匹敵する大政党になったといえよう。
さて、ここからが考察だ。
自民党は01年は「大勝」であった。小泉ブームがあったからである。だから、ここから減っているのはやむをえない。
しかし、逆にいえば、自民党の“実力”は50議席前後で、あとは何かしらの“風”を得ないと上積が難しくなっているということだ。
民主党は、まだ実力が50議席になったとは思わないほうがよい。
このところの参議院選挙では、「10~15」議席が“浮動票”となっていると思われるからだ。
98年には批判票の形で共産党に入っていた票。
01年には小泉ブームで自民党が“上積み”した票。
それが今回、批判票の形で民主党に入ったと考えると、獲得議席数の“増減”が説明できてしまう。
つまり、民主党が“役立たず”と有権者に思われれば、民主党の次回の獲得議席は35~40議席程度になり、違う政党に議席を与えることになるだろう。
まとめると、自民党は98年の選挙よりは勝ち(=議席を伸ばし)、ほぼ改選議席を守った。これにより「自民党は負けなかった」と評価できる。
一方、「民主党は勝った」が、それは浮動票の取込によるもので、「まだ民主党の実力にはなっていない」と評価できよう。
民主党は、かつて、“マドンナブーム”と“おたかさんブーム”で89年の参院選挙で46議席を獲得した旧社会党が、今や社民党として2議席しか獲得できていないことを、他山の石とせなばなるまい。
Jul 29, 2004
ブッシュを応援しよう
共和党・ブッシュ VS 民主党・ケリーの対決となる米大統領選挙。日本は、ブッシュが勝利するように最大限の支援をすべきである。
理由は単純である。その方が日本の国益にかなうからだ。
日本人にとっては意外なことかもしれないが、米国ではアジア政策のパートナーを中国とすべきであるという勢力が根強い。
中国は国連常任理事国であり、戦略核を保有。北朝鮮やチベットは極端にしても周辺諸国に政治・軍事的影響力をもち、華僑を通じてアジア経済にも影響力をもつ。立派な“大国”であり、この“アジアの盟主”こそ、米が手を結ぶのに最も適した相手というわけだ。
この考え方は、米ではなにも特別なものではなく、政治的には民主党がそうした政策をとりがちである。その証左として、クリントン大統領の対アジア政策があげられるだろう。彼は、明確に中国との戦略的パートナーシップを打ち出していた。
これに対して、日本こそアジアのパートナーであるとする勢力ももちろんある。戦前からの列強であり、同じ自由主義陣営にして経済大国である日本こそ米のパートナーたるべきだというわけだ。
この考え方は、日米安保を基軸としていることもあって、軍部や共和党に比較的多い。
こちらの証左としては、ロン・ヤスのレーガン大統領や、現ブッシュ大統領を見れば明らかだろう。
米にとって、どちらの政策が有利であるのかは、彼らが考えるべきことであり、ここでは問わない。
ただ、日本にとって、対中国を重視する民主党と、戦後、最良といわれる日米関係を出現させたブッシュ。どちらが日本にとって国益にかなうかは一目瞭然であろう。
だから、日本政府はできうる限り最大限、ブッシュ再選を支援すべきなのだ。
Jul 28, 2004
BlosxomでBlog以外のことをする
C-WWWの深沢さんが、Blosxomを改造した小説投稿用スクリプトを開発されており、Beta版が公開されました。
一般にBlosxomはBlogツールとして認識されていますが、その本体は非常にシンプルなつくりで、テキストファイルをエントリ化するだけの機能です。なので、このようにBlogツール以外にも色々と応用がきく筈です。
深沢さんは他にも、Blosxomによる掲示板も開発・運用されており、Blosxomのもつ可能性を引き出してくれています。
こうした使用方法が、今度は増えていくと面白いですね。
Jul 27, 2004
理念なき野球界
プロ野球界が揺れている。
近鉄の経営危機と、その回避策としてのオリックスとの統合からはじまって、1リーグ制への移行という話がでてきている。
状況証拠からすると、去年の契約更改頃からシナリオができていたように思えるが、それはともかく。
この騒動では巨人軍オーナー・渡辺恒雄氏が悪役となっているが、本質的問題はそこではない。
よく比較されるJリーグをここでも俎上に載せてみよう。
Jリーグ発足当時の川淵チェアマンは、読売クラブオーナーだった渡辺氏と議論を戦わせ、自分の意見を押し通すくらいの強引さをもち、あるいは日本人有力選手は海外に流出。Jリーグそのものも強いチーム、弱いチームが固定されている。
こうしてあげてみると、渡辺氏とあまり変わらないことをやっているとも見えるだろう。
であるのに、この“好感度”の違いはどこからくるのか。
ファンに対して“うける”ことをやっているかどうかという違いはあるが、それは表面的なことで、本質的には“理念”があるかどうかが決定的な違いであろう。
川渕氏は明確だ。
「日本代表チームをワールドカップで優勝させること」
Jリーグも、プロ化をしなければ代表チームが強くなれないという論法で設立している。
それに対し、渡辺氏には理念がない。8球団1リーグを唱えているが、それは手段であって目的ではない筈だ。8球団1リーグの目的は“野球の人気回復”“経営改善”“巨人の立場を守る”というようにしか、ファンには理解されていないのではないだろうか?
これではファンに総スカンをくうのは当然だし、そもそも理念ですらない、ただの場当たり的な短期目標、戦術目標にすぎない。
もし、渡辺氏が、「プロ野球を大リーグに勝るリーグにする」という理念をうちだし、そのための手段として「プレイの質を高めるために少数精鋭=8球団1リーグにする」というように明確に示していたら、どうだっただろうか。
もちろん、反対意見は多かっただろうが、少なくとも賛成意見はずっと大きくなっていたに違いない。議論も「理念には賛成」「手段をどうしたらいいか」というようになっていただろう。
理念をわすれたプロ野球界は、このままでは衰退するだけだろう。
そして、日本プロ野球黄金時代の終わりが、この2004年だったと回顧されるのかもしれない。
追記
川淵キャプテン、ライバルのプロ野球界に辛口提言!(サンケイスポーツ9月18日) というわけで、やはり、「理念の欠如」と「改革阻止の立場」を批難している。
